○市川参考人 私、全
駐留軍労働組合の
中央執
行委員長の市川であります。駐留軍の
労働事情につきまして、以下公述いたしたいと思います。
一番大きい問題として、
一般的に注目されておりました事項としては、日米労務基本契約の改訂の問題があつたわけであります。これは御承知のように、占領時代につくられました労務提供に関する契約を、新しい独立国の重態に適応せしめるように改訂をする問題であります。一応すでに三年ほどの経緯をたど
つておりますが、この契約の基本になります基本的な協定の問題については、昨年の十月九日に日米両国
政府の代表の間で調印をされています。しかしこの基本協定は、まだまつたく実施されておりません。その理由といたしましては、労務基本契約の構成が、基本協定と、四つの附属書と五つの
労働政策指令から成り立つというようにきめられております。これらの附属書、
労働政策指令が全部合意をされた上に、契約すべてが一箇月後に実施をされる、こういうとりきめに
なつておりますので、附属書の交渉、
労働政策指令の交渉が一向に進んでいないため、せつかく合意に達した基本協定も実施に移されていない、こういう事情にあります。もちろん
組合の立場といたしましては、いろいろな経緯、特に昨年はゼネストまでも闘
つて到達した基本協定でありますので、たとい全面的な実施が不可能だとしても、部分的な効力を生ぜしめるような
措置をするために、三つの事項について部分的な発効
措置をするように要求いたしたのであります。三つといいますのは、一つは、保安解雇に対する取扱いの条項、二番目としては、
人員整理の場合の事前調整の
措置、いま一点は、労務者の責めに帰する事由による解雇の取扱い、これらについて部分的な効力を生ぜしめるように要求したのでありますが、なかなかこれまた交渉が進歩いたしません。その中で一つだけ、保安条項の問題だけ、ようやく本年の二月二日に、現行契約の附属協定の六十九号という形式で調印をされたのであります。従いまして、形式としては占領時代の契約の改正という形で協定を結んだのでありますが、実質的には十に関する条項を部分的に発効せしめるという内容のものであります。その後さらにその他の附属書、
労働政策指令等についての交渉を促進して参つたのでありますが、契約改訂について、当初
労働組合も入れて、
政府、軍、労組の三者の構成による
会議で協議をすることに
なつていたのですが、この三者
会議は、すでに六箇月も開かれていないという
状況で、実際的な労務基本契約の改訂交渉はストップされている
状況であります。こういう
情勢の中におきまして、
政府といたしましては、管理者側として軍との折衝を進めております。そういう経緯の中におきまして、本年の四月一日に、調達庁としては、附属の中で給与とか定
労働、保安衛生というようなことを除きましたその他の項目、さらに
労働政策指令のうちで
人員整理と制裁と
雇用の解除の三つについて、調達庁長官と軍側の代表の間で調印をいたしたのであります。この調印の形式はきわめてあいまいでありまして、管理者側で合意されたといわれている、ただいま申し上げた附属の三と
労働政策指令の問題につきましても、いまだ
政府と軍との間で一致したという案が、
組合側に正式に提示されていない
状況であります。
附属の中でかなりの問題点を示しておりますのは附属の一、すなわち給与表と、附属の二の職務分類表で、大きな問題点として残
つているわけです。最近の調達庁側の態度といたしましては、契約改訂交渉の中におきまして、給与問題において、かなり
組合側と対立を生ずるのではないかと
考えまして、調達庁としては、一応軍側に附属の一とそうして現在取扱
つている給与規程によ
つてこれを補
つて行く方法をとつたらどうかというような折衝をいたしているわけであります。この問題については、まだ何ら軍側で正式な意思表示がなされておりません。
そういう
状況で、契約の改訂交渉は、要約して、交渉は進んでいない。また締結の時期に対する
見通しの問題についても、
政府並びに軍側にいろいろ見解をただしましても、その
見通しもはつきりしていない、こういう
状況にあります。しかし、むしろ内部的な
労働者に加えられている労務管理の実態からは、どうしても新しい契約を早く実施をしなければならないという必要性が、各
現地ではかなり強く迫られて来ております。こういう
情勢の中におきましては、
労働組合側といたしましては、
