運営者
Bitlet
姉妹サービス
kokalog - 国会
yonalog - 47都道府県議会
nisalog - 東京23区議会
serelog - 政令指定都市議会
hokkaidolog - 北海道内市区町村議会
aomorilog - 青森県内市区町村議会
iwatelog - 岩手県内市区町村議会
miyagilog - 宮城県内市区町村議会
akitalog - 秋田県内市区町村議会
yamagatalog - 山形県内市区町村議会
fukushimalog - 福島県内市区町村議会
ibarakilog - 茨城県内市区町村議会
tochigilog - 栃木県内市区町村議会
gunmalog - 群馬県内市区町村議会
saitamalog - 埼玉県内市区町村議会
chibalog - 千葉県内市区町村議会
tokyolog - 東京都内市区町村議会
kanagawalog - 神奈川県内市区町村議会
nigatalog - 新潟県内市区町村議会
toyamalog - 富山県内市区町村議会
ishikawalog - 石川県内市区町村議会
fukuilog - 福井県内市区町村議会
yamanashilog - 山梨県内市区町村議会
naganolog - 長野県内市区町村議会
gifulog - 岐阜県内市区町村議会
sizuokalog - 静岡県内市区町村議会
aichilog - 愛知県内市区町村議会
mielog - 三重県内市区町村議会
shigalog - 滋賀県内市区町村議会
kyotolog - 京都府内市区町村議会
osakalog - 大阪府内市区町村議会
hyogolog - 兵庫県内市区町村議会
naralog - 奈良県内市区町村議会
wakayamalog - 和歌山県内市区町村議会
tottorilog - 鳥取県内市区町村議会
shimanelog - 島根県内市区町村議会
okayamalog - 岡山県内市区町村議会
hiroshimalog - 広島県内市区町村議会
yamaguchilog - 山口県内市区町村議会
tokushimalog - 徳島県内市区町村議会
kagawalog - 香川県内市区町村議会
ehimelog - 愛媛県内市区町村議会
kochilog - 高知県内市区町村議会
fukuokalog - 福岡県内市区町村議会
sagalog - 佐賀県内市区町村議会
nagasakilog - 長崎県内市区町村議会
kumamotolog - 熊本県内市区町村議会
oitalog - 大分県内市区町村議会
miyazakilog - 宮崎県内市区町村議会
kagoshimalog - 鹿児島県内市区町村議会
okinawalog - 沖縄県内市区町村議会
使い方
FAQ
このサイトについて
|
login
×
kokalog - 国会議事録検索
1954-02-26 第19回国会 衆議院 労働委員会 第8号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十九年二月二十六日(金曜日) 午前十時五十五分
開議
出席委員
委員長
赤松
勇君
理事
池田 清君
理事
丹羽喬四郎
君
理事
持永 義夫君
理事
黒澤
幸一
君
理事
井堀
繁雄
君 木村 文男君
島上善五郎
君 多
賀谷真稔
君 大西 正道君 川島 金次君
日野
吉夫君 中原 健次君
出席政府委員
労働政務次官
安井 謙君
労働事務官
(
労政局長
) 中西 實君
労働事務官
(
職業安定局
長) 江下 孝君
委員外
の
出席者
総理府事務官
(
調達庁総務部
長)
山内
隆一君
労働基準監督官
(
労働基準局監
督課長
) 和田 勝美君
労働事務官
(
職業安定局失
業保険課長
) 三治 重信君 専 門 員
濱口金一郎
君
—————————————
二月二十六日
委員荒木萬壽夫
君
辞任
につき、その
補欠
として
古井喜實
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 同日
委員古井喜實
君
辞任
につき、その
補欠
として荒
木萬壽夫
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 同日
理事
多
賀谷真稔
君の
補欠
として
黒澤幸一
君が理 事に当選した。
—————————————
本日の
会議
に付した事件
理事
の互選
参考人招致
に関する件
駐留軍
並びに
特需関係労務
に関する件
労働基準
に関する件
—————————————
赤松勇
1
○
赤松委員長
これより
会議
を開きます。 まず
駐留軍
並びに
特需関係労務
に関する件について
調査
を進めます。質疑を許します。井掘
繁雄
君。
井堀繁雄
2
○
井堀委員
一般
に
特需
と呼ばれております
連合軍
もしくは
米軍
の
特需
に伴いまして、多数の
労働者
が
役務
を
提供
して、
かなり
多額の
ドル
の
収入
に貢献しておりますことは、御案内の
通り
でございます。昨年来、この
特需
のもとにおける労働問題が大きな社会問題にな
つて
来ていることも、顕著な事実であります。たとえば
小松製作所
の
京濱工場
、
日鋼赤羽
、同じく
武藏工場
、
三菱重工業東京製作所
、
富士自動車
、
日本
建設、新
日本飛行機杉田工場
、同じく
子安工場
、
横濱機業
、
相模工業
、
昭和飛行機
、
日野ヂーゼル
、
東急横濱等等
があるのでありますが、こういう
特需
に
関係
した
事業場
において、昨年労働問題をかもしただけでも、
かなり
の広汎にわたるのであります。というのは、この
事業
は、
一般
の
日本
の私企業に比べまして、
雇用
の
安定性
がきわめて脆弱であることに基因することが多いようであります。同時に、こういうきわめて不安定な
雇用
の
状態
の中においては、おおむね
労働条件
が他に比較して
相当
のよい
条件
を課するのが常識にな
つて
おりますが、この場合には、必ずしもそうでなく、逆に
直用労働
に比較して
労働条件
が非常に悪いのであります。たとえば、
賃金
にいたしましても
かなり
低いし、
退職手当
の制定のないところもあるし、あ
つて
もきわめて低額であります。こういうような問題がありますので、この
機会
に
政府
の
特需
に関する
措置
について
お尋ね
をいたそうと思うのでありますが、まず第一に、今
特需関係
で
役割
の
提供
あるいは
事業場
においてそれぞれの作業を続けております現状について、詳しく御
報告
を願いたいと思います。できますならば、そのもとに
雇用
されている
労働者
の数、それからどういう
種類
の
役務
あるいは
事業
をいたしているか、あるいはどの
程度
の
ドル収入
が予定されているか等を、できるだけ詳細に御
報告
を願いたい。
山内隆一
3
○
山内説明員
ただいまの御質問に対して
お答え
いたします。問題が非常に広汎にわた
つて
おりますし、
かなり
複雑な問題でありますので、
お答え
が必ずしも御
期待
に沿い得るかどうか、非常に不安でございますが、私の知
つて
いる
範囲
のことを申し上げたいと思います。 この
特需関係
において特に問題にな
つて
、
中央等
に陳情その他いろいろ
意見
を出しておりますのは、御
承知
のように、
特需
のうちでも大体
自動車修理等
、
役務
を中心とする大きな
会社
の
関係
でございますが、
特需
全体になりますと、種々雑多な
種類
がありまして、その
種類
はおそらく何千種にも達するのではないかと思います。
従つて業者
の数も非常に多いわけでありまして、一体どのくらいの
業者
があ
つて
、どのくらいの
労働者
がおるかということは、私
ども
にはなかなかわかりませんので、申し上げかねますことを遺憾に存じます。ただ、この
役務
を主とした大きな
会社
は、あるいは十四、五社と聞いております。
労務者
の数は、いろいろ変動がありまして、私
ども
正確な数は
承知
いたしておりませんか、あるいは三万というようなところではないかと思
つて
おります。そこで
労働者
にと
つて
、
退職金
が非常に少い、あるいは
賃金
が安い、あるいはその他の点でいろいろな不安にかられておるという問題は、私
ども
もまことに遺憾に存じておりますが、この
根本
は軍と
日本
の
業者
との
契約
の
内容
に原因する点が非常に多いのじやないかと思
つて
おります。
講和条約
