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1954-11-15 第19回国会 衆議院 労働委員会 第42号
公式Web版
会議録情報
0
昭和二十九年十一月十五日(月曜日) 午後一時二十分
開議
出席委員
委員長
赤松
勇君
理事
大橋 武夫君
理事
持永 義夫君
理事
多
賀谷真稔
君
理事
日野
吉夫
君 木村 文男君
三浦寅之助
君
並木
芳雄
君 黒澤 幸一君
島上善五郎
君 大西 正道君 辻
文雄
君 中原
健次
君
出席国務大臣
労 働 大 臣
小坂善太郎
君
委員外
の
出席者
労働事務官
(
労政局長
) 中西 実君 専 門 員
浜口金一郎
君
—————————————
十月八日
委員荒木萬壽夫
君及び
矢尾喜三郎
君
辞任
につき、 その
補欠
として
並木芳雄
君及び
川島金次
君が議 長の
指名
で
委員
に選任された。 同月九日
委員中野四郎
君
辞任
につき、その
補欠
として佐
藤芳男
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 同月十一日
委員並木芳雄
君
辞任
につき、その
補欠
として荒
木萬壽夫
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 同月十二日
委員岡田春夫
君
辞任
につき、その
補欠
として中
原健次
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 同月二十九日
委員川崎秀二
君
辞任
につき、その
補欠
として五 十
嵐吉藏
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 同日
委員五十嵐吉藏
君
辞任
につき、その
補欠
として
川崎秀二
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 十一月十五日
委員川島金次
君、
川崎秀二
君及び
井堀繁雄
君辞 任につき、その
補欠
として
辻文雄
君、
並木芳雄
君及び
中村高
一君が
議長
の
指名
で
委員
に選任さ れた。 同日
理事井堀繁雄
君の
補欠
として
日野吉夫
君が
理事
に当選した。
—————————————
本日の
会議
に付した事件
理事
の互選
参考人招致
に関する件
失業対策労使関係
及び
労働基準
に関する件
—————————————
赤松勇
1
○
赤松委員長
これより
会議
を開きます。
失業対策
、
労使関係
及び
労働基準
に関する件を議題といたします。 まずお諮りいたします。本
委員会
におきましては去る十九国会の三月三日に、
駐留軍家族宿舎要員
に対する
労働保護
の問題について、
牛島寿子
君に
参考人
として
出席
を求め、その
意見
を聴取いたしましたが、その後の
事情
を聴取するため、再び
参考人
として明日
出席
を求めることに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
赤松勇
2
○
赤松委員長
御
異議
ないようですから、さよう
決定
いたします。 次に、先般
労働関係
における不法な
実力
の
行使
の
防止
についての
労働次官通達
についても、
学識経験者
及び
利害関係者
を
参考人
として
出席
を求め、
意見
を聴取いたしたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
赤松勇
3
○
赤松委員長
それでは
参考人
として
沼田稲次郎
君、
有泉亨
君、
田中和夫
君、
北岡寿逸
君、以上の
方々
を
学識経験者
の
参考人
として呼びたいと思います。なお
労働組合側
から
高野実
君、
和田春生
君、
使用者側
から
馬淵威雄
君、三段
崎俊吾
君、以上の
方々
を
参考人
として呼ぶことに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
赤松勇
4
○
赤松委員長
御
異議
なければさよう決します。 次に
失業対策
に関する件につきまして、兵庫県
中小企業協同組合
の
理事長三木一雄
君、同じく熊本県
中小企業協同組合理事富家
一君、秋田県
労働部長森松孝作
君を、
参考人
として呼ぶことに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり]