政府、軍側が、どういう意図をも
つて交渉を具体的に進展せしめないのか、その意図が那辺にあるかは問題外といたしましても、
組合の立場から、現在のような膠着している契約改訂の交渉の
状況を打開するために、促進する
措置をとらなければならない
事態に来ていると
考えられております。基本契約の改訂交渉については、以上申し上げたような
状況で、はなはだ遺憾でありますが、一向に進展していないという一語に尽きると思うのであります。
それでは、こういう一番根本的な労務提供に関する諸条件を約束する基本契約の問題が、こういう
状態で停頓しているうちにおいて、実際各地で働いている
労働者は、どういう労務管理の中に置かれているかという点について、幾つかの事項について、事例をあげて御説明申し上げたいと存じます。
まず一つの問題としては、
人員整理の問題であります。
人員整理の
状況については、詳しい資料を差上げる準備がなかつたのでありますが、大体私
どもが概括的に
調査いたしましたところでは、対日講和条約が発効した二十七年の四月末においては、大体二十万七千ほどの
政府雇用の労務者がおつたのが、二十八年の四月の
調査によると、大体十七万四千ほどに減
つている
状況であります。その中で、特に
昭和二十八年中における
状況を見てみますと、大体解雇、退職者が総数として約四万程度、このうち冠の都合に、よる
整理が二万一千ほどであります。あとは自己の都合による退職者が一万二千程度、軍の制裁解雇が千八百、あとは公傷病、私傷病等で、合せて三千百程度の人が退職している。その他千六百ほど、こういうことであります。二十八年に新たに入つた労務者が二万七千ほどありますので、大体推定では、労務者の減員は約一万二千くらいに
なつていると思います。
最近の
状況については、大体青森、山形、宮城、この十六軍団の
関係において約五百七十名ほどの首切りが出ております。六月の中旬、下旬にかけて、解雇の効力が発効する
状況でございます。さらにキヤンプ・トーキヨーの
関係においても、芝浦の補給部
関係について、百七十名ほどの首切りが出ております。埼玉の朝霞の方においても、首切りが出ておつたのですが、これは折衝の結果、撤回をされたという経緯に
なつております。神奈川に、私
どもの
組合関係として二百四十名ほどの首切りが出ております。大阪に日赤病院の返還等の関連で、二十名ほどの首切りが出ております。
九州の方へ参りまして、長崎で陸軍、海軍と両方で大体六百名ほどの首切りが出ている。現在私
どもが入手した情報によりますと、陸軍
関係で千六百名ほど、海軍
関係で五百十名ほど、海兵隊
関係で八十余名、こういう
整理がなされております。いずれも理由といたしましては、作業量の
減少とか、あるいは定員の削減とか、
予算の削減によると言われておりますが、職場の実態は必ずしもそのようではないので、
組合といたしましては、いろいろな点を指摘いたしまして、
労働強化の点とか、あるいはまた爾後の
生活保障の問題とかいうような点を
考えまして、これらの点についていろいろと反対闘争をいたしております。
こういうような闘争の中で見ますことは、もし新しい基本契約が発効されておりますれば、この種の
整理を行う場合には、軍といたしましては、当然事前に日本
政府側に通知をいたしまして、その調整手続をとるようにきめられておりますが、新しい契約が発効いたしておりませんので、これだけの
整理が行われるにもかかわらず、日本
政府側に交渉した際には、
政府側としては何らの情報も聞いておらない、こういう
状況であります。
従つて、
政府としているく
措置を尊る、あるいは
失業対策等の問題も、なかなか進捗しないという
状況にございます。特に
労働者といたしましては、いろいろな
状況を勘案いたしまして、こういうような
人員整理という問題が、おそらく駐留軍の漸減的なコースをたど
つておるところの首切りではないかというような
状況も勘案いたしまして、首切り反対の闘争をや
つておりますが、その中において、最近の顕著な要求といたしましては、条件闘争の中では、八割増しの特別退職手当を支給してくれ、こういう要求がかなり強く出ております。特に
人員整理問題といたしましては、私
どもの得た情報では、本
年度における自衛隊二個師ほどの増強に伴
つて、
北海道と
九州には
相当大量の首切りが起
つて来るというような
状況も感ぜられておりましたので、この要求が非常に強い要求と