が発効になりましてから、
間接契約
が直接
契約
となり、いわゆる
特需
問題がやかましくなりましてから、直接であるだけ、
契約等
において
アメリカ式
の法律、
慣習等
を押しつけられる懸念がありましたので、
調達庁
といたしましては、この
契約
の
条項
について、なるべく
日本式
といいますか、
日本
の
業者
、
労務者
に有利なようにしてもらいたいという
考え
のもとに、
最初需品
から入りましたが、できるだけ
契約
の
条件
をよくする
目的
で、まず
一般条項
として、どういうふうにや
つて
もらいたいといういろいろの
要求
を出しまして、こちらの思う
通り
にはなりませんでしたが、ある
程度
のところで一応妥結をして、その
一般条項
は
特需関係
の各
契約
にあた
つて
守
つて
もらおうということにいたしたわけであります。なお業態によりまして
特需条項
をつく
つて——
その
特需条項
についても、
日本政府側
の
意向
をできるだけ取込んでいただいて、そうしてその
特需条項
を、
一般方針
として軍の
発注者
か
日本
の
業者
と
契約
する場合守
つて
もらいたいということで話がつきまして、その
方針
によ
つて
や
つて
おるわけであります。しかしながら、軍の方で
発注官
が非常にたくさんおりまして、
個々
の
契約内容
というものは、大体その
条項
にはよりますものの、その他の
条件
が必ずしも一定しておりませんので、各
業者
によ
つてかなり内容
が違
つて
おると思うのであります。 次に、
業者側
の
希望
と、それに対する今まで
改善方
についての
折衝
をいたして参りましたので、その
概要
を申し上げてみたいと思います。これは主として、今
お話
のあ
つた
役務関係
の大きな
業者
からのいろいろな
希望
、あるいは
労務者側
の
希望
を総合した結果の
要望
と、その
折衝
の
概要
であります。 まず
最初
に
業務量
が思いがけず大幅に切り下げられることがあ
つて
困る。その影響はいろいろありますが、省略いたします。とにかくこの問題が
業者
なり
労務者
に対して非常な大きな
利害関係
があります。これについて、
大幅切下げ
に際しては、
米国政府
の
都合
による
部分打切り条項
を
適用
して、
切下げ
に伴う
費用
を
補償
するとともに、
契約
を更改して
残余
の
役務
に関しては
価格
を
引上げ
てもらいたい、こういう問題が大きな問題としてあるわけであります。これに対する今までの結論としましては
——
これにも定量の
契約
と
不定量
の
契約
と二つありまして、初めから量のきま
つて
いる
契約
については、途中で若干量を切り下げたというときには、いわゆる
契約条項
の中の
部分打切り条項
の
適用
が可能でありますから、
従つて
、それに伴う
補償
の問題、あるいは
残余
の数量に対する
価格
の
引上げ
の
問題——
これはむろん
限度
がありますが、
折衝
可能で、
向う
もこの点は了承いたしております。これは最近まで
はつ
きりしなか
つたの
でありますが、この点は
向う
も
はつ
きり認めて参
つたの
であります。しかしながら、
不定量
の
契約
に対しては、すでにそういう
前提
のもとに
契約
しておりますから、この
契約
をいまさら
根本
的に改めることはできない。将来の問題をどうするかということは別であるけれ
ども
、これはどうも
希望
に沿いかねる。但し、今の
契約
の中の
価格改訂条項
の認める
範囲
におきましての
価格改訂
には、
折衝
に応ずるということにな
つて
おります。これを広く
適用
いたしますと、四割
程度
の先般の削減の
状態
のままであるならば、本
条項
を最大限に
適用
すれば、それからこうむる
不利益
はカバーできるのではないかという
見通し
を持
つて
おります。 その次の問題としましては、
米国政府
の
都合
による
打切り条項
の
適用方法
が、今まで
はつ
きりしておりませんために
業者
が困
つて
お
つた
。
従つて
、
労務者側
も非常に意外な
不利益
をこうむ
つて
お
つた
という問題があります。これにつきましては、
打切り予告
後、
打切り開始
までの
打切り
に伴う
費用
並びに
解雇予告手当
並びに
退職金——退職金
につきましては、
業者
の通常の
退職積立金
は、初めからコストの中に入れまして全部予定されておりますが、今の
やり方
から言えばこの
部分打切り
の
条項
を
適用
して
——
今の
折衝
の結果によりますれば、これは普通の
退職手当
の
——
これも
金額
としてはなかなか申し上げかねますが、およそ倍ぐらいになるのじやないかと思いますが、そういう特別な
手当
を出すことを認めて、その差額を
補償
するとともに、
補償金
の支払いも早くしてもらう、こういう問題がありますが、これはこちらの
要望通り
に話がつきまして、近くそういう
意味
で協定を結ぶということに進んでおります。もつともこの
解雇予告手当
にしましても、
退職金
にしましても、
日本
の
労働関係法規
に認める
範囲
に限るという
限度
があるわけであります。 次の問題は、ある
役務
の
契約
をして、いつまでという約束がありまして、その予定の
契約完了日
になれば、それで打切られてもやむを得ないりくつですが、いろいろ準備もいたしおりますので、それで全部打切られては非常に困るので、その場合でも、
米軍
が
役務
を打切る場合には、
事前
にその
業者
に通告するとともに、この場合でも
米国政府
の
都合
による
打切り
と同様の扱いをしてもらいたいという
要求
があるわけであります。これに対しては、
事前通告
の点は、もちろんこちらの
要求
する
通り
に入れられておりますが、ただ
契約
の
完了
をも
つて
役務
が終了する場合を、
中途打切り
の場合と同様に取扱うということは非常に困難である。もちろんこの場合にも、いろいろ
官給品
の
整理等
のような当然必要とするいろいろの経費を
補償
するということには、大体なる
見通し
を持
つて
おりますが、全然の
中途打切り
という場合の取扱いは困難だということであります。もちろん将来の場合には、そういう危険は
契約
の中に入れるような
折衝
をすることにいたしております。 それからその次の問題は、
契約打切り
に際して、企業を非常に危険にさせ、大量の
失業者
を生ずる事態を防ぐために、
民需転換
を可能ならしむるように
考え
てもらいたいという問題であります。これは共通な
要望
であります。しかし、この
事情
は十分わかるけれ
ども
、これが
具体策
としてどうするかということにつきましては、今や
つて
おる
契約調停委員会
では適当じやないから、別の系統の方に移して研究しようということにな
つて
おります。その他、問題はむろんありましようが、大体大きな問題としましてはそんな
程度
でございまして、ある
程度
は
目的
を達しておりますが、まだまだ大きな問題がいろいろ残
つて
おりまして、今後極力この
折衝
を続けて行きたいと思
つて
おります。ただ、今の段階で大きな問題が
解決
いたしませんでも、個個の
業者
と軍との
契約
の
執行
にあた
つて
、非常に
不利益
な問題があり、納得できないような処置がありますれば、これはどんどんと
調達庁
に話してもらいますれば、
契約調停委員会
に持ち出して、各場合々々について検討して、できるだけ
日本側
に有利な
解決
に努力して参りたい、かように思
つて
おります。
—————————————
赤松勇
4
○
赤松委員長
この際お諮りいたします。
駐留軍家族保安要員
に対する
労働法
の問題につきまして、
牛島壽子
君に
参考人
として本
委員会
に御
出席
を願い、御
意見
を聴取いたしたいと存じますが御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
赤松勇
5
○
赤松委員長
御
異議
なければさよう決します。
井堀繁雄
6
○
井堀委員
事業場
の数及び
特需
の
種類等
については、何か発表するとぐあいの悪いことがあるのでしようか。ないようでしたら、発表していただきたいと思いますし、また不明でありますならば、至急に調べて明らかにしてもらいたい。と申しますのは、
事業場
の数なり
特需
の
種類
なり、そのもとに
雇用
されている
労働者
の数及びその
労働条件