赤松勇
5
○
赤松委員長
御
異議
なければさよう決します。 次に
専売調停
の件につきまして、
専売労組
の
佐藤新次郎
君、
遠藤留蔵
君、
調停委員会
より上山顕君、以上の
方々
を
参考人
として呼ぶことに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
赤松勇
6
○
赤松委員長
御
異議
なければさよう決します。 なお
地公労法
に関する問題につきまして、
小林義信
君を
参考人
として呼ぶことに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
赤松勇
7
○
赤松委員長
ではさよう決します。
—————————————
赤松勇
8
○
赤松委員長
次に去る十一月六日各
県知事あて
に出された
労働関係
における不法な
実力
の
行使
の
防止
についての
労働次官通達
につきまして、
労働大臣
が
出席
されましたのでこの際その
説明
を求めます。
小坂労働大臣
。
小坂善太郎
9
○
小坂国務大臣
ただいま
委員長
のお話のごとく、十一月六日「
労働関係
における不法な
実力
の
行使
の
防止
について」という
次官通牒
を各
県知事あて
に出したのでございますが、この
内容
につきまして若干
説明
を申し上げたいと思います。 まず概論的に申しまして、今日
わが国
は、
社会
各方面において重要なる転換期に立
つて
おるということが言われると思うのであります。これは
占領
が解除せられまして以来、実態的にも
経済
諸
関係
においても、
日本
が独立の実をあげるために、種々今まで惰性的、慣性的に
行つて
おつたところの
占領時代
の遺物というものは、漸次これを清算せねばなりませんし、また世界的にも、各国の動きが御
承知
のごとくに種々複雑微妙なる
関係
を呈しておりますので、これに即応して、
わが国
においても、
自立体制
を強化するということが必要でありますので、そうした面におきまして、
日本
が
経済自立
との関連、また
輸出増進
との
関係等
において、国内の
経済
諸
情勢
の整備を要請されておることは申すまでもありませんが、
労働運動
、
労使関係
の面におきましても、これはまた例外的とは言えないと思うのであります。今日の
労働運動
、
労使関係
は、多くの困難なる問題と取組み、かつ険しい道を歩みつつ、これを克服して進まなければならぬのであります。これがためには、健全な良識のもとに、真に民主的にして合理的な
労働運動
、
労使関係
の
慣行
を守り育てて、これを
確立
して行くことこそ、何よりも必要なことであると考えられるのであります。 数年前の
わが国
の
労働運動
、
労使関係
について見まするに、独裁的な
組合指導
、
暴力的労働運動
の横行する
傾向
が顕著に見られましたことは、周知の
通り
であります。しかしながら、かかる
傾向
は世のはげしい指弾をこうむり、また
組合員大衆
の強い反発を受けまして、やがて衰退して、これにかわ
つて
民主的労働組合
が、
わが国労働運動
における圧倒的な
主導権
を握るに至りましたことは、御
承知
の
通り
であります。しかしながら、今日なお、
わが国
の
労働運動
、
労使関係
は、そうした歴史が浅く、まだ未成熟な点の多いことは御
承知
の
通り
であり、またしばしば指摘される
通り
でありますが、民主的な
労働運動
は今後ますます強力く育てられなければなりませんし、
労働関係
における民主的、
合的理
な
慣行
の
確立
と
遵守
のための努力は、いかなる
情勢
のもとにありましても、瞬時もゆるがせにすることなく推進せられなければればならぬと考えるのであります。 しかるに、最近
労働運動
、
労使関係
において、
暴力
その他の不法な
実力
の
行使
という非民主的、
非合理的手段
に訴えようとする
傾向
が、再び見られるようになりましたことは、いかなる
原因
があるにせよ、はなはだ遺憾であります。かかる
傾向
は、
ひとり労使関係
を悪化せしめるにとどまらず、民主的な
労働運動
、
労使関係
のよ
つて
立つ基盤を否定し、また結局においてみずからその墓穴を掘るにひとしいことになることは、明らかであると考えるのであります。 もとより
労働運動
、
労使関係
におきましていわゆる
行き過ぎ
の
行為
が行われますことは、それぞれの
原因
