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1954-10-13 第19回国会 参議院 議院運営委員会 閉会後第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年十月十三日(水曜日)    午前十一時五十四分開会   —————————————   委員の異動 九月十二日委員安部キミ子辞任につ き、その補欠として阿具根登君を議長 において指名した。 本日委員千田正君及び剱木亨弘辞任 につき、その補欠として鈴木一君及び 伊能芳雄君を議長において指名した。  出席者は左の通り。    委員長     寺尾  豊君    理事            伊能繁次郎君            加賀山之雄君            藤田  進君            天田 勝正君            寺本 広作君    委員            石井  桂君            伊能 芳雄君            榊原  亨君            重政 庸徳君            松岡 平市君            赤木 正雄君            上林 忠次君            小林 武治君            森田 義衞君            江田 三郎君            田中  一君            田畑 金光君            石川 清一君            鈴木  一君   —————————————    議長      河井 彌八君   —————————————   国務大臣    国 務 大 臣 福永 健司君   事務局側    事 務 総 長 芥川  治君    参     事    (事務次長)  河野 義克君    参     事    (委員部長)  宮坂 完孝君    参     事    (警務部長)  佐藤 忠雄君    参     事    (庶務部長)  渡辺  猛君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○庶務関係小委員補欠選任の件 ○国会法等改正に関する小委員補欠  選任の件 ○職員任用の件 ○臨時国会召集等に関する件   —————————————
  2. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) 会議を開きます。  庶務関係小委員及び国会法等改正に関する小委員補欠選任に関する件。
  3. 宮坂完孝

    ○参事(宮坂完孝君) 無所属クラブから、再び鈴木一君が庶務関係小委員国会法等改正に関する小委員推薦されております。
  4. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) 以上の通り決するに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) さよう決します。   —————————————
  6. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) 決算委員会専門員任用に関する件。
  7. 芥川治

    事務総長芥川治君) 只今議題となりました専門員任用について御説明いたします。  決算委員会におきましては専門員が二名とも辞職されて、そのまま欠員となつておりました。この欠員の補充として決算委員長からお手許にお配りいたしております池田修蔵君と岡信挾助君とを推薦して参つております。  履歴書でおわかりの通り池田修蔵君は、大正十五年に東京帝国大学を卒業いたしまして昭和二年に会計検査院に就職し、その後退職されておりますが、再び昭和十三年に副検査官として会計検査院に就職して、爾来検査院課長等を勤めまして、昭和二十五年に総務課長昭和二十六年に検査第一局長になりまして、本日まで第一局長を勤めて現職のかたであります。決算委員長といたされましては、決算委員会専門員として最も適当であるというので御推薦をなさつておられるわけであります。  次に岡信挾助君は、昭和三年に東京帝国大学を御卒業されまして、その後朝鮮総督府に勤務を続けられ、昭和二十一年に宮城県の臨時特別建設本部次長に就任されまして、同二十二年に宮城県の出納長に就任され、爾来出納長を勤めて今日に至つている、これ又現職のかたでありまして、決算委員会専門員として最も適当であるというので、決算委員長から御推薦があつたわけであります。  議院事務局法の十二条によりまして、委員長の申出によつて推薦がありましたものにつきまして、本議院運営委員会の御承認を頂く必要がありますので、本日これにつきましてお諮り頂きたいと思います。
  8. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) 池田岡信両君決算委員会専門員任用することを認むるに異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) さよう決します。   —————————————
  10. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) 次に、一昨日本委員会の要望のありました災害対策等に関して、政府所見を聴取する件。丁度官房長官が御出席になつております。
  11. 江田三郎

    江田三郎君 今年の災害というものは次々と引続いて起つたわけですが、最後の十五号台風が、今更申上げるまでもなく大変に予想以上のあれでして、特に北海道あたりは経験したこともないような大きな災害を蒙つている。そこへもつて来て北海道は甚だお気の毒なことには、これ又経験したことのないようなひどい冷害を蒙つている。北海道だけでなしにその他のところでも、相当災害が続いているようですが、政府のほうでは、我々新聞で見ますというと、災害対策本部作つて、それに対処して行くという方針のように見ますが、一方又北海道その他、或いは又政党関係からも、この災害措置を急速に行うために臨時国会を開いてくれという要求が出ております。それらについて、政府としてどういうような考え方でこの問題に対処して行かれようとするのか。それを先ず官房長官のほうから御説明願いたい。
  12. 福永健司