というものは、全体がよく把握できませんと、その対策も的確なものができないと思いますので、そういう実態を明らかに
承知
したいと思いますから、この辺の
事情
を
お尋ね
いたしたい。
赤松勇
7
○
赤松委員長
井堀
君、恐縮ですが、ちよつとよく聞き取れなか
つた
ようですから……。
井堀繁雄
8
○
井堀委員
特需
の
種類
、
事業場
の数、
従業員
の数、それから
雇用等
について明らかにしていただきたい。
山内隆一
9
○
山内説明員
先ほどそういう
お尋ね
があ
つた
と
承知
して
お答え
したわけでありますが、先ほど申しました
通り
、
特需
と称するものは非常に多いのでありまして、
調達庁
が以前
間接調達
をや
つて
調達要求書
に基いていろいろ
要求
に応じてお
つた
もので、その後ほとんど同じ必要なものが直接
調達
に
なつ
たために、それらが全部
特需等
にな
つて
おります。
アメリカ予算
で、
ドル
で
日本
の国内でいろいろ
役務
なり購買をするというようなものも
特需
でありますし、あるいは
朝鮮事変
中における
向う
で必要なもので
日本
で
調達
するものも、
特需
として
契約調停委員会等
で扱
つて
いる
範囲
にはな
つて
おります。
従つて
、
特需
の
種類
はまことに多いのでありまして、おそらく数千
種類
に達しておるものと予想されるのであります。それから
業者
の数も、ほとんど
特需専門
でや
つて
おる者はおのずからある
範囲
に限られておると思いますけれ
ども
、各
方面部隊
によ
つて
発注
いたします場合に、入札に加わるとか、
随意契約
でやるというような
業者
の数も非常に大きな数に達すると思います。いずれなおよく
調査
をしまして、わかる
範囲
のことは申し上げたいと思います。そんなわけで今ここで御
期待
に沿うような
お答え
のできないことを非常に残念に思います。
井堀繁雄
10
○
井堀委員
それではできるだけ詳細に御
調査
の上、後日
資料
を
提供
してもらおうと
考え
ます。 そこで、
契約
の
形式
が、この際一番重要にな
つて
来ると思うのでございます。ただいま御
報告
によりますと、それぞれ
種類
は違うでありましようし、
契約
の
内容
もそれに
従つて
相違する
契約
が行われるかもしれませんが、そういうしさいにわた
つて
のことは伺わなくても、ここでぜひ明らかにしておきたいことは、
米軍
あるいは
駐留軍
のどういうところで、どういう形で、
日本
のそれぞれの数千種にわたる
特需契約
をするわけでありましようか。
個々
の
業者
がばらばらにそういうものの
随意契約
をするのか、あるいはそういうものに対して、
日本政府
は何らかの
協力援助
を与えて
契約
の公正を期するようにしておるのか、その辺のいきさつがよくわかりませんので、詳細に
契約
の
形式
や
内容
について承りたいと思います。
山内隆一
11
○
山内説明員
要は、まず
契約
する前の軍の
発注
でございますが、軍の
発注
の径路としましては、
横濱
に
在日調達本部
、ここで
駐留軍
としてはなるべく統一して
発注
するという
考え
のもとに、ああいう
機関
をつく
つたの
であります。これは最も大きな
発注機関
でありますけれ
ども
、決して統一されておりません。どちらかというと、やはり
日本
のか
つて
の軍部の場合のように、陸軍、海軍、空軍、それぞれやはり
相当
強力な
発注機関
といいますか、
契約担当官
を持
つて
おりまして、別々に、それぞれ各
部隊
のかような
契約
をや
つて
おりますので、
契約
の
方式
も非常に違
つて
おります。品物の
種類
なり
役務
の
種類
によ
つて契約
の
内容
が違うとともに、各
部隊
の
発注機関
、言いかえれば
契約担当官
の違いによりまして、また違
つて
おるという
状態
にな
つて
おりますが、要は
発注機関
が非常に数が多いということであります。それから御
承知
のように、もう直接
契約
になりまして、
日本
の
政府機関
としては、軍直接
契約
で、しかも自由な
立場
における
契約
という
前提
をと
つて
おりますので、
政府機関
がこれにタッチする
機会
というものは少い。一番
最初間接調達
から直接
調達
になる場合に、おそらく
調達庁
がや
つて
お
つた時分
ですらも、
かなり軍
の
都合
のいい
解釈
ということで、
都合
のいい
契約
をやらせようとしたことがありますが、今度は
政府機関
が
関係
を断
つて
、軍と
業者
との直接になると、さぞ
不利益
な場合も多いだろう。あるいは
契約
の
解釈
なんかも、御
都合
のいいような
解釈
を下すことによ
つて
、
日本側
がえらい
不利益
をこうむるだろうというようなことが
考え
られましたので、先ほど申しましたように、
事前
に
一般条項
、
特殊条項
なんかについて非常に長い間話し
合つて
、まあまあ一
部分目的
を達したという
程度
で、
一般方針
としては、実際の
契約
に入
つた
わけであります。
方式
がきまるまでは、もちろん、ほんとうに軍と
業者
とか
つて
にや
つて
おりますので、それらの
内容
はよくわかりませんが、その
一般条項
、
特殊条項——
今日ここに持
つて
参
つて
おりませんが、これは大体
日本
の
調達庁
でや
つて
お
つた時分
のような
考え方
を
多分
に入れてもらうような形にな
つて
おる。そんなようなわけで、ある
程度
そういうような
政府機関同士
の
話合い
の骨組みが入
つて
おりますけれ
ども
、細部の問題、あるいはまた
契約
の
執行
の
解釈等
につきましては、軍の
監督官
の
意向
が
多分
に入るというようなわけで、非常に種々雑多にな
つて
おるように聞いております。そういうわけで、いろいろの
業者
の不在、不満を聞きまして、次の
契約
の
更改期
まで、あるいは途中でも、
根本
の
契約
に反しない限りはなるべく是正して行くような
考え
のもとに、
契約調停委員会
では始終いろいろな
話合い
をいたしております。また
発注
の
平均化
とか、なるべく
見通し
を早く聞かしてもらいたいというようなことにつきましては、
契約調停委員会
の活用をはかるようにして、こういう
方面
でも
つて
、できるだけ
見通し
をつけたいというように、最近特に
調達調整委員会
の活動を促すように要請をいたしております。いろいろ具体的の
内容
につきましては、
資料
がないことと、今申し上げたように、各般の
内容
によ
つて
非常に違いますので、ここで申し上げることができないことを遺憾といたしますが、御了承願いたいと思います。
井堀繁雄
12
○
井堀委員
大体
特需
の実体を知りたいと思いまして
お尋ね
したのでありますが、
資料
が十分でないために明らかにならないのは残念であります。私
ども
の
承知
しておる
範囲
では、
特需関係
は、
かなり
日本
の産業に、あるいは経済的な動きに、重大な
役割
を占めておると思うのです。特に今問題にされておりますのは、先ほど私が読み上げましたような
大手筋
の
契約
のもとにつながる労働問題、こういうものについては、私
ども
ある
程度
是正もできるし、輿論にもなると思うのです。
金額
がどのくらいの
契約高
であるか、
金額
で
契約高
が明らかにされませんから、
抽象論
になるのですが、その
金額
が明らかになると、私は非常に大きな問題として取上げられるようになると思う。
大手筋
の間においてすら今問題が起
つて
おる。その他数千
種類
と言われましたが、
事業場
が
個々ばらばら
にあるのですが、それがそれぞれ軍の
契約
の衝に当り、まことに統一したものではありませんから、それぞれの
部隊
で、ま
つた
く対等の
立場
における
契約
などということは望むことはできない、まるで力の相違したものです。
大手筋
でありますならば、それぞれ
専門家
を
養つて契約
の衝に当らせておりますから
——
卑近な言葉で言うと、通訳一人を雇
つて契約
すれば、その
費用
で大体利益は消えてしまうというような事実上の
契約
が行われておる。それがどうなるかということ、結果においては
ダンピング契約
をしていられるということになる。そのしわ寄せが
労働者
に来ておるわけです。ですから、
日本
の今の
特需
のうち、これは私の想像ですけれ
ども
、三分の二は
ダンピング契約
だと思う。
日本
の
労働者
を奴隷的な低い
労働条件
