○菊川孝夫君 私、実は同じ党で同じ所属でありながら、矢嶋君なんかは副
総理を強く要求しておる。私もそのつもりでおる。ところが
委員長のまあお
気持もあ
つて、やがては連合
委員会はいつまでもやれんぞという御態度が必ずいつかは出て来るだろうというふうに思いましたので、我々は実は協力してまあ本当ならば歩調を合してやるべきにかかわらず質問しておる。その
気持も汲んで他の
委員会から申し込んでおるというのは出発点が非常に大事だ、国の運命を決する、我々はそういうふうに思
つておる。丁度これは日独防共
協定をきめるときと同じぐらいな重要性があると私はそういうふうにと
つておる。だからそのつもりで
委員長も余り主管
委員会の
権限を振り廻さずに
一つお願いしたい。
次に
保安庁長官にお尋ねいたしたいのは、今非常に元気のいい
保安庁長官としての御発言で、一遍何ならば見に来いというお話でしたが、私はなかなかそう額面
通りには受取れません。併しまあそれはここで悪口の言い合、悪口を放
つても仕方がありませんので、はつきりここでお尋ねいたしたいのは、一応
外部からの
侵略ということと、それから内部の間接
侵略という点について強調されておりまするけれ
ども、間接
侵略というのは取りも直さず国内において暴動を起させる、こういう
意味のことだと思います。その場合に一番危険なことは武器を持つた者が国内におる、これが叛乱を起すというのが一番始末が悪い。それでこれはもう共産党の諸君も公然と言
つておるのでありますが、一体野坂さんがあの
憲法の改正のときに
自衛軍を、軍隊を必要だという主張をやつたのも、なぜあんなことを言うたのだと言
つてつきつめて問うてみますと、これは個人の
意見でありますから、共産党全般としては別といたしましても、片鱗に洩らすのは
武力のない革命なんというものはあり得ない、だからしてそのときに軍隊を設けさせておいて、やがてはこれをうしろを向いて鉄砲を射たすためだとはつきり言うておるのであります。又それは当然だと思う。又レーニンもそういうように指導しておるのだからそれはあり得ることです。共産党としてそんなことを考えないなら共産党の値打がない、そんなものは共産党じやない、私はそう思います。
従つて又右翼のほうで二、二六
事件のような
事件ということも考えられると思います。ところが武器を持
つていない、装備をしてないものであつたならば、これはそういうのは叛乱を起す、例えば火炎びんを持つたりとび口を持つたくらいならば鎮圧が非常にやりやすのであります。あなたも
アメリカ駐留軍の撤退ということを考えておられるけれ
ども、そのあとでやがてうしろを向いて鉄砲を射つような問題が起らんとも限りません。絶対起らんというふうにあなたはここで言い切られるかも知れないけれ
ども、二、二六
事件だ
つてまさかあんなものが起るとは、誰も思
つていない。あの当時の軍隊の指導者は、少くとも国民には言
つていなかつたけれ
ども、実際には起
つてしま
つて手がつかなかつた。それからどこのクーデターを見てもやはり軍隊が立上
つているのです。ましてや
日本のように二、二六
事件のときも農村の疲弊、失業の増大、政治の腐敗、丁度汚職
事件のようなものが起きておつたわけであります。だからああいうふうな軍隊が立上つたのですが、
従つて日本にはそういう温床が遺憾ながら好ましいことではございませんけれ
ども、私はあると見なければならんと思うのです。いろいろの条件が揃
つておると思う。そういう場合にこの
保安隊がうしろを向いて鉄砲を射つという危険が絶無とは私は言い切れん。それはなかつた場合には立上れないけれ
ども、あつた場合にはやるということもやはり世界の歴史がどこでもこれはあり得ることですから、エジプトにした
つてどこでも軍隊が直ぐや
つているのです。最近新聞で見ましただけでありまするけれ
ども、某部隊におきまして、久居の部隊でしたかの部隊においてこういうのができて活動をや
つておるとかいうようなことを言
つておりました。そういう一部のものをとらえて私は神経過敏になる必要はないかと思いますけれ
ども、そういうことも、私は考えられると思うのでありますが、そこでお尋ねいたしたいのは、一体精神的支柱というものをどこに置いているのか、どこに精神的支柱を置いてあなたは訓練をさしているのか。ただ強いと言つた
つて、これは鉄砲の弾丸が飛んでこない雪中行軍が強いからと言
つて、本当に実戦に役に立つと思つたらとんでもない間違いだと思います。それは甘いと思います。どこに精神的支柱を置いて、こういう
自衛隊というものを作るのか、それはなぜかと申しますと、本当に
日本人だけでや
つているのではないのでありまして、
アメリカから軍事顧問というのが来て、いろいろ容かいするのじやないかと思うのでありますが、僅か三十六億の而もこれは軍と言いますか、軍需産業にだけ使う援助をもら
つて、そうしておまけに軍事顧問が来て教えてもら
つているということになりますると、どうも
日本を守るということじやなく、場合によ
つては大変なものをこしらえてくれるかもわからんというふうに我々は思うわけであります。この点から
一つこの際これから
自衛隊を建設して行く中心におられるあなたの決意というものを
一つ伺つておきたいと思います。