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1954-09-03 第19回国会 参議院 決算委員会 閉会後第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年九月三日(金曜日)    午前十一時八分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     小林 亦治君    理事            青柳 秀夫君            谷口弥三郎君            島村 軍次君            岡  三郎君            八木 幸吉君    委員            雨森 常夫君            石川 榮一君            木村 守江君            剱木 亨弘君            高野 一夫君            田中 啓一君            宮田 重文君            奥 むめお君            大倉 精一君            木下 源吾君            久保  等君            永岡 光治君            東   隆君            山田 節男君            深川タマヱ君            千田  正君            鈴木 強平君   説明員    内閣官房長官  福永 健司君    大蔵省主計局次    長       正示啓次郎君    大蔵省主計局司    計課長     柳沢 英蔵君    大蔵省管財局長 窪谷 直光君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○本委員会の運営に関する件 ○昭和二十七年度一般会計歳入歳出決  算(内閣提出) ○昭和二十七年度特別会計歳入歳出決  算(内閣提出) ○昭和二十七年度政府関係機関決算報  告書内閣提出) ○国家財政の経理及び国有財産管理  に関する調査の件  (予備費使用方針及び使用状況に  関する件)  (長野県下の銀塊持出し事件)   —————————————
  2. 小林亦治

    委員長小林亦治君) これより第五回決算委員会開会いたします。  本日予定しておりました黄変米に関する決議に関し、当局意見を求むる予定になつておりましたが、要求大臣緒方総理草葉厚生保利農林愛知通産、いずれも四大臣閣議のために出席できない。できがたいという申出がございましたので、これら大臣に対するところの意見の聴取は、四大臣都合次第、本日の午後或いは明日の日程に載せたい、こういうように考えます。  それから二十七年度決算並びに二十九年度予備費使用状況、これに関してはやはり大蔵大臣都合が悪い、政務次官でというような向うの御回答でありましたので、一応それでも結構である。若し政務次官で各委員が満足しない場合は、改めて大蔵大臣に来てもらう、それを含んでもらいたいという申入れをしてありますので、間もなく大蔵政務次官見えますから、政務次官に関して先ず御質疑を願いたいと存じます。  それから本日の委員長及び理事打合会で、終戦当時に軍需省が所管しておつた銀塊棒を、米軍日本政府に通告することなく、無論その承認もなきにかかわらず持ち去つた。而もその量が大量であり、長野県下の場合は十五トンと言われる。千葉県下の場合は、新聞で御案内の通り、これは莫大もない数量になつているので、当然これは衆議院で申しますれば決算委員会或いは行政監察委員会、いずれでも所管事項だと思うのでありますが、当院のほうには行政監察がございませんので、決算委員会専管ということになつておりますので、決算委員会で是非その状況を調べてもらいたい。差し当り大蔵省に対して公簿にそれが載つているかどうか、載つているとすればその処分状況がどうなつているか、行方の追及については明らかにしてあるかどうかということを聞きたいと存じまして、委員長及び理事打合会を先ほど開きました結果、取上げるということに決定したのであります。その理事会決定通り銀塊等行方に関する調査、これを本委員会に取上げることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 御異議ないと認めます。  なお、ただ当委員会として覚悟しなくちやならんことは、巷間いろいろ私どもは聞き及ぶことなんですが、長野とか或いは千葉のみならず、この各方面に類似のものが頻々と出て来るのじやないかと思うのでありますが、そういうときには委員会開会のときにたまたま問題にするということでなしに、或いは衆議院行監委が活動したように連日これは力を入れなきやならないような状態になるかも知れませんので、その場合は本月の末なり或いは大蔵大臣調査を命じて置いて、早急にその調査の完了したところで継続して委員会を開きたいと思いますから、これも念のため御了承置き願いたいと存じます。  間もなく政務次官見えますが、我我の聞かんとするところの主題は、先般委員会で大体申上げましたように今年度の予備費使用状況でございますから、お気付の点はどんな角度からでも結構ですから予備費の現在額、その使用がどうなつておるか、又極く最近に使用を予定してあるものは何であるか、そういうことについて腹蔵のない御意見を述べられて当局意向を質して頂きたいと存じます。  ちよつと速記をやめて。    〔速記中止
  4. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 速記起して下さい。  大蔵大臣のほうからは閣議が済んだ後に国連経済局長、それから更に世界経済調査団、これらの会議を持つのでどうしても今日は都合が悪い、そういう回答なんであります。それから副総理からは、千田さんの申さるるにかかわらず、閣議終了後は如何ですかということを問い質したところが、理由ははつきり言わないで、ともかく出られないというような回答なんだそうであります。この黄変米に関する決議に対しては四日までに文書を以て回答する、こういう返事が参つております。  それから大蔵省のほうからは間もなく政務次官がお見えになりますが、その前に正示主計局次長、司計課長主計官、これらの方々見えておりますので、どうぞ御意見おありの方は二十九年度予備費使用状況或いは二十七年度一般会計決算に関する御質疑を願いたいと存じます。
  5. 千田正

    千田正君 大蔵省方々にお尋ねする前に、私は今の委員長の報告の中に、政府側黄変米参議院決算委員会決議に対しては文書を以て答えるということを私、ほかの方は知りませんが、決算委員の一人として、そういうことは、我々は、単に文書を以て答えられるということだけで以て決算委員会への返答であるということには私は承諾するわけには参りません。そういうことは閉会中といえども事国民生活に重大なる影響を及ぼすところのこの問題について、数日を費して我々は論議をして、而も慎重審議の結果ああした決議文を我々は政府に向つて要請してあるのでありまして、単に一片文書を以て我々に返答するということは政府のいわゆる誠意がないということを我々は認めざるを得ないのであります。当然これを担当するところの官庁の大臣政府立場から説明し、或いは我々に対して納得の行くような彼らとしての答弁をするのは当然であると我々は思うのです。これは一片文書によつて決算委員会に対しての答えに対しては、私は決算委員の一人として飽くまで不服であります。でありますから是非とも担当大臣納得の行くような説明を本委員会においてされんことを要望いたしまして、委員長から更に出席要求して頂きたいと思います。    〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  6. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 千田君の御意見も体してもう一遍なお明日まで時間がございますから、強硬に要求申出ることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 小林亦治

    委員長小林亦治君) それじや委員長におきましてさよう取計います。
  8. 永岡光治

    永岡光治君 同時に大蔵大臣閣議終了後、今のお話では二、三要件があつて出られんというお話ですが、明日の問題については何ら言明をされておりませんが、明日出るのか出れないのか、明確に確約を取つてほしいと思うのですが、その件も併せて強硬に申入れをして頂きたいと思います。
  9. 小林亦治

    委員長小林亦治君) わかりました。本委員会開会時間中にその点は明らかにします。
  10. 八木幸吉

    八木幸吉君 今の黄変米決議に対する政府回答の問題ですが、担当大臣のみならず、政府全体の意向を聞きたいという意味で、是非今明日中に緒方総理が当委員会に出て政府の見解を政府を代表して明らかにせられんことを強く要望いたします。
  11. 小林亦治

    委員長小林亦治君) わかりました。  それでは主計局次長がお見えですから、政務次官見えになるまで、二十九年度の予備蜀使用状況、それを大体のところ今御説明願つておきましよう。
  12. 正示啓次郎

    説明員(正示啓次郎君) それでは二十九年度の一般会計予備費使用状況につきまして簡単に御説明を申上げます。  御承知のように二十九年度の予備費予算額は、政府の当初提出しました予算におきましては百三十億でございましたのですが、三党の共同修正の結果五十億円を減ぜられまして、これが歳出の財源に充てられたのであります。従いまして参議院において自然成立をいたしました予算額における予備費現額は八十億でございます。このうちから九月二日、昨日現在でございますが、使用済の額は八億八千二百二十九万六千円ということになつております。従つて差引残額は七十一億千七百七十万四千円、こういうことに相成つておる次第でございます。  この使用の主なものにつきまして御説明を申上げますが、御承知のように国会開会中の予備費につきましては、先般の当委員会におきましてもいろいろ有益な御意見を拝聴いたしまして、その後委員会の御意見を参酌いたしまして、政府におきましては国会開会中の予備費使用につきまして方針を一定をいたした次第であります。この方針に基きまして使用をいたしておるわけでございますが、先ず第一のカテゴリーといたしまして、法令又は国庫債務負担行為により支出義務が発生した経費という範疇に属するものといたしましては、文部省所管における災害による学校給食用小麦粉等損失補償費補助に必要な経費、これが四百七十五万九千円支出になつております。それから第二の範疇といたしまして、災害に起因して、災害に基いて必要を生じた諸経費、その他予備費使用によらなければ時間的に対処しがたいと認められる緊急な経費という分類のものといたしまして、総理府所管国家地方警察官署庁舎火災復旧に必要な経費、これが四百十七万四千円出ておるのであります。同じく法務省所管におきまして青森地方法務局今別庁舎、その他火災復旧費百八十四万五千円が支出されております。次に同じ分類に属しまして、文部省所管放射能被害漁船等買取費が二千百万円、急性放射能症医療対策経費が一千百万円、合せまして三千二百万円支出に相成つております。なお又同じく放射能関係経費でございますが、厚生省所管におきまして放射能被害調査検査等経費が一千百万円支出になつております。それから同じ部類でございますが、事柄が違つておりますが、農林省所管におきましてアラフラ海の白蝶貝等採取漁業指導取締経費が一千百一万五千円支出になつております。それからこれは先ほどの放射能関係と同じ部類でございます。農林省所管におきましてビキニ水爆実験海域漁場調査、これが一千四百四十一万円、の試験爆発に伴う被災漁業者応急対策経費が二千百二十万円、農林省所管は合せまして四千九百六十二万五千円となつております。それから同じ部類労働省所管経費でありますが、労働本省庁舎災害復旧に必要な経費として九十九万二千円出ております。この第二の部類に属しまするいわば災害等に基きまする経費予備費使用によらなければ時間的に適切な処置が講ぜられない緊要な経費といたしまして各省所管合計が九千九百六十三万六千円に相成つております。  それから第三の部類といたしまして、その他比較的軽微と認められる経費という部類がございますが、この中におきましては文部省所管ユニセフ寄贈ミルクの配分のための経費一千七百五十九万七千円、それからこれはいろいろありましたが、同じく文部省所管でありますが、一九五四年レスリング・フリー・スタイル世界選手権大会補助費が四百五十万円、文部省所管で、合わせまして二千二百九万七千円支出になつております。同じくこの部類といたしまして運輸省所管帰還輸送費、これは御承知のように帰還輸送をするための船を傭い上げる経費でございますが、三百七十万五千円、この部類小計が二千五百八十万二千円でございます。以上が国会開会中でございますが、政府がかねて申上げましたような方針に合致するものとして支出をいたしました合計額が一億三千十九万七千円に上つております。  次に国会閉会中の使用といたしまして、やはり三つの分類にいたしております。一つは、法令又は国庫債務負担行為により支出義務が発生した経費、いわゆる背の観念の義務費的な経費でございますが、総理府所管におきまして、憲政功労年金の支給に必要な経費として百万円、農林省所管におきまして北太平洋漁業国際委員会分担金の支払といたしまして三百九十六万九千円、小計四百九十六万九千円でございます。  次に第二の部類といたしまして、災害に起因して必要を生じた経費、その他予備費使用によらなければ時間的に対処しがたいと認められる緊急な経費、これは厚生省所管農林省所管運輸省所管建設省所管に亘つておりますが、先ず厚生省所管におきましては、放射能被害調査検査の引続いての経費が二百九十二万九千円という支出に相成つております。又農林省所管におきましては北海道等暴風雨農業災害復旧心要経費七千三十万六千円に相成つております。それから米国の試験爆発に伴う被災漁業者応急対策等の一部といたしまして七百八十九万一千円支出に相成つております。それから同じく農林省所管農業用施設等災害復旧事業費千九百四十九万一千円、それから漁業施設災害復旧事業費として八百二十一万五千円、農林省所管の計が一億五百九十万六千円に相成つております。運輸省所管におきましては厳原通信所庁舎その他火災復旧費九百六十八万八千円、港湾作業船災害復旧費等千九百十万四千円、同じく港湾災害復旧事業費四千五百二十一万五千円、計七千四百万七千円の支出に相成つております。建設省所管におきましては水防資材緊急整備費一億三百二十九万円、河川等及び住宅施設災害復旧事業費といたしまして四億三千十六万八千円、その計が五億三千二百四十五万八千円と相成つております。以上第二の部類各省所管合計は七億一千五百三十万四千円に上つております。それから第三の部類といたしまして、いわゆる比較的軽微と認められる経費でございますが、これは運輸省所管におきまして、先ほど申しました帰還輸送費続きの分といたしまして三百七十万五千円、同じくその続きが二千八百十二万一千円、計で三千百八十二万六千円となつております。以上国会閉会中の支出額合計が七億五千二百九万九千円でございまして、先ほど申上げました開会中の使用合計が一億三千十九万七千円でございまして、この二つを合わせましたものが、先ほど申上げました支出額合計に相成つている次第であります。  以上簡単でございますが、申上げる次第でございまして、これはまだ刷物にいたしておりませんので、口頭で申上げまして誠に失礼でございましたが、いずれ刷物にいたしましてお廻しすることにいたします。
  13. 八木幸吉

    八木幸吉君 黄変米病原菌検査に関する費用というものは予備費から一文も出ておりませんですか。
  14. 正示啓次郎

    説明員(正示啓次郎君) 御質問の黄変米或いは病変米調査研究、その他検査経費でございますが、これは只今厚生省、それから会計検査院、それから農林省の三当局がそれぞれの立場におきまして検査とか或いは調査とか、現地の実地の調査をいたしたいという御要求があるのであります。ところが私のほうでそれぞれの省のお話を伺つておりますと、相当重複したような御計画に相成つておりまするので、予備費使用一般方針といたしまして、先ほど来申上げました通りに、これは厳に緊急止むを得ないものに限定いたさざるを得ない。私ども立場といたしまして、この三当局の御計画について十分内容を伺いまして、相互の重複等がないように、無駄のないようにいたしたいという気持を以ちまして御相談を申上げておるのであります。で只今のところまだ十分の結論に達しませんものでございますから、支出の手続をいたしておりませんが、事柄の非常に重要なことはよく承知いたしておりまするので、昨日も関係当局に督促をいたしております。十分お話合いをして頂きまして、例えばこの食糧管理の間接的な管理経費というものは、御承知通り食糧管理特別会計というのがございます。これはやはり食糧管理特別会計で支弁すべきものというふうな考えを持つておるわけでございます。従つて一般会計特別会計との間の区分という問題もあるわけでございまするのでそれらの点につきましても只今関係当局において御相談を願つておる次第でございます。間もなく結論を得まして出したい、かように考えております。
  15. 八木幸吉

    八木幸吉君 農林厚生、その他病変米関係する各省からの予備費請求総額幾らでございますか。
  16. 正示啓次郎

    説明員(正示啓次郎君) たしか検査院は二百五、六十万円でございましたと思いますが、厚生省が約一億近い御要求があつたように思います。そのうちに只今申上げたように、どうも食糧管理特別会計で負担するか、或いは農林省のほうから、例えば現地に参ります場合にも農林省の人も一緒に行くようなお話もございますので、そうしますとこれは特別会計でなくとも、農林省所管で出すべきものかと思われるようなものも入つておるのであります。で実は農林省のほうの金額がまだはつきりいたしておりません。それを只今のところ確かめるように努めておる次第でございます。
  17. 八木幸吉