があり、特に
労働者側
のかかる
行為
は、
使用者側
の不当な
態度
や
挑発的行為等
に基因する場合も多いのでありまして、これらの点の是正につきましては、わが労働省におきましても、今後とも一段と努力するつもりでありますが、しかしながら、いかなる
事情
があるにいたしましても、
暴力
その他の不法な
実力
の
行使
に出ることは、絶対に避けなければならぬと考えるのであります。このような
行為
の許されないことは、
現行法
上にもすでに明らかなことでありますし、またかかる
限界
を厳守することは、
法治国
における
民主的労働運動
、
労使関係
における
最小限度
の要請であるのであります。またかかる
限界
を明らかにすることは、
労働者
の正当な
団結権
、
団体行動権
に
制限
を加えるものでないことは言うまでもなく、むしろこの点に関して、法の許容する
限界
をでき得る限り明確にいたしまして、これを周知徹底せしめることによ
つて
、不法な
実力
の
行使
を
防止
し、
労働関係
における民主的、
合理的慣行
の
遵守
、
確立
の必要を徹底せしめることは、
労働教育
をその最も重要な使命とする
労働行政機関
として、当然の
責務
であると考えるのであります。 そこで、その
内容
につきまして、以下御
説明
を申し上げるのでありますが、まず基本的な考え方について申し上げます。 第一点は、
労働関係
におきまして、
労使
が
法令
に
従つて
行動
し、
他人
の
権利
を尊重すべきことは
法治国
の国民として当然の
責務
であります。なかんずく、人の
身体
または
行動
の自由や住居、
私生活
の不可侵ということは、最も尊重されるべき
権利
でありまして、
労働組合
の
団結
に基く
統制
や、
労働契約
に基く
使用者
の
指揮
、
管理
によりましても、これをまつたく否定したり、その意に反して不当に拘束または侵犯することは許されないところであります。
労働者
の
団結権
、
団体交渉
その他の
団体行動権
は、法の保障するところでありますが、
暴行
、
脅迫
その他不法な
実力
の
行使
によりまして、
他人
の
行動
、
意思
に
強制
を加えますことは、
団結権
、
団体行動権
を保障した法の
限界
を逸脱するものであります。 第二点について申し上げますが、
労働組合
の
団結
は、
組合員
の
自発的意思
にその基礎を置くものでありまして、
脅迫
や
暴力等
による
統制
を許すものではありません。
統制
を乱す者に対しては、
組合規約
に基きこれを
除名
その他の
懲戒処分
に付し得ることはもちろんでありますが、最終的に
団結
を離脱しようとする者を
暴行
、
脅迫等
によ
つて
その意に反してこれを阻止することはできないのであります。
労働者
の
自発的意思
に基かない
強制
された
団結
や
統制
は、たとい表面的に一時の功を収め得たように見えましても、結局、真に強力な
団結
を確保するゆえんではないのであります。 第三に、
労働組合
の
団結
に基く
統制力
は、
原則
として、
組合員
の
範囲
にしか及ばないものであることはいうまでもありません。
統制力
の
範囲外
にある者に対しては、その
理解
と
協力
を要請し得るにとどまり、通常、
労働組合
は、これに対し何らの
強制
をも加え得る立場にはないのであります。
争議行為
は、
労働者
の
団結
と
統制
によ
つて使用者
に圧力を加えるものでありますが、その際、
ピケツト等
において
暴力
その他
行き過ぎ
の
行動
に出るのは、
争議目的追求
に急なる余り、右の
団結
、
統制力
の
限界外
のことをしいて行おうとする場合に多いのであります。
労働者
の
団結
が不十分であつたために、
争議
において不利になることは、まことに残念ではありましようが、それだからとい
つて
暴力
その他の
行き過ぎ
の
行為
が正当化されるものではないのであります。 第四に
使用者
が
労働組合
の
団結
に対して支配介入することは、法の厳に禁ずるところであることは言うまでもありません。
組合分裂策
のごときは、長く禍根を残し、最も忌むべきものであります。また、
暴力団
を雇い入れて
争議
中の
労働者
に対して
暴力
を振う等の
行為
は、とうてい許すべからざるものであります。
労働組合
または
労働者
をして正当な
行為
の
範囲
から逸脱せしめる
原因
は、しばしば
使用者
の非合理的ないし
