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山田節男君 今の
八木委員の質問に関連して更に質問をしたいと思うのですが、昨日
ちよつと
検査院長の
説明によると、先ほど
八木委員の言われた
会計検査院の外米買付に関する
調査の
費用を出すことを断わられたということを明言しておるわけであります。今
主計局次長の
お話を聞くと、
会計検査院の
予算を出せば外貨を割当ててやれるかも知れんというような御
説明なんですが、これ又先ほど
八木委員が言われたように一千三百名、一般
予算三億二千万円という極めて僅少な
予算であ
つて、我々
決算委員会としても、更に
決算能力を強化拡充しようという建前からい
つてもこの
予算じや賄えない。そこでこれは私は再三この本
委員会で述べたのですが、私は昨年の正月にビルマ、それからラングーン、それからタイ、それからジャカルタへ参りました。今年又タイへ行
つて、それからマニラへ参りました。それで外米の買付け
状況は、私専門に行
つたわけじやありませんが、いろいろ公使館、大使館、それから商社、それから普通の
現地の人々の華僑などの話を聞いてみると、どうも日本の外米の買付けの制度が悪いのじやないかということが非常に言われたということは、何でも安いものを買いさえすればいい。これは今
見えているビルマのウ・チヨウ・ニエン工業
大臣ともつい一週間ほど前我々懇談会の席上でこういう話をしたところが、安いものを買えばこれは家畜が食べるもので、そういう格外のものを買うから
黄変米というか、イエロウ・ライスというものが入
つて来るのだ。要するにこれは
政府が買付けを統制するところにある。安いものを買えばいいという
政府の命令だから、商社は安いものを買付ければ規定量のコミツシヨンをもらうんだから、向うの
政府としては、この責任を回避するんじやないけれ
ども、日本の
政府の買付け制度に欠陥があるんじやないか、こういうことを
言つておる。これは
現地で私の聞いた話からしても、非常に責任のある
大臣が言うことで、私はその点符節を合する点があると思う。そこで私は本
委員会にもそういう
関係で再三
食糧庁の者にも質問し、
意見を述べ、
会計検査院にも
意見を述べ、そうした結果、どうしてもこれは何か
現地での買付け制度に欠陥があるんじやないか、殊にそれは私の申上げたところは根本的の欠陥だろうと思いますか、併し商社対
現地の
政府、或いは米の買付者、そういう
関係、それから商社と
政府の
関係、こういうようなことはどうしても
現地へ行かないとわからない。だから本
委員会としてもそういうようなことをいろいろ論議された結果、第十九
国会において
会計検査院を派遣すべしと、こういう
決議をした、並びに
決算委員の或る一部の人もお願いして、そうしてこの
現地に行く、これは
会計検査と同時に政治的なジェスチュアとしても大きな意義がある。こういう意味で本
委員会においてはそういう二つの件についての
決議がすでになされておるわけです。同時に私は今の正
示主計局次長の話を聞くと、
大蔵省自体が
予算の執行というものに対して責任を余り痛感しないというところなんです。要するに
決算ということに対する責任といいますか、評価が、今日の
国会或いは日本人の通弊として、そうい
つたような
決算を重要視しないという欠点が、今
大蔵省の側にもあるんじやないかということを疑わしめるような御
意見で、私は非常に遺憾に思う。先ほど来いろいろ御返答がありましたが、この問題については少くとも
国会がそう
いう
決議をして、どうしてもこれは何とかしなくちやいけない、二十六年度のタイの砕米、二十七年度の
黄変米の
審議の過程を見ても、これは何百億という損害をかけ、
国損なんです。それを防止するのは一刻も忽せにすることはできないというこれは全会一致の
意見があ
つたのです。そういうことになれば、今の二百六十数万円の金を、これを惜しんで、そうしてそういう緊急な、日本として宿命的な外米購入ということに対してのメスを入れることを許さないということは、これは
大蔵省としては、
国会がそういう意思表示をしているにもかかわらず、行政官庁である
大蔵省がこれを許さないということは、これは政治的責任において十分
国会がこれに対して難詰する権利があると思う。そういう見地から二百六十万の金を以て若し今日の年々もう数百億という金を
無駄にするということについては、これは私は
国会、殊に
決算委員会としては無視できないから、意余
つてこういう
決議をしておる。この点私は十分認識してもらいたい。これは私はたびたび
委員会で申上げておるけれ
ども、幸い
主計局次長その他
主計官見えておられるから、私は
はつきり申上げますけれ
ども、あのアメリカの民主
国会が如何に
決算を重視するかということです。あのアメリカ大使館の横にある職員のためのアパートが二つできておる。ペリー・ハウスとハリス・ハウスというのがあります。これは非常に莫大な
費用を使
つたということで、今年の四月の上旬ですか、向うから上院、下院の
決算委員が三名参りました。
会計検査院が二名
見えて、三週間滞在して、あの壁の一部をこわし、洗面所の一部をはがすというようなきつい
会計検査を
国会決算委員と
会計検査院が来てや
つております。現に友人のあれを設計し監督したレイモンド、これのごときは約十日間詰めきりで
調査されたという話があります。
こういうやり方を見ても、日本の
国会が
決算を忽せにするということを、この
委員会においてはこれを是正しようという非常に熱心な各
委員の御
意見、私はこの
意見は大いに尊重しなければならない。
大蔵省としても
決算を無視するかのごとき、又悪く解すればその背後に何物かの政治的な
一つの腐敗堕落というものをカバーしているのではないかということを疑わしめることがあることは、我々
国会議員として
国会として遺憾なんですから、先ほど来
八木委員からの御質問に対する御答弁を聞いておると、どうも私はその点に対して
決算というものに対する熱意がないのじやないか、今日では司法権と
会計検査院のみ……、我々は
政府の頽廃による財政の実に綱紀頽廃したものに対してメスを入れるのはこの二つしかない。然らば
会計検査院に対して僅かに三百万足らずの
予備費を出して、速急に事実を調べさせるということは、これは非常に私はやはり有意義だと思う。各
委員もそういうふうに認識されて、全会一致されておるのですから、このことは私は重ねて個人としても、私は本
委員会全員として申上げてもいいと思いますが、これだけの熱意と、それから今までの経過を以て
会計検査院を鞭撻している以上は、どうしても
大蔵省はその意を汲んで頂きたい。そして一時も早くこれを実現せしめて、この非常な不幸な事態を再び繰返さないように措置するように私は努力願いたい。