    八木幸吉君 この間うちからこの決算委員会病変米の問題についての審議を進めて、取りあえず配給は、科学的の検査の結果が出るまで中止しようという決議をしたわけでありますが、その検査方法等につきまして調べたところによりますと、先ず六百トンを一つのブロックとして、その中から一握りの米を取つてそして検査をする。言葉を換えて言えば、四トン積みのトラックに十五合目の米の中から、掌に入るか入らんくらいの、一勺か二勺の米を取つてそして検査をして、それで病変米が一体何%くらい入つておるかということを検査しているわけです。でそれをとるために、厚生省駐在員を各地に派遣している人間が僅かに十一人、で私どもも昨日か一昨日、新聞ちよつと見たのですが、横浜に入つた五千トンくらいの米の中から三百何粒かなんかとつて、そのうちで三十何粒黴菌があつたから、これは何%といつたようなサンプリング……、もう一遍はつきり言いますが、一月二十七日にフランスの船のメコン号というのが横浜に入つて、インドシナの米の五千トンのうちで三百粒を取つて検査した。その中でイスランジア病原菌が入つた米が三十七粒あつた。そこで病変菌のパーセンテージが一二・四%である。こう八月十七日の朝日新聞に書いてあります。五千トンの中から三十七粒の米に病変菌があるから、配給するとかせんとかいう問題をきめる。こういうこと覚ますと、一体たまたまぶつかつたやつが病変菌があるから配給されないほうは安心だけれども、非常にいいところを取つたら、病変米配給されてしまつたかも知れん。で今御承知通り厚生省が不適格品として配給中止を命じておるのが十一万四千トンあつたけれども、三万三千トンは配給されちやつて、八方一千トンだけ残つている。非常に大きなこれは国民の関心を寄せている問題でもありますし、我我素人でわかりませんけれども、恐らく病変菌というものは、日をたてばたつほど減りつこはない。殖えるにきまつている。それに、いや会計区分がこうこかこうとか言つて、一億円の予備費もまだ出すとも……、かれこれ言つておられるということは、国損全体の上からいつて私は非常な怠慢じやないかと思います。この後若し八万トンの米が不適格で、三十数億出して買つた米が不適格なら、何億ということ……、何億どころか何十億の損になろうと思うので、予備費支出を厳正にされるということは、これは国民として非常に結構なことですけれども事柄によりけりで、私は黄変米検査費用厚生省その他が要求しておられるのを未だに決定を一体大蔵省がされんというようなことは、非常に僕は怠慢じやないかと思います。国会閉会中であるから予備費に慎重になさるのは結構であるけれども黄変米病原菌の問題が如何に国民生活に重大な関係があるかをお考えになつて、もう少し早く且つ積極的におやりにならんことを、この際私は要望しておきたいと思います。
  18. 正示啓次郎

    説明員(正示啓次郎君) ちよつと八木先生にお答えを申上げますが、この予備費事柄といたしまして、厚生省は、病変米調査というものが予算を編成した後に起つて来たから予備費を、先ほど申しましたように約一億を御要求に相成つたと思うのでありますが、おつしやるように検査経費はこれは既定経費に入つておるわけでございます。ただ既定経費に織込むときに事柄として織込んでないから飽くまで予算外として予備費要求を出しておるのでございまして、検査のほうは全然ストップしておるのではございませんで、既定経費をどんどん使つて検査しておるのであります。ただそれだけ踏み出るから、是非予備費で見てくれ、この中で既定経費でどうしてもできないのは、現地に参る外国旅費というものがないのであります。これは従いまして私ども先ほど御説明が少し足りなかつたかと思いますが、検査院も参りたい、農林省も参りたい、厚生省も参りたいと、こう言つておられまするので、現地においでになることは、これは必要最小限度のことはどうしてもいたさなければならんが、各省からばらばらに出て行くというようなことは、予備費使用が健全にしなければならん趣旨から言つても如何かということで、その辺のところは十分連絡を取つて無駄のないようなチームにして参るようなことを考えたい、こういうことを申上げたのであります。  そこで御心配のようにこの予備費が出ないので検査がストップしておるかということは、これは全然ございません。もう最大限度の能力を挙げて検査をいたしておるわけであります。ただその検査只今おつしやられましたように、誠に九牛の一毛に過ぎないのじやないか、もう少し徹底的にやらなければならんのじやないかというふうな議論は、実は政府の部内にもあるわけでございまして、そこまで参るときにこれを食糧管理特別会計相当程度にやはりやる責任があるのじやないかというふうなことが先ず問題になつて来ようかと存じます。併し横浜その他の港々に検疫官と同じように植物検査の者が行つておるわけであります。食糧検査官が行つておるわけです。その検査は夜を日についでやはり検査はいたしておりまして、国民の保健の上におきまして認められた予算の範囲内におきましてはフルに活躍いたしております。ただそれをもつと殖やさなければいかんじやないかという御議論は別におありになろうかと存じますが、今日のスタッフは最大限度の力を挙げて検査に従事いたしておることだけははつきり申上げて御了解を得たいと思います。
  19. 八木幸吉

    八木幸吉君 私は検査をしていない、ストップしているとは申しませんが、今申上げましたようなサンプリング次長のお言葉極めて九牛の一毛で、十一人の人が徹夜してやつたところでそれは知れたものなんです。私はもつと検査の機能を拡充して、私の希望から言えば大蔵省のほうからもつと金を使わんかというくらいの一つ馬力をかけてもらいたいということが希望一つ。それからこの病変米に関する費用が一体各省を通じて幾ら今まで使つたかということが伺いたいことの一つ。  それからもう一つ海外調査外国旅費の話がありましたが、昨日もここに会計検査院長が就任の挨拶にお述べになつたときに、この決算委員会としては現地に人を派遣したらいいだろうということは、山田委員を初め各位が熱心にこれは主張したところなんです。昨日会計検査院に伺つたら海外出張調査費として会計検査院が四人の人を三十五日の滞在日数で台湾、仏印、タイ、ビルマ、インドと、これだけに派遣したい、その金は二百六十四万六千円、こういう要求大蔵省にしたけれども大蔵省は認めなかつた、こういう話が昨日ありまして、そんなことでへこんでいちやいかんので、どうかもう一遍大蔵省に強く要求して早く出掛けるようにしてもらいたいということを我々言つたわけなんですが、病変米はこれは今度出たわけではなくして、二十六年度にも九千三百八十七トン、二十七年度には一万三千百六十七トンすでに発見されたものでも出ておるわけでありますから、私は各省が揃つてどうとかこうとかいつたような議論をしておるよりも、先ず要求のあつたところから直ちに予備費なり何なりお出しになつて、一日も早く現地へ人を出すということをもう少し迅速に一つつて頂きたいということを特にこの機会にお願いすると同時に、先ほど申上げました通り、今までに病変米に関する検査費用各省を通じて幾らお使いになつたかということを伺つてみたいと思います。
  20. 正示啓次郎

    説明員(正示啓次郎君) この既定予算の中から病変米関係幾らが使われたかという御質問につきましては、ちよつと取調べました上で資料としてお出ししたいと思います。おつしやいます通りに私どももこの禍を根源において防ぐということが一番大事かと思つておりまして、現地のほうに参りまして、この買付の場合にこういう病変菌の入つたものを買わないような方法があれば一番いいということは、我々もつとに考えておるのであります。そこでやはり一番の責任は農林省がそういう責任者でございますので、農林省にその対策はどういうふうにあるかということを聞きたいのであります。無論外貨にも余裕があつて、どんどん外国に人を出せれば何人でも出したいのでありますが、外貨も御承知通り状況でございますから、その辺を有効に出して行きたい。それには現地の収買の機構その他が非常にプリミティヴでございまして、これを何とか改善をする方法はないかというようなことが一つ問題になるわけでございますが、そういうところの見通しをつけまして、無論検査院はこれは独自の検査権を持つておるのでございますから、政府のやることに対して検査院としての機能を御発揮になることは、これは当然でございます。そこで検査院につきましては実は内国旅費を或る程度お割きになればまあ御出張もできるわけでございますが、そういうような方法もお考えつておるような次第であります。それともう一つはさつき申し上げたように現地の事情をできるだけ我々としても頭に入れまして、そうして一番肝心かなめのところはどういうふうにやればいいかという建設的な案ができることが非常に望ましい、こういうことでまあ農林省厚生省につきましてはそういう点を御調査つておるのであります。そうして一応或る程度の目安がつきまして、従来の実情はどうであつたか、今後の改善の方法はどうであるかというふうなことを、折角外貨を使つて参るのでありますから、目途をつけました上で出てもらいたい、こういう気持であります。併し検査院が非常にお急ぎでございますれば、内国旅費を外国旅費に一部流用してもお出で頂くようにということを申しておるのであります。これにつきましては検査院も踏切りがつかなかつたようでございますが、おつしやるようにこれは荏苒時目を空費すべきものでないことは御指摘の通りでございますから、先ほども申しましたように早急に関係当局間で具体的な計画を立てて頂き、その線に沿うて予備金の支出その他必要の措置をとりたい、かように存じております。資料の点につきましては取調べた上で提出いたします。
  21. 八木幸吉

    八木幸吉君 会計検査院の旅費は内国旅費を使つたらいいじやないかというお話が今ありましたけれども、我々は会計検査院の今の千九百名の人間じや少いし、予算も三億五千万円ぐらいじや少いと思う。この決算に現われました不当不正の事項が年々累加いたしておつて、二十七年度では千八百件にも及んでおる。こんなことじやいかんというので、二十六年の決算承認の際も我々は不承認の態度をとつたくらいでありまして、昨日もこの委員会の大多数の御意見は、会計検査院の機能なり予算を拡大強化するようにという熱心な意見の開陳があつたくらいであります。どうか一つ会計検査院に対してはさようなけちなことをおつしやらずに、さつさお金をお出しになつて一つ一日も早く出て行くようにお願いしたいと思います。  それから外貨の問題がお話がありましたが、MRAに各県の知事や市長が出て行つて、そうしてその費用は県会なり或いは何なりの金を使つたとか使わんとかいつた刑事問題まで起るようにほうそれで新聞に出ております。ああいつたような一体外貨は、それは知事や市長がMRAに出て行くのも悪いことじやないかも知れませんけれども、それに二百万円も三百万円も一県で使う金があれば、その金で我々は外貨を使うという意味からいえば、会計検査院一つ是非黄変米の問題に関連してでも出て行つてもらいたい。例えば今問題になつている近江絹糸の夏川さんがこの間外国を廻つて来た。又今度も争議の真最中に外国へ出て行くのだというようなことが新聞に出ましたが、一体ああいつたようなものに外貨の割当を、いろいろ審議会か何かでなさるのでしようが、ああいう人に外国へ行つて金を使つてもらうよりは会計検査院と、こう我々は思うのですが、一体行けるのを許すのはどこがおやりになるのか、参考のためにこの際承わつてみたいと思います。
  22. 正示啓次郎

    説明員(正示啓次郎君) これはおつしやる通りいろいろ外貨の使い方につきましては従来の惰性その他からもう少し引締めるべき余地があるということは私どもも実は痛切に感じておるのであります。これは御承知のように渡航審議会というものがございまして、外務省、通産省、それからうちのほうの為林局、そういうところが参りまして、一々審議会の審議を経ておるわけであります。従いまして相当今年は圧縮は図つております。ただ会社関係等でいわゆる特別の関係で、例えば貿易の取引関係からドルをもらうというふうなことがございまして、日本からのドルの持ち出しが非常に少いような旅行もあるやに聞いております。それらの具体的なことは私主管でございませんので存じませんが、機構といたしましては渡航審議会、ここで一々この人の旅行目的はどういうことであるか、それに必要なる外貨はどのくらいであるとかいうことを検討いたしまして、その上できめておるように承知いたしております。
  23. 八木幸吉

    八木幸吉君 私は何でも外貨の使い方を少くしろと言つているんじやないので、国家の要請から見て、最も有効な人に外国へ行つてもらいたい。現に学者でどつか国際会議で表彰されるというので招待状が来たけれども、外貨の割当がないし、闇ドルを買うのはいやだから行かない。ちよつと私、昨日も調べて見たけれども、名前が新聞に出て来ませんので私申上げられませんが、そういつた人もあるくらいであります。だから外貨をただ減らすということなら、官庁あたりでお使いになる自動車なんかでもまだまだ私は余地は幾らでもあるし、国費の節約は私は大賛成なんですけれども、要は限られた外貨を国家のために如何に有効に使うか、夏川氏が外国に行く金があれば会計検査院を出してもらいたい。手続は知りませんが、要は私の言うところはそれがポイントなんですから、その気持で台所を締めていらつしやる大蔵省の幹部としては十分その心がまえでおやり願いたいということを申上げまして、この問題については私の質問を終ります。
  24. 山田節男

    山田節男君 今の八木委員の質問に関連して更に質問をしたいと思うのですが、昨日ちよつと検査院長の説明によると、先ほど八木委員の言われた会計検査院の外米買付に関する調査費用を出すことを断わられたということを明言しておるわけであります。今主計局次長お話を聞くと、会計検査院予算を出せば外貨を割当ててやれるかも知れんというような御説明なんですが、これ又先ほど八木委員が言われたように一千三百名、一般予算三億二千万円という極めて僅少な予算であつて、我々決算委員会としても、更に決算能力を強化拡充しようという建前からいつてもこの予算じや賄えない。そこでこれは私は再三この本委員会で述べたのですが、私は昨年の正月にビルマ、それからラングーン、それからタイ、それからジャカルタへ参りました。今年又タイへ行つて、それからマニラへ参りました。それで外米の買付け状況は、私専門に行つたわけじやありませんが、いろいろ公使館、大使館、それから商社、それから普通の現地の人々の華僑などの話を聞いてみると、どうも日本の外米の買付けの制度が悪いのじやないかということが非常に言われたということは、何でも安いものを買いさえすればいい。これは今見えているビルマのウ・チヨウ・ニエン工業大臣ともつい一週間ほど前我々懇談会の席上でこういう話をしたところが、安いものを買えばこれは家畜が食べるもので、そういう格外のものを買うから黄変米というか、イエロウ・ライスというものが入つて来るのだ。要するにこれは政府が買付けを統制するところにある。安いものを買えばいいという政府の命令だから、商社は安いものを買付ければ規定量のコミツシヨンをもらうんだから、向うの政府としては、この責任を回避するんじやないけれども、日本の政府の買付け制度に欠陥があるんじやないか、こういうことを言つておる。これは現地で私の聞いた話からしても、非常に責任のある大臣が言うことで、私はその点符節を合する点があると思う。そこで私は本委員会にもそういう関係で再三食糧庁の者にも質問し、意見を述べ、会計検査院にも意見を述べ、そうした結果、どうしてもこれは何か現地での買付け制度に欠陥があるんじやないか、殊にそれは私の申上げたところは根本的の欠陥だろうと思いますか、併し商社対現地政府、或いは米の買付者、そういう関係、それから商社と政府関係、こういうようなことはどうしても現地へ行かないとわからない。だから本委員会としてもそういうようなことをいろいろ論議された結果、第十九国会において会計検査院を派遣すべしと、こういう決議をした、並びに決算委員の或る一部の人もお願いして、そうしてこの現地に行く、これは会計検査と同時に政治的なジェスチュアとしても大きな意義がある。こういう意味で本委員会においてはそういう二つの件についての決議がすでになされておるわけです。同時に私は今の正示主計局次長の話を聞くと、大蔵省自体が予算の執行というものに対して責任を余り痛感しないというところなんです。要するに決算ということに対する責任といいますか、評価が、今日の国会或いは日本人の通弊として、そういつたような決算を重要視しないという欠点が、今大蔵省の側にもあるんじやないかということを疑わしめるような御意見で、私は非常に遺憾に思う。先ほど来いろいろ御返答がありましたが、この問題については少くとも国会がそう  いう決議をして、どうしてもこれは何とかしなくちやいけない、二十六年度のタイの砕米、二十七年度の黄変米審議の過程を見ても、これは何百億という損害をかけ、国損なんです。それを防止するのは一刻も忽せにすることはできないというこれは全会一致の意見があつたのです。そういうことになれば、今の二百六十数万円の金を、これを惜しんで、そうしてそういう緊急な、日本として宿命的な外米購入ということに対してのメスを入れることを許さないということは、これは大蔵省としては、国会がそういう意思表示をしているにもかかわらず、行政官庁である大蔵省がこれを許さないということは、これは政治的責任において十分国会がこれに対して難詰する権利があると思う。そういう見地から二百六十万の金を以て若し今日の年々もう数百億という金を無駄にするということについては、これは私は国会、殊に決算委員会としては無視できないから、意余つてこういう決議をしておる。この点私は十分認識してもらいたい。これは私はたびたび委員会で申上げておるけれども、幸い主計局次長その他主計官見えておられるから、私ははつきり申上げますけれども、あのアメリカの民主国会が如何に決算を重視するかということです。あのアメリカ大使館の横にある職員のためのアパートが二つできておる。ペリー・ハウスとハリス・ハウスというのがあります。これは非常に莫大な費用を使つたということで、今年の四月の上旬ですか、向うから上院、下院の決算委員が三名参りました。会計検査院が二名見えて、三週間滞在して、あの壁の一部をこわし、洗面所の一部をはがすというようなきつい会計検査国会決算委員会計検査院が来てやつております。現に友人のあれを設計し監督したレイモンド、これのごときは約十日間詰めきりで調査されたという話があります。  こういうやり方を見ても、日本の国会決算を忽せにするということを、この委員会においてはこれを是正しようという非常に熱心な各委員の御意見、私はこの意見は大いに尊重しなければならない。大蔵省としても決算を無視するかのごとき、又悪く解すればその背後に何物かの政治的な一つの腐敗堕落というものをカバーしているのではないかということを疑わしめることがあることは、我々国会議員として国会として遺憾なんですから、先ほど来八木委員からの御質問に対する御答弁を聞いておると、どうも私はその点に対して決算というものに対する熱意がないのじやないか、今日では司法権と会計検査院のみ……、我々は政府の頽廃による財政の実に綱紀頽廃したものに対してメスを入れるのはこの二つしかない。然らば会計検査院に対して僅かに三百万足らずの予備費を出して、速急に事実を調べさせるということは、これは非常に私はやはり有意義だと思う。各委員もそういうふうに認識されて、全会一致されておるのですから、このことは私は重ねて個人としても、私は本委員会全員として申上げてもいいと思いますが、これだけの熱意と、それから今までの経過を以て会計検査院を鞭撻している以上は、どうしても大蔵省はその意を汲んで頂きたい。そして一時も早くこれを実現せしめて、この非常な不幸な事態を再び繰返さないように措置するように私は努力願いたい。
  25. 正示啓次郎