封建的労務管理
とか、無理押し、
挑発的態度
ないし
行為等
にあるのでありまして、かかることは、
不当労働行為
その他の法規に触れるといなとを問わず、厳に慎むべきであります。 第五点として、しかしながら、
使用者
の右のごとき
態度
は、必ずしも
労働側
の
暴力
その他の
行き過ぎ
の
行為
を正当化するものではありません。
労働側
が、
争議目的自体
は正当であるにかかわらず、
使用者側
の
挑発
に乗
つて暴力的手段
に出で、ために
争議そのもの
にも惨敗し、
組合
は壊滅し、幾多の
犠牲者
まで出した
事例
は、決して少くないのでありまして、厳に戒心すべきであります。 次に
ピケツト
について申し上げます。
ピケツト
の
方法
、態様は、その
対象
なり
状況
によ
つて
、若干の
差異
がありますが、
わが国
におきましては、
事業場
の
出入口付近
に多数の者が集合していること
自体
では、
ピケツト
としては違法とはなりません。しかしながら
ピケツト
は、
平和的説得
の
範囲
にとどまるべきものでありまして、たとえば、
工場事業場
に正当に
出入
しようとする者に対して、
暴行
、
脅迫
にわたることはもとより、
一般
に、
バリケード
、厳重な
スクラム
やすわり込み等により、物理的に
出入口
を閉塞したり、
説得
または
団結力
の誇示の
範囲
を越えた多衆の
威嚇
や、はなはだしい
いやがらせ
等によ
つて
これを阻止するごとき
ピケツト
は、正当ではありません。 これを
対象別
に
使用者
または
利益代表者
に対するものについて申しますと、
使用者
または
労働組合法
第二条第一号に定める
使用者
の
利益
を代表する者は、本来、
当該労働争議
の
相手方
に属する者であ
つて争議行為
中においても、
就業
し、
会社施設
の
管理等
に当り、また、
争議
の解決に努める等の
義務
と
責任
を有する者であ
つて
、これらの者の正当な
業務
のための
出入
を、
ピケツト
によ
つて
妨害
することは許されません。なお、
労働協約等
において協定された
保安要員等
の
争議不参加者
についても、その
協約等
に基く
就労
のための
出入
を妨げることは許されないのであります。 次に
第三者
に対するものでありますが、
従業員
以外の
出入商人
、
顧客等
の
第三者
に対する
ピケツト
については、
当該争議行為
についての
理解
と
協力
を穏和に要請し得るにとどまるのでありまして、これらの者の
出入
や正当な
業務
を
妨害
することは許されないことは、言うまでもありません。 次に
組合員
以外の
労働者
に対するものについて申し上げますと、
労働組合
の
統制力
は、
原則
として、
当該労働組合
の
組合員
以外には及ばないから、
組合員
以外の
従業員
に対しては、
当該争議行為
についての
理解
と
協力
を要請し得るにとどまり、その正当な
就労
を妨げることはできないのであります。なお、
労働協約等
において
代替要員雇入れ禁止
の
条項
が規定されていない限り、
使用者
が
争議
中必要な
業務維持
のための
代替要員
を雇い入れ、その
業務
を続けることは、
労働組合
の
争議行為
に対する
使用者
の
対抗手段
であ
つて
、そのことが妥当かどうかについては、
状況
によ
つて
異なるのでありますが、それ
自体
は違法とは言えないのであります。
ピケツト
においてその
就業
を阻止すべく
説得
することは、もとより自由でありますが、
労働組合
は、
暴行
、
脅迫
その他の不法な
実力等
をも
つて
これを阻止し、その
就業
を妨げる正当な
権限
を有するものではありません。 次に
争議
中に
組合
を脱退した
従業員
に対するものでありますが、
争議
中に
労働組合
を脱退して第二
組合
を結成するようなことは、好ましいことではないが、我が国の現状では、かかる事象は往々にして生じております。このような第二
組合員
の
就労
は、
当該争議
の帰趨に
決定的影響
を及ぼす場合が多く、
ピケツト
においてこれに対し
説得
に極力努めることは当然でありましよう。また、第二
組合
としても、当初より一切の
説得
に耳をかさず、一挙に
ピケライン
を突破するごとき
態度
は、
労働者
としてとるべきでない。しかしながら、この場合でもやはり
暴行
、
脅迫
その他不法な
実力等
による
ピケツト
は許されないのであります。すでに
組合
