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説明員(新沢寧君)
只今委員長から
お話がありました通り、本年産の米価につきましてはまだ大蔵省といろいろ共同作業をや
つております段階で、最終的な結論が出ておらないのでございますが、本日は農林省側として
考えておりますといいますか、そういうような点を、やや一方的になるかと存じますか、御
説明申上げたいと存じます。勿論、本年はいわゆるデフレ政策を推進しているときでございますので、米価の決定に当りましても、これを無視しては決心できないと思うわけでございまして、十分この点を考慮に入れて決定しなければならないというふうには
考えておるわけでございます。ただ、どういうことがデフレ政策を推進することに役立つかという点になりますと、私どもといたしましては、やはりまだデフレ政策そのものが漸く始ま
つたばかりでありまして、非常に大きなまつすぐの道を進んでおるというふうにも
考えられないのでありますから、米価或いは
食糧管理政策全体の面を通じまして、この
動き始めた道を乱さないようにという点を
考えるのが大切であろうということを
考えるわけでございます。そういたしますためには、私どもといたししましては、やはり配給量を相当確保する。
政府の手によ
つて操作し配給するものは、やはり昨年に比べて今年は相当豊作であるということでありますれば、やはりそれだけ
政府の手によ
つて配給いたします分は昨年よりも、比べて、多くして行くことかいいのではないか、そのほうが家庭が安定し、いろいろなデフレ下における困難を生じないで済むのではないかという
考え方をいたしまして、私どもといたしましては、やはりできるだけたくさんの米を集めるということを主眼にしてものを
考えて行きたいというふうに
考えておるわけでございます。従いまして、米価の価の買入
価格でございますが、生殖者
価格の面におきましては、一応昨年実現いたしました水準というものを引続き本年も維持して行きたいという
考えで米価を
考えて参りたいというふうに
考えておるわけでございます。ただ米価の内容といたしまして、基本米価のほかにいろいろ各種の奨励金がたくさんついて米他の性格を非常にあいまいなものにしているという批判があるわけでございます。これらの点につきましては十分反省を加えているわけでございますか、併しいろいろの理由でできました奨励金のすべてを本年直ちにく全部やめてしまう、いわゆる基本米価一本にすることもなおまだ困難ではないだろうかという
考えを持
つております。それで
只今のところはいわゆる昨年供出完遂奨励金というものがございましたか、これだけは性格的にも基本米価とみなされるべきものでございますので、本年はいわゆる完遂奨励金というあは特に書上げませんで、基本米価中にこれを繰込んで参りたいというふうに
考えております。そのほかの奨金といたしましては、早期供出奨励金と超過供出奨励金がございますが、早期供出奨励金につきましては、これは大体昨年の
考え方を踏襲して行きたいと存じております。ただ昨年は天候の
関係で一体に作柄も遅れておりましたために、早期供出奨励金の最終期が大分遅くな
つておりまして、十二月十五日というのか、最終期にな
つておりましたので、これは本年の気象
状況から見まして、そこまで遅い期限を設けておく必要はないのではないかというふうに
考えまして、最終期限は若干引上げて参りたいと思
つております。全体の構成としては去年のような体制を続けて行きたい。ただ新らしいことといたしましては、昨年の
凶作のために非常にこの米穀年度におきましては、操作上非常に苦しい操作をや
つておりますので、端境期を円滑に乗切りますためには、できるだけ早い時期にできるだけの米を集めたいという
意味合におきまして、昨年ありませんでしたいわる特別早期奨励金とでも申しますか、一段早い時期においての集荷を奨励いたしますための将励金の一段階を新らしく設けて参りたい。具体的に申しますなりば、昨年の供出奨励金の第一期の終りは、十月の十五日でございましたか、今年は一番早い時期につきましては、九月二十日というものを、特別早期と申しますか、という段階で
一つ設けて参りたい。去年の第一期に相当するものもこれを半月ほど繰上げまして、九月末までということにいたして参りたいと
考えております。以下順次大体半月ずつ繰上げて、期別を区分して参りたいというふうに
考えておりふす。それから超過供出奨励金につきましてはこれは超過供出奨励金の額が非常に大き過ぎるということが、いろいろな面において不都合を来たしている。階層間の
収入のアン
バランスを生じたり、或いは実際問題といたしましては、供出割当のいろいろな不便を来たしているというような点もございますので、基本米価をできるだけ高くし、超過供出奨励金はできるだけ縮減して参りたいという
考え方は、十分取入れて行かなければならないというふうに
考えておりますが、併し一応基本米価に超過供出奨励金を加えた総額というものは、やはり目標といたしましては、物を集めるということを主体に
考えてております以上、
生産地におきますいわゆる闇
価格というものを考慮に入れて、行かなければならない。それを無視しては
価格は立たないのじやないかという観点から必ずしも去年の供出奨励金をただ幅が広過ぎるからとい
つて、理由がなく、大幅に削ることも如何かと
考えておりまして、基本米価超過供出奨励金を加えた総額は大体
生産地、主な
生産地であります東北、北陸等におきます実際の闇
価格というものを目標に置いて
考えて参りたいというふうに
考えております。以下のような
考え方を総合いたしまして、
生産者
価格につきましては、大体去年の平均手取額というものを今年も大体維持して行くような線にきめたいというこで、農林省は案を作
つておるわけでございます。
なお消費者
価格につきましては、これは建前として上げるべきでないといい
考えをと
つておるわけでございます。
生産者
価格は据置くということにな
つて参ります。そういたしますと、
生産者
価格と消費者
価格との門において相当赤字と申しますか、財政負担を要すべき額が、相当二百億内外出て来るわけでございますが、これを如何なるところから財源を求めるかということが相当米価決定に当
つての大きな問題とな
つておるわけでございます、農林省の
考え方といたしましては、本来ならば、一般会計から繰入々するということが本筋ではあろうと存じますが、いろいろ財政的な実情からこれは困難だといたしますれば、食管内部で何らかの財源を見出すことができないだろうかという点で、いろいろ
計算をいたしておりますが、必ずしも財源が皆無なわけではございませんで、食管特別会計の内部から若し捻出しようと思えば相当
程度財源を生み出すことかできるのではないだろうかという
考えを持
つております、
以上総括いたしますと、
生産者
価格は去年の水準を維持する、消費者
価格は又昨年の
価格を据置にする、その間に生じて参ります赤字分につきましては、血管会計の中から出て参ります財源以て当てて参りたいというふうな感じ方で進めております。勿論この点につきましては、大蔵省は大蔵省としてのいろいろな立場がございまして、まだ農林省の主張が全面的に大蔵省に入れられるという段階までには到着しておりませんで、連日両者会合いたしまして、種々討議を進めておるといのが
只今までの経過並びに現状状でございます。