    国務大臣福永健司君) 今年も、またいろいろの災害がありましたわけでございますが、関係各省等におきましては、もとよりこれらの災害に対しまして、その都度善処いたして参つているわけでございます。ではございますが、最近の十五号台風或いはこれと相前後しまする災害等につきましては、只今お話もございまするように、相当その災害は大きなものでございます。よつて政府は、もとより対策本部等を設ける設けないにかかわらず、関係各省等は、これらの災害等に対しましてあらゆる対策を講じて行くべきは当然ではございますが、併しいろいろのことを総合的に連絡協議等を行うことも必要と認めまして、十月四日の閣議で十五号台風等災害連絡本部を設置しました次第でございます。今回の十五号台風等による災害対策につきまして、関係各省庁の連絡を緊密にし、その調整を図るために内閣臨時に十五号台風等災害連絡本部を置くということにいたしました次第でございます。で、この本部国務大臣を以て本部長といたし、これには加藤鐐五郎を当てましたわけでございますが、その下に関係各省からそれぞれ責任者本部員に命じるという組織にいたしておるわけでございます。十五号台風によりまする災害復旧対策中心として関係各省庁の連絡調整を図るというわけでございますが、但しその表現だけでは範囲は狭いのでございまして、本部長において必要と認めましたときには、この十五号台風以外の台風災害についても必要な限度において取上げるものということになつております。従いまして只今指摘のございました北海道冷害のごときは、この連絡本部におきましてすでに必要と認めまして、十五号台風そのものによる災害と同じように取上げて行くということに決定をいたしておる次第でございます。なおその他に十五号の前の台風等による災害等につきましても、こうした考えを及ぼすことになると存じます。  なお臨時国会につきましては、臨時国会を開いてはどうかというような御意見を或る政党会派等からお話を頂いておりまするしするのでございますが、政府といたしましては、できるだけ只今申しましたような組織、これも一部でございますが、関係各省災害対策努力をいたしまして、取りあえずの措置つなぎ融資を初めといたしまして、できるだけのことをやつておるわけでございます。従いまして只今段階におきましては、直ちに臨時国会を開き、災害と関連して予算補正を御審議願うというような段階には、今直ちには至つておりませんわけでございます。今後いろいろ調査が進むにつれ、具体策が進捗するにつけまして、今お話のようなことが必要となりまする場合は、そういう措置をとらなければならんとも考えまするが、大要現在の段階におきましては今申上げましたようなことによつて対策を講じて行きたいと思う次第でございます。
  13. 江田三郎

    江田三郎君 今の御説明によりますと、今度の連絡本部というものは、ただ十五号台風だけでなしに冷害をも含み、更に遡つてのそれ以前の台風についても必要に応じてこれを加えて行くと、それはよくわかりましたが、併し臨時国会の問題については、今の官房長官の御話では、今のところそういう考え方はないということですが、併し一体対策立てると言つたところで、これが行政措置でやれるのは、私は極めて限界があると思う。どうしたところで、本当の対策の実を持つた対策立てるためには、やはり法律の改正なり或いは制定なりをやつて行かなければならんと思うのです。まあその点いずれは臨時国会を開かれるとしましたところで、例えば北海道のごときは、もうすでに雪が降りかけておる。そういうときに、例えば冷害等に伴いまして救農事業等が行われるということがありましても、雪が降つて来たらどうすることもできぬわけですが、そうして折角対策がきまりましたところで、それは時期を失してしまうと、こうなると思うのです。私ども考えでは、本当に政府のほうで災害程度がまだわからぬというなら別ですけれども、もう災害の内容というものは、ほぼ輪郭はわかつておると思うのでして、本当にそれに対して適切な手を打とうと思うなら、どうしても臨時国会を開く以外に途はないんじやないかと思うのですが、そういう臨時国会を早急に開くことなしに、一体具体的にどういう対策をお立てになり、どういう措置をされるのか。
  14. 福永健司

    国務大臣福永健司君) 災害対策等につきましては、できるだけ急速にこれを行うべきはもとより当然であり、且つ望ましいところでございます。でございますが、御承知通り対策全体ということになりますと、いろいろ相当調査を必要とする部面もあるわけでございます。過去におきましても、災害が起りまして、これに対する立法措置等まで用意いたしまして、これに臨むということにつきましては、やはり或る程度準備期間と言いますか、そういう日数を要しておるわけでございます。過去の例によりましても、昨年の場合のごときも、災害は六、七月から八月、九月等にもなりましたわけでございますが、これらに対しまして十月二十五日に臨時国会召集いたしております。更にずつと遡りまして第六臨時国会の場合等におきましても、やや同じことが言えるわけでございます。もとより先ほど申しましたように、できるだけ急速に対策を講ずべきであり、政府はそうしたことのための予算も持つておるわけでございます。で、既定予算で如何ともいたしがたい。或いは只今お話のごとく、諸般特別立法を以て臨むべきである。こういう場合におきまして、もとより臨時国会を必要とすることであり、いたしまするが、今次の場合におきましては、私はその必要なしというわけでは決してございませんが、只今災害の直後でございまして、大体災害予備金も七十億内外あるかと思う。その他各省それぞれの予算範囲内におきまして、できるだけの処置は講じて行くべきであり、更に一層その他万般措置をいたすべきは当然であり、さように考えて、政府も臨んでおるわけでございます。そこで臨時国会につきましては、すでに両院から他の理由によりましても臨時国会の御要求を受けておるわけでございます。もとよりこれは尊重して政府も臨まなければならないわけでございますが、吉田総理が帰りますれば、できるだけ速かに臨時国会をと政府考えておりますわけでございまして、従いまして来たるべき臨時国会におきまして如何なることをどの程度災害に関して御審議願うかということは、まだ明らかではございませんが、この臨時国会においても、いろいろの御検討を頂くことになろうかとも思うわけでございまして、かれこれ考えまして、時期的に吉田総理の帰りまして後の臨時国会、まあその頃までに、只今指摘のように特別立法等を必要とするようなものでありとするならば、政府においても万般の用意をして臨まなければならない。こう考えておるわけでございまして、只今のところ、今直ちにそうした意味での臨時国会をすぐに開いてというような状況ではないわけでございます。もとより今お話のごとく災害の大体の輪郭等につきましては、明らかになつておるわけでございます。さて諸般対策の全部ということになりますと、やはり相当期間がかかります。と申しますけれども決して荏苒日を送つておるわけではございません。先ほどお話のごとく気候の点その他から見て急を要するものは、どんどんやるべきであり又補正予算等範囲内その他の運用によりまして可能な範囲相当にあるわけでございます。そういう意味におけるあらゆる努力政府はして行くべきであり、現在そういう方針で臨んでおるわけでございます。
  15. 江田三郎