の
団結
に
破綻
を来した以上、
暴力等
によ
つて
その
破綻
を補うことは、許されないし、また、真の
団結
の途ではないと存じます。 次に
組合員
に対するものについて申し上げますが、
労働組合
の
組合員
は、
組合
の
統制
に服すべき
義務
と
責任
を有するものでありますから、
ストライキ
中、
組合
の
統制
に違反して
就労
しようとする
組合員
に対しては、
組合
の
統制
を紊した場合は
除名
その他の
組合規約
上の懲罰に付されることがあるべき旨を告げて、その反省を求め、
統制
に服すべきことを要求し、情理を尽して
説得
に努める等の
行為
は当然正当であ
つて
、
組合員
でありながら
説得
に全然耳をかさずに
実力
で
ピケツト
を突破するごときことは、なすべきではありません。しかし
組合
としても、
説得
に名をかりて不当に自由を拘束して、多数の
威嚇
によ
つて
、いわゆる
つるし上げ等
を行い、またはあくまで
説得
に服さない者に対して
暴行
、
脅迫
その他不法な
実力的手段
によ
つて
なおこれを阻止する等のことは、
平和的説得
の
範囲
を逸脱し、正当な
行為
とは解しがたいのであります。 次に特殊な
ピケツト
または
ピケツト
に関連して生ずる問題について申し上げますが、まず
業務
の
妨害
、
出荷阻止等
の場合であります。
労働者
が
争議行為
として
使用者
の意に反してその
施設
、
設備等
を
占拠
し、損壊し、もしくは除去する等のことによ
つて
その
業務
を
妨害
し、または
使用者
もしくはその
指揮
を受けて正当に
就労
中の者のなしつつある
業務
を
暴行
、
脅迫
、すわり込み等によ
つて
妨害
することは、正当なものとは解されないのであります。 また、
出荷協定等
のない場合に、
使用者
または
使用者
の命を受けた非
組合員
、
第三者等
が
製品
の
出荷
、
原材料
の
搬入等
を行うのに対して
暴行
、
脅迫
はもちろん、
スクラム
、すわり込み、
バリケード
その他不法な
実力等
を
行使
して阻止するごとき
行為
も正当ではありません。
買手
が買い取つた
製品
を搬出するのを
実力
で阻止する等のことも、もちろん許されないのであります。しかし、たとえば、
買手
や
出荷
または
搬入作業
に従事するトラツクの
運転手等
の者に対しまして、
当該争議行為
についての
理解
と
協力
を要請する等の
行為
はもちろん正当であります。 次にピケ破り等について申し上げます。
ピケツト
に対して
暴力
を振い、あるいは
平和的説得
をする者を
実力
をも
つて
排除し、
ピケライン
を突破するごときは、もとより正当ではありません。特に
使用者
において
暴力団等
を
使つてピケ破り
を行うごとき
行為
は論外であります。
組合員
が
ストライキ
から脱落して
就業
し、または
組合
から脱退して第二
組合
を結成する等の
行為
は、その者の
責任
と判断に基いてなされることのあるのはやむを得ないのであります。しかしながら
使用者
がこれを
強制
するがごときは
不当労働行為
になり、許されないことは言うまでもありません。 次に
ピケツト
に伴
つて
派生する問題について申し上げますと、
ピケツト
の場合、特に第二
組合
が発生したようなときは、
感情的対立
が尖鋭化し、両者の
実力
による衝突のおそれが多いのでありますが、いかなる時、所を問わず、第一
組合
と第二
組合
とが対立して、乱闘その他の
暴力
ざたに及ぶようなことは、絶対に避けるべきものであります。第二
組合員
ないし
脱落者
に対してでも、
監禁
、
暴行
、
脅迫
あるいはこれらに準ずるいわゆる
つるし上げ等
にわたる
行為
をなすことは、正当ではありません。また、いかなる場合においても、
就労者
に対する
食糧搬入
の
制限
、
家族
に対する
いやがらせ
その他
個人
の
私生活
を不当に脅かすような
行為
は、なすべきではありません。 第三点、
団体交渉
について申し述べますが、
団体交渉
は、
労働組合
の
代表者
が、
労働者
の
団結
による
社会的経済的威力
を背景に、
団体
の
意思
を代表して
使用者
と
交渉
するものでありまして、現実に
交渉
の場に多数の
組合員
が集合して行うものではありません。
従つて
、
社会通念
上、首肯されるに足りる
程度
の平和的かつ秩序ある
方法
によ
つて
行うことを要するのでありまして、必要以上に多数の
