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1954-09-20 第19回国会 参議院 議院運営委員会 閉会後第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年九月二十日(月曜日)    午後二時四十三分開会   —————————————   委員の異動 本日委員相馬助治君及び鈴木一君辞任 につき、その補欠として堂森芳夫君及 び千田正君を議長において指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    理事            松岡 平市君            加賀山之雄君           小笠原二三男君            天田 勝正君            寺本 広作君    委員            石井  桂君            井上 清一君            伊能繁次郎君            榊原  亨君            高橋  衛君            小林 武治君            森田 義衞君            阿具根 登君            江田 三郎君            大和 与一君            田中  一君            堂森 芳夫君            石川 清一君            千田  正君   事務局側    事 務 総 長 芥川  治君    参     事    (委員部長)  宮坂 完孝君    参     事    (警務部長)  佐藤 忠雄君    参     事    (庶務部長)  渡辺  猛君   法制局側    法 制 局 長 奧野 健一君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○内閣総理大臣の本委員会出席に関す  る件   —————————————
  2. 松岡平市

    理事松岡平市君) 委員会を開会いたします。
  3. 伊能繁次郎

    伊能繁次郎君 一昨日来の経過に鑑みまして、殊に一昨日の申合せ趣旨に基きまして、私ども何とか本日経理が本委員会出席して外遊趣旨説明されるように努力いたしたのでございます。ところが今朝委員長に、政府の意向として緒方総理から、本日の都合総理がつかんということで、明日以後目下鋭意政府部内において従来の計画との調整を研究中であるという御趣旨お話委員長にあつ、たそうで、私委員長からお話を伺いまして、それではどうも済まんということで、早速副総理のところに参りまして、何とかその間の調整はつかんかというお願いをいたしたわけであります。ところが只今申上げたような事情で、今日はどうしても都合がつかん。又明日以後につきましても、今政府部内で折角検討中であるから、そこのところを何とかもう暫らく、本日以外のいつという日について、然らば御確答願えんかという点もお話したのでありますが、今のところ、明日以後において最近の機会にいつというお話までも回答する段階に至つていないということでありまして、又これは、いずれ或いは加賀山委員からもお話があるかも知れませんが、加賀山委員も、一昨日以来の経過を心配されまして、緒方総理に、更に本日も御面会を願つたようでありまして、いろいろ加賀山委員からも強く希望をされたようでございましたが、その後副総理から、いろいろ検討したが、どうしても今日の出席が困難である。又明日以後の問題についても、更に検討して、できるだけ御回答を早くいたしたいということを自分が本委員会出席して申上げなければならんが、十一時からいろいろ公務に追われて、どうしても出席がいたしかねる次第である。私に代つてその旨を、以上申上げたような、当初委員長まで御連絡をしたような趣旨を変らないということについては、非常に申訳ないと思うが、そういう事情であるから、代つて回答願いたいということでございましたので、甚だいつも私代つて不十分な、不満足な御回答ばかりを伝達するようで、誠に私自身としても心苦しく申訳なく思う次第でありますが、そういうような事情でお届けがあつたということを御報告申上げる次第であります。
  4. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 今のお話を聞いて愕然としたのであります。  そもそもこの議院運営委員会を十六日から三日開こう、而もその間に所期目的を達成して、今週まで持越すようなことはしまい。こういう考え方のできたのは先々週のことだ。そしていよいよ十六日の当日になつて、当委員会が開かれました場合においても、右派のほうからは、前から予定された計画であるから、それぞれの政府側においてもわかつていることである。従つて緒方総理などは直ちに、即刻出席を求むべきであるというような議論さえあつた中に、我々としては、それも又準備の御都合もあることだろうから、一日おいて明日十七、十八日を緒方総理吉田総理等順次席を願うことにして予定を立て、正式に政府にもこれを通告すべきであろうということで、政府立場も尊重して、十六日の決定を見たのである。而も十七日には、緒方総理出席も見ることができない。官房長官の御出席を待つて各種の問題についてお尋ねをした。その場合に、吉田総理出席問題については、単に健康上の問題なりスケジユールが詰つているという技術的な問題のために、当委員会に出られない点も明らかにされたわけだ。