なつて参りまして、過日東京で行いました私
どもの
組合の全国大会では、この首切りに対して、八割増しの退職手当の要求を掲げて、本年ゼネストを用意して、そうして闘うというような大会決定もなされております。現在参議院の人事
委員会におきまして、議員提案という形で、この問題で法案を提出していただくようにも、いろいろとお願いをしておるのでありますが、
整理をめぐる要求として、この問題が大きく浮かび上
つておる
状況であります。
次の第二点といたしましては、保安解雇の問題であります。先ほど申し上げましたように、基本契約の部分発効といたしまして、本年二月二日に保安に関する協定が結ばれたのでありますが、その後保安解雇がかなり集中的に出て来ておるように感ぜられるのであります。埼玉の朝霞では、二月の六日に一名出たわけであります。それから青森県の三沢で三月に一名、東京の羽田地区で三月の三十一日に十名、東京のフインカム支部で四月七日に二名、神奈川県横須賀海軍基地で四月九日に六名、それから鳥取県の美保基地でありますが、五月の六日に六名、兵庫の伊丹支部では五月の六日に五名、
福岡の芦屋地区で五月四日、六日にかけて二名というように保安解雇が出ております。
これらの該当者を見ますと、
組合の役職
関係の全然ない方もありますが、特にはげしいと思いますのは、
福岡の芦屋地区では、支部の副
委員長と書記長が保安解雇に充てられておるというような
状況があります。羽田の場合でも、支部の副
委員長と執行
委員が二名、それから
委員が二名ほど入
つておる。こういうような
状況を見まして非常に微妙なものを感ずるのであります。
こういうような
状況に対しましては、附属協定の六十九号の手続
通り実施するという問題と、それから保安の基準というものが今度きめられておりまして、はたしてそのいずれに該当しておるかというような理由を明示するということを約束いたしておるのでありますが、軍側に対してはきわめて消極的で、その理由明示を迫
つておらないというような
状況であります。
労働組合の立場あるいは該当の本人といたしましては、この六十九号の協定の中に、保安解雇に
なつた者は、当然訴願する権利を協定の中で認められているのであります。しかし、本人が自分の陳述書をつくりまして訴願の手続をするにいたしましても、いかなる理由でいかなる事実に基いて保安解雇として指定されたのであるか、不明のままでは陳述書の作成も困難だというような事情で、この理由明示をめぐりまして、かなりの争いがあります。特に、ただいま申し上げたように保安解雇が集中して出て来た空軍
関係におきましては、つい最近まで、この六十九号の協定——アメリカ
政府の代表と日本
政府の代表が調印をしたこの協定自体も無視をするというような解雇もありまして、非常に紆余曲折を経たのでありますが、今この保安解雇の問題が、新しい協定を実施後、かなり集中的に出ておりますので、大きな
関心事と
なつておるという
状況であります。
その次の問題といたしましては、
賃金ストツプに関するところのハル大将の指令の問題であります。この点につきましては、今年の給与改定の際に、私
どもとしては、
中央労働委員会に調停を申請いたしまして、調停案が出されたのですが、その調停案の第二項に、
賃金不均衡の点については将来
原資を別にして引続いて調整をして行くというような案が出されておりまして、労使双方ともこれを了承をいたしたのであります。その後、具体的にどのような手続方法によ
つて不均衡を是正するかという点については、
労働協約によりますところの
中央労働協議会で議論いたしまして、取扱
つて行くことにきめたのでありますが、軍側といたしましては、このような
賃金の不均衡是正というものは一切行わないというようなハル大将の指令が出されまして、各地方で大きな問題を起しておるのであります。具体的には、
福岡の小倉では、
現地部隊も県側も
労働組合側も、この
賃金を是正するという案に同意をしたのでありますが、その後軍側は、上級からの命令だと言
つて一方的にこれを拒否し、一旦三者で確約したものを、一方的にふみにじ
つておるような事例が出て来ておるのであります。
福岡では、このハル大将の指令の撤回の問題を掲げまして、四月二十二日、二十三日と四十八時間のストライキを行つたような
状況であります。その後この指令の撤回につきましては、
政府にも強く交渉いたしまして、一部