組合員
を動員し、または著しく喧騒にわたるが、ごときは、正当な
権利行使
の
範囲
を逸脱するおそれがあり、また、
使用者
に
団体交渉拒否
の正当な
理由
を与えることになります。
大衆交渉
などと称する多数の
威迫
のもとに、ごく少数の
使用者側
の者と
交渉
するようなことは、正常な
団体交渉
ではありません。
相手方
に対して、
暴行
、
脅迫
、
監禁
またはこれらに類するいわゆる
つるし上げ等
によ
つて身体
の自由を拘束したり、正常な時、所において
団体交渉
をなし得るにもかかわらず、
団体交渉
と称して
使用者
の制止する場所または
部屋等
に侵入したり、すわり込んだり、あるいは
使用者
の私宅に押しかけたり、またはその
家族
に
いやがらせ
をする等、その
私生活
を不当に脅かすような
行為
は、正当な
行為
とは言いがたいのであります。 なお
使用者
も、
労働者
の
団体交渉権
は、最大限に尊重すべきでありまして、
団体交渉
を忌避してその所在をくらましたり、不当に回答を遅延させたり、その他
団体交渉権
を無視するが、ごとき
行動
をなすべきでないことは、
労働組合法
第七条第二号の趣旨に徴しても明らかであります。
団体交渉権
こそは、正常な
労使関係
の基本をなすものでありますから、
使用者
は、常に誠意をも
つて
交渉
を行うように努めなければなりません。 次に第四点として、
工場占拠
、
生産管理
、
強行就業等
に関して申し述べます。
労働者
が
使用者
から明示の、かつ、存続する
意思
をも
つて
正当に退去を要求されたにもかかわらず、なお、不当に
工場
、
事業場
内にとどま
つて
占拠
をなし、またすわり込みをする等の
行為
は、
違法行為
となることは明らかであります。 次に
生産管理
が
一般
に違法な
争議行為
であることは、
確立
した判例でありますが、
生産管理
の
程度
までに至らなくとも、
争議手段
として、
使用者
の
意思
に反して、ほしいままにその
施設
、
設備
、
原材料
、
製品等
を
管理
、
使用
、処分する等のことも、
一般
に正当な
行為
とは解しがたいのであります。 次に
工場
、
事業場
において有効に
ロツクアウト
が行われております場合、
労働者
が
使用者
の
意思
に反して
工場
、
事業場
に侵入し、あるいは
就業
を強行することは、正当な
行為
ではありません。 また
労働組合
がその
団結力
を誇示し、その主張を
社会
に訴えるため、
ストライキ
中または
就業
時間
外等
に
デモ
を行うことは自由でありまするが、これによ
つて使用者
または
デモ
や
ストライキ
の
参加者
以外の者の正当な
業務
を
妨害
したり、
使用者
の意に反して
会社
の
建造物
の中を行進する等のことは正当な
行為
ではありません 第五点
ロツクアウト
について申し上げます。
使用者
は、
一般
に
争議行為
が現に行われているか、または行われようとするおそれが明白かつ逼迫して存する場合には、
労働協約
に定められた
平和条項等
に違反しない限り、
ロツクアウト
をすることができます。しかしながら、
ロツクアウト
によ
つて組合事務所
への
出入
を遮断する等のことは、正当ではありません。また、
労働者
の生活の根拠とな
つて
いる
寄宿舎等
から、
争議手段
として
労働者
を締め出すことは、
個人
の
私生活
を不当に脅かすことになり、正当な
行為
とは解しがたいのであります。 第六点、
公務執行妨害
について申し上げます。いかなる
理由
があろうとも、
裁判所
の
判決
、
決定
のあつた場合において、その
判決
、
決定
の
執行吏
による
執行
を妨げる
行為
は許されません。
裁判所
の
決定等
に不満がある場合であ
つて
も、法律に定める手続に上
つて
争うべきものであります。これを否定して
実力
をも
つて
執行
を
妨害
する
行為
は、
法治国
の根本を否定するものであ
つて
、とうてい許しがたいのであります。また、警察官の正当な
権限
の
行使
を
妨害
することも同様であります。 第七点、
応援団体
その他
争議
中、
友誼団体
その他の
外部
の者が
当該争議
を応援することは、しばしば見られるところでありまするが、この場合においても、以上において述べた
労働関係
上の秩序が守られなければならないことは言うまでもありませんが、さらに
外部
の者は、