    説明員(正示啓次郎君) 大蔵省決算について非常にまあ熱意がないというような御趣旨でございますが、実は大蔵省は一番、やはり国民方々から税金を頂いております関係もございまして、決算については非常な責任を感じ、又検査院と一緒になりまして各省決算の中から不当なことが出るということを防止すべく、及ばずながらいろいろ努力をいたしておるのであります。その点は是非一つ御認識を頂きたいと思います。検査院につきましては、おつしやる通りなお機構とか人員とか相当もう少し拡充したらいいじやないかというふうな御議論もかなり拝聴いたしておるのでありますが、私どもとしては全体の行政機構の簡素化とか、人員の整理というような場合にも検査院だけは常に除外いたしまして、検査院の重要性ということは、まあ不十分ではございましようが、予算の上におきましても扱つて来ておるわけであります。今年は御承知のように予算の節約ということをやつたのでありますが、この際各省外国旅費等はやはり一割節減をいたした。併し検査院の旅費、内国旅費については無論節約はいたしておりません。そこで先ほど申上げたように、決して私どもは内国旅費を減らして外国旅費を出すということは言つておらないのであります。実体的にはそういうことも考えられ、あとで調整をいたして、全体の各省の、先ほど申上げた現地調査というような計画がきまつたときに一緒に予備金を出すということも考えられる、こういうことで多少手間取つたことは御了承頂きたい。併し結論といたしましては、今日主管の農林省が相当急いで案を出して来ておりまするし、私どもも荏苒日を空しくいたすようなことはございません。速急に措置をつけたい、こういうことを先ほど来申上げておりますので、只今のお言葉に対しましては速かに必要な措置を講じまして、外国への実地調査、その他必要な措置を講じたい、かように考えておるわけであります。繰返して申上げますが、決算につきましては、大蔵省はその財務当局としての立場上非常にこれを重要視いたしまして、できる限りの努力をいたしておるということは御了解を賜わりたい。
  26. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 大蔵省政務次官出席しようと思つて用意したんだそうですが、喘息の発作が出たために、出られない。従つて本日要求の各大臣は全部駄目ということになりましたが、先ほど千田委員の御要求通り黄変米に関する大臣のみならず、昨日以来要求した全大臣に対して強硬に本日の午後申入れをすることにしてありますので御了解願いたいと思います。なお折角主計局次長がお見えですが、一般問題をお聞きしてもこれはしようがないと思いますので、やはりテーマ通り予備費使用状況、こういうところに局限して御発言を願いたいと存じますが、なかんずく現在七十一億余予備費がなお現存しておる、こうおつしやるのですが、極く最近にこの予備費を使わなければならんというような予定がおありかどうか、そういう事情をお聞きしたい。
  27. 正示啓次郎

    説明員(正示啓次郎君) お答えを申上げますが、先ほど読み上げました通り六月、七月の災害の処置がまだ十分ではありませんので、これを速急につけなければならんものと存じますが、それから只今御指摘のような病変米等の経費も至急に関係各省と話をつけましてお出ししなければならんと思つております。そのほかには多少項目としては考えられるのでございますが、まだ予算が施行早々でございますので、或る程度予算を繰上げて使うというようなことによりまして措置できるものがございます。従つて予備費使用といたしましては、只今申上げたように災害関係経費と、それからこれは雑多なものでございますが、多少問題になつているのでございますが、そのうち既定経費の繰上げ等によつて処置できるものは処置して頂きたいとかように考えておりますので、今ここではつきり申上げられるような項目は災害関係病変米くらいのところかと考えます。
  28. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 総理の外遊が伝えられているのですが、これはどうですか、多分これは予備費だろうと私は想像してしるのです。もうすでに九月二十五日に出発というので、時間まで定まつているのですが、何かこれについて明確なあなたのほうで予定しているものがあるかどうか。
  29. 正示啓次郎

    説明員(正示啓次郎君) これはたしか前の国会予算委員会でも同じような御質問がございまして、お答えをいたしたと思うのでありますが、あの計画はとうとう実現を見なかつたのでありますが、あのときにも申上げましたように、総理関係の、総理大臣経費総理関係で出すわけでありますが、その他関係方々各省所管外国旅費等によつて支弁いたしますということを前に申上げたことは御記憶でございましようと思います。今回のは実はまだ私どものほうに財源的な御連絡が全然ございませんが、やはり只今も申上げたように予算がまだ執行されまして第二、四半期の段階でございますから、それぞれの省に、検査院のようなものは別でございますが、外国旅費が計上されているわけであります。その外国旅費を使つてお出かけになるということが、これは役人の方に限るのでありますが、役人の方はそういうことになろうかと思います。役人でない方はもとよりそれぞれの私費でおいでになる、こういうことに相成ろうかと思います。
  30. 小林亦治

    委員長小林亦治君) そうしますと総理府の予算各省予算ということで、予備費の対象になつていないのですか。
  31. 正示啓次郎

    説明員(正示啓次郎君) 差し詰めば既定の予算を使つてお出かけになることは、前回のときはまさにその通りでございますが、事務的な連絡をつけまして、大蔵省各省相談いたしまして、大体そういう話をつけておつたのでありますが、今回はまだお話がございませんが、今の予算の執行の状況から見まして、この際予備費を出さなくても、大体前回の計画と大差ないような旅費は今回の予算支出できるものというふうな判断をいたしております。
  32. 小林亦治

    委員長小林亦治君) それならばもう一点お聞きしますが、若しも総理予算で足らないで予備費の請求をした場合に大蔵省はどういうふうにお扱いになりますか。
  33. 正示啓次郎

    説明員(正示啓次郎君) 予備費の御請求がございましても、先ず国会で御議決になりました予算を以て賄い得るかどうか判断をいたすわけであります。若し予算で賄い得るならば予算で賄つて頂くということを最優先に考えておるわけであります。その場合に予算がどうしても足りない、或いは予算が全然ない。例えば検査院外国旅費のごときものでありますが、こういうふうな場合にはこれに対処いたしまして予備費支出するということに相成るわけであります。その前に先ず予算を使うということが原則であり、憲法、会計法、財政法の精神にも副うゆえんではないかと、こういうふうに考えております。
  34. 岡三郎

    ○岡三郎君 そうした場合に外貨を……、予備費の問題とちよつと違いますが、外貨を出す場合、渡航して行く場合、今の建前は渡航審議会で審査を経て、何人でも審査を経て、そういう形で一応はつきりとこれは渡航してもよろしいというものに対して外貨を裏付けするのでしよう。そうですね。それ以外に濫りに誰にでもそういうことの決定を俣たないでやたらに大蔵省は金を出してやるということはやらない、その点はどうですか。
  35. 正示啓次郎

    説明員(正示啓次郎君) そういうことはございません。
  36. 岡三郎

    ○岡三郎君 ない……、今度の吉田総理の渡航に対する外貨の支出もそのようにやらなければならないと思うのだが、その点如何ですか。
  37. 正示啓次郎

    説明員(正示啓次郎君) これは言うまでもなくその手続をふむものでございます。
  38. 岡三郎

    ○岡三郎君 ところがこの前のときにはそういうことを私たち聞いていない。渡航審議会に行つても吉田総理以下出張者が、ライン・アップかも知れないけれども、名前が載つておりますね、そういう方が渡航審議会にかけられたということも聞いていない。而も前日になりまして、ああいう形でストツプになりましたが、若しもあれで行つちやつていたら、あとで外貨の支出について私伺いたいと思つておりましたが、とまつたのでその機会がなかつたのですが、当盤今の次長言葉で言えば、私はかけられて、外貨の使用については日本の官庁であろうと一般の在野の者であろうと、私はやはり一定の手続をとつて、正当な方式で支出されて行くものと私は思うわけだ。今次長言葉で、まさしくその通りであると言うならば、今後の問題ですが、それで一応お調べ願つて御報告ありたいと思う。この前の渡航のときにそういう手続で、外貨の割当を一応完了して、そういう手続をしてやつたのかどうか、これは今回の場合にもそれについて同様にとるのかどうか。それを非常に外貨の問題についてやかましく言つておる政府みずからがお手盛りで、自分たちのときには御自由御勝手にやつてしまうという方式もないと思う。そういう点で前との関連で、そういう点についての御報告を承わりたいと思います。
  39. 正示啓次郎

    説明員(正示啓次郎君) お答えを申上げますが、この前予算委員会で申上げましたのは、予備費で出すか既定予算で出すかという点につきまして、既定予算支出するのでありますと、既定予算で出すことにつきましては、人数はこれこれというふうに一応政府部内で準備はできておりますから、旅費法というものがございますが、旅費法の規定によつて見積りますというとこれこれの金額になりますということを予算委員会で申上げたのでありますが、それが御指摘のようにまだ計画自体が途中で、ああいうふうなことでございましたので、最後の外貨割当の段階までならなかつたように承知しておりますが、今回これが実現をいたしますれば、先ずやはりこの予算のどの費目から出すかということをきめまして、それが渡航審議会で外貨割当という手続を経まして、正規の手続を経た上でそれぞれの外貨が割当てられて行くものと承知いたしております。
  40. 岡三郎

    ○岡三郎君 そういうふうになされているというふうに次長さんがそこで確言してもらえれば、その方法に従つてやるということになると思うのですが、併しあのときは明日もう立つという前の日ですよ。明日立つという前の日に、大世帯が行くというのに、外貨の問題がどういうことになつていたか、またそういうふうになつていなかつたろうということは私は常識上考えられない。考えられないから、その点について、これは総理府の会計課長を呼んで一遍聞いてみなければならんと思うのだが、こういう点も誠に我々さつぱりわからない。目的もわからない、何もかも予定でございますということになつて、最後までわからないままに行つてしまうという状態であのような形になつたと思うのですが、それは別に、一つそういう点について、これは国費を使う問題ですから、十分我我にわかるように、あとでそうではございませんでしたがということにならないように一つつておいてもらいたいと思う。
  41. 正示啓次郎

    説明員(正示啓次郎君) 御要望の点はもとより申上げるまでもなく、会計法令管理法、その他の法令に従つて正規の手続をとることは申すまでもないのでございます。
  42. 岡三郎

    ○岡三郎君 会計法令でやるとか何とかいつても、吉田さんという人は、私は神奈川ですが、毎日通路交通法違反を犯している。何メーターか知つたことじやないですよ。サイレンを鳴らしてぶつ飛ばしている。大磯の家を護つている人たちも首相官邸より多いし、ああいう費用はどこから出ているのか、私邸を警護するのにどういう費用を使つているのか、ちよつと常識ではわからないことを一ぱいやつていると思う。併し非常に権力を持つているから、誰もこういうことに対して法規に照らしてどうこう言う人がいないから罷り通つているということになつて、吉田幕府という名前が出ていると思うのだが、そういうような建前を、大蔵省自体はまさかそういうことはないと思いますが、ちよつとそういうことを聞いたことがないので、この前の外遊に対して本当の正式な手続で準備万端完了して行くようになつておらないようなことを我々ちよつと聞いたことがある。従来の手で、強引に行つちやつて、金は何でもいいからおくれというような形でまさかやるとは思つていないけれども、そういう心配がある。そういう点で、法律というものをなかなか守りにくい人だから、そんなことを言つては失礼だけれども、現在までを見ると、前科何犯というふうに法律をほつたらかしてやつてしまうという傾向は何人も否定できないと思う。そういうところで大蔵省のほうも法律を曲げられないように一つ頼みます。
  43. 千田正

    千田正君 正示さんに伺いますが、吉田首相のこの前の出発に先立ちまして、予定に入つていた随員と称せられる人たち、或いは金融関係その他外交関係の人たちが先行して、すでにアメリカなり或いはフランスなりに行つておられた。吉田首相の一応取りやめということになつたのですが、その後今度の再渡航に際して同じ人員その他か当然行くだろうと思いますが、そういうことによつて前の渡航費と同様な支出をなされるのかどうかという点は、相当我々は疑問を持つて見ているのですが、その点はどういうふうに考えられますか。
  44. 正示啓次郎

    説明員(正示啓次郎君) お答え申上げますが、先ほど申上げましたように、今度の御計画につきましてまだ具体的に事務的連絡受けておらないのです。ただ前回は確かに御指摘のように一部の方々が先行いたしました。これはやはり申上げた通りその省々の既定の外国旅費をもうすでに使つておられます。この人たちがもう一度行かれるかどうかというふうな点につきましてはまだ全然我々は話を聞いておりません。従いましてその点はお答えを差し控えますが、一部先行された方々が、成規の手続によつてその省の所属の外国旅費支出したということは事実でございます。
  45. 千田正

    千田正君 私は予算委員であつたのですが、そのときのいわゆる予算に対して、あなた方が国会に承認を求めた際、我々は一応の承諾を与えた結果にはなつているのですが、その後、今度の問題と関連して来るのですが、その省がダブつて再び渡航費を出すということになるというと、やはり渡航費の項目の中から大分、外国旅費の項目の中において或る程度膨脹しはせんか、そういうことは、あなたのほうとしてはその官庁の内部における一つの調整として認めて行こうという腹がまえですか、どうですか。
  46. 正示啓次郎

    説明員(正示啓次郎君) これはやはり一般的に申上げますれば、予算は節約をいたしたのでございまして、実行上節約をいたしまして、外国旅費も先ほど申上げましたように、大体一割くらいは実行上減らしたわけでございまして、その精神から申しまして、できるだけの節約をしたいということは一般的に申上げられると思います。ただ具体的に、例えば先ほど八木先生から、お叱りを受けましたのですか、黄変米のごときものに対しては最も優先的に出すべきじやないかというような、各項目になりますとやはり一般的な方針だけではカバーできない場合もありまして、どうしても必要な費目だから出すという、こちら側としても、誰が考えてもどうしても必要なものだというのはやはり支出すべきものだと思う。従つてちよつと仮定でまあどうかと言われましても、一般的にはできるだけ我々は節約を図りたい。ただ個々のケースケースによつて、場合によりますとはみ出るようなことも、或いは予算に出ないようなことも、予備費等で支出しなければならない場合もあり得ると、こういうことしか申上げられないのであります。よろしく一つ
  47. 深川タマヱ

    深川タマヱ君 予備費使用上の一般の問題でよろしうございますね。さつきの御説明を伺いますと、アメリカの水爆実験に伴いまして、相当被害が多うございますが、それの補償に当りまして、予備金の中からお出しになつていると思うのですが、各省所管ですでに予備金からお出しになつた補償額合計ができておりますでしようか。今伺つたのをここでプラスすればよろしいのですが、お手許ではつきりわかつていましたら……。
  48. 正示啓次郎

    説明員(正示啓次郎君) お答え申上げますが、補償問題は非常に複雑でございまして、今たしか政府部内では安藤国務大臣が中心になつて各省と連絡を取つてつておられる。そこで先ほど読み上げましたうちから、御指摘の補償的性質を持つものを一部政府が出しておるのが確かにあります。それは農林省所管の米国実験爆発に対する被災漁業者応急対策二千百二十万円、これが主なものかと考えております。それからあとは……。
  49. 深川タマヱ

    深川タマヱ君 よろしうございます。あとで私のほうでプラスします。  その次のお尋ねです。いずれにいたしましても予備金は多々ますます弁ずる性質のものでございませんで、僅か八十億であります。今後におきまして災害その他時間的に緊急止むを得ない支出を必要とする場合が発生するだろうと思いますが、それに今のようなアメリカの補償の立替えをこの予備金かり出す、いつまでもこの状態では予算の実行に当つて差支えを生ずるだろうと思うのです。そこでこれは外務省の所管でしようけれども、アメリカに対しまして水爆の補償の請求をなさつておるようですけれども、なかなかはかばかしい結果が聞き得られないのですが、どういう実情にあるかということを外務省に聞くのですが、あなた様のお手許にわかつているところがありましたら、わかつているだけでもいいのですが、わかつていなければ結構です。
  50. 正示啓次郎