そこでその場合にも、院としてはそんな軽い理由を以て政府出席要求をされたかたが出られないはずはないという議論のあつた中に、いろいろ事情もあることであろうから、私から然らば十八、十九、二十という今週にまで持越して三日間のスケジユールの中で、何とか差繰りして、総理出席せしめむべきであるという動議を出したのでありますが、加賀山氏初め、その動議趣旨は尤もであるが、動議によつて引張り出すというような形は、院としてはとりたくないという、これ又非常に政府立場も考え、当委員会の従来のあり方等も考えられた好意ある措置がとられる結果になつた。その場合の官房長官答弁では、なかなか困難である。苦慮もしておるが、特段に、そういうことであるならば、特に考えて明日午前中に答弁しましよう、御返事しましようということであつたが、さて十八日の土曜日になりまして、官房長官自身ここにお見えになつて答弁されるはずのものが、これ又御出席なく、自由党委員を介して、そのことはできない。或いは委員長代理に対しては、公文を以て拓否返事が来た。このときにおいてもう当委員会として、参議院権威のためにも、あらかじめ強硬な措置に出て、飽くまでも所期目的を達成すべきが当然のことであります。それを、なお、且つ、いろいろ自由党さん等から善処をせらるる話があつて、そこで緒方総理を呼んで、一昨日のあの質疑なつたわけであります。その場合に緒方総理が、それは出席せしむることに努力をする、併し二十日までのことについては、官房長官からの一応の返事が出ておるのであつて従つて二十一日以降のことについては、私は十分考慮もし、そして努力をしたいということであつた。けれども、動議趣旨からいえば、どうしてもそれではならんから、二十日の午前中に返事をもらい、而もそれが同時に二十日の午後、総理出席がなされるように、動議精神が生かさるべきである。こういう強い要望をこの委員会としては申合せた形になつておる。  そこで緒方総理としては、少くとも本日の返事は最もよい返事としては午後即刻出るように手配いたしますという御返事であるべきはずである。それがないにしても、少くとも明日二十一旧以降いつの日に出席せしむるということは、本日当然返事さるべきことなんであります。一昨日の質疑経過からいえば、官房長官の月曜日午前中に返事しますということは、できるできないを返事するということではなくて、いつ出席せしむるかということを返事する段取だつたのです。それが今お尋ねしますと、そのことさえも今後の検討に待たなければならないというようなことでありますならば、十六、十七、十八日と三日間かけて、論議もし、そしてその議論も集約してそうして政府の、もう単に出席させるための予定と、確実な返事をもらうために、陰に陽に今日まで自重して来た我我立場というものは、一切これは無視されておる。そうしてこの期に及んで、明日以降いつの日にか出席するであろうという、返事になるかどうかわからんような返事で、荏苒待てというようなことは、どういう考え方からおつしやられるのか、我々としては、とんと了解に苦しむ次第であります。  従つて私としましては、皆さんの言い分によつて野党側が、少くともこの場合は中会派くらいの立場にある我々として、責任を持つて出した動議が、皆さん善処を期待することのために、今日までうやむやにせられ、そうして現に実質的にはその動議が、ものになつてもならんでも、効果が挙らんという時間的なもう余裕のない事態に追込まれたという点については、我が党としては、誠に不快であり、而も又党と党との立場で仁義にもとる措置ではないかという憤激さえも感ずるものであります。而もその返事は、緒方総理が直々ここに出席になつて返事でもない。こういう状態では、明らかに当委員会、延いては参議院自体が、政府から軽視されたということはもう言を待たないことだと思う。従つて私としてはこういう状態のままに、この委員会において如何ともなし難いというような形になることについては、絶対同意できない。もう少し御努力頂いたかたがたにおいて、もつと責任を感じて、この委員会なり、参議院運営というものを考えて頂かなければならんと思う。  けれども、そういうことを言いましても、主観的には誠意を以てやられた伊能君をはじめとする自由党諸君を、今ここでとやこう攻撃したところで、何ともならん。その原因は、吉田総理自身の不法な考え方と、没義道な彼の我がままにある。従つてその火の粉をかぶる皆さんは、誠にお気の毒に堪えん次第で、この点については、誠に何と申しますか、憐れを我々も感ぜざるを得ない。これ以上のことは申上げませんが、少くとも本日まで、一生懸命御努力頂いた自由党さん自身において、政府首脳部に対する強い憤激をお感じになつておることであろうということを忖度しておるわけでありますが、まあ今後においてどういう措置に当委員会がなるかわかりませんけれども、その際において、それはそれ、これはこれというような、自由党の便宜的な態度表明があるなどということになるならば、我々としては、その結果自由党態度は不信であるというようなことをなじらなければならない場合があるかも知れません。従つてあらかじめこの点は、念のために自由党さんのほうにも、耳が痛いだろうけれども、お聞きを願つて、私としてはもうこの問題については、とやかく言いたくない。先ほど伊能さんが言うように、明日以降、いつかは出られるであろうということを、馬鹿ずら下げて待つておるというような、そんなふしだらなことは、当委員会権威にかけて、長いことスケジユールを決定して、今日まで努力した経緯に鑑みても、これ以上のことは考えられません。荏苒日をかけて、そうして総理出席を待つなどということは、到底でき得ないことだと思う。  この点についても実は私は中に入られた加賀山さん等は、どういうお考えを持つておるのか、この際お聞きもし、よい結論が得られるならば、その何らかの結論を当委員会としても打出して、そうしてだらだらしたこういう委員会というものについては、一応の終止符は打たれなければならんじやないかとそうも考えておるわけですが、御所見を承わりたいと思います。
  5. 天田勝正