    江田三郎君 その過去においてそう災害から国会までは短期間には行えなかつたというのは、どうも過去において手際よく行わなかつたということを言つておるだけであつて、それが別にほめたことでも何でもないと思うのです。特に私ども非常に遺憾とするところは、本年の災害についての政府の態度というものは、非常に怠慢であつた。国全体として見れば、十五号台風以前の被害の額は昨年のような大きなものではないけれども、併し災害の起きた局地々々について言うと、やはりその局地々々でも、どうにもできないような大きな被害を受けておるわけです。ところが今日まだ六月災害、七月災害こついてつなぎ資金さえももらつていない。併し放つておはぬからして、現地ではいろいろなところから無理な金を臨時に借り集めてやつておる。こういう状態になつておるわけです。そういうような、従来は、つなぎ資金だけでもずうつと出ておつた。それさえも今年は出ていない。非常に現地に迷惑をかけているということなんですが、更に私ども本年の災害ということについて、特殊事情として考えなければならんのは、一番被害を受けているのは北海道だということ、これはあなたも被害概要は御承知のように農産物にしましたところで、稲作だけでなしに他の雑穀等を通じてみても、恐らく全体の農産物が平年作の三割に行つていないのじやないか。そこへ持つて来てただ岩内の大きな火事だけでなしに、殆んど農家が皆、多かれ少かれ家屋にまで被害を受けている。もうすでに雪が降つている。少ししたら、もう吹雪の季節が来る。それに対して吉田総理が帰られるまで臨時国会を開かないというのは、これは私は政府としては非常に怠慢だと思うのです。罹災者に対する愛情も何もないと思うのです。総理が帰られなくても、総理の代理というものがあるわけです。なぜ一体適切な措置をその間におとりにならないか。現在の予算範囲内でも相当処置ができると言われますけれども、併しながらそんなものでできる範囲というものはさまつておるわけなんです。  一昨日ですか、これも新聞で見るので正確には私わかりませんけれども、衆議院の大蔵委員会では、大蔵次官説明によるというと、補正予算を組まなければならんということを言つておるわけなんです。そういう事務当局がこの補正予算を組まなければならんということをはつきり言つておるような状態で、臨時国会を開かない。従つて補正予算も組まない。特別立法もしない。それで一体何ができますか。殆んどのことはできやしない。
  16. 福永健司

    国務大臣福永健司君) 補正予算は必要としないとか、何もしないとは、私は申していないのでございます。先刻来繰返しておりますような次第でございますが、御説のごとく、たとえ総理大臣海外出張中でありますとも、特別の必要がありまするならば、臨時国会もこれは考慮すべき問題であろうと存じます。ではございますが、只今申しましたように、すでに政府といたしましても諸般対策措置を講じておるわけでございまして、特別立法、その他予算補正等を組まなければならんというようなことになるとするならば、これはそういう措置を講ずるほどまでの対策というものは、そう直ちにすぐというわけには参らない次第でございます。先ほども申しました。ことく、ちようど吉田総理が帰りまして臨時国会召集しまする頃に、こうした特別立法乃至は予算補正というようなことをすることがありとするならば、大体時期的にその頃になるのではなかろうかと、私が考えるわけでございます。その点を先ほど申上げたわけでございます。そういう意味に御了承を願いたいと存じます。昨日朝農林大臣北海道にたちまして、よくいろいろ災害状況調査し、又本部長たる加藤国務大臣も近日参ることになろうかと思いますが、政府といたしましても、できるだけ急速なる措置を講ずる所存で、もとよりいるわけでございす。ま帰るまでは何もしないという意味では決してないわけでございます。時期的にまあそういうようなことにもなるのではなかろうかというような大体の私の見通しを申上げました次第でございます。この点につきましては少し、ちよつと言葉が足りなかつたかと思います。
  17. 江田三郎

    江田三郎君 この臨時国会をするまでの準備が必要なので、そしてその準備の都合上総理が帰つて来られる頃になるというなら、一応筋が通りますが、然らばその間にどういうような措置をおとりになるか。とにかく六月災害、七月災害つなぎ融資さえもまだしないというような、政府は一体今度の北海道等について何をなさろうとするのか。一体つなぎ資金というものはいつ噴出そうとするのか。仮につなぎ資金を出すとしても、これはやはりどの程度出すかということが問題になると思うのですが、それには、一体この災害に対するところの措置というものを、昨年はまあいろいろな特別立法ができましたが、昨年の特別立法とほぼ似たような趣旨でおやりになろうと考えておられるのか。その点は繋ぎ資金を一体いつ噴出すかということと、出すとすれば、その基準になるのは、昨年の特別立法にならつた範囲内、そういう程度対策をお立てになるのか。その点はどうです。
  18. 福永健司

