運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1954-03-05 第19回国会 参議院 経済安定委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年三月五日(金曜日)    午前十一時四十一分開会   —————————————   委員の異動 二月八日委員高橋衛辞任につき、そ の補欠として北村一男君を議長におい て指名した。 二月十日委員笹森順造君及び八木幸吉辞任につき、その補欠として苫米地 義三君及び石川清一君を議長において 指名した。 二月十二日委員永井純一郎辞任につ き、その補欠として八木秀次君を議長 において指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     早川 愼一君    理事            岩沢 忠恭君    委員            奥 むめお君            八木 秀次君            鮎川 義介君   政府委員    経済審議庁次長 長村 貞一君    経済審議庁総務    部長      西原 直廉君    経済審議庁調整    部長      松尾 金藏君    経済審議庁調査    部長      須賀 賢二君   事務局側    常任委員会専門    員       桑野  仁君    常任委員会専門    員       内田源兵衞君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○理事補欠選任の件 ○日本経済の安定と自立に関する調査  の件  (国際収支実績等に関する件)   —————————————
  2. 早川愼一

    委員長早川愼一君) それでは只今より経済安定委員会を開会いたします。  理事補欠選の件についてお諮りいたします。本委員会理事でありました高橋衛君及び八木幸吉君が先般相次いで本委員辞任されましたので、その後任の理事を互選いたしたいと存じます。つきましては、その互選の方法でありますが、当該会派からそれぞれ推薦いたされておる関係上、成規の手続を省略しまして、委員長の指名に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 早川愼一

    委員長早川愼一君) 御異議ないと認めます。それでは私から岩沢忠恭君及び苫米地義三君を理事に指名いたします。
  4. 早川愼一

    委員長早川愼一君) 次に、日本経済の安定と自立に関する調査に関連いたしまして、先に昨年十二月、国際収支実績及び見通しについて一応の説明を聴取いたしましたが、その後の状況が更に悪化していると伝えられておるので、外貨手持状況明年度における見通しなどにつきまして、その対策について、当局から説明を聴取したら如何かと思いますが、幸い経済審議庁次長が御出席されておりますが、如何でありますか。    〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  5. 早川愼一

    委員長早川愼一君) それではお願いいたします。
  6. 長村貞一

    政府委員長村貞一君) 本日丁度お手許貿易及び為替関係概況というものを取りまとめまして差上げてございますので、先づこれにつきまして概略の御説明部長からいたさせたいと思います。
  7. 松尾金藏