    天田勝正君 小笠原君が、加賀山さんの意見を求めているわけですが、私はその前に、この際明らかにしておきたいのは、一昨日来、議運総理出席問題に限定しての議論になつて来て、そこでおのずからこの際でございますから、総理外遊説明を求める。こういうところへ集約されて来たやに見受けられるのでありますが、元来、先週三日間に亘る委員会を開く意図というものは、単にそれだけではないのであつて、先々週の、正式の理事会ではございませんけれども、議運理事懇談会を開いた際に、十六、十七、十八の三日間に開いてこれを今週に越さないという場合にも、政府に質したいことは三つあつたのであります。  一つは、指揮権発動に対する勧告の決議に盛られた院の意思でございますが、これが当時政府緒方総理を代表といたしまして、将来の戒めにするなどと言うておられる。将来の戒めでなしに、現在どうするかという院の意思に対して、そうした不満足な答弁しか得られないために、緑風会の廣瀬君を初めとして、幾たびか緊急質問の形で問い詰めて参つたのですけれども、それ以上の答弁を得られなかつた。ところがその後の経緯を見ますと、将来の戒めにもしてないということが、例の吉田暴言等によつて明らかになつて来た。そういたしますると、我々の指名というものは、総理一人に限るのでございますから、他の人に聞いても仕方がない。この延期の責任をどう一体政府が受け取つているか。この際あらためて糾明しなければならないということが一つ。もう一つ国会解散要求でございますが、これは御承知の通り本院におきましては過半数の人によつて要求されておる。このことは若し本会議が開かれるならば直ちに院議になるというだけの強い性質を持つている。これに対して副総理を通じての回答があつたのでございますけれども、この回答は何ら我々を満足するものではないし、又憲法及び国会法に規定されておることを遵守したものではない。こういう憲法法律違反等が行われておることをそのままに我々は捨ておけない。我々議院運営を担当しているものとしては、特にそれを見過すことはできない。こういうことをこの際質さなければならない。更に、すでに言われておりました外遊問題等につきましても、元来政府側から率先して院の会議に出て説明をいたしたい、そういう機会はできるならば、いわゆる前国会における重要法案が通れば直ちにやるんであるということを、一体この委員会において官房長官も副総理も、来てみずから言われておることなんです。ところが閉会中であるから、本会議に代るべきものとすれば、どうしても本委員会における約束でありまするから、その経過からいたしましても、議院運営委員会においてなさるべきが当然の措置であるにもかかわらず、過日官房長官が参られましてここで発表したように、そのスケジユールの中には一番の項目であるはずの国会に対する発言機会というものが盛られておられない。ますます以て国会特に参議院軽視ということになり、更にこれが十六、十七、十八の三日間の出席の状況を見ましても、元来初日である十六日にも、私の意見とすれば直ちに緒方総理出席を求むべきであるということでありましたけれども、ところが小笠原君の言われておりまするように、向うの都合ということで明日こそは出席すると、そういう前提の下に、これが十七日に延された。十七日になつてみましても一向に誠意を尽さない。一方こちらから督促をせなければならないという状態なつた。結局緒方さんが出ずして官房長官が出る。そこで更に十八日ということになつてまあこれは小笠原君が申されましたから繰返しませんけれども、とにかく不誠意の限りを尽して来ておる。実際問題とすれば、いわゆる小笠原動議なるものが、すでに四日間も棚ざらしになつて今日まで来てしまつたが、さればと言つて、今これを小笠原動議を採択いたしましても、実効は伴わないことになつてしまう。  あの動議提出された時には、この委員会もいささか色めき立つて、そうした曾つて先例のないことを突如としてやられることがむしろ不当であるというようなことが与党諸君の顔にもありありと見えたことを私は記憶している。ところが今日になつてみましても、あの際においては、実にああいう措置が妥当であつたということを自由党諸君つて認めざるを得ないであろう。私はあれだけ強引な特に吉田総理の従来の態度に鑑みまして、たとい与党諸君が不満であつても、あの際にあれだけ強い意思表示をしなければ到底処置なしとして我が会派の各委員と相談した結果、これが動議賛成して来た。ところが結果においてはかようになつて参りまして、これを一体どう幕を引くか。あの動議を採択いたしましても、もう実効が挙らない。こういうことでありまするし、そのときは加賀山さん等の口ききもあり、確かに残念でございますけれども、与党理事である伊能さん或いは劔木さん等を初めとする人たち努力のほどは我が会派は認めておりまするがために、どうもそれ以上追及することなしに、今日までついて参りまして、会派へ帰つたら、何とも我々出先の者は面目ないという状態に追込まれておるのでありまして、こういう意味からも、長談議になりましたけれども、これらの骨を折つておるかたたちにおいて、何らかの御意見があれば、この際承つておきたいと、こう存じます。
  6. 加賀山之雄