    説明員(正示啓次郎君) 誠に遺憾でございますが、私そのほうにタッチしておりませんものですから……。
  51. 深川タマヱ

    深川タマヱ君 よろしうございます。それではそれにいたしましてもあなた様のお手許では、各省からこちらに必要なことが発生したから出してくれと言われたら、検討して予備費をお出しになるでしようけれでも、そうするとやはり手許が不如意になりますが、外務省に対して、あのアメリカ側の補償金の立替えを何とか早くアメリカに請求してもらいたいというようなことを大蔵省のほうから外務省のほうに交渉をなさるような性質のものではないでしようか。
  52. 正示啓次郎

    説明員(正示啓次郎君) これは私のほうよりはむしろ農林省なり水産庁或いは厚生省関係に相成つておりまして、今病院で御療養中のお気の毒な方方の話は我々も聞いておりますが、役所の仕事の関係から申しますとやはり水産庁なり農林省がそういう立場にいるわけでございます。その関係方々が、先ほど申上げましたように、安藤国務大臣を中心に前からたしか会合をお持ちになりまして、情報を交換したり、アメリカへの請求をどういうふうなことをやるかということを充分お打合せになつているように拝承しているのでございます。
  53. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 官房長官お見えになつております。
  54. 深川タマヱ

    深川タマヱ君 ちよつと委員長に……。午後に官房長官にしろ外務大臣にしろ御出席を願うんでしたら、このアメリカとの水爆に対する補償の交渉の経過につきまして御説明願うようにお言葉を添えて頂きとう存じます。  それからあなた様にもう一つ大蔵省の方に……。この予備金が若し不足した場合は一体どういうふうにして支出するのか。災害止むを得ない事態ということは予測できませんので、予備金で賄い切れない場合が起こるかも知れないと思うんですが、そういうときに何か便法ございますんですか。
  55. 柳沢英蔵

    説明員(柳沢英蔵君) お答えいたします。予備費が払い切りになりましてないという場合には、勿論原則としては経費支出するわけには参りません。その場合には補正予算を提出いたしまして、国会の御承認を得まして、それに基いて支出するという方法しか現在の制度としてはありません。
  56. 深川タマヱ

    深川タマヱ君 補正予算が通らなければ、災害は発生しても放つておくんですか、放つておくわけには行かないと思いますが、そういうときに何か……。
  57. 柳沢英蔵

    説明員(柳沢英蔵君) 現在の制度といたしましては予備費がなくなりました場合には、今申上げましたように、補正予算を組んで、それに基いて支出するよりほか方法はございませんが、非常に緊急でありまして、臨時国会を召集するといいましても、衆議院のほうの関係で臨時国会を召集することができないという場合におきましては、止むを得ませんので、参議院の緊急集会のほうに場合によりましては緊急な経費についての支出を御承諾願う、こういう方法か現在の憲法の下におきまして或いは考えられるかと思いますが、それ以外には目下のところ制度といたしましては出す方法はございません。
  58. 深川タマヱ

    深川タマヱ君 わかりました。それだけ。
  59. 久保等

    ○久保等君 極めて事務的な数字についてお伺いしたいのですが、予備費使用についてということですから、お伺いしたいのですが、先般の汚職問題についての捜査費関係が、前年度、それから本年度、両年度にまたがるのではないかと思いますが、数字を一つ挙げて貰いたいと思います。
  60. 柳沢英蔵

    説明員(柳沢英蔵君) それでは数字を申上げますが、これは年度といたしましては二十八年度に属することになつておりますが、二十八年度末でございますが、総理府所管、これは警察関係でございますが、犯罪捜査経費の補充に必要な経費といたしまして、二千九百五十三万四千円、それに法務省所管でありますが、検察費の不足補充に必要な経費といたしまして、四千七百万円、この金を予備費で以て出しております。いずれも年度といたしましては二十八年度に属するようになつております。
  61. 久保等

    ○久保等君 二十九年度の場合はまだ年度初頭でもあるし、所定の中で賄つておるという関係で、大蔵省関係に対して、別に予備費使用云々ということは、全然要望なり連絡等はないということですか。
  62. 柳沢英蔵

    説明員(柳沢英蔵君) 二十九年度につきましては、現在のところ既定の経費がございますので、検察旅費というものがございますし、検察経費がございますから、従つてそれのほうで賄つておると思うのでありまして、目下のところ、まだ大蔵省に対しましてどのくらいの経費が不足するというような関係から、予備費についても要求はしてございません。
  63. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 官房長官の福永君お見えになりましたから、御質疑のかたは……。
  64. 永岡光治

    永岡光治君 只今の保全経済それから造船疑獄問題についての検察官旅費等含めました予備費要求の問題ですが、只今の質問に対して総額の説明ありましたが、恐らくこれば法務省から細部に亘つて要求があつただろうと思うのです。そしてその細部に亘る要求に従つて大蔵省で検討の上決定したものと私は解釈いたします。従つてその細部に亘る内容とそれからいよいよ実際に支出したその細部も恐らくわかつておると思いますので、その点一つ今すぐおわかりでしたら説明して貰いたいし、後ほどでなければ、細部まで報告できないということであれば、明日にでも報告をして頂きたいと思つております。
  65. 八木幸吉

    八木幸吉君 今永岡さんの御発言に関連してですが、恐らく法務省から予備費使用要求書が出ておると思います。その予備費使用要求書並びに大蔵大臣が調整された予備費使用書、その両方の写しを資料として、この委員会にお出しを願いたいと思います。
  66. 正示啓次郎

    説明員(正示啓次郎君) 手許の資料でお答えをできるだけ申上げまして、なお不足の点は後ほどにさして頂きたいと思います。  法務省所管予備費使用要求書でありますが、先ほど主計課長が申しましたように、検察費の不足補充に必要な経費といたしまして、事由は昭和二十八年秋以降、東京地方検察庁初め、全国各地方検察庁において捜査中の造船関係事件、保全経済会及び日本殖産関係事件及びこれに関連する幾多の検察事件の処理に必要な経費であつて、当省所管昭和二十八年度歳出予算に予見しがたい不足を生じたので、予備貿の使用要求する。その内訳でございますが、最高検察庁の検察費といたしまして、四千七百万円、それが更に諸謝金て二百万円、検察旅費が千六百三十万円、庁費が二千八百七十万円、こういうことに相成つております。合計が申上げましたように四千七百万円でございます。
  67. 永岡光治

    永岡光治君 それでは細部に亘つての資料は後ほどお願いすることにいたしまして、官房長官が見えておりますのでお尋ねするわけですが、今まで予備費の問題についていろいろ質問を重ねておつたわけですが、その中で二十九年度の予備費の中で、九月二日までに使用された分の説明がございました。九月二日以降極く近々の中に、予備費支出しなければならん、この既定経費では賄い得ないと予想されるものがあるのではないかと私どもは想像しているのでありますが、特にこれは総理の外遊問題等が噂に上つておりますが、その問題は官房長官としては十分承知されていると思いますので、どのような措置を講じられようとしているのか、それについて御説明願いたいと思います。
  68. 福永健司

    説明員(福永健司君) 予備費につきましては九月二日までのをすでに事務当局からお答え申上げたそうでございますが、本日の閣議で、数字を正確には記憶いたしておりませんが、厚生省農林省、建設省等のものがそれぞれあつたかと思いますが、これは何か、たしか私の記憶では四億くらいだと記憶しております。それを本日の閣議予備費使用決定いたしまして、従つて只今お話になりました九月二日以後の分といたしましては、今日そういつたものの使用決定をいたしましたわけでございますが、これから後、九月二日までの分の中に、事務当局から入つている説明を申したとか—正確に申しますと、九月二日にきまつていないので、本日の閣議決定によつて、この分はきまつたわけでございますが、先ほど説明の中にその数字も含めて申上げたそうでございます。それによつて承知を頂きたい。それから後の分につきましては、まだどういうものが果して予備費を必要とするかということにつきましては、ちよつと、予め申上げることも困難であると思うのでございます。御質問の中に今お触れになりました総理大臣の外遊の費用ということと関連して申上げますと、実はまだ正式にこの外遊は今回の場合きめておらないわけでございますが、前国会の終り頃に前の計画によりまして外遊を考えておりました当時に、これの旅費の支出等につきまして考えましたのは、大体あの当時といたしましては三千万円程度で、これも内閣、外務省等の昭和二十九年度既定予算の中において準備しよう、こういう考え方であつたわけでございます。これから後のことに亘るわけでございますが、先ほども申上げましたように、正式に外遊について決定をいたしておりませんわけでございますから、参りますとするならばということでお聞き取りを願いたいと思うのでございますが、これから後に外遊を行うということになります場合におきましても、今申上げましたような考え方に基いて旅費等を支出するということになろうかと思うわけでございます。これはこれから後の問題でございますので、まだそういうようにきめておるというわけでございませんけれども予備費等によるのでなくして、既定経費の中で賄うことにしよう、こういう考え方でおるわけでございます。尤もこれにどうも先ほど申上げました通り、更に繰返して申上げますが、正式にきまつておりませんわけでございまするから、こうきめましたとまでは申上げられないのでございますが、考え方はそういう考え方でございます。
  69. 永岡光治

    永岡光治君 すでに前回六月の五日に外遊するという計画があつて取止めになられたのでありますが、その際の数字を今説明されたと思うのですが、今日は九月三日でございます。新聞によれば二十五日ということで、しきりに噂をしておりますし、先ずこれは強行されると見ても差支えないと思うのですが、今日に至つてまだ政府のほうでは決定をしていないというのですが、何か決定できない特別な理由があるのでございましようか、行きたい希望は非常にあるようでありますが……。
  70. 福永健司

    説明員(福永健司君) 参りますといたしまするならば、やはり訪問を予定いたしております相手国の都合等も十分に聞き合せた上でないといけないということでございますので、実は関係諸外国へそれぞれ照会等を発しておりまして、殆んど大部分はもう返事が来ておると思うのでございますが、正確に全部の返事を受けて、どうという報告を私まだ外務大臣から受取つていないのでございますが、大部分来ておるわけでございますが、それが全部揃いまして、その上で閣議でも相談の上できめたいと思つておるわけでございまして、今日の閣議までにはまだ閣議できめるに至つていないわけでございます。併しいずれにいたしましても、もう追つつけきめなければならんというように、私ども考えておる次第でございます。
  71. 永岡光治

    永岡光治君 そうすると、まあ外遊が閣議決定していないというのは、仔細に亘つての日程が組めないというだけの問題であつて、外遊するという方針決定されておる。そして又外遊のどこどこの国に行くというその内容、或いは目的等も恐らくきまつた上での照会等がなされておると解釈せざるを得ないのでありますが、その辺の事情はどうでございましようか。
  72. 福永健司

    説明員(福永健司君) 一応どうした国々をというような考え方で、外務省の当局が事務的に照会等をもとよりいたしておるわけでございます。そういう意味におきましては照会をいたしました国というものは、これはもうきまつておるわけでございます。ただ私どものほうで直接事務的に内閣のほうでやつておるわけでございませんので、一々の国にどういう照会を発してどういう返事が来ておるかということにつきましては、これはちよつと外務省でないと詳細はわからないわけでございますが、そうした手続をふんでおりますわけでございます。冒頭にお話方針につきましては、方針をそうきめたということではございませんが、まあ暗々裡に総理大臣の外遊は是非やりたい、こういう考え方でずつと参つておることは事実でございます。
  73. 永岡光治

    永岡光治君 いずれまあ外遊の目的その他等については委員からも、まあ多くの議員も聞きたいところでありますから、私はそれには今この瞬間において触れることは差控えまして、予算の問題について、予算費の問題について触れたいのですが、先ほど主計局次長説明によりますと、既定経費で大体やれる、こういうことと、大体そういう印象を受けたわけですが、予算総理府の予算に組んである、その総理府の予算が足りないということであれば、相談に応じて又検討されるであろうけれども、まだその段階に来ていない、こういう説明であつた。これは何でしようか、総理府の予算で、総理府の先ほど申上げました三千万円というのは、総理個人に伴う旅費として、そうして総理府でも予算の中に組んであるものですか。その辺のところをちよつと伺いたいと思います。
  74. 福永健司

    説明員(福永健司君) 事務的のことを私は項目等につきまして詳細には承知いたしておりませんので、それぞれ担当しておるかたからお答え申上げるわけでございますが、総理個人のための旅費というものはございませんが、内閣のそうした種類のもののうちからということに御了承頂きたいと思います。
  75. 永岡光治

    永岡光治君 いや、私の三千万円というのは誰と誰の分の旅費か。総理個人の分の旅費が三千万円組んであるという前回の予定であるかどうかということです。
  76. 福永健司

    説明員(福永健司君) 御質問の御趣旨を取違えておりましたわけでございますが、大体前回に三千万円と予定いたしました。尤もこれは未執行で、ただ予定しただけにとどまつておるわけでございますが、あのときはたしか総理ほか十名ぐらいな分のものとして三千万円と予定したと記憶いたしております。従つて新聞等にこうした人たちが一緒に行くであろうというようなことで伝わりました人でも、その人の身分、性質等によりまして、個人として自分で費用を出して行くという人もあり得るわけでございます。行くと伝わつた人全部が今御指摘のような費目から旅費が支給されるという考え方ではないわけです。
  77. 永岡光治

    永岡光治君 先ほどの説明ですが、これはまあ官房長官はおいでにならなかつたから、よくおわかりになりませんかも知れませんが、次長も合せて御答弁願つて結構ですが、今予定されておりますのは、行くとすればまあ大体この前の経費ぐらいだろうという官房長官のお答えでした。そこでこれ以外にはもう予備費は使うという考えはないかどうか、もうあれだけでおしまいにする、そして既定経費で、総理府の既定経費で十分賄い得る、こういう確信に立つておるのか、その辺のところをはつきり言明して頂きたいと思います。
  78. 福永健司

    説明員(福永健司君) まだ正式に決定いたしておりませんが、前に計画いたしましたときと、或いは訪問する国国及至コース等も若干の変更を見るかと思います。そういうような関係で、或いは更に又随行及至同行いたします人間等につきましても、前回通りであるとは限らないと思いますが、これはまあ大差ないものと私ども考えておるわけでございます。そこでそういうような事情の変更等の場合におきまして若干の金額の増減、これは増すとのみ限つておりません。減るということもあり得るかと思うのですが、いずれにいたしましても、この種経費のみならず、いずれの経費でも同じことが言えるわけでございますが、政府といたしましては、できるだけ節約をいたしまして、先ほど申上げましたような方針によつて既定経費で賄うということを本旨といたしております。従つて予備費使用するということは、只今のところ考えておらないわけでございます。恐らく予備費からということでなく済むのじやないか。こういうふうに私ども現在考えておる次第でございます。
  79. 八木幸吉

    八木幸吉君 この前の六月三日でしたか、衆議院予算委員会で、大蔵当局から旅費に関して御答弁がありました。そのときに総理府以外は外務省と農林省大蔵省財務官等が随行される。で、おのおの各省外国旅費の項目から金を出す。その金はざつと千六百八十万円である。それから首相及び祕書官五十余日分が三百六十八万円だ。そのほかにも事務所を借りたり通信したり、接待いろいろなものが約千五、六百万円かかるだろう。合計三千万円ぐらいで行けるのですよといつたような御答弁があつたように私は思うのですが、今日先ほど大蔵省当局からのお話では、今度のほうは、まだ何にも指示を受けておらんから、各省外国旅費で出すのか、或いは総理府で一本で出すのか、その辺もきまつておらん。こういうお話でありましたが、各省で出さず、一本でお出しになるということなんですか。
  80. 正示啓次郎

    説明員(正示啓次郎君) 先ほど来の永岡委員の御質問にお答えを申上げたいと思つてつたのですが、先ほど私言葉が或いは足らなかつたかと思いますが、やはり総理府、内閣官房、それから若しほかの省からおいでになれば、その所属の省から出すという建前には変りございません。
  81. 八木幸吉

    八木幸吉君 ちよつと話が元に戻りますが、その中で向井さんは御承知通りつてつて来られた。そこで先ほどの永岡委員の質問とも関連するのですが、向井さんの一体外貨を使うことについては、いわゆる外貨の審議会と申しますか、その許可を無論得ておられると思うのですが、それは間違いないでしようね。
  82. 正示啓次郎

    説明員(正示啓次郎君) 向井さんはすでに先ほど千田先生から御指摘のように、先行されたかたでございます。外務省顧問の資格でおいでになりまして、渡航審議会その他の手続を了しておいでになつたものであります。
  83. 千田正