で、
特需
をまかな
つて
おる
といつて
も、私は言い過ぎではないと思う。こういう
状態
が
一体独立国
としての姿であるか、私はこれは承服しがたい。そこでそういう問題については、
資料
がございませんために
抽象論
になりますから一
資料
を
調達庁
の努力で、できるだけひ
とつ
早い
機会
に御
調査願つて
、この
委員会
に
報告
願い、その具体的事実に基いて
十分検討
を加える必要を私は認めますので、ぜひ近いうちに
資料
の提出を重ねてお願いしておきます。 そこで、今明らかにな
つて
おる
大手筋
といわれます
小松製作所
あるいは三菱、あるいは新
日本飛行機
とい
つた
ような、ここにはそれぞれ、対等の
立場
というわけには行かぬものも、ある
程度
エキスパートを置いて、軍との
契約
に
かなり
努力しておる跡が見えておる。にもかかわらず、その
契約
は
直用労働者並
の
労働条件
を
労働者
に与えることが不可能だという事実が現われておる。
調達庁
はこの点についてどの
程度
お調べにな
つて
おるか、私
ども
の調べたところによりますと、
直用労働者
よりは約二割方、あるいは三割
方平均賃金
が低いのです。
退職手当
は大体二分の一以下のものである。ということは、
雇主側
の弁は、おおむね
役務
の
提供
による
修繕事業
などは、これは
賃金
ですから、これはすぐ影響して来ることは
説明
を要しない。こういうように
相当大手筋
で、
契約
についてはある
程度
の力を加えることができるところにあ
つて
も、こういう低い
契約
がしいられておる。これが正常な自由な
契約
だということになりますと、これは
最初
からししと小羊の
契約
であることは明らかなんです。これが
労働条件
にしわ寄せされて来るということになりますと、
労使関係
だけの
解決
では、とうてい問題の処理はできないと思います。そういう
意味
でお尋をいたすのですが、今問題にな
つて
おりますことについて、あなたの
お話
によりますと、比較的統一された
発注先
でありまする
調達本部
と
大手筋
との間の
契約
にしましても、
かなり
無理な
契約
をしておる。その
契約
が、結果において
労働条件
を切り下げているということが、二、三実例を通じて明らかにな
つて
来ておるわけです。
日本政府
としては、こういうような
契約
を今後とも放置しておかれるのであるか、あるいはこういう
契約
に対して、しかるべき
措置
を講じて、公正な
特需契約
が行えるようにする
方針
があるのかどうか、その辺を
お尋ね
いたしたい。
赤松勇
13
○
赤松委員長
この際お諮りいたします。ただいま
理事
の多
賀谷真稔
君より
理事辞任
の申出がありましたが、これを許すに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
赤松勇
14
○
赤松委員長
御
異議
なしと認め、さよう決します。
—————————————
赤松勇
15
○
赤松委員長
次に
理事
の
補欠選任
についてお諮りいたします。ただいま多
賀谷
君の
理事辞任
に伴い、
理事
が一名欠員になりましたので、
理事
の
補欠選任
を行わなければなりませんが、選挙の手続を省略し、
委員長
より
指名
いたすことに御
異議
がございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
赤松勇
16
○
赤松委員長
御
異議
なしと認め、
黒澤幸一
君を
理事
に
指名
いたします。
—————————————
山内隆一
17
○
山内説明員
ただいまの
お尋ね
に
お答え
いたします。順序はかえますが、最後の、現在の
契約方式
が
大手筋
といえ
ども
非常に不満足なものが多い、
政府
はこれでいいのか、今後どうするのかという
お尋ね
であります。ただいまの
契約
の
やり方
に決して満足をいたしておりません。先ほ
ども
ちよつと申しましたように、今後の
契約
にあた
つて
は、こうありたいというような
考え方
も、いろいろありますので、これからできるだけ
契約調停委員会
で
折衝
いたしまして、現在の問題についての
善処方
はもちろんでありますが、将来につきましても、一層
契約方式
を
日本側
に有利といいますか、適正な
契約方式
にかえるように努力いたしたいと思
つて
おります。 〔
委員長退席
、
黒澤委員長代理着席
〕 なお、先ほ
ども
お話
のありました
特需
労務者
が非常に
賃金
が低い、あるいは
手当
も低い、要するに待遇が惑いという
お話
も、あるいは大体においてそういう傾向があると思いますけれ
ども
、
会社
によりまして、なかなか一概に申されないと思います。そしてこの直別
労働者
の方は、ま
つた
く軍の必要によ
つて——
日本政府
が中に介在をいたしておりますけれ
ども
、軍がいらなくなれば即解雇というような形
——
今度は
事前通告
をして、できるだけその準備をするというようなことにもなりましたけれ
ども
、とにかく
根本
は軍がいらなくなれば解雇するという形であります。しかし
特需
につきましては、中にはほとんど
特需専門
の
会社
におきましてま、
発注
量が減れば、おのずから解雇に直結するというようなこともありますけれ
ども
、しかし他の仕事もや
つて
おりますし、また
会社
のやりくりということもそこに余地があるわけでありますから、必ずしもすぐに解雇ということにはならない場合が非常に多いのじやないか。言いかえれば、解雇についての危険性というものは、
特需
労務者
よりも、やはり直用
労務者
に多いのじやないか。そんな
意味
で、ある
程度
待遇のいいことも一つのりくつじやないか、こう思われる節もあるわけであります。 それから
退職手当
につきましても、これは一概に言えませんで、
直用労働者
につきましては、勤続年数の長い短かいということについて、特に非常に得だとか損だとかいうようなことはない。要するに、年数に応じて
手当
額が違うということになりますが、
特需
労務者
はどこまでも
会社
の
労務者
でありますために、
会社
のいろいろな
方針
によりまして、一概には申されませんが、長く勤続した人は
退職手当
が多い、短かい人は少い。絶対額の問題でありません、割合でありますが、そういう傾向がありますので、それを平均いたしますと、
かなり
直用労働者
に近寄
つて
来るのじやないか、こんなふうにも
考え
ております。要は、先ほどからもいろいろお
話合い
がございます
通り
、いろいろ
労務者
の待遇の問題なり、あるいは解雇の危険性というような問題、すべて軍と
会社
側の
契約内容
のいかんによ
つて
、
かなり
左右される部分が多いのじやないか。私
ども
が関与し得る余地は、直接
労務者
をどうする、こうするという問題には権限がない。そういうふうに
関係
する余地がございませんが、軍と
会社
との
契約内容
につき、あるいはその紛争については
関係
する余地があるわけでありますから、そういう面から入りまして、できるだけ有利に
解決
し、その結果
労務者側
も有利になるというような方向で進んでおります。 なおまた、いろいろな
資料
の問題につきましては了承いたしましたが、ただこれにつきましても、実はこの問題が非常に大きくな
つて
から、
政府
側においても、
関係
各省寄
つて
情報交換をしたことがありますが、遺憾ながらどこの省でも的確な
資料
を得る径路を持
つて
おりません。そんな
関係
で、できるだけ各省とも情報を得るように努めよう、しかも情報交換をしようという
話合い
はしておりますけれ
ども
、何としても直接であり、しかも自由
契約
、そしてその間においては、あるいはある部分は
話合い
はしたいけれ
ども
、それが軍に知れると、かえ
つて
にらまれるというようなことも心配して、なかなか真相を言わないということもありますので、遺憾ながら十分な
資料
を集めてごらんに入れるということは困難と思いますが、できるだけ御
期待
に沿うように努力いたしたいと思います。
井堀繁雄
18
○
井堀委員
今
お話
のありました
退職手当
や
労働条件
については、私
ども
の方では、
大手筋
と思われる十社の比較表が来ておりますので、これは実際はあなたの方でもお調べいただけばわかるのですが、確かに悪いのです。その悪い理由は、
退職手当
の問題は、勤続年数がもちろん左右するということは、それは比率ではなくて、当然な話なんです。そこで、私が言