    加賀山之雄君 先ほど小笠原天田委員からお話がありましたように、十六日から委員会を開きまして、総理出席を求め、特にその後総理外遊問題に限定をして来て、而も日にちは今日の今日というのではなくて、十八日、十九日、二十日、この三日間に、最も適当な最後の時機だから、それまでには是非出席あるようにということを再三要求しても、なかなか先ほどお話があつたように、官房長官が出ても、副総理が出ても確たる返答がない。よつてこれは、とてもまだ当委員会要求して委員長からの手続だけではいかんので、一つ決議をして出そうじやないかという動議が出たわけであります。私は当時において、これは決して無理な動議とは考えぬ。ただ私どもとしては飽くまでも先ず政府自発的意思によつて、これはどうしても最大重要な事柄であるから、本院へ出て、特に閉会中でもあるから、本委員会へ出て、その意思の発表をするということが最も大切な国務であると考えましたから、是非、それだけに、特に政府が自発的にそれをやることを望んだわけであります。委員会としては併しそれとは別に、政府が自発的であろうとなかろうとこれは出て来べきものであるという決議をして引張り出す、これ又委員会として私はなすべき任務であつたと思いますが、私はその両方を考えて、両方の一致するこの二十日の日に政府が出て来て、吉田総理大臣出席して外遊意図を話されることを心から望んでおつた。  ところが今日、望を嘱した二十日がもうこれで消えるのでありまして、結局我々が期待しておつた委員会意思にも合い、政府の又自発的という立場で出て来るというこの一致点は、もう消えてしまうという段階に立至つた。で私はその間に立つて発言をして折角表決されようとしたことを、いわば阻止して、小笠原動議不発に終らしめた責任者であることになるわけなんです。結果は、そういう形になります。  併しここまで来るには、私は先ず第一には動議発案者である小笠原委員、それから賛成者である各委員がとられた寛容な態度というものに、私はこれは本委員会として敬意を表すべきだし、又一方先ほどからお話が出ていますように、与党委員与党委員として伊能君或いは劔木君、又委員長委員長立場として、この問題に非常な努力を重ねた。これもよくわかることで敬意を表すべきことだと思います。こうなつて来て皆善意であり、寛容であつたことが今日この事態なつたということは、誠に悲しむべきことだと思いますが、併しこれは誰が悪いかといえば、やはり私は政府を責める以外に手がない。これほど寛容なことで要求もし、お互いの行動をとつて来た委員会であります。にもかかわらず今日の事態なつたということは、これはやはり私政府がその非を本当に反省してもらわなくつちや困る。かように考えるものであります。で、まあ政府反省してもどうにもならんじやないかと、結果は、この委員会としては目的を達することにはなりません。併し事態ここに至れば、委員会として便便として、なお先ほど小笠原委員の言うように口をあけて、いつ出て来てくれるのだといつているわけには参らん。委員会は今日の事態において、この委員会として打切らなければならない、それには、私はこの動議が出て不発になつておりますことも、十分に我我としては考えなければならん。場合によつては、この動議不発であつたから、こういうようになつたというように考えられるかもしれませんが、私自体の観察としては、動議或いは決議されたとしても、私は事態はやはり今日に及んだのではないかというようにも考えられる。まあこの動議不発に及んだ今日として、我々としては、併しとるべき立場としては、やはり政府立場を責めて反省を求めるということ以外にはないように思います。  かように考える次第であります。
  7. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 只今加賀山さんの御発言は、我々としても同感であります。この期に及んで自由党委員を追撃しても、ことの原因責任は、一にかかつて政府にあるのでありまするから、今後参議院と行政府との間において、長い間各種運営上の問題が起るわけであつて、将来長きに亘つて政府の院に対してとられる措置に対して重大な反省をこの機会を以て促すということは重要なことであろうと考えますが、ただこの点についても、各会派それぞれ理由とせられるところ、又責任を追求する程度と申しますか、仕方においては、いろいろ議論があることだろうと考えます。  で、少くとも只今加賀山氏がおつしやつた精神というものは、党派の立場を越えて当委員会の今後の運営の上から、ひいては参議院立場からして、これは自由党諸君においても、賛成なものと私は考えます。よくよくこれは反対の立場に出られることは、苦しい理由を表示しなければならんかとは思いますが、よく野党或いは与党の中間にあつて各種の斡旋をして頂いた加賀山氏のほうから、積極的に只今のような御発言がある限りは、どうしても全会的な決議をするためには、加賀山さんのほうで、その案も考えられて御提出を願わなければならんことだと、我々だけの党の立場に立つた主張というものだけでは、これは委員会の趣意は通らないものだろうと考えております。  従つてこの際は、加賀山氏のぼうから正式にもう動議なら動議の形を以て文体を整えられて御提出を頂いて、それについて各会派においては、それぞれの立場があるのですから、その討論の段階等で、立場は主張せられる。こういうような扱いにしていいのじやないかと思いまするので、率直に動議のある会派においては、出して頂くということで、一つ加賀山さんにも、そういうふうにお願いしたい。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
  8. 加賀山之雄