    千田正君 私は非常に不思議だと思うのですが、官房長官は今永岡君の質問に対して、総理大臣はまだ正式に決定しておらない、外遊は。私は、官房長官は内閣を代表している大番頭ですから、今日はおいでになつてはつきり御答弁を頂きたいと思うのは、昨日我我参議院百四十名の署名の下に、政府に対して早期国会の再開を要求したのに対して、緒方総理から議長を通じてできない。それからできない理由は、いわゆる今重要なる審議すべき何ものもない。政府側としては用意はしておらない。こういうわけです。ところが、我々が午後になつてから、それなら政府側が用意しておらなくても、国会としては十分に用意してあるのだから、吉田さんが行く前に開いてもいいじやないか。行く前に開いてもらいたい。こういうことを政府に対して我我要求したのに対して、緒方総理は、すでに御承知通り新聞発表の通り、九月二十五日に出発することに決定してあるのだ。だからその前に開くということは到底我々はできないと、こういうことを我々に対して答弁した。恐らく内閣の大番頭であるあなたが、副総理の言うお言葉との間に背馳あるものと私は思われない。我々として、今日この酷熱を克服しながら、黄変米その他の問題に対して、財政の国損に対する問題、国民生活に対する重大なる影響に対して数日をついやして、我々はとにかく今日まで審議を重ねて来ている。昨日は決算委員会決議として政府に要望したのに対して、閣議が続行しているから、主管大臣は出られないのだ。こういう誠に不誠実な答弁である。我々としてはそれでは承服できない。只今あなたが永岡委員に対して答えた総理大臣の外遊は決定していないのだというのが本当なのか、昨日我々野党各派の代表に向つて緒方総理決定してあるのだ、すでに外国との間には十分日取りがきめられてあるんだから、二十五日出発というのは延期できないのだ。こういうふうに我々にはつきり答弁しているんですが、内閣のいわゆる大番頭としてのあなたの立場から、それがどちらが正しいのか、この際はつきり我々に対して証明して頂きたい。
  84. 福永健司

    説明員(福永健司君) 御尤もの御質問と承わるわけでございますが、私先刻から申上げております通り、未だ正式の決定はいたしておりませんということでございます。と申しますことは、肚ずもりではまあ一応そういうことをきめているわけでございます。正式と申しますと、例えば経費を出すということ等と関連いたしますと、出張命令等を正式に出しまして、それからそれと関連して経費をどうこうというようなことになりますので、そうした形式的なことも必要になつて来るわけでございます。殊に内閣といたしましては、総理がいよいよ出かけるということにつきましては、閣議の議題にいたしましてきめることはきめたいと思つているわけでございますが、そうした意味におきまする正式決定というものの手続を未だふんでいないという意味でございます。従いまして先ほど御質問の外遊旅費等をどうするかというようなことにつきましては、正式なことは今申しましたような手続をとりましての後のことになるわけでございますが、外遊をいたそうという肚ずもりは只今御指摘のごとく政府としてもいたしているわけでございます。そういう意味における肚はきめているわけでございますが、正式の決定という手続を完了いたしてないという意味であることについて御了承願いたいと思います。
  85. 千田正

    千田正君 福永さんはなかなか答弁がうまくて、うなぎの頭か尻尾かわからないような逃げ方をいたしますが、我々参議院としては、過半数で早期国会要求したという理由は、吉田さんが二十五日に出発して帰つて来るのが十一月の十四日だという。そうすると帰つて来て何やかや、閣議だどうのというので、臨時国会が再開するということは下旬になる。そうするというと通常国会に引続いて行くのが、僅か十日かそれだけの期間しかないのだ。これだけのことであつて、まだ正式に決定しておらなかつたならなば、外遊以前に我々参議院の過半数の要求に対して開くべきであるのじやないかというのが我々の本旨なんですよ。ところがまあ肚にきめているとか、正式に決定していないが行くのだ。こういう考えなんでしようか。それならそれではつきり申して頂ければそれでいいんです。そこで臨時国会も召集しない。然らば閉会中に山積しているところのたくさんの問題、例えばこの決算委員会で先ほどから各委員から言つているように、厖大なる国損を来しているところの黄変米の問題、国民生活に影響する問題、或いはビキニの問題等幾多の問題があります。閉会中といえども委員会を開いて、そうして政府の誠意ある答弁を我々は要求しているのに対して、昨日も決算委員会から決議を以て政府に対して要望したのにかかわらず、而も主管大臣が来てここに納得の行くように国会を通じて国民に発表してくれということを、再三再四先般来出席要求しておるにもかかわらず、閣議があるから出られない。政府は昨日の緒方総理の答弁から言うと、重要な問題は何もない、こういうことと非常に我々は矛盾していると思います。我々国会側から言えば、臨時国会を開かなくても、委員会を開いて堂々と政府の所信を聞きたい、こういうので開いているのでありまして、単に我我は、ここに無駄な時間を費しているんじやないのでありまして、我々は立法機関の立場から、当然あなたも結構御承知通り委員長から要求された場合は大臣出席されるのは当然です。どういうわけで三日も四日も出席できないのか、内閣を代表して一つ官房長官からはつきりした答弁を聞きたい。
  86. 福永健司

    説明員(福永健司君) 閉会中、且つ、暑いさなかにこうしていろいろ御審議をしておられまする委員各位に対しまして、深く敬意を表するものでございます。只今お触れになりました黄変米と関連する本委員会の御決議は、内閣といたしましても受領いたしまして、本日の閣議にも全文私朗読いたしまして、かくのごとき御決議を頂いておりまする次第を報告いたしました。これと関連いたしまして、閣議でもそれぞれ発言があつたわけで、御決議の趣旨を尊重してそれぞれ善処しなければならんと私は存ずる次第でございますが、本日は閣議をやつておりまして、私もお呼出しがございましたので、閣議及びそのあとの記者会見を終えまして、直ちにここに参上いたしました次第でございますが、所管の大臣たる農林大臣が出て来ておりませんことについては、農林大臣の事情がどういうことでございますか、私ちよつとその点については、農林大臣がお呼出しを頂いておりますということは、農林大臣直接話を承わつておりましたと思いますので、私はその事情は聞いておりませんわけではございますが、恐らく止むを得ない支障によるものだと思うわけでございますが、内閣といたしましては、こうした委員会等の開会の場合におきまして、政府から出て来いというお話に対しましては、努めて出席をいたすことにやぶさかでない次第でございます。只今の御注意の点につきましては、私帰りまして他の閣僚諸公にも御趣のほどを伝えなければならんと存ずる次第でございます。
  87. 千田正

    千田正君 それで大体普通は閣議は官房長官が招集するのが建前であるように我々は習慣上考えているのでありまして、今日の委員長を通じての我々の委員会への報告は、今日も閣議で出られない、明日も閣議で出られない、こういうような御答弁なんで、甚だ我我は腑に落ちない。そこでさつきも、我々はあえて言いたくないのですければも、それほどの重要な閣議があるならば、はつきり我々の前でそう言つて頂きたい。我々は一片のいわゆる空文に等しい政府の答弁書あたりで、決算委員会に対してこれで了承してくれというようなことは、我々は承知できません。ですから明日もあるのですかどうですか。
  88. 福永健司

    説明員(福永健司君) 閣議は明日はございません。
  89. 千田正

    千田正君 そうしますと、只今官房長官から、閣議は明日はないそうであります。先ほどの委員長を通じての我我に対する大臣からの御答弁については、甚だ誤解を生じやすいので、もつと正確にお伝えを願いたいと思います。
  90. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 官房長官にお願しておきますが、お聞きの通りなんでして、是非あなたから当委員会の空気をお伝え願つて関係大臣に明日の午前なり、或いは御都合によつては午後なりに必ず出るようにお取計らい願いたいと存じます。只今委員会のほうからも事務的な交渉はしております。是非出て来るように。理由が明らかでないのですが、大蔵大臣もこれ又理由不明のまま出られないというような御挨拶で、甚だ遺憾に思うし、当委員会も一応の予定は明四日まででありますが、そういうことになりますと、来週に持越してもやはりこのまま継続しなければならないと、こういうことになる。是非そこのところは大番頭として御善処願いたいと思います。その点どうか責任を持つて頂きたいと思います。  それから関連いたしまして折角委員長が発言しましたからどうぞお許し願いたいと思います。吉田さんの傲岸は、これはいい、仕方がないことなんです。ところが吉田内閣といつても、これは吉田個人の内閣じやない。やはり国民の内閣である。国家の内閣なんですから、三千万円も使つて外遊せられるというからには、何かこれは目的がきまつているはずであります。過ぐる国会から我々は数度に亘つて目的の探明ということに努力を払つたんですが、一向らちが明かない。きまつたら、国会の終りにでも、国会を通して明らかにしましようというお約束が、これは屡次に亘つてつた。ところが御承知通り去る国会の終末には、いわゆる乱闘騒ぎが出たために、我々は国会を蹴つたわけであります、一応。そういうところで、折角明らかにされようとされておつた時期があつたのであります。そこで一つ当然官房長官としてはおわかりでしようから、吉田総理の外遊する目的の内容というものを、折角只今決算委員会が開かれておりまするので、いわば当決算委員会参議院全体を代表している形になつておりますので、ここで御言明願えれば、責任ある内閣の発言として我々は受取つて国民に伝えるということになるんですが、一つ先ほどから答弁上手というお話がある通り、なかなか慎重な御発言のようですが、遠慮なく、若しできるならばじやない、是非これは一つ明らかにしてもらいたい。これが明らかでないということになりますと、これは従来の予備費に絡んで、当委員会でも何らかの明確な意思表示をしなければならないという段階に到達するのでありますから、それらの空気に善処するためにも、一つ大番頭としての官房長官から明瞭な御答弁を願いたい。まだ決定しておらないなどということは、官房長官としてそういう発言をすべきものじやないのです。我々もそういうことは許しません。それは事務官であるとか、或いは課長級であるなら、まだ正式にきまつていませんということは、これはいい。いやしくも内閣の官房長官として、これはもう副総理以上の所になる、そういうことについては。そこを上手に逃げないで、かぶとを脱いでもらいたい。それによつて我々も安心し、国民納得するだろうと思う。如何ですか。
  91. 福永健司

    説明員(福永健司君) 委員長が前段のお話の、農林大臣大蔵大臣等につきまして、本日までに出席の要望に応じてないし、又明日も云々ということと関連してのお話でございますが、先ほども申上げましたように、明日は閣議はございませんが、恐らくまあ閣僚間で閣議にあらざる何らかの打合せでもあるという意味等を或いは農林大臣が申上げておるのかとも思いますが、それはともかくといたしまして、御趣旨の、極力委員会出席するようにということにつきましては、仰せの御趣旨を重々伝えておきたいと存じます。いずれ当該大臣のほうからその点につきましては御返事申上げることになろうと存じます。  後段の総理大臣外遊につきましての目的ということでございますが、総理大臣自身がいずれ正式にどういう方法によりますか、こうしたことでの御挨拶を申上げることがどういう方法がいいかあというようなことにつきましては、正式決定と前後いたしまして、考慮すべき問題であろうと存じております。  そこで、今まあ腹づもりもきまつておることだから、それを腹づもりをきめるについてはどういつた目的であるかという御趣旨での御質問と拝承いたしましてお答えを申上げるわけでございますが、正式に目的と申しますと、やはり首相の考えておりますることは、日本と関係諸外国との間の国際親善の増進というようなことに帰すると思うわけでございます。ただ、折角参りますので、参りましたときに若干の具体的な問題につきまして話をいたしまして、何らかの副産物があるかどうかということは、これは又これと附随する問題でございますが、終戦以来我が国といたしましても、申すまでもない非常に茨の道を通つて参りまして、総理大臣が講和会議に参りましたとき以外に、諸外国へ、戦争中もいろいろなことがあつた、その点等も考慮して、国際儀礼も果し、従つて国際親善も増進するというような考え方の下に参りたいということは、まあ政府といたしましても前から考えておることなのでございます。目的と申しますとこういうように、まあこの点につきましてはいずれ正式にきまつたときには、更にそのときに申上げたいと思つておりますわけでございますが、少くとも腹づもりをきめておりまする立場においては、只今申上げましたような表現で御了承を頂きたいと存ずるわけでございます。まあどの国へ行つたら具体的にはどんな問題をどうということになりますと、これはまだちよつといろいろ考慮を要する点等もございまして、更に相談もしなければならん問題があろうと思うわけでございます。目的ということでございますと、只今申上げたように一応御了承を頂きたいと存じます。この点につきましては、必ずしも私の今申上げましたような言葉だけでは十分であるとも思いません。いずれ政府といたしまして、正式決定の際に然るべく御挨拶を申上げる方法を講じなければならん、こういうように考えておる次第でございます。
  92. 深川タマヱ

    深川タマヱ君 官房長官、今朝ほどから大蔵省に二十九年度の予備金の使用状況についてここで御説明を願つたのですが、その言葉によりますと、例のアメリカの水爆実験の結果、日本の各方面に被害を及ぼしておりますので、その民間に対する被害の補償に予備金を相当使つているらしゆうございますので、このままでは今後の予備金の使用に当りまして差支えも生じますし、日本の国家がこういうものをいつまでも立替えて補償をすべき性格のものでもないと存じますので、政府がなさつていらつしやるように、アメリカに対しまして至急にこの補償の請求をしなくちやならないんですが、その後一体この補償の交渉がどういうふうな状態になつているか、何が故に先方がこう延び延びになつているかという実情を伺いたいのでございますが、近頃は漁民の厄年と申しますか、漁船の拿捕に続きまして、海流の影響とか、或いはヒトデの災害、そして又最後にビキニの災害で以て日本の漁民は大変困窮を極めているだろうと思うのでございます。又毎日の新聞には、死に瀕しているような人もおりますし、水爆演習を呪つているような人たちの声も新聞に出て来ておりますし、千葉あたりでは娘を売つているという人さえも出ておる。将来の漁業の制限ということもありますので、何とか政府は漁民に対しまして早急に補償して上げなくちやいけないと思います。交渉の実情をおわかりになつている範囲でお聞かせ下さい。
  93. 福永健司

    説明員(福永健司君) ビキニ被災の問題と関連いたしまして、只今の御発言につきましては、我々も同感の節も多いわけでございます。政府といたしましては、本件につきましては関係する省庁等が相当多いわけでございますので、安藤国務大臣をその最高の責任者といたしまして、協議会のような形におきまして、関係省いろいろ相談等もいたし、対策等も講じておるわけでございますが、御指摘のごとく予備費等を支出いたしまして、対策を講ずることに終るべきでないのでございまして、国よりアメリカに対しましても補償を求める等、その他の万般の措置を講じなければならないわけでございまして、この点につきましては、外務大臣その他におきまして前々からいろいろ折衝をいたしておりますわけでございます。私は実は直接やつておりませんので、その折衝の経過等につきまして詳細は承知をいたしておりませんわけでございますが、いずれにいたしましても、まだその結論が発表されるに至つていないということは遺憾でございます。この上ともお話の趣旨によりまして、更に一層早急解決方につきまして努力しなければならんと存ずるわけでございます。場合によりましては、只今の御質問によりますと、私の知つておりますだけでは不十分かと思いますが、外務省当局その他をして、改めてお答えいたすようにいたしても結構でございますが、いずれにいたしましても御趣旨によりまして、なお一層努力するようにいたしたいと存ずるのであります。
  94. 深川タマヱ

    深川タマヱ君 それでは、結論がまだ出ていないから発表の段階でないとのお言葉でございますから、それはまあ待ちましよう。できるだけ速かに結論をお出しになりまして、交渉を一つ成功さしてもらうようにお願いいたしておきますが、ただときどき新聞に出ますように、南方からマグロその他の魚を満載して帰つて来るあの漁船の魚を捨てさしておりますが、そのときにあの魚に該当する金を直ちに、例えばそれは予備金からでもよろしゆうございますから、あの漁民に支仏つているのでしようか、どうなつているんでしようか。
  95. 福永健司

    説明員(福永健司君) 船が入ります都度、具体的に如何に措置しておりますかにつきましては、水産庁の者をして又別途お答えさして頂きたいと存ずるわけでございますが、一々具体的のときにどういうふうにいたしておりますかは、詳細は私よく存じませんわけでございますが、いずれにいたしましても、さような御質問のございますゆえんのものは、こうしたことについて漁民の立場を十分考慮して善処すべしという示唆をお与え下すつているのだろうと思いますので、そういう考え方の下に私も水産庁等を一層督励していきたいと思います。
  96. 深川タマヱ

    深川タマヱ君 それでは明日できるだけよくおわかりになります方に御出席してもらえますように頼んでおいて下さいませ。
  97. 福永健司

    説明員(福永健司君) 承知しました。
  98. 八木幸吉

    八木幸吉君 先ほど官房長官のお話ですと、首相の外遊は事実上きまつておる、こういうふうに承わつたのでありますが、この六月四日御出発の予定を新聞で拝見いたしますと、アメリカ、カナダ、イギリス、フランス、西独、パキスタン、インドと、この地方にいらつしやるように承わつたのでありますが、今回はパキスタンとインドが旅程の都合で抜かされておると、こういうふうに新聞承知をいたすのでありますが、アジアのこれらの最も将来日本としては関係の深い国を、最初の計画にはあるが、今回の計画にはなくしたということについては相当向うに悪い影響を与えるのじやないか、かように考えるわけでありますが、如何でございましよう。
  99. 福永健司

