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1954-03-15 第19回国会 参議院 外務委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年三月十五日(月曜日)    午後一時五十七分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長            佐藤 尚武君    理事            團  伊能君            曾祢  益君    委員            古池 信三君            西郷吉之助君            杉原 荒太君            梶原 茂嘉君            羽生 三七君            加藤シヅエ君            鶴見 祐輔君   政府委員    外務政務次官  小滝  彬君    外務大臣官房長 松井  明君   事務局側    常任委員会専門    員       神田襄太郎君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○本委員会運営に関する件 ○日本国インドネシア共和国との間  の沈没船舶引揚に関する中間賠償協  定の締結について承認を求めるの作  (内閣提出衆議院送付) ○第三次世界戦影響を受けた工業  所有権保護に関する日本国とデン  マークとの同の協定締結について  承認を求めるの件(内閣提出、衆議  院送付) ○外務省設置法等の一部を改正する法  律案内閣提出衆議院送付) ○国際連合総会の定めた条件を受諾し  て国際司法裁判所規程当事国とな  ることについて承認を求めるの件  (内閣提出衆議院送付) ○日本国アメリカ合衆国との間の国  際郵便為替交換に関する約定の締  結について承認を求めるの件(内閣  送付)   —————————————
  2. 佐藤尚武

    委員長佐藤尚武君) 只今より外務委員会を開きます。議事に入る前に十二日における委員長及び理事の打合会の結果について御報告いたします。お手元にお配りいたしましたMSA関係四件に関する審議日程表を御覧願います。この表にありまする通りに、衆議院では三月二十四日に討論採決、二十五日に本会議上程という予定になつております。そこで理事打合会でそういう事実と睨み合せまして、参議院外務委員会としては二十三日に政府から提案理由説明を求めることにいたしました。そして二十四日、二十五日の間は大臣たち衆議院のほうにとられることを予想いたしましてその両日を公聴会に充てたわけでございます。そうして本格的に審議を始めますのは一月の二十六日に総理に対する総括質疑から入りまして、そして二十七、二十九、三十、三十一日、この四日間を総括質疑に充てることにいたしました。そして四月の一日に連合委員会を開き、一日、三日とこの二日同を逐条審議に充てまして、そうして五日、月曜日に委員会討論採決、大日本会議上程、こういう日程に一応とりきめたわけでございます。  なおその表の備考にありまするように、総括質疑は一名一時間、但し委員長及び自由党四名相当分を除く、こういうことにして時間を繰つてみたのでございますが、この総括質問に四日を要する勘定になりまして正確に申しますると三日半でございます。それから総理に対する質疑は一名二十分といたします。但し委員長及び自由党六名相当分を除くということにいたしまして、そうして一日でこれを仕上げてしまうということにいたしております。公聴会につきましては憲法一名、国際法二名、経済産業界二名、軍事技術専門家二名、こういうことにいたしまして、十六日の火曜日までに各党から推薦者を提出して頂くということに申合せました。備考II)は衆議院における模様でございます。こういうことに一応とりきめておりまするので、本会議上程は四月の六日になりました。  ところでこれは外務政務次官からお話があるかと存じまするけれども、政府のほうではできるだけこれを早くあげて頂きたいということを要望しておりまするのは、だんだん理由を聞いてみますると、早ければ早いほど日本側に得だということがわかつたのでありまするが、四千万ドルに対しまする日本積立金はこれを四月から始めまして四、五一六三カ月のうちにアメリカに支出さしてしまわなければ、繰越がこれはできないことになつているそうであります。六月の末日以降に繰越して使用するということは法律を変えなければできない。その法律改正ということになりまするとこの秋になつてしまうということであります。併して四千万ドル相当額の金というと何十億になりますか、たしか百四十四億でありまするが、それを三カ月に割当ててみますと、一日約二億円使わなければならんということになるそうであります。平均二億円の金を使わなければならない。それは四月の一日から始めて勘定して三カ月間のうちに使うものとして、一日平均二億円ということでありまするが、一日延びると二億円損をするということになる。従つて若し六日までかかると十二億円使われないということに勘定としてはなるのでありまするが故に、政府のほうといたしましても成るべく早く繰合せがやれるならやつて行きたい。こういつたようなことを下出条約局長から特に説明を求めました結果そういう事実がわかつて来たようなわけであります。つきましてはこの日曜我々のほうは二日休むことにいたしておりまするが、これは皆さん方と御協議によつてきまることでありまするが、いかがでございましようか。この日程通りに参りましようか。若しくは日曜もつめてやるということになれば二日早く終るということになります。皆さん方のこれは御協議によつてきめたいと思います。
  3. 羽生三七

