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小笠原二三男君 今の
お話を聞いて愕然としたのであります。
そもそもこの
議院運営委員会を十六日から三日開こう、而もその間に
所期の
目的を達成して、今週まで持越すようなことはしまい。こういう
考え方のできたのは先々週のことだ。そしていよいよ十六日の当日にな
つて、当
委員会が開かれました場合においても、右派のほうからは、前から
予定された
計画であるから、それぞれの
政府側においてもわか
つていることである。
従つて緒方副
総理などは直ちに、即刻
出席を求むべきであるというような
議論さえあ
つた中に、我々としては、それも又準備の御
都合もあることだろうから、一日おいて明日十七、十八日を
緒方副
総理、
吉田総理等順次席を願うことにして
予定を立て、正式に
政府にもこれを通告すべきであろうということで、
政府の
立場も尊重して、十六日の決定を見たのである。而も十七日には、
緒方副
総理の
出席も見ることができない。
官房長官の御
出席を待
つて各種の問題についてお尋ねをした。その場合に、
吉田総理の
出席問題については、単に健康上の問題なり
スケジユールが詰
つているという技術的な問題のために、当
委員会に出られない点も明らかにされたわけだ。そこでその場合にも、院としてはそんな軽い
理由を以て
政府の
出席要求をされたかたが出られないはずはないという
議論のあ
つた中に、いろいろ
事情もあることであろうから、私から然らば十八、十九、二十という今週にまで持越して三日間の
スケジユールの中で、何とか差繰りして、
総理を
出席せしめむべきであるという
動議を出したのでありますが、
加賀山氏初め、その
動議の
趣旨は尤もであるが、
動議によ
つて引張り出すというような形は、院としてはとりたくないという、これ又非常に
政府の
立場も考え、当
委員会の従来の
あり方等も考えられた好意ある
措置がとられる結果に
なつた。その場合の
官房長官の
答弁では、なかなか困難である。苦慮もしておるが、特段に、そういうことであるならば、特に考えて明日午前中に
答弁しましよう、御
返事しましようということであ
つたが、さて十八日の土曜日になりまして、
官房長官自身ここにお見えにな
つて答弁されるはずのものが、これ又御
出席なく、
自由党委員を介して、そのことはできない。或いは
委員長代理に対しては、公文を以て
拓否の
返事が来た。このときにおいてもう当
委員会として、
参議院の
権威のためにも、あらかじめ強硬な
措置に出て、飽くまでも
所期の
目的を達成すべきが当然のことであります。それを、なお、且つ、いろいろ
自由党さん等から
善処をせらるる話があ
つて、そこで
緒方副
総理を呼んで、一昨日のあの
質疑に
なつたわけであります。その場合に
緒方副
総理が、それは
出席せし
むることに努力をする、併し二十日までのことについては、
官房長官からの一応の
返事が出ておるのであ
つて、
従つて二十一日以降のことについては、私は
十分考慮もし、そして
努力をしたいということであ
つた。けれども、
動議の
趣旨からいえば、どうしてもそれではならんから、二十日の午前中に
返事をもらい、而もそれが同時に二十日の午後、
総理の
出席がなされるように、
動議の
精神が生かさるべきである。こういう強い要望をこの
委員会としては
申合せた形にな
つておる。
そこで
緒方副
総理としては、少くとも本日の
返事は最もよい
返事としては午後即刻出るように手配いたしますという御
返事であるべきはずである。それがないにしても、少くとも明日二十一旧以降いつの日に
出席せしむるということは、本日当然
返事さるべきことなんであります。一昨日の
質疑の
経過からいえば、
官房長官の月曜日午前中に
返事しますということは、できるできないを
返事するということではなくて、いつ
出席せしむるかということを
返事する段取だ
つたのです。それが今お尋ねしますと、そのことさえも今後の
検討に待たなければならないというようなことでありますならば、十六、十七、十八日と三日間かけて、論議もし、そしてその
議論も集約してそうして
政府の、もう単に
出席させるための
予定と、確実な
返事をもらうために、陰に陽に今日まで自重して来た
我我の
立場というものは、一切これは無視されておる。そうしてこの期に及んで、明日以降いつの日にか
出席するであろうという、
返事になるかどうかわからんような
返事で、荏苒待てというようなことは、どういう
考え方からおつしやられるのか、我々としては、とんと了解に苦しむ次第であります。
従つて私としましては、
皆さんの言い分によ
つて野党側が、少くともこの場合は中
会派くらいの
立場にある我々として、
責任を持
つて出した
動議が、
皆さんの
善処を期待することのために、今日までうやむやにせられ、そうして現に実質的にはその
動議が、ものにな
つてもならんでも、効果が挙らんという時間的なもう余裕のない
事態に追込まれたという点については、我が党としては、誠に不快であり、而も又党と党との
立場で仁義にもとる
措置ではないかという
憤激さえも感ずるものであります。而もその
返事は、
緒方副
総理が直々ここに
出席にな
つての
返事でもない。こういう
状態では、明らかに当
委員会、延いては
参議院自体が、
政府から軽視されたということはもう言を待たないことだと思う。
従つて私としてはこういう
状態のままに、この
委員会において如何ともなし難いというような形になることについては、絶対同意できない。もう少し御
努力頂いたかたがたにおいて、もつと
責任を感じて、この
委員会なり、
参議院の
運営というものを考えて頂かなければならんと思う。
けれども、そういうことを言いましても、主観的には
誠意を以てやられた
伊能君をはじめとする
自由党の
諸君を、今ここでとやこう攻撃したところで、何ともならん。その
原因は、
吉田総理自身の不法な
考え方と、没義道な彼の我がままにある。
従つてその火の粉をかぶる
皆さんは、誠にお気の毒に堪えん次第で、この点については、誠に何と申しますか、憐れを我々も感ぜざるを得ない。これ以上のことは申上げませんが、少くとも本日まで、一生懸命御
努力頂いた
自由党さん
自身において、
政府首脳部に対する強い
憤激をお感じにな
つておることであろうということを忖度しておるわけでありますが、まあ今後においてどういう
措置に当
委員会がなるかわかりませんけれども、その際において、それはそれ、これはこれというような、
自由党の便宜的な
態度表明があるなどということになるならば、我々としては、その結果
自由党の
態度は不信であるというようなことをなじらなければならない場合があるかも知れません。
従つてあらかじめこの点は、念のために
自由党さんのほうにも、耳が痛いだろうけれども、お聞きを
願つて、私としてはもうこの問題については、とやかく言いたくない。
先ほど伊能さんが言うように、明日以降、いつかは出られるであろうということを、馬鹿ずら下げて待
つておるというような、そんなふしだらなことは、当
委員会の
権威にかけて、長いこと
スケジユールを決定して、今日まで
努力した
経緯に鑑みても、これ以上のことは考えられません。荏苒日をかけて、そうして
総理の
出席を待つなどということは、到底でき得ないことだと思う。
この点についても実は私は中に入られた
加賀山さん等は、どういうお考えを持
つておるのか、この際お聞きもし、よい
結論が得られるならば、その何らかの
結論を当
委員会としても打出して、そうしてだらだらしたこういう
委員会というものについては、一応の終止符は打たれなければならんじやないかとそうも考えておるわけですが、御所見を承わりたいと思います。