昭和二十七年の一一四八号という通達をストップするものではないというところまで行つたのでありますが、また解釈問題について、新しい問題を軍側が起して参
つておりまして、実質上
賃金の不均衡の是正がとどめられておるという
状況でございまして、一旦軍の首脳部あるいは
現地部隊で約束したものも、その後一方的に拒否をして実施をしていない、こういうような事例に
なつております。
第四点として申し上げたいのは、いろいろな不当
労働行為が基地で行われております。そういう点についての幾つかの事例といたしまして、私
どもこの救済を地方の
労働委員会に提訴をいたしておるのであります。昨年の十二月二十四日に、兵庫の地労委で、モーター・プールの柴田支部長に対する救済命令が一件出されております。さらに本年の一月三十日には、大阪の地労委で、日赤の支部長でありました山本一郎君に対する救済命令が出されております。また二月十日には神奈川の地労委から、追浜分会の執行
委員の柳町健吉君に対する救済命令が出されております。この三つの救済命令が出されておるのでありますが、
政府側としては、軍がこの救済命令を受入れないからという理由だけで、一切拒否をして、三件とも中労委に再審を申し立てておるという
状況であります。中労委に再審申立てになりました中で、兵庫の柴田君の案件につきましては、審査も進められまして、実は四月二十七日に中労委から労使双方に和解の勧告がなされたのでありまして、
労働組合側といたしましては、この和解勧告を受けまして、具体的に交渉するようには
なつたのでありますが、またまたこの和解勧告に対しましても、調達庁側が座間の陸軍部隊司令部に折衝をしました結果では、和解に応ずることはできないというふうに拒否をして来た。そのために、今最後的な折衝をもう一回
政府側としては軍といたすことに
なつておりますが、このように地労委の救済命令が三つ出た場合に、すべて拒否してしまつた。もうりくつも何もわからないで、全部断
つて行く。この軍の態度というものは、私
どもとしては、行政協定等で日本の
労働法規に従うことを約束し、また当然準司法
機関としての
労働委員会の権威なり地位から
考えまして、その中で、どれかについては異議があるということならば、話もわかるのでありますが、一切拒否をしておる。こういう態度については、かなり重視をしなければならないのではないかというように、非常な
関心を深めている次第であります。
なお、このほかにも、ことに最近東京地労委
関係でも救済命令がなされております。さらにまた神奈川におきましては、地労委が却下した事案について、中労委に再審を申し立てました結果、救済命令がなされたというような事例もあります。
労働委員会関係の事案については、すべて
組合側の主張が通
つている。しかも、それが合法的な命令として出されているが、軍が拒否をしているために、その履行が停頓しておる、こういう事情があるのであります。
その次の問題といたしましては、最近大阪あるいは埼玉等に起
つている問題でありますが、大阪におきましては、部隊側で
労働者に履歴書を全部書かせる。その中には個人の思想等の記述もさせる。あるいは政党
関係の所属
関係等も書かせるというような点で、基本的な人権として秘密が認められるべきような事項についても記述が求められているので、いろいろ反対等も行われました。その結果大阪地区本部の高橋
委員長に対して、首切りの通知を出して来たというような事例が起
つております。さらに埼玉の朝霞等につきましては、毎日二十人、四十人ぐらいずつ労務者を呼びまして、ずつと古い昔のやみ米を買
つて経済事犯に問われたとか、あるいは無燈火で罰金をとられたとかいうようなことを調べ上げて、そういうようなことが履歴書に書いてなかつたというようなことで、いきなり首を切
つているというような、むちやな労務管理が行われているのであります。
さらに二つほどの事例について申し上げますと、佐世保におきましては、ジヨスコーと申しまして、石油
関係の仕事であります。それは二〇%の危険手当をつけておつたのでありますが、これを本年の二月から一方的に打切
つてしま
つて、
政府の異議申立てを受けつけていないというような
状況であります。さらにまた大阪で昨年ストライキをやつた際に、軍側が
労働協約におきます事前通告の条項をふみにじ
つて、ロック・アウトに出て来たのであります。それについての
賃金補償問題については、
労働省等の見解を付して折衝したのでありますが、いまだに軍としてはこのような