    羽生三七君 早ければ早いほど日本側に得だというのは政府の解釈でありまして、私たちは基本的にこういう協定は結ばないほうがいいという立場に立つておるのですからもう全、見解を異にする。従つて委員会が公正な運営をされることを希望するわけでありまするが、それと共に一体会議質疑等が済んで本委員会付託になるのはいつのことかわからない。それから衆議院のことも聞きましたが、これは一応の予定であつてまだ確定的なものてはないということになつておりますので、委員会に正規に付託なつた場合に極力努力して行くことは一向差支えありませんが、あらかじめこの申合せ事項にしばられるということは、今の本会議からこちらへ付託になる日程関係上、衆議院等との睨み合せから見ていささか不確定でありまするので、それらのものが確定されてから御協議頂いたほうが筋ではないか。こう思うわけであります。
  4. 團伊能

    團伊能君 衆議院の通過の日にち等只今説明がありましたように確定的とははつきりとは申されませんでしようが、衆議院におきましての審議模様もあらかじめ只今ここに来ているような予定で進んでおりますので、これは予定といたしまして考えなければ全然将来の審議の計画を決定することもできませんので、これを予定としておやりになつていいと思いますので、この予定予定といたして一応この過程で進むということがやはりいいのではないかと存じます。只今羽生委員の御説明もございましたが、この問題自身に対するお立場というものはおのおのありましようが、それと審議とは又別個の問題と思いますので、まあこの原案通りお進め頂いてはいかがかと思います。
  5. 佐藤尚武

    委員長佐藤尚武君) ではいかがでございましよう。一応衆議院がこの日程通りに進行するものとして、当委員会においてもこの日程によつて進行する予定として一応御採択を願う。こういうことにお願いいたしまして、そうして衆議院における議事進行ぶり乃至は参議院における本会議模様によつて又改めて御相談申上げる、狂いがあれば又御相談申上げる、こういうことにそれではお願いいたします。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕   —————————————
  6. 佐藤尚武

    委員長佐藤尚武君) では日程に入りまして先ず、日本国インドネシア共和国との間の沈没船舶引揚に関する中間賠償協定締結について承認を求めるの件を議題といたします。御質疑のあるかたは御発言をお願いいたします。……別に御発言もないようでありまするから、質疑はないものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 佐藤尚武

    委員長佐藤尚武君) 御異議ないものと認めます。これより討論に入ります。御意見のあるかたはそれぞれ賛否を明らかにしてお述べを頂きます。
  8. 羽生三七

    羽生三七君 私はこの日本国インドネシア共和国との沈船引揚に関する協定については賛成であります。ただ政府希望を求めることは、これは本協定は飽くまで中間的なものでありますので、賠償問題の根本をなす協定を速かに確立し、又同時にまだ国交インドネシアとは開始されておりませんので、インドネシア日本国との国交回復について遠かなる対策をも合せ考えられんことを希望いたしまして、木協定承認を求める件に賛成いたします。
  9. 團伊能

    團伊能君 本協定の成立は、只今まだ国交も回復せず、その国交の回復しない理由といたしまして賠償問題が一番そこに横たわつている軍要な問題となつておりますが、少くとも両国政府におきましてこの沈船引揚問題に関する協定が成立いたし、将来において賠償問題の解決をいたし、次いで国交が回復するという方向に進んでおりますことは、私どもとして非常に喜ばしいことでありまして本協定賛成いたします。
  10. 佐藤尚武

    委員長佐藤尚武君) ほかに御発言はございませんか。……ほかに御意見もないようでありまするから討論は終結したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  11. 佐藤尚武

    委員長佐藤尚武君) それでは討論は終結したものと認めます。これより採決に入ります。  本件について採決をいたします。本件を承することに賛成のかたのと挙手を求めます。    〔賛成者挙手
  12. 佐藤尚武

    委員長佐藤尚武君) 全会一致であります。よつて本件承認すべきものと決定いたしました。  なお本会議における委員長口頭報告内容は、本院規則第百四条によつて、あらかじめ多数意見者承認を経なければならないことになつておりますが、これは前例通り委員長に御一任を願います。  それから本院規則第七十二条により委員長議院に提出する報告書につき多数意見者署名を付することになつておりまするから、本案を可としたかたは順次御署名を願います。   多数意見者署名    西郷吉之助   鶴見 祐輔    加藤シヅエ   曾祢  益    杉原 荒太   團  伊能    羽生 三七   —————————————
  13. 佐藤尚武