当該企業
に対する
関係
が
従業員
とは異なるのであ
つて
その行い得る
行為
の
限界
についても、おのずから
差異
があるのであります。これらの者が、
争議
の主体である
労働組合
の意に反し、またはその
統制
に従わないで
暴力行為等
に出でる等の
事例
がときに見られるのでありますが、かかることは厳に慎まなければなりません。 未
組織労働者
が、
お互い同志
だけで、または
労働組合
と一緒にな
つて
、
争議団
を組織し、
団体交渉
または
争議行為
を行い、
ピケツト
を張る等の場合も、その
統制力
その他については、
労働組合
の場合と若干の
差異
があるでありましようが、おおむね今までに述べたところに準じて考えられるべきものであります。 第八点、
相手方
の
違法行為等
に対する
対抗的行為
について申し述べます。
相手方
が
法令
または
労働協約違反等
の
行為
に出た場合にも、
原則
としては、法の定める手続に
従つて
救済を求めるという
方法
によるべきでありますが、
相手方
が
争議
のルールを無視するような
法令
、
協約等
の違反
行為
をなす場合、たとえば、
代替要員雇入れ禁止
条項
違反、
争議
不参加要員協定違反等の場合には、それに対応する必要
最小限度
において対抗的手段を講ずることが正当化される場合があります。かかる対抗的手段が、いかなる場合にいかなる
程度
、態様において許されるかは、その時、所における具体的
状況
に応じ、一概には言いがたいのでありますが、
相手方
の違反
行為
に対抗するものであるがゆえに特にその
行為
が正当と認められるためには、
相手方
の
行為
が、単に主観的にけしからぬとか、
争議
戦術上こちらが不
利益
をこうむるというような
程度
でなく、
相手方
に
争議
のルールにおいて、客観的に明白重大な
法令
、
協約等
違反の
行為
が現実に存することを要し、また、
相手方
に違反
行為
があればいかなる
実力
的
対抗手段
をと
つて
も必ず正当化されるというのではなく、
相手方
の違反
行為
に対抗するために直接に必要やむを得ないと認められる場合に限られ、かつ、その場合でもその
方法
、態様において
社会通念
上妥当とされる
最小限度
のものでなければなりません。特に、
暴力
の
行使
または
脅迫等
の
行為
は、いかなる場合においても許されない、という趣旨でございます。
島上善五郎
10
○島上
委員
理事
会において、質問は十八日ということで申合せをしておりますので、私は本日質問しようとは思いませんけれども、しかし本日大臣の
説明
を聞きつぱなしで質問をしないということは、暗黙のうちに何か了承を与えたような感じがあ
つて
はいけませんので、われわれは断じて、いささかたりとも了承するという意味は含んでいない。そればかりではなく、この通達に対してま大いに問題がある。一体、なぜにこういうような通達を、今突如として出したのかというその政治的な意図の問題もありまするし、また解釈についても、私どもは、行政当局がか
つて
にこういうような解釈をして、
労働教育
に名をかりて、最近ひんぴんとして警察官が、それこそ労働
争議
に不当に介入している事実を合法化し、さらに今後こういうような不当介入をおびき出すような結果を生むということは、はなはだ遺憾だと思います。私どもは十八日に十分質問して、しかる後に
態度
を明確にいたしますけれども、このような措置に対しては断じて了承できないということだけは、この際一言明らかにしまして、十八日に質問することを申し上げておきたいと思います。
赤松勇
11
○
赤松委員長
十一月六日の
労働次官通達
についての大臣の
説明
は終りました。本問題についての
労働大臣
に対する質疑は、来る十八日に行いたいと存じますので、さよう御了承願います。
—————————————
赤松勇
12
○
赤松委員長
この際
理事
の
辞任
及び
補欠
選任に関する件についてお諮りいたします。本日
井堀繁雄
理事
より
理事
辞任
の申出がありましたのでこれを許可し、その
補欠
として
日野吉夫
君を
理事
に
指名
することに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
赤松勇
13
○
赤松委員長
御
異議
なければさよう決します。 次会は明十六日午前十時より開会することといたしまして本日はこれにて散会いたします。 午後一時五十二分散会