賃金補償に応じないとい
つて断
つている。
以上、申し上げましたような事例を総合してみますと、労務基本契約の改訂交渉が遅々として進んでおらない。こういう
情勢下におきまして、
駐留軍労働の労使
関係については、
政府といたしましては非常に消極的な態度をと
つておるようであります。軍側といたしましては、
労働組合側の要求や
政府の要求も一切拒否して、自分の思うがままの管理というものを、ここにはつきり打立てて行こう、そうして新しい契約改訂交渉の中に、そういう実例をつくろうとしているのではないかというように感じられる節があります。そういう中におきまして、
組合といたしましては、やはり契約問題につきましては、占領時代の契約というものを早く改めて実施をして、また
政府との
関係におきましては、日本の法律に基いて、
労働協約によ
つてはつきりした
労働の諸条件というものをとりきめするようにしたいという態度をと
つております。しかし、この
労働協約につきましては、軍が
政府に干渉して参りますので、
政府と
組合とが自主的な立場において協約を署することも、なかなか困難な事情にあります。そういうような角度から見ますと、
駐留軍労働の最大の危機的な
事態がここに来ているのではないかと案じられる節もあるわけです。
こういう中で指摘し得るところの根本的問題といたしましては、すでに国会方面でも十分御考慮願
つておりますが、行政協定の中におきます十二条五項の適用の問題と、同じ行政協定の中の第三条にあります軍の施設の管理権との競合の問題、これらについて、はつきりした見解なり
措置というものがなされない限り、いろいろな事案の
解決というものは、最後には軍の管理権の主張によ
つて拒否されるというような
事態が現実に起
つているわけです。
その次の問題としては、現在
駐留軍労働におきましては、軍が経費を負担しているという点から、かなり強い主張がなされておりますが、こういう点につきましては、行政協定の二十五条の中にあります防衛分担金の負担の割合がきめられております。われわれとしては、この協定を改訂いたしまして、日本
政府側が負担するところのあの防衛分担金の中から、労務費を日本
政府側にリザーヴしておいて、それによ
つて日本
政府が
雇用して行くという方法をとる、そうしない限りにおいては、なかなかすつきりした間接
雇用制度の実施というものは困難ではないかというように
考えております。それらの点が、かなり根本的な問題として指摘できるのではないかと思います。以上のような点についてもいろいろと御配慮願いたいと思うのであります。
次に国連軍
関係の問題につきましては、いろいろと御配慮をいただいて、つい最近軍側との暫定的な契約の仮調印等もできまして、七月一日に間接
雇用に切りかえるという
状況に
なつております。二年有余にわたりまして、軍直用毎度というかなり悪い条件のもとに苦しんで参りました呉と岩国と東京の恵比須の
労働者は、この点に関して、この
委員会で御配慮いただいたことに感謝をいたしておりますので、この際申し上げておきたいと思います。
最後に、以上申し上げた基本契約下の
労働者の問題ばかりでなく、軍直接
雇用の宿舎要員の問題につきましては、
労働基準法の適用と
社会保険の諸法の適用の問題について、いろいろと御配慮願
つておるのでありますが、さらにこの実現の促進をぜひお願い申し上げる次第であります。
その他の直接
雇用の
労働者については、かなりいろいろな紛議も起こ
つておりますが、私
どもの
組合といたしましては、軍直接
雇用の
労働者に対する統一的な
労働条件を設定するために、就業規則の変更を軍側に申し出るように決定いたしまして、昨日と本日にわた
つて、空軍の司令官と陸軍の司令官に、退職手当に関する条項、夏季手当、年末手当に関する条項、給与改訂に関する条項、私傷病の取扱いに関する条項、社会保障制度の適用に関する条項、この五つの条項については、少くとも陸、空軍管下については、全部を通じて統一的な条件をも
つて雇用するように申入れをいたしたのであります。本件につきましては、
労働大臣に一応要望をいたしておりますので、これらの点について、間接
雇用の
労働者にも増しまして深い御配慮をお願いしたいと存ずる次第であります。
以上、たいへん長くなりまして、資料も差上げず公述いたしまして失礼でございますが、以上の点について、いろいろと御配慮願いたいと思います。