    説明員(福永健司君) 只今御指摘の点は、政府といたしましても篤と考えなければならん点だと存じます。一応前の計画のときにお伺いするように伝わつていたのが、今度コースが変るということになりますることの影響というものは、もとよりよく考えなければならないわけでございますが、かねてから考えております通り、外遊は実行いたしたい、と同時に臨時国会の召集等とも関連いたしまして、できるだけ早く帰つて来なければならない、単に早くということから申しますと、政府といたしましてももつと早く行きたいということでもあつたわけでございますが、御承知のように先方の国々の都合もいろいろございまして、例えば一例を申上げますと、アメリカの場合におきましては、中間選挙或いは政府首脳部の人々の夏季における生活行動等と関連いたしまして、その他いろいろの向うの要務等と関連いたしまして、必ずしもこちらの思う通りにばかりも参らない点等もございまして、一応今関係諸外国へ聞き合せておりますようなことの考え方になつておるわけでございますが、さような次第で、遺憾ながら前に考えておりましたアジアの若干の国々への訪問は思いとどまらざるを得ない状況にあるわけでございますが、政府といたしましては、そういうことも重々考えまして、さようなことが悪影響を及ぼさないようなことについてできるだけの措置をとつて、お伺いできなくなつたことについては、その国々に十分御理解願えるような措置をとらなければならないと存じておる次第でございます。この点につきましては、外務大臣等をして悪影響を及ぼさないような措置を十分講じてもらうようにいたしたいと存じております。
  100. 八木幸吉

    八木幸吉君 アメリカの中間選挙のことはよくわかりますが、日本とアメリカとの関係から言えば、最初の予定のように一番先にアメリカヘやはり行かれて、その次にヨーロツパへ行かれるというのが私は順序じやないかと思うのです。それに国内においては臨時国会要求が、殊に参議院においては過半数以上の要求があるというのに、何も外遊をそのようにあわてて今行かなくちやならんということは私は考えないのですが、臨時国会を先にたとえ一週間でも開いて、それから出かけるということが一番正しいのだし、アメリケへ先に行くとすれば、通常国会の召集の期日を延ばすということも考えられるんだし、あわてて行かれるその理由がどうも私には納得が行かない。十分一つそこのところを腹の底に入るような御説明を承わつておきたいと思います。
  101. 福永健司

    説明員(福永健司君) 今までの日米関係等に徴しまして、先ずアメリカに行くということが今次外遊の順序としてはいいのではないかというお説でございます。私もよくその御趣旨がわかるわけでございますでございますが、御承知のような事情によりまして止むを得ずまあ終いにアメリカ、こういうことになるわけでございます。そこでこの点等につきましても、そうならざるを得ない事情については関係国にも十分了承を願うようにしなければならんと存じております。臨時国会開会と関連いたしましてのことは、緒方総理から政府考え方を皆様に申上げている通りでございます。臨時国会を極く数日開いてそれからではどうかというお説も伺いましたわけでございます。それも一つ考えかとは思うのでございますが、政府といたしましては、総合的にいろいろ考慮いたしまして、緒方総理からお答え申上げましたような通り考え方になつているのでございます。通常国会の召集も少しあとにずらすことによつて時間の関係をうまくやつたらというお説がございますが、この点も憲法にございます通り余り幅がございませんので、なかなかその辺もむずかしかろうと存ずるわけでございます。いずれにいたしましても幾多の重要な要請がある中に処しまして、いろいろのことを何とか円滑にと考えております政府といたしましては、彼此考え合せました上での結論なんでございます。十分腹に納得の行くように言えというお話でございますが、どうもなかなかそういう点につきましては、立場々々でいろいろ考え方等もございます。私どもといたしましては、まあ今まで申上げておりますようなことで何とか御了承を願いたいというところなのでございます。まあ政府立場も御了承願いまして、よろしくお願い申上げます。
  102. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 念のために申上げておきますが、官房長官は二時までですから……。
  103. 大倉精一

    ○大倉精一君 官房長官に一つ私は根本のことについてお伺いするのですが、どうも今までの答弁をずつと聞いておりますと、一体何がために日本の総理大臣の吉田さんが日本の国民に対して外遊に対する挨拶ができないのか、日本の総理大臣は日本の国民に対してもつと親しみがあつてもいいのじやないか、何か外国の総理大臣のようで、今もずつと聞いておりますと、正式に決定していない、ところが外国に対してはもう正式に決定しておる。ただ国内の閣議とか或いは予算の問題とか、そういう事務的なものだけが決定していないというだけであつて、これはもう九月二十五日の予定は変更されないと思います。恐らくいやしくも敗れたりといえども、日本の総理大臣が外国に正式に訪問されるにおいては、相当期間前に正式の訪問の通知をしておくのが礼儀だろうと思うのであります。従つてもう現在においてはきつちりときまつていると思う。こういう場合に、何かしら奥歯にもののはさまつたような恰好て以て外遊される、国民諸君の一般の感情としてはこの問題はもう久しい問題であつて、何かと事ごとに物議をかもしておる。本来ならば一国の総理大臣が外遊するに当つて国民に堂々と所信を披瀝して、そして国民諸君に大きな期待を持たして、歓呼の声に送られてそうして外遊さるべきであると思う。併しながら事実はその逆であつて、何か日本国民全体に大きな疑惑を持たせながら外遊をされるという結果においてはそういうような恰好になつておる。それで私はこの際もうくどくど申上げませんが、本来ならば臨時国会を開いて、そして外遊の目的なり総理大臣としての明確な力強い所信を国民に御挨拶されるのが至当であると思うのですが、飽くまでも政府は臨時国会を開かないということであるならば、幸いにして当委員会も開かれておりますので、この委員会の開かれている期間中に吉田総理大臣みずからが一つ御足労願つて、そうして外遊に対するところの所信を披瀝して頂いて、国民の前にもその外遊に関する目的なり、総理大臣の所信なりというものを明らかに一つして頂くように特にお願いしたいと思うのですが、福永官房長官この点についてとくと一つお骨折り願えませんか。
  104. 福永健司

    説明員(福永健司君) 政府といたしましても、是非行つて来いというようにお送りを頂いて行けるような形になることは全く望ましいわけでございまして、この外遊の問題が大分前々からの懸案で、或る意味においては棚ざらしみたいになりましたような関係上、いろいろの批評も受けおるわけでございます。外遊につきましての挨拶の形等につきましても、政府も今考えておるわけでございます。国会開会中でございましたならば、当然国会を通じまして御挨拶することが適当であると存ずるわけでございます。但し現在の状況で、まあ国会を開いて、わざわざ開いてそこでということにつきましては、政府はそれも如何かというように考えておるわけなんでございまして、只今のお説のごとく、それならば丁度参議院としては本委員会が開かれておるので、そこへ出て来てはどうかというお話でございます。この点につきましては、御趣旨の点は重々伺いましたわけでございますが、又関係相談いたしましてのことにさせて頂きたいと思います。ちよつと問題が問題でございますので、私直ちにどうこうというお答えもできないわけでございます。よく御趣旨は承わりまして、政府に帰りまして又相談いたしたいと思います。
  105. 大倉精一

    ○大倉精一君 私は吉田総理にこの決算委員会に御足労願つて、そうして外遊に対する所信を是非とも一つ述べて頂きたいと思います。官房長官これからお帰りになつて吉田総理にお会いになつて、このお話をなさるだろうと思うのですが、どうも何と言いますか、きつく御要請になることもできまいかも知れません。従つてこの決算委員会の、本委員会一つ委員長から特に強く御要請を願いたいと思います。そこで日本の総理大臣が今この委員会に、国会委員会に出て来られないというそういう馬鹿げたことはないと思います。これは総理大臣にしろ、大臣にしろ、我々は是非とも出て来てもらつて所信を聞きたい。これは国民の一般の声だと思う。これは参議院決算委員会、或いはそういうところへ出て来られないというそういう理由は毛頭ないと思う。若し出て来られんとすると、その理由を明確に一つ知らしてもらいたいと思う。委員長から特に強くその点を要求をして頂きたいと思います。
  106. 八木幸吉

    八木幸吉君 総理大臣にこの委員会においでを願つて、外遊の目的をお話し願う。ラジオや新聞や各党の代表者と、いろいろなことが噂に上つておりますけれども、正式の国会委員会でありますから、この点は強く、今大倉さんの御意見もございましたがお願いしておきます。  そこで外遊は確定しておるのでありますから、その次の手続上の問題で五分間ばかり官房長官の御意見を承わりたいことがあります。それは代理関係のことでありますが、総理の外遊中は、内閣法第九条によりまして副総理がすべての権限を代理されると思いますが、さようでございますか。
  107. 福永健司

    説明員(福永健司君) 法律の定むるところによりまして、総理が外遊等をいたしますような、そうした支障のありますときには、現在の副総理がこれに代るべき国務大臣というように閣議決定をいたしておりますので、お説の通りになると考えております。
  108. 八木幸吉

    八木幸吉君 そこで突込んで伺いますが、そのすべての権限を代理するという意味は、国務大臣の任免権、それから自衛隊法の防衛出動の下令権、国務大臣の訴追に関する同意等も含んでおると見てよろしゆうございますか。
  109. 福永健司

    説明員(福永健司君) 私法制的に十分の研究をいたしておりませんので如何かと思いますが、正確にはこれは一つ法制局長官からお答えしなければならんと思いますが、今お話のような国務大臣の任免とか、或いは自衛隊関係のこと、その他のこと、私の感じではそういつたことが代理できるのじやないかと思いますが、これはもう少し研究を、研究と申しますか、直接所管いたします者乃至はこれに伺いましてから、答えさして頂きたいと思います。
  110. 八木幸吉

    八木幸吉君 突込んで私申しますが、仮に法制上では私はすべての権限を代理し得ると考えます。そこで国務大臣の任免権を発動して、副総理以外の国務大臣を全部免職してしまう、新らしい国務大臣を任命すると、内閣の性格というものは全然変つてしまいますが、それだけ強い権能を副総理に与えておるものかどうか、これが一つ。  それからもう一つは、自衛隊法の防衛出動の下令権は、国会開会中であつてもなお国会の同意を要するいとまがないから、総理大臣にこれだけの権限を与えておる。これくらい緊急を予想しての自衛隊の法律でありますが、さような重大な防衛下令権を副総理に代理せしめる、代行せしめる、こういう解釈で果していいのかどうか、この二点を、今御答弁は困るかも知れませんが、私は一つ十分検討してもらいたい。  それからもう一つは、仮にすべての権能を副総理が代行するとすれば、外国へ行つている総理大臣というものは何ら職権を持たない、ロボットと言うか、人形のような総理大臣に私はなると思うのですが、その関係は如何であるか、私は内閣法第九条による「事故」というのは、総理そのものが例えば意識混濁の状態であるとか、意思を発表することができないという状態であるというようなことを予想しておると思うのですが、外遊の場合はそれと違う。又いろいろな場合が予想されますけれども、仮に緒方総理総理の仕事を代行して或る大臣を罷免する、こういうことが仮に噂に出る、新聞に出る、そこで例えばアメリカにいる吉田さんがこれを聞いて国際電話で君はあれを罷免しちや困る、こういうことを言つて来た場合に、一体それは権能がないんだから、緒方さんがそれを断行してしまうというような場合も予想されるわけであります。だからこれはちよつと今でもどうも常識で考えられないといつたような生やさしい問題でなくて、外遊というものがきまれば当然政府の確固たる解釈というものをおきめにならなければならん。殊に総理大臣は昔と違いまして国会が指名してできた総理でありますから、若し副総理がさような大きな権限を持つとすれば、当然その間の事情を、国会を開いて私が留守の間は何のなにがし、今で言えば緒方さんがこれだけの強い絶大な権力を持つた総理の職務を代行するんだ、国会もどうか御了承願いたい、法規にはないでしようけれども、これだけの手続を踏むのはこれは当然のことだと私は思います。その点から考えてみても、たとえ一日でもいいから当然外遊の前に臨時国会を開いて、そうして国民納得する説明をして、国民歓呼のうちに総理が外国へ出発されるということが、私はこれはもう極めて初歩の政治的の常識じやないかと私は思います。これに対する官房長官の御意見を承わりたい。
  111. 福永健司

    説明員(福永健司君) 先刻も申上げましたように、私は法律論といたしましては副総理が代理をするものと考えておるわけでございます。でございますが、御指摘のような事態、例えば全国務大臣を罷免するというようなことは、これは政治的にはさようなことに私どもは予想できないわけでございまして、すべての閣僚のみならず一人の国務大臣でもまあそういうことは万々起るまいと考えておるわけでございます。まあどうしても何か必要というようなことを強いて考えまするならば、現在ではたとえ外国におりましても、副総理総理大臣と電話その他の方法で相談をする方法がないわけでもございません。従つてこういう点におきましては、実際問題といたしましては、総理、副総理間に食い違いが生ずるというようなことは私はないと確信をいたしておるわけでございます。  又自衛隊の防衛出動下令権につきましても、これ又非常に重大な問題ではございますが、万々一そうしたことを必要とするような国の情勢が招来されるという場合においては、もとより代る者の責任としてその事態に善処すべきは当然であろうと思うのでございますが、併しこれも又実際問題としてそうしたことがそう簡単に起るとは考えないわけでございます。  第三点の、まあそういうような権限の副総理が留守中留守番をいたしておりますということになりますと、本物の総理大臣のほうは人形のようなものじやないかというお話でございますが、先ほども申上げましたように、連絡の方法等も現在の世の中では可能でございまするし、我が吉田内閣におきましては、総理、副総理はおよそ一心同体でございまして、一方が人形に化すると云うようなことは万々ないと確信をいたしておる次第でございます。それにいたしましても、まあ総理大臣自身が留守になるというような場合におきましては、副総理以下あらゆる事能に処して、遺憾のないように重々心して行かなければならんと存じております次第ございます。  臨時国会の召集と関連いたしましてのお話はいろいろ伺つたわけでございますが、政府の見解そのものは先刻から申上げている通りでございまして、御説の点は重々承わつて参考にいたしたいと思います。
  112. 八木幸吉

    八木幸吉君 法律上は内閣法第九条の副総理の職務代行は、今申上げたように極端な例を私は申上げましたが、重大な強力な権能を持つわけであるから、従つてこの問題は臨時国会を開いて国民に十分納得の行くような説明をしなければならんという点を強調する意味で申上げたということを一言附加えまして、私の質問を終ります。
  113. 奥むめお

    ○奥むめお君 時間もないことですから、内閣の大番頭役である福永官房長官としては、まあ吉田総理大臣がこの上ともにその職責を全うされるために、身を粉にしてもお骨折りになるのが私はあなたの責任だと、十分御存じのことと思うのでありますが、只今総理大臣の外遊につきまして皆さんからいろいろ御意見が出ました。これは国民挙げて何のために行くのか全然わからない。そういつたまあ日本の国家的に言えば、一番無駄なことは今度の三千万円のこの外遊費であるということになつているくらいの世の中だと思います。二十九年度の緊縮予算を発表なさつたときは総理大臣みずから国民耐乏を説いて、非常に日本の国民に国情のかん難を訴えなさつたわけです。で国民もそう納得して一兆円の予算を受取つてその犠牲に喘いでおるわけです。この際にこのはつきりした外遊の目的なり……私の今聞いただけでもまるで平和時代のこの曾遊の地を漫遊して歩くというこれだけの意味しか私は感じない。今度若しも決算委員会において総理みずからの品からその目的がはつきりされるとしましたならば、又考え方が変るかも知れないけれども、全くこれは一等国時代はそういうことがあつてよかつたかも知らんけれども、戦後どこの世界の国のことを考えましても、みんな国力回復のために政治的な責任のある地位にある者はもう一生懸命になつている。若し国を出てどつかに旅行したとしても、それはもう用談が済むとすぐに席の暖まる暇もなくみんな引揚げて帰つて来ております。それが十人余りの人を連れ、そうして四十日五十日近いこの旅程であちらこちらを歩いて挨拶廻りに行く、これは想像もできない私は暴挙だと思うのです。これは私だけでなく国民みんなその目的もわからないし、その旅程なんかを見ましても、実にふざけた国費の消耗だというふうにみんな考えているのが実情なんですね。こういうことをして国民に耐乏を説き、その緊縮予算の犠牲をしわ寄せれているこの実情というふうなものをお考えになるときに、外貨予算の問題一つ考えましても、各省とも今度の総理の外遊のために外貨予算が非常に無理になつておりまして仕事が進みにくい、非常に困つおるということを我々たびたび聞いております。でこういうここで、今臨時国会開会要求されておるにもかかわらず、それを無視して飛んで行つてしまおおとしている。あなたの大番頭としてのあなたの信念を伺いたいし、今までそういう点で、行くべきときでありませんと、むしろここにとどまつて、この国再建のために一生懸命やらなければ、よその国は皆再建できているのに日本だけがますます破綻に瀕しているじやありませんか。  私はこの点について官房長官の信念をお伺いしたい。そして今までそういう点で、こういう無駄を阻止しようとしてお骨折りになつたことがないかということを私は聞きたい。それは総理の我がままを甘く許すべきでないと思うのです。
  114. 福永健司