    国務大臣福永健司君) 繋ぎ資金等につきましては、御指摘のように遅れておるところがあります。ということは非常に遺憾でございまして、お話の御趣旨によりまして関係主管各省にも強く督励をいたして行きたいと考えております。  只今江田さんの御質問の、予算をどの程度に云々というお問いでございますが、それらの点につきまして、すでに発足いたしましたこの連絡本部で、只今検討中でございます。できるだけそうしたことに関しての考え方を速かにまとめ、且つ速かに申上げるようにいたしたいと存じます。作業は着々進んでおると存じますが、この点につきましては、なお本部長その他に私のほうからも督励いたしておきます。
  19. 江田三郎

    江田三郎君 まあ督励だけでは……。大体あなたも、ほぼ考え方がきまつているのじやないかと思うのですがね。まあ保利農林大臣現地に行かれるとか、加藤さんが現地に行かれるとか、そういうことがなくとも、大体どの程度災害かということはわかつているのじやないか。若しわからぬとすれば、非常に怠慢だと思う。そこで現在の北海道のあの災害については、去年の特例に準じた扱いをしなければならんとお考えになつておるかどうか、その点はどうです。
  20. 福永健司

    国務大臣福永健司君) まあ私といたしましても、できるだけの措置を講ずべきであるとは考えております。ただ本部でもそういつたことについて検討中でございますので、直ちに準ずるとか、その通りとかいうことはちよつと申上げがたいわけでございます。それらにつきましては連絡協議会の結果をいずれ本部長その他から申上げたいと旧旧います。ただ、今そういう御質問のありまするゆえんのものは、今度の災害についてそういつたことについて重々考慮せよという意味だろうと思います。この点は本部長以下によく伝えておきたいと思います。
  21. 江田三郎

    江田三郎君 繋ぎ融資の問題は、まあこれは早急にというお話でしたが、まあ結局今の予備金範囲内で、全体が済むか、済まぬかということは、これはわかりません。併しながら少くとも予備金範囲内程度繋ぎ資金というものは、これは早急にお出しになりますか。とにかく雪が降るのですよ、雪が……。
  22. 福永健司

    国務大臣福永健司君) できるだけ速かに措置するようにいたすべきだと思います。
  23. 藤田進

    藤田進君 臨時国会要求が、本院では過半数でなされておるわけですね。この要求についてはもとより尊重しなければならんという縷々お答えはありましたが、事実問題として総理外遊中であるので、これが帰朝の暁でないと、臨時国会は開けないと、まあこういうふうにも考えられるわけでありますので、政府所見を伺つておきたいと思います。  なお先ほどからの質疑応答の中で、臨時国会はあたかも災害対策に関する政府提案がまとまらないから開けないというふうに言われておりますが、無論災害対策については、政府責任を持つて国会に提出すべきものは提出するのが至当だと思う。かような災害があることを的確には予想しないで、他の案件国会自体で議決すべきものが非常にたくさんある。国会運営上或いは社会福祉上ですね、こういうことで過半数の署名で以て要求しておるので、必ずしも政府提案がなくても、国会召集せられて然るべきものだと思う。これらの関連で臨時国会は今後どういう予定召集なさるのか。概要をお知らせ頂きたい。
  24. 福永健司

    国務大臣福永健司君) 先に臨時国会召集につきまして、御要求を頂いておるわけでございます。  政府は当然これを尊重すべきものでございます。今日、吉田総理が帰動いたしますのは、一カ月くらいあとになる予定でございますが、帰りますれば、できるだけ速かに臨時国会召集すべきものと私ども考えておる次第でございます。  で国会自体でいろいろ御審議なさること等もあるので、必ずしも政府の用意いたしまする諸案件のみが国会の審議の対象ではないということは、お説の通りでございます。もとよりこれらのことについても考慮いたすべきものと存じます。政府といたしましては、政府責任からいたしますならば、当然政府の用意すべきものは用意して、臨時国会に臨まなければという次第でございます。それのみでどうこうという意図はございません。
  25. 藤田進

    藤田進君 吉田総理外遊予定をお組みになる際は、帰る日も当然きまつて報道せられていた。  憲法上、更に最近では国会法上も、要求して何日以内には開かなければならないということで、特定な日を定めようということになつている。これは過去の吉田内閣のやり方が非常に、開くといつて開かない。ネグレクトというようなわけで、通常国会ぎりぎりになつて、申訳的に開くということで、国会運営上の実意がないということから、今おおむね意見が一致しているのは、与党を含めて四十日以内に改正しようというようなことにさえなつて、草案ができておるような状態ですね。そういうことがわかつていて、一方においては国会そういつた所定の手続によつて要求せられたものについては尊重するという言葉との矛盾が出て来ているわけですが、この吉田総理は非常に長期間の旅行をせられて、そうしてそのときは、すでに臨時国会要求をしているという事態があつた。こういう点との、我々見て非常に政府国会の、少くとも過半数ということで以て要求しているものを、非常に軽視して、むしろ無視してしまつて、ネグレクトしてしまつて旅に出る。そうして諸般政府準備が要るといいながら、およそ中心となられるところの閣僚は、次から次えと、まあ外遊ということで日本を空けておいでになる。こういう現実を、非常に私どもは了解に苦しむものがある。  これは私どもだけではなしに、広く国民の疑問とするところで、諸般刊行物その他に現われておるわけですが、これらの点を十分一つ説明願いたいし、同時にもつと明確に吉田総理が帰つて来なければ臨時国会を開けない。そのことを予想してお行きになつたのでしようが、然らば帰つて来て早急にとおつしやるが、通常国会は、当然十二月上旬に開かなければならん。そうすれば一昨年も昨年も同様な仕打ちに会つてしまつて、申訳的に通常国会直前に開くということが、今度もあの轍を我々は踏まなければならん。政府はその手でやはりおいでであるような気がしてならん。この点をもう少し、帰つて来れば何日以内という程度ですでになければならん。国際電話もいろいろあつたようでありますから、無論重要な事項として扱われておると思う、臨時国会は。ですから、もう少し明確に大臣もお答えして頂きたい。
  26. 福永健司