つて
いるのは、もちろん勤続年数に比例しての
条件
が悪いということを言
つて
いる。こういう点をお調べいただきたい。
資料
がなければ、これを
提供
してもいいと思います。そこで、この
大手筋
の問題は、労働組合も組織されておりますし、団体交渉も行われておりますから、ある
程度
労働者
の意思表示が行われるわけです。けれ
ども
、中小企業に近い
特需関係
やなんかというものは、ま
つた
くやみからやみへ流れておる。この問題が重要だという点については申すまでもないわけであります。そこで
契約
の問題については、今のままほ
つて
おけば、御案内のように、
特需関係
は支払いがよく、あるいは
特需
を受けることによ
つて
金融の便宜が得られるというような
事情
等もあ
つて
、
ダンピング契約
を好んでするという傾向もあるわけであります。それは
最初
はそうであ
つて
も、しまいは結局どこかにそのしわ寄せをするということで、
労働条件
が落ちて来ているというこの点が問題になりますので、この点についてあとで労働省の御
調査
の模様を伺いたいと思
つて
おります。 そこで、
契約調停委員会
というものが、こういう場合に
相当
の働きを
期待
されておるようでありますが、
委員会
はどういう構成で、どういう活動をされておるかを伺いたい。
山内隆一
19
○
山内説明員
ごもつともでありまして、
大手筋
でも
お話
のようにダンピング
——
これはその仕事をぜひとろう、あるいは
労務者
を食わして行く以上は、つなぎでもというような気持が
多分
にありますし、ましてや中小企業になりますと、そういう傾向が非常に多いだろうと予想されるのであります。
調達庁
が
間接調達
をや
つて
おる時分で、
相当
業者
を指導しながらや
つて
おりましても、ときによると安く落札したことは、国家的に見ればいいようでありますが、はたしてうまくその仕事をやれるかどうかということを心配するようなことがたびたびございましたから、昨今のような場合には、ダンピング的な仕事のとり方が非常に多いことが
考え
られますが、
契約調停委員会
は、タンピングに対してどうするというようなことは、なかなか
話合い
も困難じやないかと思います。しかし、少くともアメリカさんの方におきましても、そういうような長続きのしない不健全な
やり方
は好ましくないという気持で、協力してもらわなければ、うまく行かないと思いますので、できるだけそういう問題も
委員会
の方で、正式の
委員会
でなくても、
委員
の
話合い
とかいうようなことで善導して行きたいと思
つて
おります。どうも
日本側
ではタンピングだということがよく
意味
がわかるのですが、先方では非常に安く売りましても、これが損を覚悟して入れたというふうに感じないのであります。そういうようなわけで、
業者
というものは営利を
目的
としておるのだかり、損を覚悟して仕事をするはずがないじやないか、だからこれでもやれるのだろうというようなことで、一ぺん安く入れますと、同じ仕事については次々と非常に圧迫が加わるような傾向があ
つて
、これは非常に遺憾に思
つて
おります。そういうような特殊
事情
もありますから、何かの方法でこういうことはなるべくなくするようにいたしたいと
考え
ております。
井堀繁雄
20
○
井堀委員
契約調停委員会
の制度があるような御答弁がさきにあ
つたの
ですが、調停
委員会
の構成や最近の活動状況を明らかにしていただきたいと思います。
山内隆一
21
○
山内説明員
調停
委員会
は、
米軍
側と
日本側
と両方から数人出しております。合同
委員会
は代表一人ずつですが、その下部機構である調停
委員会
は、四名ずつ八名でな
つて
いるかと思
つて
おります。そしてほとんど毎週定期に
——
大体今までは金曜と
承知
しておりますが、定期に開いておりまして、別に問題がなくとも、一応寄
つて
懇談する。最近の情勢では、大体持越しもありますから、一回で片づくものはもちろんありません。非常に長くかかりますから、開会のたびに
相当
の件数を論議しているようであります。
井堀繁雄
22
○
井堀委員
その調停
委員会
というものの権限は、何か法的にあるのでございますか、またどういう構成でどういう機能を持
つて
いるか、できれば構成メンバーの名前も明らかにしてもらいたい。
山内隆一
23
○
山内説明員
この
契約調停委員会
の権限としましては、直接
契約
に基く、その
契約
から来ますいろいろな詮議を受けて
解決
するということでございまして、実際のりくつから言えば、調整
委員会
というものがありまして、法律的の最終決定はそこでするという形にな
つて
おりますけれ
ども
、実際はほとんどこの
契約調停委員会
で実質的に
話合い
がついて勧告いたしますと、これがほとんど決定にな
つて
いるような
状態
であります。
従つて
そういう紛争の
解決
については、一応この
委員会
が
解決
の権限を持
つて
いる、こう申し上げてさしつかえないかと思
つて
おります。このメンバーは、今ここに持合せがありませんので、これも後刻お手元に差上げたいと思います。
井堀繁雄
24
○
井堀委員
大体
調達庁
の方の準備がまだ十分でないようでありますから、
資料
をいただいて、また後刻
お尋ね
することといたしまして、労働省に
お尋ね
いたしたいのですが、
特需関係
で、中小企業の場合においては、われわれもまだ十分
資料
を手に入れることができませんが、
大手筋
にあ
つて
は、すでにそれぞれ労働組合からの主張もあり、団体交渉の場に具体的な事実とな
つて
現われておりますが、それによりますと、安全衛生、厚生福利施設や、あるいはその他の
労働条件
についても、
日本
の
労働法
の
適用
が困難ないろいろな
事情
があげられて、雇い主と
労働者
だけの間では
解決
が困難にな
つて
いるような事例が訴えられておりますが、労働省はこの問題についてどの
程度
承知
しているかを明らかにしてもらいたい。 それから保安解雇の問題が、今
特需関係
の
労使関係
の中にあ
つて
、非常に困難な事実とな
つて
現われております。こういうものに対して労働省としては、これは行政協定との
関係
にもな
つて
来ると思うのでありますが、
直用労働
の場合においては、すでにこのことは何回も論議されておりますが、
特需
の場合においてもこれとひとしい
事情
が起
つて
おります。こういうものに対する労働省の
方針
を、この際明らかにしていただきたいと思います。
中西實
25
○中西
政府
委員
安全衛生その他
労働条件
の
関係
につきましては、基準局の方から申し上げるかと思います。あとの保安解雇の問題につきまして、前々からこの
委員会
でも取上げられ、論議されておりますが、富士モーターの問題につきましては、われわれも顕著な一つのテスト・ケースでもございますので、十分にわれわれとしましても
調査
いたしまして、
米軍
に申し入れまして、現在実は、最終的な決定に至
つて
おりませんけれ
ども
、
向う
が申して参りましたうち、われわれが
考え
てどうしても納得ができないものにつきましては、強硬につつぱるということで処置をいたしております。そのほかの
特需
会社
におきましては、今のところまだ起
つて
おりませんが、もし将来、そういうわれわれの納得し得ない事案が起りますれば、その都度
向う
と十分に
折衝
いたしたいというふうに
考え
ております。
和田勝美
26
○和田
説明
員
特需
工場におきます安全衛生
関係
につきましては、昨年来国会で非常に問題がございましたので、私
ども
といたしましては、監督署に命じまして、再三監督をいたしておりますが、その結果によりますと、安全衛生規則違反を特に指摘しなければならないような面は、最近はないという
報告
を受けております。
井堀繁雄
27
○
井堀委員
安全衛生あるいは厚生施設
関係
について、問題が具体的に起
つて
、労使間で
解決
はしておるようですが、しかし労使の間で
話合い
がついたから、それで問題がないという
考え方
は、この場合私は許されないと思う。というのは、
特需
という
関係
でそこを
解決
しなければならぬ、
特需契約
それ自体にさかのぼ
つて
問題を処理しなければならぬ。言いかえれば、
契約
を解除しなければ、あるいは
契約
を改訂しなければそういう問題が
解決
できないということは、先ほど来
調達庁