    委員長佐藤尚武君) 次に、第二次世界大戦影響を受けた工業所有権保護に関する日本国とデンマークとの間の協定締結について承認を求めるの件を議題といたします。  質疑のあるかたは御発言を願います。……別に御発言もないようでありまするから、質疑はないものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  14. 佐藤尚武

    委員長佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。ではこれより討論に入ります。御意見のあるかたはそれぞれ替否を明らかにしてお述べを願います。別に御発言はございませんか。別に御発言もないようでありまするから、討論は終結したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  15. 佐藤尚武

    委員長佐藤尚武君) それでは討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。本件について採決をいたします。本件承認することに賛成のかたの挙手を求めます。   (賛成者挙手
  16. 佐藤尚武

    委員長佐藤尚武君) 全会一致であります。よつて本件承認すべきものと決定いたしました。  なお本会議における委員長口頭報告内容は、本院規則第百四条によつて、あらかじめ多数意見者承認を経なければならないことになつておりまするが、これは前例により委員長に御一任願います。  本院規則第七十二条により委員長議院に提出する報告書につき多数意見者署名を付することになつておりまするから、本案を可とせされたかたは順次御署名をお願いいたします。   多数意見者署名    西郷市之助   梶原 茂嘉    鶴見 祐輔   曾祢  益    杉原 荒太   團  伊能    羽生 三七   加藤シヅエ   —————————————
  17. 佐藤尚武

    委員長佐藤尚武君) 次に、外務省設置法等の一部を改正する法律案議題といたします。質疑のある方は御発言を願います。
  18. 加藤シヅエ

    加藤シヅエ君 名誉領事を任命いたしますときには、任期はどういうふうになるのでございますか。
  19. 小滝彬

    政府委員小滝彬君) 任期は別段設けておりません。その土地の名望家、又日本に対して好意を持つているかたを選考いたしまして任命いたしますが、その後特によくない問題でもありましたら罷免するというような措置もとらなければならないでありましようが、原則といたしまして任期というものは設けておらないのであります。
  20. 加藤シヅエ

    加藤シヅエ君 そういたしますと、その任命されたかたは、やはり俸給をもらうわけでございますね。
  21. 小滝彬

    政府委員小滝彬君) まあ名誉領事は名前の示すごとく名誉職意味も持つておりまして、俸給日本では出さないことになつております。但し何かあつせんをしてもらうとか仕事を取扱つてもらいまして費用を要したような場合には、それを埋合せをするというような意味謝礼金のようなものを出すことになつておりますので、本年度は三百数十万円をそのほうへ見積つておりますが、月給というような意味では差上げないことにいたしております。
  22. 加藤シヅエ

    加藤シヅエ君 任期というものは別に定まつておりませんと、そのかたが特別の支障のない限り終生お願いをしておくと、こういうことになるのでございますか。
  23. 小滝彬

    政府委員小滝彬君) これまでの例を見ますると、非常に高齢になりました場合とか、或いは特別な事情があるときには向うから辞任を申出て来るということになつておりますが、場合によりまして罷免するということは面白くない。併しそれかといつて続けてやつてもらうには支障があるという場合は、こちらのほうで解約するために向うと話いたしまして辞表を出してもらうというような手続をして解任するというような場合もございます。  それからついでに申しますると、こういう非常に親日家というようなかたは、是非子供を任命してもらえないだろうかというような申出もある場合もございまして、そういう場合もよく事情を調べまして差支えない場合は子供の任命を認めるというような場合もある次第でございます。
  24. 加藤シヅエ

    加藤シヅエ君 名誉領事親日家というようなことで御推薦なさる場合には、今のような戦争前と戦争後というような日本の国情が非常に違つているよう大場合には、この推薦するときの標準というようなものは非常にむずかしいかと思うのでございますけれども、それはどういうふうにして考えていらつしやるのでしようか。
  25. 小滝彬