    加賀山之雄君 今小笠原委員からお話がありましたが、どういう形でこの委員会、本会の、運営委員会としての結末をつけるかということでありますが、私は飽くまでも事態を中正に判断して、事柄をその意に基いて判断をして行くべきであつて、これは初めから本委員会が少しも何といいますか感情に走つたり、それから沈着を失つたりはして来ておりませんでした関係上、事態を飽くまでも冷静に判断をして、一つのこの事態に対処する決議をすることを動議として提案したいと思うのです。お許しを得れば私は動議決議内容について、皆さん方にお諮りいたしたいと思います。(「動議提出賛成」と呼ぶ者あり)
  9. 松岡平市

    理事松岡平市君) 只今加賀山委員から動議を出すというお話がございます。賛成の声があるようですから、議題に供します。  加賀山委員の御説明を求めます。
  10. 加賀山之雄

    加賀山之雄君 先ほどから、皆さんから御議論がありました現今の事態に対処いたしますために、本委員会としては、ここに決議をいたしたいと思います。その決議内容は、    本委員会は本月十六、十七、十   八日並びに本日に亘つて委員会を   開き、吉田内閣総理大臣出席を   求めて、直接今回予定されている   総理大臣外国出張に関し、政府   の意図するところを聴取せんとし   たのであるが、これは国会閉会   中であり、出発予定期日迫つた   今日、政が国民に対しその意思を   表明する最もよき方法であり、且   つ最後機会であると信じたため   である。    然るに政府は、公務多忙に名を   かりて、本日に至るも未だ出席要   求に応ぜざるのみならず、国会に   対して正式の意思表示をなす意図   すら具体的に示していない。    これは明らかに国会を軽視する   と共に、国民に対する重大な義務   を怠るものと認めざるを得ない。   本委員会は、これを遺憾とし、政   府の強い反省を促すものである。    右決議する。  以上であります。
  11. 松岡平市

    理事松岡平市君) 只今動議に対して質疑のある方……  質疑はないものとして、直ちに討論に移りたいと思います。討論を許します。
  12. 天田勝正

    天田勝正君 社会党第二控室は、只今加賀山君の動議賛成をいたします。  私どもはこの際、若し自由に我が会派意思を申上げまするならば、更に強いものを盛りたいと考えておりますけれども、先ほど小笠原委員も言われたように、従来から与野党の中間に立つて、公正にいろいろな御幹旋を願つて参りました緑風会意思がここに明らかにされたし、勿論その意思の中には、各会派等の意向も忖度しつつ、而も極めて事態を平明に説き、これならば与党諸君といえども事態の推移から鑑みまして賛成せざるを得ないという点を私は盛られたものであると存じまするし、こういう意味から、私どもは会派意思をそのまま言うならば、まだまだ盛つて頂きたいこともございますけれども、我々はこれに賛成したいと思うのであります。  なお、この際一言意見を申上げておきますならば、先にも言いましたように、すでに幾度か我々が国会法の定めによりまして、政府出席を求めましても、それすら履行しないで来たのみならず、これが問題になつて、この委員会でも十七日、十八日の両日などは政府の不誠意が示されておつて、決して国会軽視などはいたしませんなどということは、官房長官、副総理も幾度か言明されていたばかりなんです。まだその舌の根が乾かないのに、総理出席について、遅くとも今日の午前中には回答をいたしますと、こういうことを副総理がここで確約されて行つたわけであります。その後の二十日中に、総理出席すべしという内容を附加いたしましたのは、これは仮に副総理が知らないと強弁されましても、いずれにしても二十日の午前中に努力をいたしまして答弁するということは、これは質疑の過程で自発的に副総理が言われたことです。にもかかわらず今日も一向出ないで、それを逃れるかのごとく、これを伊能理事によつて伝えるなどという、この期に及んでも、誠意を重ねて来ておる。こういうことでありましては、私から言わせれば他の二つの案件についても、当然総理から聞かなければならない事柄なのでありますから、この先委員会を開くなどということは、私はこの問題に関する限りは、もう真平だ。これから先き若し聞くとすれば、政府が、今度は自分が出て説明したいから、委員会委員諸君集まつて来い。こういうことと何ら変らないのであつて、そんな向うの都合で、委員会が招集されるなんていうことは、国会の前例としてもございませんし、憲法国会法の定めにもないのでありますから、もう本日のこの加賀山動議によつて募を引いて、今後政府から出て自発的に説明するという場合は、もう我々は参加したくないという意思をここにはつきりいたしまして賛成いたします。
  13. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 議事進行について。こういう重大な、政府反省を促す決議をするに当つては、当面の政府責任者である副総理出席を私は要求しなければならん。この討論の段階中に早速走つてでも、ここに駈けつけて来るように、委員長において御連絡をお願いしたい。    〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  14. 阿具根登