に
お尋ね
の際
意見
を加えましたが、基本的な受注計画の中にも、そもそも
労働者
を規制することによ
つて
、初めてその
契約
を果すことができるように、無理な
契約
が行われておるわけです。だからこういう
契約
を許すということは、自由
契約
で当然だといえばそうですけれ
ども
、まだ独立間もない、しかも占領下から横すべりをした独立ですから、そこには多少の無理があるのはやむを得ぬとわれわれは思う。こういうところにこそ、主権復活の最も重要なものがあると思うのです。でありますから、労働省は、現象的な事柄だけについて問題を処理すればよろしいという
考え方
ではなしに、
労働者
がやむを得ずそれをのまなければならぬような事実が重要なのですから、こういうものに対して、私は監督行政を行うものとしては、
契約
の
根本
に立ち入
つて
、そういう事態の発生しないような処置を命ずる必要が、この場合はあるのじやないかという
意味
で
お尋ね
したわけです。そこで、具体的な事実については、私の方にも
資料
がただいまのところはありません。であるから、論議にはなりませんけれ
ども
、今いう
一般
的なものとしては、そういう
契約
がしいられておるという事実を
解決
するための
政府
の努力が、非常に重要だと思うので
お尋ね
したのですから、そこをよくのみ込んで、問題点を明らかにするように努力されたい。ことにこの
機会
に主張いたしておきたいことは、
特需関係
に対する問題は、今後いろいろな問題をかもし出すと思うのです。今まで私が
お尋ね
した
目的
は、言うまでもなく占領軍が
駐留軍
にかわ
つた
というだけであ
つて
、実際的には支配と被支配の感じは、そう簡単に払拭できるものではないのです。ことに
日本
の独立は、まだ経済的に非常に弱体であります。そのしわ寄せによ
つて
、やむを得ずそういうへんぱな
契約
も容認するというやむを得ぬ
事情
を、私もある
程度
推察ができるから、必要なる一つの悪い
契約
であるというものではないかと思うのです。そういうものを一日も早く打破して、公正な需注
契約
ができるようにするためには、一番大きな被害を受け、直接迷惑をしている
——
極端な言葉でいえば、
日本
の奴隷労働で
ドル
を獲得している、あるいは
特需契約
が動いているというこの問題の
解決
は、やはり一番被害の多い
労働者
の問題から取上げなければいかぬ。ことに行政協定の中においては、
日本
の
労働法
はこれを尊重することを明らかにしているわけでありますから、この面から労働省は、
日本
の
労働法
を
特需
のもとにおいて蹂躙されている事実がありますならば、何をおいてもこの問題を取上げて
解決
をはかるようにすべきではないかと思うのであります。こういう
意味
で実は
お尋ね
しわけでありまして、具体的事実については、それぞれ末端に監督
機関
を持ち、あるいは
調査
をする行政機能を持
つて
いる労働省でありますから、こういう面に対する
調査
検討を活溌にされて、問題の
解決
のために努力されることを
希望
いたして、この問題については私の質問を一応終ります。
井堀繁雄
28
○
井堀委員
次に失業保険のことについて、数字を持
つて
おりませんから、抽象的な
お尋ね
をいたしますが、
お答え
はひ
とつ
数字的にお願いしたいと思うのであります。失業保険が施行されてから、
かなり
になるわけであります。予算書においては、それぞれ数字が出ておりますけれ
ども
、私の今
お尋ね
したいのは、失業保険を開始されてから、一体どの
程度
失業者
の救済が行われておるか。概略でけつこうでありり、もう一つは保険料率が千分の十六、それぞれ
政府
、雇い主、
労働者
の分担にな
つて
おりますが、それの保険料の
収入
が予定
通り
に行われているかどうか、その動きについて、ごく大ざつぱな数字でけつこうでありますから、年度別に承りたい。
江下孝
29
○江下
政府
委員
お答え
申し上げます。あるいは御質問の
内容
全部にわた
つて
御答弁されぬかもしれませんが、保険課長が参
つて
おりますから、あとは保険課長から御
説明
をいたさせます。 失業保険を始めましてから、二十八年度は十一月まで計算ができておりますが、二十七年度までに徴収いたしました
収入
済額は、五百九十七億八千五百四十七万五千四百三十八円という数字にな
つて
おります。徴収決定額が六百十三億六千九百十二万八千三百九十円、こうな
つて
おります。従いまして二十七年度までにおきまして収納率が九七・四%ということにな
つて
おります。二十八年度に入りまして、四月以降十一月までで徴収決定額が百二十九億三千三百十二万六千六百四十二円、これに対しまして収納済額は百二十六億五千百八十七万四千五百二十三円、収納率は九七・八%ということにな
つて
おります。これに対しまして、失業保険の給付でございますが、二十七年度までの累計を申し上げますと、受給人員で二百五十四万五千四百七十三人、給付総額五百七十四億七千七百九十一万八千三百七十円、こういうことにな
つて
おります。二十八年度は四月から十一月までで受給人員が四十九万二千四百五十九人、給付総額百五十三いうことにな
つて
おります。
三治重信
30
○三治
説明
員 料率は、一番初めは、保険法成立当初は千分の二十二でありました、それが二十五年の改正で千分の十八に相な
つて
おり、二十七年に千分の十六というふうに保険料率を下げております。それから保険金の給付の方は二十二年の初めから見ますと、七回にわた
つて
保険
金額
を
引上げ
ておりまして、現在最高四百六十円というかつこうにな
つて
おります。昨年の十二月に改正したのが、現行の保険金の支給
金額
でございます。
井堀繁雄
31
○
井堀委員
保料率がだんだん下
つて
来ておることは、成績がよくな
つて
おることで非常にけつこうですが、今年の二十九年度の予算を見ますと
金額
で出ておりますが。この失業保険による被保険者のうちで、失業保険の給付を受けるであろう推定人員については、一体どのくらいに見込んでおり、昨年と今年の動きをどのように算定しておるか、その点をひ
とつ
明らかにしてもらいたいと思います。 それからいま一つ
お尋ね
をしたいのは、これは労働大臣は、昨年に比較して今年は
失業者
が急に増大する
事情
にないような
見通し
でありますから、楽観的であろうと思いますが、それとこれとはどういうぐあいにな
つて
おるか、その
関係
をお聞きしたいのであります。
失業者
の動きを、この点からちよつと
お答え
いただきたいと思います。
江下孝
32
○江下
政府
委員
失業の
見通し
でございますが、大臣からも申し上げましたように予測は非常に困難でございます。しかし一兆円緊縮予算のあおりを受けて、将来においていかなる不測のを
考え
まして、この予算を
考え
たわけでございます。二十八年度におきましては、予算といたしましては三十七万
程度
毎月支給することができるようにな
つて
おりましたが、現実に、昨年十二月までの実績を見てみますと三十四万八千人
程度
にな
つて
おるわけでございます。来年度の予算におきましては、月平均三十七万五千人支給できる予算を一応組んでおるわけでございます。なおそのほかに予備費といたしまして毎月四万四、五千人
程度
の人員を吸収できるものを持
つて
おりますので、二十八年度の実績に比べますと、二割以上の増額の予算を組んでおるわけでございます。
井堀繁雄
33
○
井堀委員
この予算の数字で行きますと、二十八年度は給付費財源として九十億七千九百万、それが今年は九十億六千八百万、ちよつと減
つて
いますね。この減
つて
いる
関係
はどういうことですか、千分の十六の
政府
の負担
金額
をこう見ているのか。それともこの
関係
は、私はよくのみ込めませんが、
政府
の負担と、労使を通じて労使が負担する
関係
で出ているのだろうと思いますが、こういう
関係
で予算に組む際に、
失業者
の増減を見込んでこういうものを組む場合には、一体どういう組み方をするのか。というのは、保険の場合は、
失業者
がふえて来るということになると、
雇用
されている
労働者
が減
つて
行くという形にな
つて
来るのですが、そのときには保険の掛金は減
つて
来るということになる。ところが、反対に保険給付は、ふえるということになるのでありますから、保険財源の上から言えば、そういう赤字は繰越金を食うとか、あるいはそういう場合にはどこからこの保険財源の赤字を埋める財源を求めるのかということについて、保険経営の上から不測の事態、こう言