    政府委員松尾金藏君) 国際収支見通しにつきましては、前に本委員会におきまして二十八年度の見通しといたしまして、最後バランスにおきまして一億九千万ドルの赤字、二十九年度につきましては約九千万ドルの赤字というような国際収支見通し説明いたしたのでありますが、最近の実際の何といいますか、バランス状況を辿つてみますと、二十八年度につきまして若干或いはかなり収支バランス上の食い違いが出て来るのではないかというような状況なつておることは御承知通りでございます。この点を今お手許に配付してございます資料につきまして御説明を申上げたいと存じます。  この資料は少し詳細過ぎまして、却つてお読み取りにくいかと思いますが、最初の頁から見て頂きますと、為替収支受払を二十六年、二十七年、二十八年と、こういうふうに従来の実績を取つてございます。二十六年におきましては、ここにございますように、最後バランスにおきまして三億三千百万ドルの黒字が出ておつたのであります。それから三段目に二十七年の計がございますが、このときにおきましても、事後の収麦バランスにおきましては三億一千四百万ドルの黒字であつたわけであります。その当時におきましては、外貨保有量が、更に右側の欄にありますように十一億八千二百万ドルの外貨手持ちがあつたわけであります。そういう形で二十八年に入つて行くのでありますが、二十八年に入りましても、初めのほうはそう大きな変化もないことは、ただ下のほうで数字を辿つて見て頂きますとお読み取り願えると思うのでありますが、その次の頁、第二頁に至りまして二十八年の七、八月以降の経過をここに読んで頂けると思うのであります。先ず受取の欄で見て頂きますと、一番左側の受取貿易欄でありますが、大体七月以降におきましても、各月一億ドル前後の貿易受取を示しておりまして、いわゆる輸出の面におきましては余り大きな変動がなかつたことを示しておるのであります。ところがその次の支払の欄で、更にその内訳の貿易の欄を見て頂きますと、七月のところでは一億五千二百万ドルの支払なつております。八月も大同小異、九月も大同小異でありますが、十月に入りますとここでかなり増加をいたしまして、一億千六百万ドルという言うになつております。十一月はやや支払が落ちていますけれども、十二月になりますと、ここにございますように二億三千八百万ドル丁度三負目の一番上の所に数字が出ておりますが、二億三千八百万ドルというふうに、この辺になりますと、貿易に伴う支払が急に増加を示しておるのであります。そういう関係からいたしまして、その次の欄で二十八年の暦年の計が出ておるのでありますが、ここで御覧になりますように、二十八年の暦年におきましては、受取が、貿易外を合せまして二十一億二千万ドル、それに対しまして支払が二十三億一千三百万ドル、その結果二十八年暦年の間の集計におきましては一億九千三百万ドルの赤字が出たわけであります。その結果二十八年十二月末の外貨保有量は、その更に右の欄にございますように、九億七千七百万ドルというような状況になつたのであります。この二十八年の計と申しますのは暦年の計でございまして、ここで一億九千三百万ドルの貿易収支赤字が出ておるのでありますが、前に二十八会計年度国際収支見通しといたしまして、二十八年度には大体一億九千万ドルぐらいの国際収支赤字が出るだろうという見通しを持つておつたのでありますが、勿論二十八会計年度国際収支最後数字はまだはつきりした見通しはつかないわけであります。ただたまたくここで二十八年暦年と比較してみますると、二十八年暦年で、偶然ではありますけれども、一億九千万ドルというような国際収支赤字が出ておるのであります。併しながらこの表は為替収支現実受払を示しておるのでありますが、この現実受払が更に二十九年の一月—三月、つまり二十八年度の第四四半期においてどういう実績になるかということを見てみないといわゆる二十八会計年度国際収支赤字がどういうふうになるかということはわからないわけであります。  その点は、現在までのところでは、二十九年の一月におきまして八千七百万ドルほどの赤字が出ておるということは新聞で報道された通りでございますが、二月—三月のバランスはまだわからないわけであります。便しこの二月—三月の状況を推測する意味におきまして、その次の第四頁以下におきまして、輸出入の関係につきまして、現実為替の落ちる前の、外貨受払の前の段階における状況をここに掲げておるのであります。先ず輸出関係でどぎいますが、四頁に輸出関係を掲げておりますけれども、ここでは通貨地域別に掲げておりますが、最後合計欄で見て行きますと、ここでBの欄が信用状の受高であります。それからDの欄が船積高でありますが、更にEの欄が信用状の月末残高、これらはいずれも二、三カ月後に現実外貨受取になるということに出て参るわけでございますが、これらの欄のいずれのを見て頂きましても、やはり各月余り大きな変動はないということをお読み取り願えると思うのであります。ところがその次の五頁には、同じような状況輸入について示しておるのでございます。これの通貨地域別合計最後の欄に出ておりますが、先ずAの欄は輸入に伴いましてこちらで信用状を開設する毎月の信用状開設高であります。これを見て頂きますとわかりますように、合計のAの欄におきましては、先ず九月頃までは大体一億五千万ドル前後で進んで来ております。ところが十月になりますと、ここで一億九千万ドルというふうに上昇を示しております。更に十一月には二億五百万ドル、十二月には二億三千二百万ドル、二十九年の一月におきましては二億四千六百万ドル、こういうふうにこちらで信用状を開設しました毎月の金額が急激に殖えておるということは、いわゆる輸入スピードがかかつて来ているいるということを示すことになるわとであります。更に、最後信用状の月末残高を見てみましても、これにおきましては、最後の一月の欄におきまして、四億三十万ドルという信用状の月末残高があることは、近い将来において外貨の義務が殖えつつあるということを物語つておるわけであります。大体その期間のズレは二、三カ月と言われておりますが、こういう実勢をみてみますと、一月までの信用状状況が、二月、三月、四月頃に現実に出て来ることを考えてみますと、最近のいわゆる輸入に伴う外貨支払スピードかなりかかつて来ておるということを示すものでありまするが、先ほどの表で申上げましたように、十二月末におきまして、九億七千七百万ドルの外貨手持が、一月中の国際収支、の赤字が、約九千万ドルほどあるわけでありますから、すでに一月末では九億ドル台を割つておるわけでありますが、これが二月末、三月末にどういうふうになるだろうかということは、推定かなりむづかしいのでございますが、只今申しましたような信用状の動きを見てみますと、ここで従業の外貨の落ち方よりも、やや高い外貨支払がでて来るであろうというふうに想像がつく、わけであります。現在二月或いは三月の状況検討中でございますが、これらの点が来年度の国際収支見通しと併せまして、来年度にどれだけの貿易規模を維持することができるかということと関連して来るわけであります。そういう推測の推定資料といたしまして、お手許に配付いたしたわけでございます。一応これだけ御説明しておきます。
  8. 早川愼一