    ○阿具根登君 私は只今加賀山委員動議につきまして、我が党の立場を表明したいと思います。  すでにこの四日間に亘つて我が党からは小笠原委員から詳細に討論し尽されておりますので、更にくどくど申上げることはやめたいと思いますが、この四日間の間に福永官房長官緒方総理答弁を聞いてみましても、何ら誠意の一点も認められないのであります。而も福永官房長官は、当委員会出席する前に、新聞等で拝見いたしてみますと、すでに吉田首相と話合の上どの委員会にも出席しないということを話合つた末に、当委員会に参りまして、いつもの調子でのらりくらり答弁にならない答弁をいたしておる。なお、次に見えました緒方総理に至りましては、責任のあるかのごとくないかのごとき答弁を申しておりますが、いずれの答弁を見ましても、国会休会中の、而もこれだけ真剣な考え方で国民が見守つておる当委員会出席に対しても、出席できない理由は、我々としてどうしても見出せないのであります。私たちも、でき得ればこの機会総理出席して、そうして本委員会を通じてでも、国民の皆さん外遊の所信を披瀝されることが最も妥当な時期であつたろうと思いますし、すでに当初加賀山委員から言われましたように、英国においては反対党である労働党のアトリー総裁から拍手を以てチヤーチルのアメリカ行きを送られておる。そういう例まで出しておられます。こういうときに当りまして、而も国民が最も知りたがつておる疑獄の問題が、今そのままにある。而も当然総理が釈明しなければならん、そういう時期も、自己の都合によつて引延し、国民にますますその疑惑を深めておる。今のままで出発するならば、一国の総理として国を発たれる場合、誰を代表しているかわからないような恰好にならざるを得ないのであります。私はこの際、本委員会提出されるならば、総理外遊に対して反対の表明を私はここで動議として提出いたしたかつたのでございますが、その問いろいろと御心労を煩わし、御折衝願いました加賀山委員の今までの御労苦に対しましても、私たちといたしましては非常に不満でありますが、その御労苦に対しましても、賛成の意を表さなければならないと思います。  以上の理由から、私は非常にもつと強い、国民に本当に訴え、そうして政府責任をもつと明らかにしたい。いわゆる日本国民の代表として行かれるものでなくて、本委員会は、総理大臣が外国で如何なることをされようとも、一切の責任は持たないというだけの強い披瀝を私としてはお願いしたがつたのでありますが、以上述べました理由加賀山委員動議賛成をいたします。(「自由党賛成討論……」と呼ぶ者あり)
  15. 寺本廣作

    ○寺本広作君 私は改進党を代表いたしまして、加賀山委員提出された動議賛成をいたします。  もはや同僚の各委員から、縷々申されました通り、当委員会提出いたしました政府に対する出席要求は、極めて条理を尽したものであつたと、こう思うのでございます。併しながらその結果が、政府によつて無視されたことになりましたことは、極めて遺憾であります。この感じは、恐らく当委員会政府の間に立つて斡旋されました与党委員におかれましても、又同様であろうと想像をいたします。政府がこの委員会出席要求を無視されたことには、非常に無理があると思います。政府説明によりますと、総理の日程変更は、単なる技術的な問題であるという説明でございましたが、かような無理が行われているところを見ますと、恐らくそれは単に技術的な問題だけでなく、相当大きな政治的な理由があろうかと考えられます。この決議には、政府の強い反省を促す文案で、この決議を結んでございますが、この決議趣旨通り政府におかれましては、その恐らくは政治的であろうと思われる理由について、深い反省を加えられまして、国民が釈然といたしますような措置を速かにとられることを希望いたします。  以上でございます。
  16. 千田正