    説明員(福永健司君) お話の趣旨は外遊をして意義あらしめよということとも通ずることでございまして、私どもはこの外遊をして大いに意義あらしめるように努力しなければならないと存じます。御挨拶等の方法につきましても、只今できるだけ納得して頂けることを考えなければならんと存じておるわけでございます。今は行くことが無駄だという御説でございますが、これはまあいろいろ考え方があるのでございまして、今まで我が国が置かれておりました国際環境の中にありまして、祖国日本再建のためにもかくすることによつて再建の足どりを進めるということになれば、意義のあることになるわけでございますが、そういうことになるように努力をして行かなければならんと思います。国会その他のあらゆる方面でも諸外国へいろいろ御視察等になりますことは重々意義のあることでございます。いろいろの角度から見なければならんと存ずるわけでございますが、先ほども申上げました通り、こうしたお言葉によつて御鞭撻を頂いておりますことは、意義あらしめよという御趣旨であろうと考えまして、その御趣旨の下に善処いたしたいと存じます。耐乏日本において云々という話でございますが、今度の外遊の費用支出等の考え方も耐乏日本の総理大臣の外遊にふさわしいような耐乏外遊ということになろうかと存ずるわけでございまして、御趣旨の点も服膺いたしまして、善処いたしたいと思います。
  115. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 時間になりますから………。
  116. 永岡光治

    永岡光治君 最後に、時間も迫つておりますが、一つ内閣の大番頭であります官房長官がお見えになつておりますから、これは予備費関係とも非常に密接な関係がありますので、私は所見を一つ承わつておきたいと思うのでありまするが、それは先にとられました、今度の造船疑獄を中心にいたしまして、予備費支出が承認されましたのが七千六百万の巨額にまあ及んでいるわけでありますが、ところがここに実は最近これと関連いたしまして憂慮すべき事態が起つて参りました。それは先般の自由党の支部長会議における吉田総理お話の内容でありますが、その話の内容はすでに新聞やラジオ等でしばしば報道されておる問題でもありますし、官房長官みずからこれは十分御承知のことと私は思います。即ちその大要というのは、流言飛語に踊らされてあの捜査を行なつた、こういうような趣旨に受取れる発言でありまして、先ほどの検察庁法第十四条の発動によりまして、御案内の通り自由党幹事長の逮捕はいよいよこれを抑えるということで非常に国民からは検察官及び政府に対して、その威信全く地に落ちたという感じを私たちは深くするわけであります。この検察官の威信が地を払うということになれば、今後どのような事態になるかということを非常に私はおそれるのでありますが、ところでその発言と関連するわけですが、すでに政府みずからは七千六百万円の予備費支出は妥当であると認め、そうして捜査を続けさせ、そうして検察陣はまさにこれ睡眠もとらぬ徹夜続きの捜査を進めておる。地方からはその労苦に報ゆるという意味で卵等も大分陣中見舞として贈られておつたように伺つております。そうして捜査を続け、その中から出て参りました幾たりかの国会議員は政府みずからの、つまり吉田総理みずからの許諾を得たと同じ内容を持つところの政府側の名を以てするところの許諾の請求を国会にして来ております。そうしてそれは国会に認められております。例えばこれは具体的に挙げますならば、有田二郎君やそれから岡田五郎君、關谷勝利君等も挙げられております。参議院では加藤武徳君等も挙げられております。政府みずからがそれは妥当だと吉田総理がそれを認めて請求をして来ているのにもかかわらず、吉田総理みずからはあれは流言飛語だつた。こういうことになりますと、国民は一体どうすればいいか。一体誰が正しいのかということで非常に疑惑を持ち、政府に対する信頼、検察陣営に対する信頼が非常に薄らいで来ておりますが、いずれが正しいのか、吉田総理のあの私たちは暴言と考えるのでありますが、あの言葉が正しいのか、それとも検察当局が今日まで努力して参りましたあのことはやはり流言飛語に踊らされたのであるのか、これは閣議で十分承知しておりましようし、吉田総理の身近におつて助けておられる官房長官のことでありますから、私は十分そのことの所信を一つ披瀝して頂いて、先ずその所見を承わりたいと存じます。
  117. 福永健司

    説明員(福永健司君) 支部長会議におきまして自由党総裁たる吉田茂が発しました言葉が、言葉も足りなかつたし、一部用語の不適切なこと等がございまして、いろいろ物議をかもしていることは非常に遺憾に思つておる次第でございますが、只今御指摘のようにおつしやつたのは事実と大分違うものと思います。流言飛語に踊らされたとか、そういうことを言つておるのじやございません。あれを読むとわかりますが、一部に流言飛語があつたが、政府としてはそういうことに、政府じやございません、政府という……どういう言葉を使いましたか、それに対して云云ということでございまして、今お話通りの発言をいたしておるわけではありません。大分違うと思うのでございますが、まあいずれにいたしましても外に大分誤解等が生じましたことは非常に遺憾に存じております。逮捕許諾と関連いたしましてのことにつきましては、当時の議院運営委員会その他でいろいろ皆さからお話もあり、当時政府考え方等も申上げておるわけでございますが、お話だけ伺いますと、大変矛盾したことのように見えるわけでございますが、ああした手続は法律上当然ああいうような順序を経てああいう経過によつて進むわけでございますが、うまく両方くつつけになつておつしやると如何にも矛盾したように伺えますのでございますが、今の話術による言葉のあやで、そうおつしやられておる点は私は全面的には首肯しがたいことでございます。総理大臣といたしましては、もとより検察権の公平なる運用を願つておるのでございます。ただ言葉が足りなかつたためにそうした誤解を生じた点は申訳ないと存じておるのでございまして、今後慎しみたいと存じております。
  118. 永岡光治

    永岡光治君 それで、これは実は果して新聞に報道されたようなことが、官房長官としてはあれは言葉の足りないということで大分私たち自身が誤解しているような今の御答弁でしたが、私はそうでないと思うので、必要とあればこれはあの当時の録音があるそうでありますから、これは聞いても結構だと思います。ただ併しここで問題にしたいのは、やはり一国の総理であり、政府の代表者である者がやはりこういう暴言をするということは国民を迷わしめ信頼を失わしめるということでありまして、この点からは私は重大視しているのでありまして、いずれが正しいかということはやはり明確にして誤まりは誤まりとして率直に国民の前に明確にしなければ信を繋ぎ得ないと考えておりますので、その辺の真相はまだ今の官房長官の発言だけで私たちは十分納得できませんので、いずれ当面の責任者であります法務大臣出席を求めまして、その法務大臣としての信念乃至政府としての関係を明確に本委員会で質したいと思つておりますので、官房長官に対する質問はこれで打切りたいと思います。
  119. 千田正

    千田正君 時間もないようでございますから簡単に質問したいと思いますが、これは大蔵当局のほうも見えておりますので質問したいと思いますが、官房長官あなたのほうもはつきりお答え願いたいと思います。  今後の予算作成において予算の一割削減ということ、早く言えば政府が勝手にきめたわけでありますが、これが国会に諮らずに勝手にきめていいかどうかということは、これは財政法に触れるかどうかという点についてあなたがたの所信を伺いたいと思います。
  120. 福永健司

    説明員(福永健司君) 大蔵当局からの事務的見解はもとより更に申上げて結構なんでございますが、勝手に予算を削減したという次第ではないのでございまして、いずれの年の予算国会でおきめを頂いて、さてこれを執行する場合におきましては、政府政府といたしましてできるだけ節約しようとか何とかいうような方針で、又実施に当つてはいずれの年にもそれぞれ然るべく方針を立ててやつておるわけでございまして、そういう次第でおきめを頂きました中でも成るべく節約して行こうではないかという程度の意味の申合せをいたしておるわけでございます。国会予算審議権に抵触するような考え方の下に政府として独断専行しようという趣旨ではございません。その点御了承頂きたいと思うのでございます。
  121. 千田正

    千田正君 今の官房長官の言い廻しは、非常にあなたは話術にたけておるから要領がいいのですが、実際は現業官庁に対しては一割削減を強要しているはずである。少くとも財政法をお読みになればおわかりの通り予算を確定した後における削減は、いろいろな事由によるところのいわゆる政府予算の変更というものに対しては一応国会に諮るのが良心的ないわゆる大蔵当局考え方、政府当局考え方でなければならん。そういう意味から言つても臨時国会におけるところの今後の政府の所信としては、当然国会に諮るのが政府としての責任であると私は思う。その点についての見解はどうでありましようか。
  122. 福永健司

    説明員(福永健司君) 政府予算を変更しているというわけではないのでございまして、先ほど申し上げましたような趣旨によりまして、成るだけ節約もしようというようなことで各省ともこれに協力をいたしておるわけでございます。そういう趣旨でございますから、従つて予算の更に国会で御審議を頂いた上で変更して頂かなければならんというような趣旨の決定政府がいたしておるわけではないわけでございます。なお、この点につきましては大蔵当局からもお答えいたします。
  123. 正示啓次郎

    説明員(正示啓次郎君) 只今官房長官からお答えになりました通り、先般の予算の節約は政府部内におきます一種の自粛の申合せに過ぎません。予算はどこまでも国会で御議決になつ通り、或は自然成立いたしました通りのものが成立いたしておるわけであります。これを今後予算として修正する場合にはもとより成規の手続によりまして、いわゆる補正の形を以ちまして国会の議決を経た上でないと予算外の成立ということは成立たないわけでございます。今日成立をいたしました予算の範囲内におきまして、使用についての自粛的な申合せが閣議においてなされたわけで、さように私ども承知いたしております。
  124. 千田正

    千田正君 大蔵当局説明は誠に自粛予算ということで結構なことであるが、現業官庁としては実際内部によるところの執行としては非常な支障を来している面があると私は考える。これは当然早く臨時国会を開いて、あなたがたは本当に緊縮予算というものを執行しようとするならば、当然臨時国会を早期に開いてこの緊縮予算の一割削減というものの実施に当らなければならないと思う。あなた方の言うことは国会を開いていずれやろうということであるが、実際現業官庁においては一割削減を強要しておると私は思つております。その点の実情はどうでありますか。
  125. 正示啓次郎

    説明員(正示啓次郎君) お答えいたします。強要というお言葉でございますが、これは全然そういうことはございませんで……。
  126. 千田正

    千田正君 強要に似たような、強引な行き方で……。
  127. 正示啓次郎

    説明員(正示啓次郎君) 私どもの責任におきまして、閣議で申合せたわけでございます。決して強要はいたしておりません。
  128. 久保等

    ○久保等君 時間がないようでございますから、簡単に申上げたいのですが、先ほどの外遊問題について、最後に官房長官のほうから、大いにこの委員会としては外遊に関してこの際意義あらしめるような趣旨として理解されたというような御発言があつたのですが、私はこの問題は重要だと思うので、是非はつきり申上げたいと思う点は、まあ先ほど来官房長官からいろいろと御説明なり釈明等があつたわけですが、総理の外遊の問題についてはまあ何一つ明確にされておらない。それで先ほど外遊の経費の問題につきましてもいろいろ質問がされておりますが、まあ三千万円の国費の問題にいたしましても、これは単に総理府所管の国費を三千万円使うということであつて各省関係の問題については又各省それぞれで以て支出するのだというような話もありますし、それから同時に本年の五月頃であつたと思うのですが、総理は何か旅費の工面がつけば、そのうちに一つ外遊の問題については考えたいのだというようなことも何か申されたようなことが伝えられておるのですが、そういう点から考えますると、国費は成るほど使わないけれども、相当いろいろ民間のどういう形で集められるか知らないし、集められたか知らないのですが、相当一般民間からかき集めた経費等も支出をして、私は外貨の関係では結局そういつたものをかき集めますというと、相当な莫大な金額になるのではないか、従つてこの前すでに出発をするということについて日時まで決定しておつたようないきさつもあるのでありますので、総理外遊に伴う全員のトータルの外貨の割当、外貨総額はどの程度になるか、これは一つ是非この機会に承わつておきたいと思う。  それから特にこの際総理の外遊の問題については、先ほど官房長官の御説明等を承わりましても、結論的に言えば我々国会といたしまして総理に行つてもらいたいなどというどころではなくて、この際むしろやめることが国民に対して私はせめてもの総量の誠意のお示しどころだと思うのです。恐らく側近の若干の諸君はやはり総理の外遊を歓迎するかも知れない。国民の一人として総理の外遊に双手を挙げて賛成乃至は行つてもらつたほうがプラスだと考えている国民は、八千万以上の国民がいるが、私はそうはいないと思う。従つて官房長官は先ほどこの際は総理の外遊を意義あらしめてもらいたい、或いはそういう意味での御激励というようなお話があつたのですが、これはとんでもない私は一つの誤解だと考えます。従つて今の外貨の問題についての御答弁を願つて、残余の問題については私は今御答弁を求めることは希望いたしませんが、本日は時間がないので簡単に申上げたいと思うのですが、まあ先ほどもいろいろ質問されておりますように、黄変米の問題等については是非今後外地等に出掛けて行つて、今日国民の非常に大きな不安をかもし出しております黄変米の問題について、外交折衝その他についてもできる限りの措置を講ずべきだと、金額にして会計検査院の何ですと、三百万円足らず、ドルに直しますれば一万ドルに足らない金額です。ところが総理の外遊の問題につきましては、伝えられるところによりますとまあ百万ドルとか何とか言われておりますが、そういう問題と比較検討してみましても、総理は一体何のために行くのだ、別に特殊な問題もないが、とにかくぶらぶら出掛けて行くのだ、日数の点はどうなるのかと聞いてみますと、今日では航究機の相当発達しておるときに二月ですか、長期に亘つて外遊しようとされておる。目的は何だといつても目的も明確でないというような問題に対しまして、私は外貨の問題にいたしましても、それこそ一ドル或いは一セントでもこういう外貨を使つて行くということはとんでもないことだと思うのです。従つていろいろ申上げたい点もありますし、お聞きしなければならない点もありますが、結論的に言えば、やはり官房長官としてはまだとにかく腹づもりはあるけれども、発表する段階でないということが結論であつたと私は思いますし、そういう点で幾ら質問をいたしましても余り意味がないと思いますし、是非早急に何らかの形で正式に発表する段階があると思います。併しその発表する段階というのは、私どもの先ほど来申上げておりまする当委員会の空気から言つても、是非この決算委員会においては私は総理みずからが出席して、せめても自分の考えておりまする外遊についての所信、目的、計画、日時等について私は明確に一つ披瀝してもらいたい。かように考えるのですが、これは何も私個人の考え方というものでもなければ又希望ということではなくて、飽くまでも今日の国民が誰しもこれを、心からそのことを念願しておると思うのです。是非  一つこの点はまあ官房長官にお伝えしておいて、総理の当委員会出席しての御答弁を願いたいと思いますし、先ほども申上げたように外貨の問題については御答弁を願いたいと思います。
  129. 福永健司

    説明員(福永健司君) 大分誤解があると思うのです。
  130. 久保等

    ○久保等君 誤解はない。
  131. 福永健司

    説明員(福永健司君) 先ず三千万円云々がその他に随分出るのじやないかというお話でございますが、これは合せてそういう額でございます。これはもうすでに御説明申上げたと思うのでございます。なお百万ドル云々というお話でございますが、これは単位が違いやしないかと思つております。三千万円にいたしましても、結局外貨を使いますのはその何分の一かということになるのでございます。三千万円より遥かに少いわけでございます。或いは百万ドルとおつしやつたのは十万ドルの単位の違いではないかと存じます。  なお旅費の工面ということで、まあそういう言葉が当時出ましたのでございますが、これはまあ一種のユーモラスな表現であつたのでごいまして、いつ頃行くのだというようないろいろな質問があつたときに、まあ旅費でも工面できたらといつたようなことを言つて、何分あのときのあの言葉はよく知つた仲間に対しまして、今申しましたような軽い意味で申しましたわけでございまして、当時現実に金集めにどうこうしておつたというわけではないわけであります。そういう意味であつたことについて御了承頂きたいと思います。  なお御意見としていろいろお述べ頂きましたことにつきましては、重々参考にいたしたいと思います。
  132. 小林亦治