    委員長早川愼一君) 三月末はどういう見込になるのですか。
  9. 松尾金藏

    政府委員松尾金藏君) 三月末の見込というのは、これが今御承知のように来年度の国際収支見通しと併せまして、外貨予算編成を急がなければならん時期でございますので、今各省といろいろ打合基いたしているのでございますけれども、まだここで申上げる程度のところまでは推定がついていないのでございます。
  10. 鮎川義介

    鮎川義介君 およそどうなんですか。そう詳しいことでなくて、あなたのほうの検討中のでいい。
  11. 松尾金藏

    政府委員松尾金藏君) およその検討とい皇と悪かくこれはむづかしいのでございますけれども、先ほど御説明申上げましたように、十二月末の九億七千七百万ドル、そこで一月の赤が八十七百万ドるということになりますと、単純にこれを引きましただけでも九億を割り、二月、三月に赤が出るということになるのでございますけれども、先ほど来実績数字をお示しいたしまして傾向を見て頂いたわけでございますけれども、今のような赤が続きますと、これはまあ御想像頂けますように、そこで相当減つて来るのではないかということでございます。今暫らくお待ち頂きますと、やや正確なことが御報告できると思います。
  12. 鮎川義介

    鮎川義介君 六億以下になるようなことはございませんか。
  13. 長村貞一

    政府委員長村貞一君) これは見通しの問題でございますけれども、六億以下になるということは、私のところは今想像しておりません。
  14. 岩沢忠恭

    岩沢忠恭君 貿易運転資金というのは、最小限度どのくらい要るのですか。
  15. 長村貞一

    政府委員長村貞一君) これもいろいろ言われておりまするが、常識的と申しますか、一般的に言われておりますのが四億から五億というところでございます。
  16. 岩沢忠恭

    岩沢忠恭君 それを割ると困るのですね。
  17. 長村貞一

    政府委員長村貞一君) 割るとは望ましくないのでございますね。
  18. 早川愼一

    委員長早川愼一君) 来年度の外貨予算編成というのはいつ頃にできるのですか。
  19. 長村貞一

    政府委員長村貞一君) これはいずれにいたしましても、三月中には少くともできる、毎年三月半ば以後に結論を見るような状態になつております。本年の状況は、先般閣僚審議会もございまして、とれで一回お集り頂きまして、御審議願つたわけでございます。引続きまして事務当局で準備を進めまして、閣僚審議会のほうも重ねて開いて頂きまして、先ず例年通りに三月半ば以降にでき上る、かように存じております。
  20. 鮎川義介

    鮎川義介君 そうすると、思惑輸入というものが相当出て来るでしようが、それをチェックする方法を大体とつているでしようか。
  21. 長村貞一

    政府委員長村貞一君) これはよく言われておりますように、物によりましては、思惑的な意味から相当な影響があると思いますが、外貨市場、或いは先の見通しが今申しましたようなことになりますので、この傾向は多少避けられないと思います。結局外貨予算を組みまして、そうしてはつきりこういうふうな方針なり、内容であるということを示すのが一番早いことだろうと思います。その意味で、できるだけ急いで今やつております。
  22. 八木秀次

    八木秀次君 今は三カ月になつておりますか、六カ月ですか。
  23. 長村貞一

    政府委員長村貞一君) 六カ月です。
  24. 早川愼一

    委員長早川愼一君) これで散会いたします。    午前十一時五十九分散会