○
国務大臣(
保利茂君) 先ず
食糧庁長官から御
説明申上げます前に、私の
考え方を申上げたいと思いますが、この
食糧の
需給体制を確立すべしということは、これはもう国論の一致いたしておるところであり、特にこの
経済の自立の上から、かなり
品質の悪い外米に大きく依存しておる今日の食生活というものを是正しなければならないではないかということは、両院における殆んどこれは一致した御意見であり、特に衆議院では昨年の幕に、外米の
輸入を節減して
小麦に転換すべしという決議まで行われて、そうして食生活を改善して行かなければならないという今日の
食糧政策における大きな国民的な麦が、粉食への依存度を高めて行くというところに、大きな筋が入
つておるわけであります。それで、成るほどお説のように、今日の
需要消費の
関係の面からのみ見ますれば、そういう御懸念が十分あると私
承知いたしております。ただいずれにいたしましても、そういうふうにいたしましても、私
どもといたしましては、成るべく外国
食糧に依存せずして
食糧の自給を達成して行くということが何とい
つても第一の眼目ではございますけれ
ども、これとて今日の事情からいたしまして、急速に増大して参るこの
食糧に対する供給力を国内で充足するということは、言うべくして簡単には行われない。どうしても相当大量の外国
食糧に依存しなければならない。その上からいたしまして食生活の改善、粉食の普及ということを大きく取上げて、これは昨年の災害にもよ
つて小麦の消費量が非常に大きくな
つて来ている一面には、やはりこの食生活の改善、粉食普及の要請がだんだん滲透して参
つている証拠だと私は思います。
従つて今後の、特にこの
小麦の需給計画を立てますにつきましては、そういう
一つの大きな動きに対して、どれくらい一体消費量を見通すことができるかということは、これは非常に
検討をして行かなければならぬ。併しながら食生活の改善をする、粉食普及をすると申しましても、これにでき得れば成るべく安く大量に供給し得る下地がなしには私はできないと思う。そういう上から行きましてやはり供給力を強く持
つておるということは、食生活を改善して行くという今日の要請に応える私は大前提だと思うわけであります。この需給計画そのままでやるというようなことでなく、幾らかそこにはやはり供給力を余計持つというくらいの措置をとらなければ、私はできないのじやないかと思う。ということは、すぐ
価格に
影響を及ぼして来るし、この上、
小麦の
値段が騰
つて行くというようなことでは、この大きな要請が達せられないのじやないかと思います。
お説のように、今後
考えられます
余剰農産物を
日本が買うという場合には、勿論十分な
検討と資料の上に立ちまして、いたさなければならんことは申すまでもないのでありまして、そういう
考えでございますから、
只今お話の点は十分私
どもも了解できますし、又そうでなければならんと思います。取扱うためには
検討いたして、誤りないように期したい、かように私は
考えております。