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説明員(
長崎惣之助君) 昨夜
青函、特に
函館港の内外に起りました
事故につきまして、
只今政務次官から御
説明申上げた次第でありますが、私からも補足的に申上げ、
委員各位並びに
国民の
皆様に非常な御
心配と御心痛を与えましたことを申訳なく又遺憾に存じておりますことを冒頭に一言申上げます。
只今政務次官から
お話がございましたように、
青函連絡船は、
貨物船が十隻、
客船が四隻あります。そのうち
客船の一隻
洞爺丸が
遭難いたしました。
大雪丸という
客船は
損傷を受けております。これは確認はまだいたされておりませんが、
修理の上就航が速かにできる見込でございます。そのほかに
貨物船が一隻やはり故障しまして、
大雪丸の近所にこれは沈まずにいるようでございます。そのほか
貨物船四隻が
沈没いたしたのでございます。この
沈没の
原因につきましては、目下いろいろと
調査中でございまするし、
細部について、
台風によ
つて起されたものではございますが、なお
細部についての
処置その他
調査を十分にしなければ
原因は明らかにはならないのでございます。私
どもといたしましては、
もとよりこの
原因について詳細なる
調査をいたしまして、今後再びかくのごときことのないようにしなければならないことは
もとよりであります。併しながら御
承知のように海事につきましては、これをよく研究
調査するところの特別な
機関がございますから、それらの
機関の
調査等も待
つて十分なる
対策を今後立てて行かなければならんと
考えております。
とにかく何を申しましても
国鉄始まして以来の非常な
事故でございます。
損傷或いは行方不明にな
つておられます幾多の
方々、
遭難の
方々の
救護収客ということは、我々の
目下何事をおいても急がなければならない、又これを早くなし遂げなければならんということを
考えております。又不幸にして難にあわれて生命を失われました
方々に対しましても十分なる
弔慰を表示しなくてはならんというふうに
考えている次第であります。
国鉄としましては、この
善後策といたしまして今朝
運輸局長を急派しまして、午後には副
総裁、
片岡理事、それからなおこの
お客さん方には
米軍関係の
お客さんも五十数名おられますので、
渉外部の次長というような人々を急派いたしまして、
善後処置を講じて行きたいと思
つております。又内地といたしましては上野駅、仙台駅並びに
青森の駅に
事故の
連絡事務所を設けまして、
お客さん
皆様の問合せ、その他の
事務に万遺憾なきを期しておる次第であります。
次に、我々として今
考えておりますることは、今も申しましたように
客船四隻のうちの一隻、更にこの
客船四隻のうちのもう一隻の
摩周丸は目下
修理のために
浦賀ドックに来ておるのであります。従いまして実は
大雪丸は
先ほども申しましたように故障を起しておりますので、
羊蹄丸一隻、旅客の
輸送力が端的に申しますと四分の一に低下しているというようなことでございますので、取りあえず下関にありまする
徳寿丸を廻航いたしまして、
差当り徳寿丸、
羊蹄丸の二隻で
お客さんの
輸送をいたし、又
摩周丸の
修理工事もでき得る限りこれを急がせまして、今のところその結果十月の十日前後になりますと
摩周丸も就航できるのじやないか、
大雪丸のほうはまだ実は曳航する船もことごとく
救護、収容に当
つておりまする
関係上、現場に行
つて曳いて来るわけに行かないので、どの
程度の
損傷であるかわかりませんが、これも鋭意
一つ急がせまして、そして
秋冬繁忙の際に
北海道及び
本州との
お客さんの
連絡に万遺憾なきを期したいと
考えております。
次に
貨物でございますが、
貨物の十隻のうち四隻以上大破或いは
沈没いたしたのでございますので、これ又相当な
打撃を受けるわけでございます。それにつきましては、やはり
宗谷丸、今
国鉄の使う石炭を運んでおりまする
宗谷丸を廻航いたしまして、これをも手助けきせる、そのほかに
修理中のもの、或いは
先ほど申しました
大雪丸のそばにある
貨物船の大破したものの
修理を急ぐ、或いは運航のやり方を変えるというふうなことによりまして、急にすぐそこまで参らないといたしましても早急に
一つ輸送力の回復を
図つて、何とか
秋冬繁忙期を切り抜けて行きたいと
考えております。どうしても間に合わなければ、或いは傭船その他の
方法によりましても、
北海道と
本州との間の物資の交流に遺憾ないようにして行かなければならんと、かような心がまえで目下いろいろと作業いたしておるような次第でございます。
何を申しましても非常に大きな
事故でございまして、
原因如何を問わす私といたしましては誠に遺憾であり、
国民の
皆様に御迷惑をかけ、
心配をかけたことを申訳ないと存じておる次第であります。