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1954-04-07 第19回国会 参議院 外務委員会 第16号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年四月七日(水曜日)    午前十一時五十三分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     佐藤 尚武君    理事            團  伊能君            佐多 忠隆君    委員            鹿島守之助君            西郷吉之助君            杉原 荒太君            梶原 茂嘉君            中田 吉雄君            羽生 三七君            加藤シヅエ君   政府委員    外務政務次官  小滝  彬君   事務局側    常任委員会専門    員       神田襄太郎君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○国際砂糖協定批准について承認を  求めるの件(内閣送付)   —————————————
  2. 佐藤尚武

    委員長佐藤尚武君) 只今より外務員委会開きます。速記を暫くやめて下さい。    〔速記中止
  3. 佐藤尚武

    委員長佐藤尚武君) 速記を付けて下さい。議題国際砂糖協定批准について承認な求める件であります。先ず政府提案理由説明を求めます。
  4. 小滝彬

    政府委員小滝彬君) 只今議題となりました国際砂糖協定批准について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。  この協定は、国際連合主催の下に、昨年七月からロンドンで開催されました国際砂糖会議において作成されたものでありまして、我が国もこの会議に代表を派遣して審議に参加し、その後昨年十月二十八日に駐英大使をしてこの協定に署名いたさせました。  この協定は、砂糖輸出入国立場を相互に調整し、世界自由市場砂糖価格を安定せしめることを目的としておりまして、我が国協定当事国となることによりまして、砂糖輸入国としての立場を十分保護することができるようになるのみならず、自由市場砂糖需給計画策定に積極的な役割を演ずることができるようになります。  この協定は、すでに批准を了した国の間では昨年十二月十五日より効力を生じておりますので、我が国としましても、以上に述べました利点を考慮に入れ、できるだけ早く批准を行い、この分野における国際協力の実を挙げることが必要であると認めます。  よつて、この協定批准につき、御承認を求める次第であります。右の事情を了承せられ、御審議の上本件につき速かに御承認あらんことを希望いたします。  この協定に対しましては、本日は四月十五日までに批准あする一応の通告をいたしております。併しこれは効力を発生せしめるには、この通告の国の数によつて効力の発生がきまりまするために、そのような通告をしたのでありますが、併し現実の問題として、批准書が到着して全部手続が済むのは四月の末日まででいいということで了解せられております。このような事情でございまするので、できるだけ早く御審議を願いまして、どうせ入るといたしまするならばあと加入する手続をとらないで原加盟国として批准をする、というほうがいろいろな点で日本のために有利でありますので特にこの点をお願いいたします。と申しまするのは、あと加入するということになりますと、一応これまで日本理事国及び執行委員会委員というような地位も約束せられておるのが平たく言つて御破算になるという関係がございまするので、勿論あと加入しても理事国にはなれるであろうとは存じまするけれども、そのような現在日本に認められておる地位、即ち英米が二百四十五票に対して日本は百票を行使し得るということになつており、而も加入国が減りました場合は日本は更に投票権がふえますので、場合によりましては英米並みの二百四十五票も持てるのじやないかということを期待しているような関係もございます。そのような関係がありまするので特に速急に御審議をお願いいたしたいと考えます。
  5. 佐藤尚武

    委員長佐藤尚武君) 本件に関する質疑は次回に譲ります。
  6. 中田吉雄

    中田吉雄君 日本でも今砂糖の問題は大きな関心事なつておりますし、いろいろ国際的な砂糖事情その他について統計的の資料等、そういうものは配付になつていますか。
  7. 小滝彬

    政府委員小滝彬君) できるだけ統計とか或いは税の問題とか、関心のありそうな問題についての統計をお配りすることにいたします。
  8. 中田吉雄

    中田吉雄君 国際的な砂糖事情なんかは農林省ですか、通産省ですか、主にやつているのは外務省通商関係でおやりですか。そういうことも少し承わつたらありがたいのですが。
  9. 小滝彬

    政府委員小滝彬君) 勿論情報の収集なりにつきましては外務省がいたしておりまするけれども、砂糖そのものにつきましては農林省が主管せられており又農林省の人も海外へ、派遣されておりますので協力をいたしております。
  10. 杉原荒太

    杉原荒太君 今の中田さんのに関連しますが、こういう種類の条約の審議というのはただ条文だけ何してもいかんのですよ。そういつた非常に国際的な砂糖事情というような実体的なものを先ず頭に入れて、それとの結び付きで考えなければ審議できるものではないのですから。この次は実体的なことを説明のできる人を呼んで頂きたいと思います。
  11. 羽生三七

    羽生三七君 今杉原さんのお話にも関連するのですが、砂糖協定に入ることが一体具体的にどういう有利な条件を伴うのか。そういう実体を御説明できるようにして頂いて行けば審議も早く行くと思いますからその辺お願いいたします。
  12. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 もう一つこれに関連して。今年の外貨予算についての輸入計画、それを基本とした国内の需給状態価格の見通し等々のことも一応わかるように資料或いは御説明を願いたいと思います。
  13. 小滝彬

    政府委員小滝彬君) それは通産省のほうで詳しいものを作つておりますから通産省のほうへ。
  14. 羽生三七

    羽生三七君 今小瀧さんのお話では急いでおいでになるようですが、それは急いで審議するのもいいのです。差支えないことでしようが、どうして国会へこんなに遅れて出したのですか。
  15. 小滝彬

    政府委員小滝彬君) これは、御承知のように昨年の会議又今年に入りましても、いろいろ外国の加入の状況も見ておつたというところが率直な私どもの立場であります。アメリカが入りますと日本は入らないでも結局これは成立するということになります。アメリカランドール委員会において商品協定はなるべくデスカレージしようということがありましたので、錫の協定などと同じように国際砂糖協定についてもアメリカが逡巡することはなかろうか。若し然りとすればこの協定の成立はおぼつかないじやないかということを考えておつたのであります。それでアメリカヘもいろいろ問合せましたところ、錫などはやらないけれども砂糖はやるんだ、もうすでにアメリカ国会へかけておる。そうして必ずこれは通過して入るのだということであつたのであります。然りとすれば日本輸入国として最も主要な国で、どうせできるならば日本発言権を持つて国際カルテルなんかできないように、殊に二百四十五票も持てば相当なる発言権があるので、それじや入ろうということになつたので、こういう国際的にどう動くかわからないようなものを御審議願つても困るというような事情があつたことを御了承願いたいと思まいす。
  16. 佐藤尚武

    委員長佐藤尚武君) では先ほど申しました通り本件に関する質疑は次回に譲ることといたしまして、本日はこれで散会いたします。    午後零時二十分散会