    国務大臣福永健司君) 国会において、臨時国会開会の請求をなされました場合に、或る一定の日時を限つて、その範囲内で速かに開かせるようにというお考え、これはまあ憲法論として確かに一つの考えと拝聴するわけでございます。但し、現在までの慣例では、必ずしも四十日ということで切つてはおりませんが、併しできるだけ速かにということは、これはもう政府の当然考えなければならんわけでございます。今次の場合におきましては、御承知のようないろいろの事情等で若干遅れておりまするわけでございますが、決して只今お話のごとくできるだけ後に延ばして、通常国会に付接せしめよう、すぐ付けようというような考えではない次第でございまして、実は総理帰朝の上は、速かにということで考えております。只今のところ何日後にというようなことは、正確にまだ検討いたしておりませんので、ここまではちよつと言えないわけでございますが、御趣旨のように臨時国会召集が余りに遅くなつて意味がないということにならないよう、できるだけ速かに開くように努力いたしたいと存じます。
  27. 天田勝正

    ○天田勝正君 この臨時国会の問題は、今二つに分けて考えられるわけです。  一つは、先ほど江田委員から言われたように、十五号台風中心とする今年の災害に対処するために臨時国会を急速に開く必要が出て参つたということ、もう一つは、本院としてはその所属の議員の過半数を遥かに超ゆる数を以て臨時国会要求をいたしておるという問題で。災害に対処する臨時国会の問題は後廻しにいたしますが、先ず第一の本院の過半数を遥かに超えた数を以て要求しておる、この事柄については、ここに突如として出て参つたのではないのでありまして、先般吉田総理外遊される直前の議院運営委員会におきまして、十六、十七、十八でありましたか、先月の十六、十七、十八と日取りを当てて政府出席を求めて、臨時国会要求の問題、それから指揮権発動に関する本院の院議の尊重がなされておらない問題、それから吉田総理外遊の問題、この三つを取上げて政府の所信を質すということで、スケジュールができておつたのを、吉田総理出席されないので、しばしば官房長官にも出席を求めまして、この出席問題で遂に暗礁に乗り上げて、その他の問題を質すことができなかつたわけであります。  そこで私は、この際それは残つておる問題でありますから、ほかのことは別として、臨時国会の問題だけは、しつかりと聞いておかなければならんと思つておるわけでありますが、当時本院所属の議員の署名も百四十名、従つて過半数を遥かに超えております。同じ時期に衆議院のほうは、やはり要求をいたしましたが、これは過半数に僅か四名足らなかつた。こういうことであつた承知いたしております。こういたしますると、両院の意思というものは、法律的には四分の一でございますけれども、四分の一どころか、両院プールいたしますならば、これ又過半数を超えておるということは明瞭なんです。そこで官房長官は、総理がお帰りになつたら速かに開きたいということをおつしやつておりますけれども、ところが国会法では、総理が帰つたら速かにと書いておるのではなくて、ただ速かと書いてある。この速かにを三月も四月もたつても速かと、こういう解釈をなさつておるようでありますが、従来の慣例が必ずしも一定の日限を切つておらないというようなことを今藤田委員に対して答弁されたのでありますが、私、特別国会、即ち衆議院の総選挙後の国会召集については、四十日という特定の日限を切つておることを承知しておる。このことは総選挙が終りますれば、勿論内閣は一端辞職しまして、改めて国会の指名を求める。こういうような内閣が新しくなるのだから、その手続等に準備期間が要するので、四十日というふうに切つておる。そういたしますると、同一内閣で、いつでも準備ができる態勢に立つておるときに、速かとは、どんなに多くともこの四十日よりも以内であることは、これはもう申すまでもないのであります。このことから国会法改正委員会において、我々は、多くても三十日という説を主張したのでございますけれども、両院の与党の議員諸君の御発言もあつて、それでは最大限特別国会と同じ四十日と、こういうことになつておる。こういたしますれば、吉田総理がいつお帰りなるか、我我はつまびらかに知りませんが、いずれにしても十一月ということになれば、要求のときから見れば、最大限四十日よりも遥かに超えることになる。これは法律的には特別国会しか定めてございませんが、それよりも短い期間ということは、あの速かにという私は解釈ば当然であろうと、こう思うわけです。  そうすると今の国会法によれば、吉田総理関係なしに、速かにということになつておるのでありますが、この点については、一体どうお考えになつておるのか、改めて伺つておきたいと存じます。
  28. 福永健司

