○国務大臣(
岡崎勝男君) 私はそのニッポン・タイムズですか、今朝のを見まして、表題にそういうことが書いてあるので
ちよつとびつくりしたのですが、中味はそうは書いてない。私が総理の
答弁についての話をした趣旨は、総理は具体的の問題を話すということは私には
考えられない、
従つてジェネラル・ラインでいろいろのことを話されるだろう、それのラインの中味はどうかと言えば、自分の想像では、終戦以来の各国の好意ある態度についてアプリーシェイトするという
意味が
一つと、それから
日本の国内の情勢、政治経済、社会情勢というようなものをよく
説明するということが
一つ、相手国の同様な情勢を聞くなり、或いは見て来るということが第三、それだけであ
つてその他の具体的の問題はないであろう。
従つて又おみやげというようなものもないであろうという趣旨を申したのであります。
従つて借款等について話合をするだろうなんということは全然言
つていないのであります。それはニッポン・タイムズでも表題はそうでありましたが、中味はやはり私の言つたように書いてあります。で、今度その借款の問題ですが、我々も外国の借款ということが必要であることは認めるのです。例えば
日本の工場の機械を新らしくしなければなりません。なかなか一挙にできません。こういうものは借款によ
つてするということも必要だろうと思うのであります。併しながらこれはビジネスの借款であ
つて堂々と利息も払い、元金も払う約束で貸と借の問題であ
つて、何もこれは援助でも何でもない。
日本にから利益があると思えば外国が金を貸すだけの話であ
つて、
従つてこれは私は差支えないと思う。併しながら、
一般に言う援助の
意味の借款と言いますか、援助の
意味の入
つているものをもらうということは、それは一時しのぎには結構だと思います。結構だと思いますが、実は私の言い方は少し悪いかも知れませんが、
日本の国民は自力でしつかり節約すべきものは節約して経済の回復をすればできると私は思
つておるのです。そのときに、徒らに何か外国からイージー・マネーが来て自力で働くという気力を失うことが仮にありとすれば、一時よく
つても、これは長い目で見れば決して
日本国民の得じやないと思う。そういう
意味で、堂々とビジネスで借りて来るものは別としまして、それ以外のものに頼るような気持は、せつかくの国民の今経済復興に努力しているこの際、むしろ長い目で見ては利益じやないのじやないか。まあ非常にそんなことを言うと、このつらいのにどうするかと言われるかも知れませんが、私は自分の意見としてはそんなふうに
考えております。