    委員長小林亦治君) じやあ御苦労でした。  次に窪谷管財局長が見えておりますから、先ほどの案件であられる銀塊問題について御説明を願いたい。
  133. 大倉精一

    ○大倉精一君 その前に……。
  134. 小林亦治

    委員長小林亦治君) ちよつと速記をとめて。    〔速記中止
  135. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 速記を始めて。  それでは管財局長、御苦労でした。おいで願つたのはこれは長野県下の問題なんだが、終戦当時に、当時の軍需省が所管しておつた銀塊を、終戦直後であるところの十月の何日かに、米軍が現場に参つて十五トン前後の銀塊を持ち去つた。こういう事実が地方新聞に報道せられておる。それから先ほどには千葉県下に大量の銀塊がこれ又同じようなコースで以て米軍に没収された。こういうことになつていますので、これらについて何かこの当局はお取調べになつておるかどうかということが一つです。  それから第二番目に、殊に長野の問題は持ち去られるところの直前の十月の五日に、大蔵省からその現物を動かしてはならない、移動しないようにという特に指令があつたそうなんです。そういうことになつてみると、必ずこれは国の国有財産の帳簿に載つておるはずなんだ。その関係がどうだということが第二点なんだ。  それから第三の問題として、今後かような問題が突発したのを転機に、各所から同じような事実が現われて参るんじやないか、そういうことに何らか対処する方策をとつておるのか、これが第三点。  時間が遅くなりましたから質問を簡単にするため申上げるのですが、四番目に一体この終戦当時の国有財産関係というものは、今日までどの程度明確になつておるか、これが四番目の問題なんですが、時間も遅くなつておるし、余り質問が続発しないようにですね、でき得るならば局長から事前にこれらの四つの件を明らかにしてもらいたい。こういうことでおいでを願つたんです。
  136. 窪谷直光

    説明員窪谷直光君) 先ず長野県の問題でございますが、委員長の御発言の中にもございましたように、旧軍需省の航空兵器総局が航空機材料として銀を調達をいたしておりました。それを各所に分散保管をいたしておつたのであります。それが戦後占領軍によりまして接収をされたのでありまして、その日付も委員長のおつしやいましたように二十年の十月の十六日ということに相成つております。それで当時は日本政府としてはその接収には何ら干与を許されておらないということでございまして、占領軍の軍直接の行動として接収をいたしたのでございます。これは必ずしも政府の所有のものだけでなしに、民間の貴金属類も御承知のように接収をされたのでございました。接収をされましてからあと占領軍はこれを日本銀行或いは造幣同等の倉庫に集中をいたしまして、民間のものと混在をして保管をいたしておつたのでありまして、その中には保管の便宜上鋳つぶしをいたしまして保管をいたしておつたものもございまして、従いまして個人別の、個人別と申しますか、接収の場所別の保管の方法はとつておらなかつたということでございます。  それから講和条約が発効いたしまして、日本政府に返還をされたのでございます。その返還の建前といたしましては、旧所有者と申しますか、真実の所有者に返還する措置が適当であろうという覚書をつけまして、講和条約が発効する極く少し前に物理的な保管の責任を日本政府に移して参りました。従いましてその当時におきましては、日本政府としてはそれを処分する権限はまだ移譲されなかつたのでありました。ただ事実上保管をしろということだけであつたのでありますが、それが講和条約の発効と同時に処分権も日声政府に返つてつたわけであります。今申上げましたように今保管をいたしておりますものの中には、旧国有であつたものもございまするし、それからなお民間のものもあるわけでありまして、それらの処理をどうするかということが問題であつたわけでありまして、いろいろ御意見がございまして、これは旧所有者に何ら法律上の処置を待たないで返すべきものではないかというふうな御意見もありましたし、又これは民間と政府とを問わず一応国の財産として処理をしてしまうのが適当であろうというふうな御意見もあつたのでありますが、先般政府におきましては、この処理に関しまして接収貴金属等の処理に関する法律案というものを先般の国会に提出をいたしまして、目下その御審議を願つておる状況でございます。その法案の大要は皆さまがたの御承知のこととは存じますが、先ず現在政府が保管をいたしておりますのは必ずしもすべて国有ということではないのでございまして、物によつて大分その割合は違いますが、国有のものもあれば、旧国有のものもあれば旧民間所有のものもあるということでありまして、それをそれぞれ適切な処理をするという建前でありますが、その内容といたしましては、個々の残つておる現物を仔細に調査をいたしまして、その現物が過去において民間の誰それのものであつたというふうなことが確認される場合にはその旧所有者に返す。従いまして、旧国有のものでありましたものも一応確認をされて、もともと国のものであつたということになりますれば、そのとき初めて国有ということが確定をいたすという建前に相成つております。その処理につきましては、当時占領軍が接収をいたしました場合に日本政府としては何ら干与を許されなかつた。それからなお接収のときに出しました受領書でございますが、これは中には全然出されてないものもありましよう。又出されたものもありましても、その内容が極めて包括的に書かれておりまして、それだけではどうも立証の材料になり得ないというふうなことがございました。それらの点につきましては、当時民間で持つておりました帳簿でございますとか、或いは又国の帳簿というふうなものを立証の材料として判定をいたして行かなければならないのでありますが、相当むずかしい問題でございますので、これを単純に政府の事務当局だけで認定をしてしまうということは穏当でないということから慎重に処理をいたしますために、そういうふうなこれは誰それのものであつた、従つて又これだけの数量を誰それに返すべきものであるというふうな仕事をいたします委員会を設けて頂きまして、その委員会決定に基いて大蔵大臣はその最終的な処理をいたすというふうな建前にいたしておるわけでございます。従いまして、現在におきましては国の財産ということには確定をいたしておりませんので、現在国が保管をいたしております接収貴金属の現在高でございますが、これは非常に明細な帳簿を以ちましてその整理をいたしておるのであります。  それからなおこれは千葉県の問題にも関連をいたすのでありますが、千葉県にもやはり旧軍の銀塊が保管を委託されたのであります。目下千葉県庁に対しまして当時の状況調査を委頼いたしております。最近の新聞によりますと、その調査が大分完了に近いような新聞記事を拝見いたしたのでありますが、まだ公式の報告は千葉県庁から出て参つておりません。従いまして、この問題は調査中でございます。それから旧……旧と申しますか、国有財産で終戦当時あつたものの整理がどうなつておるかということでございますが、これは旧軍用財産につきましては、旧軍用財産の中で接収されました貴金属類を除いての問題でございまするが、これは国有財産の台帳に当時から全部計上をされまして、毎年国会に御報告をいたしておるのでございます。それから接収貴金属につきましては、これはまだもと国のものであつたというものはございますけれども、今日の状態におきましては、どれほどが国のものであるかということの確認ができない。従いまして、これは特別の立法によりまして、その手続によつて確認をいたすということでございますので、国有財産の台帳には計上はいたしてないのでございまして、その代りと申しますか、現在国が保管をいたしております接収貴金属の内容というものについての帳簿を持つておるという状況でございます。
  137. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 占領国が接収したというものならこれは格別なんですが、やはり終戦によつて旧日本の国有財産が全部零になつたのではないのでありますから、旧国家に所属しておつたものでもですね、現在当然所有関係が継承されておるわけなんです。従つて戦時中の微発というものは殆んどこれは軍需省であつたと思うのです。そうしてみると、その徴発が不当であつた事実があつても、やはり当時のこの法規に基いて提供さしたのですから、一応これは国の所有になつたと見て差支えないと思うのです。そこで今局長の御説明によると、国有か民有かわからないというはずがないわけです。恐らく十中八、九は全部国有なんです。国有になつたものを、むりに徴発したものであるから、元に返えさなければならんという良心はわかりますが、これは全部法律上国のものなんです。あなたのほうの考えが民主的で誠に結構ですが、超法的な解釈でないかと私は思います。これは国のものとして提供さしたものはその所有権は国に移つておる。従つて日本国が管理しておつたものは、軍が徴発してもその所有が再び返つた場合にはこれは当然前の所有権が生きるのでありますから、民間所有なりということはこれは出る余地がないように思われる。それともですよ、個人とか或いは国以外のものから占領軍の強権によつて徴発したものがその中に相当量あるというなら、今おつしやつたような区別が出て参る。一応全部徴発されたものは国のものになつたんです。そういう関係をどういうふうに御研究になつておるか。
  138. 窪谷直光

    説明員窪谷直光君) 今委員長から御指摘になりました分につきましては、私どももそういうふうに考えております。旧軍需省が航空兵器の材料、或いは又その他の材料に供します貴金属を買上げております。買上げました場合につきましては、私どもはこれを又元の旧所有者に返すという考えは持つておりません。これ又現在御審議を願つております法律案にもそういうことはないのでございます。ただ戦後占領軍の接収いたしましたものは、政府が持つておりましたもののみならず、民間所有のもの、これは戦争中に政府が買上げてない、買上げたものでないものでありますが、そういうものも接収をいたしておるのであります。従つて現在政府管理をいたしておりますものの中には旧国有であつたものと、終戦後に民間から無償で占領軍が接収いたしたもの、両方が混在いたしておるという状況でございます。
  139. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 旧国有は無論国の国有財産の原簿に載つておると思うのですが、その時代の原簿の数額と、現在現われて参つたものとの数額の差がどれほどあるか、これはおわかりになつておると思うのです。
  140. 窪谷直光

    説明員窪谷直光君) これは占領軍が管理をいたしております際に、これは旧国有のものである、これは民間のものであるというふうな区分いたしておるところの整理をいたしておらないのでございます。混在をいたしておりますのと、それから又製品等につきましては、これを鋳つぶした上で保管をいたしておるというふうな状況がございまして、なかなか的確にはどうも対照が今日においてはできないのでございまして、これはやはり特別の立法をお願いして、その手続に従つて精細な調査を進めて行くよりほか途がなかろうというふうに考えておるのであります。
  141. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 混在しておるものはこれは仕方がないですが、終戦前にどのくらいあつたかということは、これは原簿にないのですか、大蔵省のほうの……。これありますならば、今申上げた点は明瞭になると思うのです。
  142. 窪谷直光

    説明員窪谷直光君) これは終戦当時には帳簿があるべき筋合のものでございます。ただ旧軍が持つておりましたものにつきましては、終戦当時大体軍の書類は焼却をしてしまつたというようなものがございまして、その調査に非常に今苦慮をいたしておるのでございます。記録に残つておりますものは当然はつきりいたしておるのでありますが、旧軍が所有いたしておりましたものにつきましては、それを照合する帳簿類が完全には現存していない。ただ当時軍から占領軍に出しました目録がございましてそういうふうな目録を今頼りにして調査を又続行をいたしておるというふうな状況でございます。
  143. 小林亦治

    委員長小林亦治君) そうすると、調査千葉県の場合と、只今この問題となつ長野県の場合ともお進めになつておるわけでありますか。
  144. 窪谷直光

    説明員窪谷直光君) これは正式の最後的な処理は法律を御制定頂きました後になりますが、準備的な作業といたしまして調査をいたしておるのでございます。これも当時の関係者でなければ正確な調査ができませんので、千葉県のものにつきましては、千葉県庁に軍から保管を委託したという事実があるようでございまして、千葉県にその調査をお願いをしておるというふうな状況でございます。
  145. 小林亦治

    委員長小林亦治君) それの場合ですね、もう一点だけ……。国有財産、県の場合には当然これは問題になると思いますけれども、これは成るべく厳格、迅速に御調査を進めておいてもらいたい。
  146. 永岡光治

    永岡光治君 この長野県の松尾村に起きました本件ですが、これはどこに納めて、詳細はどうなつてつて、台帳はどうなつておるかということは明確になつておるのでございましようか。重ねてその点明確にお答えして頂きたい。
  147. 窪谷直光

    説明員窪谷直光君) これは旧軍需省の航空兵器総局に保管したものであるということは確かでございます。それからそれが占領軍に接収されたということも事実のようでございますが、ただそれから後の状況になりますと、ごつちやにして占領軍が保管をいたしておりますので、これは当時の記録と現在あります現物とを一々対照をいたしませんと、そのものが保管をされておるかどうかということの判別ができない状況でございます。今度御審議を願つております法律ではそういう手続をやつて確認をするというふうなことに相成つておる次第であります。
  148. 永岡光治

    永岡光治君 一緒に置かれておつたということはあり得ることだと思いますが、私の聞きたいのは、この松尾村から運搬されてどこに持つて行かれたという、そのことが明確になつておるかどうかということです。それは管財局のほうでは明確にされていないということですか。
  149. 窪谷直光

    説明員窪谷直光君) これは当時の関係者につきまして調査をいたさないと、現在のところでははつきりはいたしておらないのでございますが、当時政府が全然関与をいたしておりませんために、軍が自分の直接行動としてやつたのであります。恐らく日本銀行なり造幣局なりの倉庫に移動をしておつたものというこの推定は付くのでございますが、その具体的なものがどういう経路でどういうふうに動いたかということにつきましては、どうもはつきりした何が今日としては付きかねるという状況であります。
  150. 永岡光治

    永岡光治君 これはやはりできるだけ……、私たちの心配なのは、やはり詳細明確にしておかないと、これがうやむやなうちにどうなつたかということは不問に付されると思うのですが、是非ともできるだけの努力を払つて手続をちよつと渡りを付けまして、どこに行つたかということを明確にして欲しいと思うのです。この本件について同じようなことが恐らくどの地方でも起つておるだろうと思います。その都度できるだけそのつてを求めて、終戦当時の政府管理者ですか、とにかく努力してどこに行つたかということが明確になるように、是非ともそこまでは責任を果してもらいたいと思います。
  151. 窪谷直光

    説明員窪谷直光君) 誠に御尤もなお話でございまして、従来ともそういう考え方で仕事は進めて参つたのでありますが、今後とも更に促進いたすようにいたしたいと思います。
  152. 岡三郎

    ○岡三郎君 千葉の銀塊が千葉県庁に保管が委託されておる。この長野県の例についてはどこに移管されておつたか、わかりますか。
  153. 窪谷直光

    説明員窪谷直光君) これは残つております記録によりますと、航空兵器総局自身が保管者であります。ただその保管の倉庫は日本倉庫統制株式会社というのが戦時中にございましたが、その会社の伊那八幡と申しますか、そこにあります支所倉庫に保管をいたしておつたということでございます。
  154. 岡三郎

    ○岡三郎君 そうするというと、軍需省が直接に保管をしていたとすると、軍需省の帳簿、そういつたものが大蔵省に当時移されておつたわけですか。
  155. 窪谷直光

    説明員窪谷直光君) それは軍需省がなくなります際に、大蔵省のほうにこれだけの銀塊があるという記録がこちらに移管をされております。
  156. 岡三郎

    ○岡三郎君 そうでしようね。そうするというと、その後この五十トンというふうに出ておりますですが、この十五トン程度の銀塊が伊那の八幡ですか、この駅から積出されたと、それがどこにどういうふうになつてつたかということの調査はされたことがありますか。
  157. 窪谷直光

    説明員窪谷直光君) これは若干似たような事件が、これは千葉県も同様の問題でございまして、まだこの具体的な問題につきましては、そこまでの調査はまだ手が行届いておらないという状況でございます。できるだけ私のほうで速かに調査をいたしてみたいと考えております。
  158. 岡三郎

    ○岡三郎君 結局本委員会で銀塊持出しの問題を一応取上げることになつたという点はこれにとどまらず、当時の現象として同様のケースが全国的にあつたと推定されるわけなんです。それについての帳簿が一応大蔵省にあるとするならば、その資料をここに御提出願つて、そうしてその資料について現状調査済の点についても一応概略の点をこちらのほうへ説明要旨というか、そういつたものをお出し願いたいと思います。我々としてもこういつたものが新聞その他に出るということになれば、やはり国有財産の保管という問題で一応ピリオドを打つておかないと疑惑というものが随分出る。これは国際関係の問題としても重要な問題と思うのです。そういう点で一つ今の資料を御提出願いたい。と共に、併せてでき得る限り速かに御調査せられたいとお願いいたしておきます。
  159. 久保等

    ○久保等君 先ほどの御説明国有財産の帳簿に載つておるやつは大した問題はないと思いますが、帳簿に載らないもので、やはりこれの今日の保管状況について何か帳面を作つて登載しておられるというお話なんですが、それに実はいろいろと問題があろうと思いますが、そういつた国有財産以外の帳面に記載せられておりまするものがどの程度あるのか、そういつたようなものも今資料の要求がありましたが、私は委員長を通じてこれをお出し願いたいと思います。
  160. 窪谷直光

    説明員窪谷直光君) 両委員からのお話の資料をできるだけ速かに調製をいたしまして提出いたしたいと思います。
  161. 小林亦治

    委員長小林亦治君) どうも御苦労様でございました。  本日はこれを以て散会いたします。    午後二時五十三分散会