    政府委員小滝彬君) 現にいろいろ申出がございますが、日本外交関係のあります国は大公使もおりまするので、いろいろすでに大公使館からも申出がございます。直接申出ておる者もございますが、この大公使を通じて言つて来たのに対し、外務省では外務人事審議会というものを持つておりまするので、この審議会で御審議願つて、そうして在外公館推薦の選考もいたして取捨選択をしております。
  26. 佐藤尚武

    委員長佐藤尚武君) ほかに御発言はありませんか。……御発言ないようでありまするので、質疑を終了したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  27. 佐藤尚武

    委員長佐藤尚武君) 質疑は終了したものと認めます。  これより討論に入ります。御意見のあるかたはそれぞれ賛否を明らかにして述べて頂きます。
  28. 加藤シヅエ

    加藤シヅエ君 私はこの外務省設置法等の一部を改正する法律案賛成するものでございますけれども、特に関係当局に一言お願いいたしておきたいのは、この在外公館活動事務というものは非常に重要なものでございまして、今日の日本国のあり方というようなものを率直にそこで代表しなければたらない場くがたくさんあると思うのでございますが、その場合に、私が数少いところではございますが、外国を旅行して参りますと、ややもすると日本帝国というようなものを背負つているような、そういう代表ぶるというようなものを往々にして私は見るのでございます。これは非常に遺憾なことでございまして、昔の日本帝国ではなくして新しい憲法の下の日本であるという、これを代表するというような建前をもう少しよく再認識して頂いての在外公館活動というものを御期待申上げたい。この希望を一言添えさせて頂いて賛成いたします。
  29. 佐藤尚武

    委員長佐藤尚武君) ほかに御発言はございませんか。  別に御発言もないようでありまするから討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  30. 佐藤尚武

    委員長佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。それではこれより採決に入ります。  本案原案通り可決することに賛成のかたの挙手をお願いいたします。    〔賛成者挙手
  31. 佐藤尚武

    委員長佐藤尚武君) 全会一致であります。よつて本案原案通り可決すべきものと決定いたしました、  なお本会議における委員長口頭報告内容は本院規則第百四条によつてあらかじめ多数意見者承認を経なければならないことになつておりますが、これは先例通り委員長に御一任願います。  本院規則第七十二条により、委員長の議員に提出する報告書につき、多数意見者署名を付することになつておりますから、本案を可とされたかたは順次御署名を願います。   多数意見者署名   羽生 三七   團  伊能   杉原 荒太   曾祢  益   加藤シヅエ   古池 信三   鶴見 祐輔   梶原 茂嘉   西郷吉之助   —————————————
  32. 佐藤尚武

    委員長佐藤尚武君) 次に、国際連合総会の定めた条件を受講して国際司法裁判所規程当事国となることについて承認を求めるの件を議題といたします。質疑のあるかたは御発言を願います。……別に御発言もないようでありますから、本件については、本日いかがでございましようか質疑を終了して採決まで取運んで差支えありませんか。別段の質疑もないようでありますからお尋ねするわけですが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  33. 佐藤尚武

    委員長佐藤尚武君) それでは質疑もないようでありまするからして、本件に関しまする質疑はこれで終了したものと認めます。
  34. 杉原荒太

    杉原荒太君 ちよつと。まだ採決する時期じやないのですね。
  35. 佐藤尚武

    委員長佐藤尚武君) 今採決をしても差支えないかということをお諮りしたのでありますが……。
  36. 杉原荒太

    杉原荒太君 今ですか。
  37. 佐藤尚武

    委員長佐藤尚武君) 今質疑は終了しかかつたところでありますけれども、おありでありましたならばどうぞ。
  38. 杉原荒太

    杉原荒太君 それではちよつと。大体の外務省のほうのお考えをお尋ねしておきたいと思つてつたことがあります。それは丁度これに多少関連がありますからお尋ねいたします。仲裁裁判とか国際司法裁判所に対する提訴というようなこと、これは極く一般的に抽象的に考えれば、普通の外交手段解決ができない場合、問題の性質によつてそういう手段に訴えるということは一つは合理的だというふうに考えられるわけです。けれどもそういつた一種の公式的な考え方でなくて現実に具体的に問題を仲裁裁判に付するとか国際裁判に付するということは、非常な慎重を要することだと思います。余りそれを公式のほうに則り過ぎて行くようなことがあつたら私非常に危険がありやせんかと思つている。今私は具体的問題に関連せしめて御質問をすると答えにくいと思いますけれども、その辺のところを外務省のほうでいろいろな問題を仲裁裁判とか或いは国際司法裁判、それをするについての利害得失、それを実際的な見地から一体裁判は誰がするのだということ、今までの日本現実に今までになめた苦い経験というものがあるので、これを私は仲裁裁判現実の問題として、それを付すべきかどうかということについては非常に慎重に慎重を期さなければならないと思うのです。そういう点について何かいろいろな問題を普通の外交手段解決できない場合においては、問題によつて仲裁裁判に持つて行くんだというようなことを一般的な方針としてとるということは、私はそこに非常に考えなければならない点があると思うのですが、そこの点を外務省はどういう考え仲裁裁判国際裁判というものに対する処理をお考えになつておりますか。
  39. 小滝彬