    国務大臣福永健司君) 総選挙後の特別国会が四十日以内に開かれなければならないということからの類推解釈といたしまして、速かとは四十日よりも更に三十日見当というのが、これが合理的な解釈であるという御見解でございますが、そうした御見解もあろうかと存じますが、まあ決して私はこの説がどうこうというわけではございませんけれども、総選挙によりまして、国民の意思が明らかにされ、これによつて首班の指名等を如何にするかということは、或る意味においては、非常に速かに国民の意思の決定を見た上で非常に速かにということで、四十日ということではないかとも思います。従いましてこの類推解釈は、考えようによつては四十日というほうが長いとも、それから四十日は、非常に速かな場合ともとれないことはない。どちらが重いかは知りませんが、それで私は、天田さんの解釈をとるということは、ちよつと申上げがたいのでございますが、併しいずれにいたしましても、我々といたしましては、言葉を素直に受取りまして、速かということは、そうぐずぐずしてはいかんことだ、できるだけ早くと存じております。ただこのたびの現実は、御承知通りでございまして、総理がいるいないにかかわらす、国会召集ということは代理もあることだからということはよくわかるわけでございます。事態によつては、そういうことも考慮しなければならんかと思いまするが、只今申上げましたように、いろいろの準備等が時期的に丁度その頃になるし、又責任を持つて対処するという意味におきましては、やはり総理大臣自身が帰つていて国会に臨むということが、これ又望ましい形であるというふうに私ども考えておる次第でございます。
  29. 天田勝正

    ○天田勝正君 私、今の発言中訂正する個所がありますので、憲法五十四条によりますれば、三十日でございます。今四十日と私申上げましたけれども、四十日は、解散の日から四十日以内に総選挙を行わなければならない。選挙の日から三十日以内に国会召集しなければならない。こういうことで言い違えましたので訂正しておきます。  そこで今率直に官房長官がおつしやつたように、速かにというのですから、ぐずくしたのでは一向速かでないので、それはもう明らかに現在の状態が速かでないということは私お認めになつておると好意的に解釈いたします。  ただ、今度の場合は特別だからということを申されたいのだろうと思う。ところが、我々の解釈からいたしますれば、そのためにこそ、副総理もおられ、総理大臣が指名した国務大臣総理の代行をするということが法律的に規定されておる。そうすれば、一方の法律に拘束されたものは守らなければならない。特定な臨時国会要求に対する日限決定がないならば、類推できるところの他の法律等に準じて政治的にものを解釈しなければならない。こういうふうに私は考える。  然らば現在緒方さんが副総理としてその代行をなさつているわけでありますけれども政府の御見解では、そういう場合に、総理の指定された国務大臣の権能というものを一体どういうふうに考えておるかと、私は改めて聞かざるを得なくなつて来るわけです。それがあるから国政、外国との交渉、或いは内政等も差支えなしに運行できる。こういうふうに私は考えるけれども政府としては、その点は如何お考えになつているのでしようか。
  30. 福永健司

    国務大臣福永健司君) 先ず私も、天田さんのお言葉を受けまして、四十日と申しましたことは三十日ということに訂正を願いたいと存じます。  副総理と申しますか、只今総理海外出張いたしておりまするにつきまして、代理を行なつておりまする立場の国務大臣というものの権限というものは、これは臨時国会召集その他も当然やろうとすればできる立場でございます。その他総理大臣の職務を代理するということでございますから、実質的に殆んど権能それ自体では総理大臣と、そう差があるわけではないと、勿論考えておるわけでありますが、先ほど申上げましたように、実は私ちよつと申上げましたのは、総理大臣自身が帰つて来て議会に臨むと、いうことが、政府としては望ましいということでございます。それがいなければ国会召集できない。こういう見解ではないわけでございます。
  31. 天田勝正

    ○天田勝正君 それでは、端的にお伺いしますが、解釈が私と一致したのだから、あとの質問も、然らば今は確かに速かに議会を開かなければならんわけですから、即答でないまでも、今までは法律に定められた四分の一以上で要求しております国会側の意思を、いつ国会召集することによつて実現すということをお答え頂かなければならないわけですが、それは直ちに御返事を私は頂きたいと思いますが、若しできなければいつまでにその御返事を頂けましようか。
  32. 福永健司

    国務大臣福永健司君) この点は、よく閣議等でも協議をいたさなければ重大問題で、私の一存でお答えはちよつとできないわけでございます。事情の許す最も早い時期にと、こういうように考えておるのでございます。現実の事態が御承知のような次第でございまして、御説の点につきましては、閣議等にも披露いたしまして研究いたしたいと存じます。
  33. 天田勝正