    千田正君 日本の憲法が定めているように、国会は国民の信託を受けた議員によつてこれを構成するところの最高の立法機関でありますが、その行政機関である政府から、かくのごとき態度を以て出られるということは、我々としては遺憾であり、又我々の背後にある国民諸君も、誠に遺憾なことだと思う。只今加賀山委員から提出されたこの文案は、誠に穏健であつて参議院の良識を以て作られてはおりますが、私自身この問題を考えますときに、今後の我々議院運営委員会なるものは、如何に院と政府との間の関係をどういうふうに調整し、或いは実行して行くかということに非常なる危惧を持つものであります。私現在の立場におきましては、甚だ不満でありますけれども、只今加賀山委員の述べられました決議案に対しまして、無所属クラブを代表いたしまして、賛意を表します。
  17. 高橋衛

    ○高橋衛君 私は、只今加賀山委員から御提案になりました動議に、自由党を代表して反対するものであります。(「おかしい、おかしい」と呼ぶ者あり)先日、私は初めて議運委員になつてこの席に出席したのでありますが、その際突如として、小笠原動議なるものが出て来て、私はその議事運営の方式について愕然といたした次第であります。幸いにして加賀山委員の御発言により、又小笠原委員等もこれに対する非常な反省態度をもつてお考え直されたという点については、最大の敬意を払うものでありますが、およそ民主政治というものは寛容と忍耐と節度、こういうものによつてつて行かなければならないのであります。然るに前国会以来、参議院の問題ではございませんが、衆議院においては、少くともこの本来の民主政治のあり方と違つた方向に進んでおるということを遺憾ながら認めざるを得ない。(「政府はどうだ」と呼ぶ者あり)国会の軽視ということは、これは最も非難すべき事柄であり、又同時に、絶えず参議院の軽視ということもこれはよく言われておるのでありますが、国会は申すまでもなく衆議院と参議院と双方に成り立つております。又参議院出席をし、同時に衆議院に出席するということが政府としては妥当な又好ましい方法であろうと考えるのでありますが、遺憾ながら今までの情勢においては、なかなかそういうふうな情勢に立至り難いという事柄については、ここに御出席皆さんもよくお考えになつておる、御認識になつておると考えます。殊に先般官房長官並びに副総理と、ここに出られて縷々御説明になりましたように、何とか国会を通じ、又国会諸君政府としても外遊趣旨説明をし、そうして加賀山委員の希望せられましたように、全体としてそういう効果あらしめるという方向に、それぞれその方法が妥当であつたか否かは別として、とにかく努力して来たことはお認め願いたいと思うのであります。私どもはこの政府態度にかかわらずとにかく皆さんと同様に衆議院は衆議院、参議院参議院と別個であつても差支えないから、是非参議院には出席をして、そうして外遊趣旨説明を願うという事柄が適当であろうと私ども考えまして、自由党の各委員も、又委員長も、又この方向に努力して参つたのであります。一昨日党の、自由党の幹部等も、又その意見に同調し、政府側もこの意見に同調し、何とかその時間を見付け出したいという趣旨をもつて、今日までなお努力を続けておるということについては、先ほど小笠原委員も十分これをお認め下さつて、(小笠原二三男君「認めない。」と述ぶ)御認識願つて……、(小笠原二三男君「全然認めない。」と述ぶ)ただ、只今加賀山委員動議をお出しになるというお気持の底に流れるものは、私ども理解できないことはないのでありますが、およそこれらの事柄については、要するにこれを実現するかしないかというところにキー・ポイントがあるのであつて、この際、とにかく国会を軽視する、政府としての国民に対する義務を怠るものであるという烙印を押して、何とはなしに喧嘩別れするという形をとることは、結局折角の今までの努力を、又今までの諸君の寛容の徳を無にするものである。私どもはその意味において、どうしても賛成し難い。いま暫くの寛容と忍耐とを我々は希望いたしまして、この動議に反対するものであります。
  18. 松岡平市

    理事松岡平市君) 討論は終局したものと認めます。(「まだまだ伊能君の討論がある。」と呼ぶ者あり)よつて採決いたします。本動議賛成諸君の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  19. 松岡平市