つて
おりますが、不測
といつて
も、何も突発的なことが起るのではなくて、大体
政府
の今日の緊縮予算の上から言えば、
失業者
はふえても減りはしません。これから新しい
失業者
がどんどん出て来るわけでありますから、新しい者に対しては、これは
関係
がないのだけれ
ども
、そういう
関係
でこの
労働者
の予算の組み方が、そういうものに対していろいろな影響があると思うので、
お尋ね
するわけですが、二十八年度と本年と比較して減
つて
いるというのは、どういうような
見通し
の上に立
つて
こういうことになるのですか、その点を伺いたい。
三治重信
34
○三治
説明
員 御
説明
します。二十八年度の当初予算は
政府
の負担がそれよりもつと少い予算でありましたが、二十七年度の保険金が予算より大分ふえまして、
政府
の受持つ負担分が足らなく
なつ
たものですから、二十八年度の本予算を八月に組むときに前年度の分の不足分まで約四億足して予算に組んであるわけであります。それで今の予算の一番初めの立て方から御
説明
しないと納得が行かないかもわかりませんが、予算の立て方といたしましては、
政府
の三分の一の負担というものは、徴収
金額
に対して三分の一を負担するという予算の立て方でなくて、支給される失業保険金に対して
政府
が三分の一負担する。そうしてその年度において不足を来すと、翌々年度までに
政府
は三分の一の負担分を精算する、こういうかつこうにな
つて
おりますので、場合におきましては、保険料の予算よりも増収分につきましては、当然自動的に増収分だけ大蔵大臣限りで保険金の支出ができる。むしろこの予算が途中で補正もされなく、また足らなくな
つて
参ります場合においては、特別会計によりまして、借入金でまかな
つて
、翌年度の予算に前年度の借入金を精算するような予算を組んで行く、こういうかつこうになりまして、保険金そのものは予算では一応立てますけれ
ども
、実際の支出になると特別会計法によ
つて
会計経理ができなければ失業保険特別会計独自の会計の責任において借入金をして支払
つて
行く、そして翌々年度までにそれを予算上に処理して行く、こういう特別会計の会計制度にな
つて
おりまして、保険金の支払いについて、一応予算上においては、その当該年度における失業の
見通し
、いわゆる給付の
見通し
を立てて、われわれの方では予算は大蔵省と
折衝
してつくるわけでありますけれ
ども
、突発的な事故または予測せざる経済の変動によりまして、保険金が非常にふえて、予算が足らなくなるという場合においては、予算の補正ができれば予算の補正をする。補正ができなければ、借入金によ
つて
翌年度までに予算でや
つて
行く。もちろんこの間におきまして、今年、二十九年度の予算においても三十億ばかりの予備費を持
つて
おりますが、三十億の予備費を使
つて
もなお足らない場合に、そういうふうにする、こういうかつこうにな
つて
おりますので、われわれの方としては、なるべく予算の
範囲
内において経理できるような
見通し
で大蔵省と
折衝
しておるわけであまますけれ
ども
、ほんとうに不測の事態が起きればそういう経理の仕方になりますので、この予算がこれにより足りなくな
つて
来たという場合において、保険金が支払えないというようなことはない。それからもう一つは現在の積立金が約二百二十億ございますので、借入金においてもこの積立金をくずすかつこうでや
つて
行きます。だから明年度において失業保険の会計において特別赤字が出るという
関係
はまずないだろうというふうに見ております。
井堀繁雄
35
○
井堀委員
これはまあ先の問題でありますから、何でありますが、大体今の答弁によりますと、補正予算が組めれば別ですけれ
ども
、今のところでは九九九の予算は動かさない、補正予算はやらぬという
方針
が議会で明らかにされておりますので、
お尋ね
したわけです。借入れの場合は、特別会計は最高限どの
程度
見込んでおるか、またどの
程度
まで借りられるか。
三治重信
36
○三治
説明
員
限度
は別に特別会計は何もありませんですから、その年度にどうしても失業保険金の支給せらるべき必要
金額
だけは借り入れられるというかつこうになりますが、先ほど申し上げましたように、必要だけ借りられるようにな
つて
おります。特別会計の制限は全然ございません。とりあえず現在はこれがもしも借入金にたよらなくちやならぬような事態に至
つて
も、われわれの方としては積立金をくずしてやれる、こういうかつこうになりまして、赤字としてのいわゆる借金としての借入金でなくて、自分の積立金を
政府
の資金運用部からくずしてそれを借り入れる、こういうかつこうにな
つて
おります。
井堀繁雄
37
○
井堀委員
そうすると保険料率も動かさないで、その次の年へ行
つて
精算するわけですか。
三治重信
38
○三治
説明
員 さようでございます。従いまして、たといここ一、二年赤字が続きましても、まだ
相当
な積立金の余裕を持
つて
おりますから、われわれの方としてもここ当座動かしたくないと思
つて
おります。
井堀繁雄
39
○
井堀委員
そうすると
失業者
の数は、極端な話ですけれ
ども
、どんなにふえても、失業保険会計の上では決して支払いにまごつくようなことは絶対に心配がない、こういうふうに
解釈
してよろしゆうございますか。 それからもう一つは、ついでですから
——
借入れもしないでこの予算でや
つて
行けるという最高の
失業者
の給付の人員はどの
程度
まで見込んでおられますか。
三治重信
40
○三治
説明
員 予備費まで入れまして月平均四十二万余、四十二、三万はありますが、四十二万毎月支給してもいいように今年度の予算は組んでございます。なおこの予備費を使
つて
も不足する、しかも補正が組めないということになりますと、われわれの方としては積立金をくずして使用いたして行く、こういうかつこうになりまして、本年度、架空な話としてたとい五十万、六十万の失業保険の受給者が出て参りましても、失業保険としては赤字を出さずして経理できます。
黒澤幸一
41
○
黒澤
委員長
代理 次に
労働基準
に関する件について
調査
を進めます。質疑を許します。多
賀谷真稔
君。
多賀谷真稔
42
○多
賀谷
委員
労働基準
法施行規則の面につきましては、本日は基準局長も見えていないようでありますので、次会にいたしまして、現実の
労働基準
行政の実施の
状態
について質問いたしたいと思います。実はこれは
日本
紡績高田工場の問題ですけれ
ども
、これは組合内部の問題もありますので、なかなか質問も慎重を要すると思うのですが、一応私は使用者が介入をしている面、またそれによ
つて
労働基準
法が実施されていないのじやないかと危惧する面について、
お尋ね
いたしたいと思うのであります。 第一点は生理休暇の問題でありますが、生理休暇を願い出ても、ある人にはくれるけれ
ども
、ある人には認めない、こういうことを言
つて
来ております。あるいは生理休暇を
要求
しても休まさないで、いすに坐らして裁縫をさしておく、本人はたまらないでおる。従来そういう例はあまりなか
つたの
だけれ
ども
、そういう
措置
をや
つた
。あるいはまた生理休暇届を出したけれ
ども
それを破いた、そうして全然認めてくれぬ、こういう事例を言
つて
来ておるわけであります。これについてどのようにお
考え
であるか、監
督課長
に
お尋ね
いたしたいと思います。
和田勝美
43
○和田
説明
員 御指摘の日紡高田工場の生理休暇の問題でございますが、私
ども
の方で現地の監督署を使いまして
調査
したところによりますと、昨年一年間では、生理休暇を断
つた
ということはないということでございます。ただ生理休暇の請求がありましたときに、仕事の操作上本人をば軽作業の方に移して働いてもら
つた
という例は一、二件あ
つた
ようでありますが、全面的に断
つた
ということはないように、私
ども
の方の
調査
ではな
つて
おります。
多賀谷真稔
44
○多
賀谷
委員
昨年といいますと、いつからいつまでですか。
和田勝美
45
○和田
説明
員 二十八年という…。
多賀谷真稔
46
○多
賀谷
委員
普通の暦の二十八年ですか。
和田勝美
47
○和田
説明
員 そうです。
多賀谷真稔
48
○多
賀谷
委員
これは事実問題としては、なかなか
調査
が困難ではないかと思うのです。ほかの要素が入