    ○天田勝正君 それで只今の、この災害対策臨時国会に、今出て参りました要求の問題ですが、十五号以前のことは暫くおきましても、十五号台風については、私は先ほど藤田委員江田委員等も質問されておりましたけれども内閣には、もう災害の全貌というものがおわかりになつていると思います。と申しますのは、本院といたしましては、洞爺丸事件につきまして今まで災害のいろいろな調査の各委員会からの出張等がございましたけれども、今回はこれら各委員会から調査に出張するという形をとらずして、本院としてはおよそ前例はただ三回しかない、いわゆる院全体としての見舞調査の出張、こういう処置をとつたぐらいてございます。  ところが、洞爺丸事件は何としてもあれだけの人命を失つたのでございますから、人命より尊いものはないという建前からいたしましても、洞爺丸事件が一番大きくクローズ・アップされるのは当然でございますが、さればと言つて、十五号台風災害ということから考えまするならば、洞爺丸事件も一部であり、岩内町の大火も、これも一部です。その他を見れば、私どもは二度今回北海道へ参りましたけれども、他のところを視察することはできませんでしたが、少くとも函館の市内にある山林を見ましても、四十年生ぐらいの植林が半分ぐらいは途中からぶち折れている。これくらいひどいものです。凡そその奥地のひどさは、それだけでも想像ができるくらい甚だしいものです。なお災害については、私ども別の使命を持つて行きましたけれども、函館市役所或いは渡島支庁等において、一応災害状態をお聞きして来たのですけれども、それは先月の三十日でございましたが、すでにその資料はすつかり揃つておりました。いざ予算を出すとか、或いは融資するとかいう場合になれば、確かに政府としては査定をいたさなければならないことは、私ども承知しておりますけれども、なまの十五号台風被害というものは、もう政府対策本部には、全体が集つておらなければならないと、私はその現地の速度からしても思うわけでございます。そういたしまするならば、これが臨時国会を要するほどの事柄か、要せずして、先ほど長官がおつしやる七十億の災害予備金で以て手配できる範囲か、或いは又融資等についても、それだけで済まないものかというのは、腰だめでありましても、およそ見当がついておると思うわけであります。  そこで、当然調査を要することは私もわかりますけれども、それは臨時国会要求する、召集する目的を持つて調査であるか、もう臨時国会召集しないという気持で、初めから調査に当られれば、又そういう答えも出ないではないのでありますから、そこの関係をどう考えておられるか。今までに政府に集つておる状況からすれば、臨時国会召集する必要なしという観点に立つておるのか。この点を一つ明らかにして頂きたいと思います。
  34. 福永健司

    国務大臣福永健司君) あの災害の直後の閣議におきましては、それぞれ関係諸官省大臣等の見ておりますところを総合いたしますと、おおむねは既定予算の運用によつて対処できるというように見ていた向きが多いわけでございますが、只今天田さんのお話のごとく、いろいろ調査の進むにつれまして、相当災害も大きいということにつきましては、私どもも十分認識をいたしておる次第でございまして、これはこの連絡本部で正式に考え方を統一いたしましてから申上げることではありますが、私の率直に感じますることから申しまするならば、或いは予算補正とか、乃至は特殊立法ということを考慮する必要も生ずるのではないかというような印象を受けております。併しこれは先ほども申上げましたように、正式に対策の機関で、そういう見解になつておりますことではございません。まあ率直にそういう印象を私は受けておりますような次第でございまして、災害相当なものであると考えているわけではございますが、併し大体の見当はもとよりついておりますが、まだまだ調査を必要とするところ等もございますので、只今の御質問に対しましては、正確なるお答えは、折角対策連絡本部で作業を進めておりますので、もう少し明らかになりましてのちにして頂きたいと存じます。
  35. 小林武治

    ○小林武治君 臨時国会に関する先ほどからの問答を聞いておりますと、誠にもどかしい。幾ら続けても仕ようがない。私はこの辺でこの論議を打切りたいと思いますが、ともかく我々の会派におきましても、臨時国会を是非召集すべしということを政府に申しているのでございます。  先ほど臨時国会総理がお帰りになつてからと、こういうお答えでありまして、総理は普段でも余り国会にお出にならんから、私は総理がおらんでも一向差支えないというふうに考えるのでありますが、官房長官は、総理が帰つてから成るべく総理を出さしたい。誠にしおらしい答弁でございまして、それも二つの筋の通つたお話であると思うのであります。  従いまして私どもが例えばそれまで我慢するといしたしまても、帰つて来たらできるだけ早く、せめて私は、それなら十一月中には臨時国会を開いてくれるか。こういうことをお尋ねしておきたいのであります。官房長官は、先ほどから何とかして尻をつかまれぬようにというようなふうばかりされているのでありますが、あなたも内閣の大音頭であります。国務大臣になつておられるのでありますから、一体、せめて総理が帰つて来たら、十一月中ぐらいには、我々は臨時国会は開かれるものと了解して差支えないかどうか。それくらいのことでも、あなたの見通しかお考えかを、一つ伺つておきたいと思います。
  36. 福永健司

    国務大臣福永健司君) これ又、閣議等で決定したことではございませんので、その点を御了承願つて申上げまするならば、お説のように、十一月中に召集することに、政府としては努力すべきものであろうと私は考えます。
  37. 小林武治

    ○小林武治君 相変らず同じようなお答えで甚だ私は不満足に思うのでありますが、なお我々が要求しているいわゆる臨時国会のほかに、先ほどからお話がありまするような災害のための臨時国会も、私はどうしても必要だと思う。殊に大蔵省の主計局長或いは次官等も、一体その災害のために補正予算を組む必要があるということまで言明されております。そのことは官房長官連絡をお取りになつているのか、補正予算を組むとするならば、私は飽くまでも臨時国会の必要があるということを断定せざるを得ないのでありますが、その点は如何でありますか。
  38. 福永健司