    理事松岡平市君) 多数と認めます。よつて加賀山君の提出された動議は可決されました。  先ほど小笠原君からかような重要な決議の際、政府出席すべきであるという御注意がございましたが、誠に御尤もだと思いまして、委員長におきましては、直ちにその手続をとりまして、未だ私の不敏のために、十分、間に合うように出席させることができませんでした。只今決議につきましては、委員長において、政府出席しておりませんけれども適当に処置をいたしたいと存じます。  なお、これに関連をいたしまして、小笠原君の動議が出ておりましたが、これは懇談の際に、大体御了承を得ておりまして、本動議の前に、一応小笠原君から賛成者の同意を得て御撤回になつたもの、というふうに認めてよろしいかどうか。これを一応お諮りしたいと思います。
  20. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 私は撤回はしたくない。高橋君がそういうふうにおつしやるならば、高橋君の討論の趣旨が生かされて、本日、今晩は十二時までの時間がありますから、おやり頂けるというならば、私は撤回いたしません。高橋君が折角鋭意努力中だということですから、今晩十二時までに総理出席が可能であるという言明があるならば、撤回いたしません。  ところが、その言明がなければ、これは撤回せいというに等しい結果になる。けれどもこれは私は、こねくつて物を言うのではないが、撤回しようがしまいが、無理なことをされたことについては、どうしても自由党責任を追及せざるを得ない。小さな顔ですけれども、自由党全員かかつて我が党の顔をつぶしたということについては、心の底まで胆に銘じてこれを忘れないでおかなければならない。そう思うのですけれども、高橋君のような討論でなくて、わかりのいい討論であれば、私はさつぱりと一切を忘れますけれども、さもさも当然な措置、さもさも自由党努力しておる。而も我々の要望を実現するのに、何らやぶさかでないにもかかわらず、先ほどのような加賀山決議案に賛成したかのごとき印象を与える討論をされるのであつては、私は一切は御破算にされてでも、これを、総理が即刻只今出席されることを要求せざるを得ない。  伊能さんどうです。伊能さんのおつしやり方如何でこの動議は如何ようにでもなる。(笑声)
  21. 伊能繁次郎

    伊能繁次郎君 高橋委員が申上げた趣旨は、今小笠原さんからお叱りを頂くような趣旨ではありませんで、私最前の冒頭に、委員長まで緒方総理から御回答があつた点をそれでは不十分だと考えまして、更にそういうことでなしに回答できんかということで、両三度参りまして、いろいろお願いをしたのでありまするが、最前申上げましたように、今日のところは、どうにも総理出席が不可能である。又明日以後の点においても、でき得る限り予定のスケージユールの調整について、目下折角政府において検討中だから、併しそれも誠に申訳ない、残念ながら本日はまだ回答できる段階ではないと、こういうような、甚だ私どもとしてもその点はお説のように不満足な回答でありましたので、その点を率直におことづけをした次第でございますが、只今申上げたように、政府においては、なお努力をいたしている。又私ども努力をいたしているのだという事実を高橋委員が申上げた次第でございまして、その点は別に他意があるわけではないと私どもは考えますので、御了承頂きたいと思います。
  22. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 言葉というものは重宝なものでございますが、もう少し言い廻しは適宜勘案されて御発表を実は高橋君にもお願いしたかつたのです。  事は、そもそも寺本君が言うごとく、単に時間の繰合せをするとか何とかいうことを表面の理由にしておりますけれども、そうではない。結局今日のところは駄目だというのは、衆議院の決算委員会において吉田総理を告発する手続がとられていない。その前に参議院に出せば、やはり決算委員会出席要求する。そうすれば、こつちは重要な国務であり、そつちは証人喚問だから、ことは別だといつても、これは国民も国会も承知しまい。そうなれば、それは母屋に火がついて来る。だから先ず告発のあるなしを見定めた上、一切の波風を取り静めた上で羽田に到着できる準備がちやんとできたら、或いは何らかの手も打とうかなという程度の勘案と努力なんです。そんなことは国会議員であつて院の運営をやつている者は、言われなくても、お互いにわかつているけれどもそれでは闇雲にあけすけな話になつて、身も蓋もないから、従つてここまでどうのこうのと立派な言葉を取り交している。それが正直なところなんですよ。それを何かさもさも我々のほうがあんな決議でさえも、党利党略で悪追いしているかのごとき印象をお持ちになつているかのごとき討論を、直接我々の目の前において言われることは誠に遺憾に堪えない。先ほど懇談会にも伊能さんに申上げましたが、地下のほうからバリカンでも持つて来てから、話をしたらいいだろうということを言つたのですが、そういうところで、いろいろ文伺も言いたいところです。これ速記についているんですか……これは消すわけにもいかんから、もう堂々と申上げておきますが、よく事情はわかりました。従つていさぎよく動議は撤回することで、委員長にお取扱い願います。
  23. 松岡平市

    理事松岡平市君) これにて散会いたします。    午後三時四十七分散会