    政府委員小滝彬君) お説誠に御尤でありまして、勿論外交交渉によつてできるだけ解決するようにしなければならないし、又そのあとにおきましてもすべてを国際司法裁判にかけようとするものではなく、条約の中に国際司法裁判と謳つてあるものもありますけれども、そうでなくて三人委員会によるとかいろいろここ仲裁方式をきめたものもあることは、杉原自身御承知の通りであります。ただ今回の場合につきましては、具体的には長い間交渉もいたしましたアラフラ海の真珠貝採取業に関しまして、豪州側との大体の話も進行いたしまして、双方がこれに付記するということで話合がついたということは、実は今度の特に司法裁判所規程に参加するに至つた実際上の経過でございますが、併しこれはこうした方式をあらゆる問題に適用しようというのではなくして、今度の事件が特にこうした司法裁判所付託するのに適した性質のものであり、又これまでの経過に鑑み、この措置をとろうということになつたわけでありまして、今後もこの司法裁判所に参加したからといつて、すぐ国際司法裁判所のほうへこの問題を持つて行くというような考えではなくして、付託するにつきましては十分慎重に考慮をいたしたいというふうに考えている次第であります。
  40. 佐藤尚武

    委員長佐藤尚武君) 重ねて、諮りいたしますが、ほかに御発言もない模様でありまするから、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  41. 佐藤尚武

    委員長佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。  これより討論に入ります。御意見のあるかたは、それぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。……別に御意思見もないようでありまするから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  42. 佐藤尚武

    委員長佐藤尚武君) それでは討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。本件について採決をいたします。本件承認することに賛成のかたの挙手を求めます。    〔賛成者挙手
  43. 佐藤尚武

    委員長佐藤尚武君) 全会一致であります。よつて本件承認すべきものと決定いたしました。  なお本会議における委員長口頭報告内容は、本院規則第百四条によつて、あらかじめ多数意見者承認を経なければならないことになつておりますが、これは前例通り委員長に御一任を願います。それから本院規則第七十二条により、委員長議院に提出する報告書につき、多数意見者署名を付することになつておりますから、本案を可とされたかたは順次御署名を願います。   多数意見者署名    西郷吉之助   梶原 茂嘉    古池 信三   加藤シヅエ    曾祢  益   杉原 荒太    團  伊能   羽生 三七   —————————————
  44. 佐藤尚武

    委員長佐藤尚武君) 次に日程の最後の案件でありまする、日本国アメリカ合衆国との間の国際郵便為替交換に関する約定締結について承認を求めるの件を議題といたします。質疑のあるかたは御発言を願います。……御質疑がない模様でありまするが、本日はこの程度で質疑を打切ることにいたしたいと思いますが、(「異議なとと呼ぶ者あり)まだ予備審査議題でありまするので、次回再び本件に関しまして質疑に入つて頂くことにいたします。  それでは次回は定例通り木曜日に開きたいと思いまするが、万一MSA関係の問題がそのときまでに本会議に上程されないというような非常な事態でも起きましたならば又御相談をしなければならんと思います。同時に本会議にそれらの案件が上程されましてからこの次のこの委員会を開いたほうがいろいろな問題について御相談をいたすのに都合がいいかと思いますので、万一本会議日程が狂いまして、この木曜日の委員会に間に合わないというようなことがありましたならば、或いは金曜日に振替えて頂くというようなこともお願いしなければならんかと思いますが、あらかじめそれをお含みおき下さいまして、今日は一応次回の会議を木曜日にするということにきめておいて頂きたいと思います。(「異議なし」と呼ぶ者あり)  以上申上げました通りに或いは金曜日に変るということがないとも限りませんから、あらかじめお含みおきを願いまして本日はこれで外務委員会を散会いたします。    午後二時三十三分散会