    国務大臣福永健司君) まだ、大蔵大臣が閣議等で正式にそういう発言はいたしておりませんけれども、行政部内において、そうした見通しを持つておりますものがありまする事実は、私ども認識いたしております。正式に大蔵省から私どものほうへ、そうすべきであるというような意見は出ておりませんけれども先ほども申上げましたように、そうした考えに立ち至つておりますものが、行政部内にありますることは私も承知いたしております。
  39. 小林武治

    ○小林武治君 私は、今災害等関係のためにも、本当に、それこそ文字通り遠かに国会を開かれる必要があると、かように考えているものでありますが、先ほどからお話があつたように、又通常国会にすぐに繋がるような妙な開き方をされないで、実質的に臨時国会の使命を果せると、こういうような向きに一つやつて頂きたいと思うのであります。従いまして私どもは、いくら遅くても、少くとも政府がいくら怠慢でも、又いくらスローモーであつても、十一月中に私は開かれるものと了解するということを申上げて、この質問を打切ります。
  40. 田畑金光

    ○田畑金光君 私の質問したいと思いました点は、只今の小林委員の御意見と同じでありまして、先ほど来速かにと、こういうような御答弁でありますが、遅くとも十一月中に開かれなければ無意味だと考えるわけであります。  そこでそれと相関連してお尋ねしたいことは、吉田総理が十一月の十四日に予定通りつて来る。ところが羽田の飛行場に降りてみると、足場がなくなつてしまつた。今の政治的な情勢では、保守党の再編成の問題で、いろいろな条件が予測されるわけであります。先般これは新聞で見たのでありますが、国会の解散というものは、我々は憲法六十九条によるのが原則であり、又第七条によつて内閣の解散権も当然これは考えるわけですけれども、議会が閉会中において、政府が解散できるんだというような解釈も、政府筋では一部とつているということを聞いているわけであります。吉田総理のことでありまするから、帰つて来て見ると、大変政治情勢が変つている。臨時国会は当然に開かねばならんという情勢であつても、政権維持のためには、どんな常識はずれた二とが出ないとも限らん。  そこでお尋ねしたいことは、衆議院の解散ということは、憲法第六十九条、或いは第七条によるべきものであると、いずれも国会の開かれていることをまあ前提として我々は考えているわけでありますが、閉会中でも政府は、衆議院の解散ができるのかどうか。この点について一つ承つておきたいと思います。
  41. 福永健司

    国務大臣福永健司君) 政局について御心配頂いて恐縮に存じますが、それは、いろいろ見方がございまして、直ぐに云々というお話でございますが、そうした心配は私どもはないと思つているわけでございます。従いまして只今の御質問の点、帰りまして臨時国会召集もなく解散云々というようなことは、私どもは、そういう事態はもとより予想はいたしておりません。いずれの場合におきましても、国民の納得の行く措置をとつて行くべきだと存じております。  この解散権の点につきましては、法律上相当むずかしい問題もございますので、正確にお答えすることは、法制局長官と打合した上にさせて頂きたいと存じます。非常に、見当でこの問題をお答えいたしますと、誤解等も生じますので、もう少し研究さして頂いて、法制局長官からお答えするか、研究の上で私がお答えするということにさして頂きたい。
  42. 田畑金光

    ○田畑金光君 まあ解散権の問題に関しましては、只今即答ができないとするならば、法制局長官と御相談になつて、適当な機会に答弁されることも差支えありません。  ただ併し、完投新聞で法制局長官の見解は、そのようなこともあり得るんだと、できないでもないというようなことを、見解として述べておられたようであります。法制局長官は、法を正しく解釈して国民に法律の準拠すべき権威を示してくれるものだと我々は期待しておりまするが、どうも最近の法制局長官の法解釈を見ておると、政府のやつておることに何でもかんでも辻棲を合せることに一生懸命になつておる。従いまして、そういうような相談の解釈を承るということには、非常に我々は期待いたしておりません。正しい一つの解釈を相談なさつて適当な機会に答弁なさるならば、それでよかろうと思つております。  ただ私のお尋ねしたいことは、如何なる政治的な条件が発展しようとも、例えばそれが政府与党にとつて不利な条件であろうとも、臨時国会を開くべし、このことは変則国会の末期における各党派の約束であつたはずであります。自粛のための国会、これは政府与党を含んで承認していたはずであります。殊にその後洞爺丸の顛覆の事件、或いは台風災害の問題、こうして臨時国会召集というものは、政治的な情勢としては当然開かねばならん時期に来ておるわけであります。お尋ねしたいことは官房長官は如何なる政治的な条件があろうとも参議院においては過半数、衆議院においても半数に近い成規の手続を経て臨時国会召集要求がなされた以上は、少くとも先ほどの小林委員の御質問の中にありましたように、速かに、少くとも十一月中には開くべきである。こういうようなことを我々は感ずるわけでありまするが、政治条件の如何にかかわらず政府当局としても、この方針或いは決意があるかどうか、改めてお尋ねして置きます。
  43. 福永健司

    国務大臣福永健司君) 結論的に最後のところでお話の点は、まあ十一月中に臨時国会を開くであろうと思うが、しかと、政府もそう考えるかというお話でございます。  先ほども申上げましたような意味におきまして相談の上申上げたわけではございませんが、私自身といたしましては、十一月中に開くようにいたしたいものだと、こうお答えしておるわけです。
  44. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) 本日は、これにて散会いたします。    午後一時六分散会