○千田正君 私は性格が性急のほうですから、端的にお伺いしますが、今寺本君も言う
通り、すでに小笠原君、或いは天田君から論議が尽されておりますけれ
ども、私は寺本君の今の
質問に対して更に一歩突つ込んで伺いたいのは、参
議院は過半数で
国会の
開会を要求した。その内容には、
総理の
外遊に対する、
国会を通じて
国民への
了解をはつきりさせたいという点もあ
つたのでありますが、これも画餅に帰したようであります。併しそれに代りまして、
閉会中といえ
ども議運が開かれておる。これに対しても今の
官房長官の
お話によるというと
出席がなかなか困難であるようなお答えでありますけれ
ども、こういうことによ
つて、もつと重大な結果が起るのじやないかということの杞憂を私は持つのであります。それは
衆議院の一
決算委員会あたりで騒いでいることよりも、首相の
外遊に対しては、
日本の
国会は全然関知しないのだというようなことを仮に中外にそれが闡明されたというような場合に
おいては、
総理大臣の
外遊というものは
意味をなさなくなる。より一層
意味をなさなくなるのは、我々のこの
委員会で、あなたのような、拒否し続けているようなことであ
つたとするならば、我々としても
国民の納得の行かない、いわゆる
総理大臣の
外遊というものに対しては、国の
最高機関である参
議院は関知しないのだ、
従つて総理大臣が外国に
おいてなされる行動なり或いは言動なりというものに対しては、
日本の
国民の総意であるところの
最高機関は全然これは信頼もできない、関知しないのだというようなことを、不幸にしてそういう問題が参
議院に起
つたような場合があるとするならば、
総理の
外遊の
趣旨であるところのいわゆるグツド・ウイル・ミツシヨン、親善使節などというものは、とうに消し飛んでしまう。そういうような事態が生ずる虞れが相当私はあると思うのであります。
そこで私は
官房長官に聞きたいのは、今第十四号の暴風雨が来るというような警報も発せられておるけれ
ども、この国の暴風雨もまさに来たらんとするような感を深くするのでありますが、気象台の役目をするあなたが、この暴風雨を避けるために何とかして首相の
外遊を意義あらしめるためには、やはり国の
最高機関であるところの
国会を通じて
国民に納得させるような首相に態度をとらしめるべきだと我々はそう
考えるのだが、それに対して善処するという言葉をちつとも私は伺
つていない。この際そういうことをはつきりされたほうがいいのじやないか。民主主義、民主主義とおつしやるけれ
ども、チヤーチルのようなあの老英国首相でさえも、外国に行くときには、反対党である労働党の諸君からも、拍手喝采を受けて歓呼の声に送られて、そうして
海外に使節として
行つておる。それが
日本の
国会の大部分が吉田首相の
外遊というものに対しては、信頼をおけないのだ、勝手な行動であるというようなことを中外に明らかにされたならば、これは吉田首相の今度の
外遊は無になるばかりではなく、
日本の将来にと
つては重大なる結果を招来すると思うのでありますが、そういう重大なる結果を招来する虞れのあるこの今の問題としまして、三十分でも一時間でも、この参
議院の今開かれておる議運に対して、一応首相の
外遊の所見を述べて行くことが最も得策であると私は思うのですが、その点についてその
スケジユールを作るか作らんかという点を、もう一回はつきり伺
つておきたいと思います。