つて
来ておりますので、やはり監督署としても困難を来しておるかと思うわけであります。その点については
事情
はよくわかるのですが、実は自治会というのが従来ありまして、そこに新たに新自治会をつく
つた
。一方から言いますと、
会社
が指導してつくらしておる。自治会が二つにわかれるということは、何もわれわれがとかやく言うことじやございませんけれ
ども
、その自治会を新たに結成をいたしておりまする
状態
を見ますと、職制を通じて行われておる。すなわち工務係が、お前はどうして新自治会に入らないのか、こういうことを盛んに言
つて
来ておる。これに対して私は、これを使用者がする場合については、基準法九十四条の
関係
になるのではなかろうか。職制を通じて行う場合は、これの侵犯の問題が起りはしないか、かように
考え
るのですが、監
督課長
としては、どういうふうにお
考え
であるか
お尋ね
いたしたい。
和田勝美
49
○和田
説明
員 寄宿舎における私生活の自由を侵してはならないということは、御指摘の条文にある
通り
でありますが、高田工場の自治会が二つに割れておることは御指摘にありました
通り
で、私
ども
の方の
調査
によりますと、今大体半々にな
つて
おるようでございます。この間の新自治会と旧自治会との
関係
について、
会社
が介入しているかどうかを私
ども
が
調査
いたしました限りにおいては、労政
関係
は別でありますが、基準
関係
で見ました限りにおいては、そういう事実
はつ
かみにくいということでございます。
従つて
九十四条違反の問題は、今のところ私
ども
として
はつ
かめておりません。
多賀谷真稔
50
○多
賀谷
委員
監督行政としてこういう問題にタッチされるのは、なかなかむずかしいだろうと思うのです。あるいは労政事務所あたりの方が、案外こういう問題については適しておるのではないかと思うのでありますが、そのことは別といたしまして、私が知
つて
おります事例を見ますと、ほとんど職制を通じて、個人に言われておる。ここに書類が来ておりまして、何某が、いついつだれだれから言われているということを、一々指摘しておるわけであります。そういう
状態
になりますと、これは高田工場を別にして、
抽象論
で話してみたいと思うのですが、職制を通じて、個人に対して、お前はこういう自治会に入れということを勧誘して、もし入らない場合は生理休暇もなかなかやらぬぞということを事実言
つて
いるわけですが、
抽象論
といたしまして、もしもそういうような場合があ
つた
ならば、これは九十四条並びに六十七条の違反ではないか、かように
考え
るのですが、労働省としてはどういう
考え
であるか、
お尋ね
いたしたいと思います。
和田勝美
51
○和田
説明
員 私生活の
範囲
というものの中で、なかなか問題がございますのは、各人が自由な意思で自治会のどちらかに入るのを決定するのに対して、
会社
が中に入
つて
いる場合に、私は九十四条等の
関係
で、非常に微妙な問題が出て来ると思います。しかし、これは抽象的に申し上げまして、それがある具体的な事件に当てはまりますことは、私
ども
としても慎重にならざるを得ないと思いますので、その点は具体的な事件について判断を申し上げる、そういうように
考え
ております。
多賀谷真稔
52
○多
賀谷
委員
生理休暇の点については、どうですか。
和田勝美
53
○和田
説明
員 生理休暇につきましては、これは与えるか与えないかという問題でございまして、規則で
はつ
きり書いておるような業種の場合には与えなければなりませんし、生理のために作業が困難であるという女性には与えなければならないということになりますが、高田工場においては、六十七条違反という具体的な事例を、私
ども
の
調査
では取上げることができなか
つた
わけであります。
多賀谷真稔
54
○多
賀谷
委員
労政局長
に
お尋ね
いたしたいと思います。この問題は、旧自治会と新自治会という自治会の問題でありますけれ
ども
、これは組合の
関係
もあり、当然そういう問題が出て来るわけであります。そこで、もしも
会社
がこの新自治会に介入し、それに加入することを奨励しておることが、組合運動そのものに影響があるという場合になりますと、これは不当労働行為の要素を含んでおりはしないか、かように
考え
るわけでありますが、
労政局長
はどういうようにお
考え
であるか、
お尋ね
いたしたいと思います。
中西實
55
○中西
政府
委員
寄宿舎の自治の問題と組合の問題とは、一応法律的にも別にな
つて
おりますが、もし組合におきまして経営者側の支配介入ということがありますれば、これは労働組合法七条で不当労働行為になります。具体的に高田工場におきましてそういう事実があるかどうか、この点は今のところ
はつ
きりいたしておりません。
多賀谷真稔
56
○多
賀谷
委員
私は労働省にお願いいたしたいのですが、実はここに陳情書が来ておるわけであります。これについて私自身その信憑性がどの
程度
あるかという点についても、自分は
調査
してないのでわかりませんけれ
ども
、一応これだけの件数が書かれており、これだけの口述がなされ、それがプリントされておるわけですが、この一つ一つを見ますと、これはみな基準法違反か、あるいは不当労働行為の要素を含んでおる、かように私は判断をするわけであります。そこで、これは女工さんでありますし、若い女の人ですから、大きな声としてなかなか出にくいと思うのであります。そこに私は紡績工場全般に、基準監督行政がよく行われておるかどうかを
調査
する至難性もあると思うのですが、一応この書類を渡してもよろしゆうございますから、十分
調査
をしていただきたい。私は組合内部の問題にとやかく言うわけではございません。しかし使用者が、いやしくもいずれかの方に加担をして、それを何らかの方向に持
つて
行こうとするということは許されない態度であろうと思います。どちらにいたしましても、使用者が介入をして来るということは、あくまで排除しなければならない、かように
考え
ますので、再度の
調査
方をお願いいたしたい、かように
考え
ております。
和田勝美
57
○和田
説明
員 実は私
ども
の方は、高田工場につきましては、かねて問題が出ておりましたので、本年に入りまして三回現地について
調査
をいたしております。その結果では、先ほどから
お答え
しておるようなことにな
つて
おるわけでございますが、多
賀谷
委員
の方で新しい具体的な事実がございましたら、それを提示していただきますれば、それについて
調査
をいたしたい、そういうように
考え
ております。
多賀谷真稔
58
○多
賀谷
委員
提示をいたしますから、御
調査
願いたいと思います。
井堀繁雄
59
○
井堀委員
この前の
委員会
でもお願いしておきましたが、
日本
名産株式
会社
、それから加藤車体工業
会社
の不当労働行為、
労働基準
法違反の疑いに対する御
調査
を、この
機会
に
報告
できる準備があれば伺
つて
おきたい。
中西實
60
○中西
政府
委員
昨日も静岡の労政課長が来ましたが、まだ私の方で詳細に知りたいという点が
はつ
きりいたしませんので、再度
調査
を依頼しております。 まず加藤車体について、今までわか
つて
おりますのは、これは御
承知
でございましようが、労働組合が五十九人、K友会という労働組合ならざる会が七十名、
従業員
全部では百八十二名、賃上げとユニオン・シヨップ制確立というようなことが主たる
要求
で争議があるわけであります。これにつきまして労働組合側は何かと不当労働行為的なものがあるというので、地労委に二月二十日に提訴いたしました。しかし、二月二十日の午後十一時から徹夜で団体交渉が行われまして、大体次のような宛書が調印されまして、一応の
解決
を見ております。 第一は、
会社
は組合を労働組合法に基く唯一の組合であることを認め、
労働条件
その他必要と認めた事項をその都度団体交渉によ
つて
協議決定する。それから第二としまして、
賃金
問題は組合の申出を了承するが、詳細は団体交渉によ
つて
協議する。
内容
を見ますとすべてが今後の協議に譲られておるようでございますが、一応平和裡に協議して問題を
解決
するという方向で、争議
状態
はひとまず終結しております。 次の
日本
名産株式
会社
の争議でございますが、これも第一組合、第二組合それぞれ五十数名の同じくらいの数の組合が二つございます。そうして本年に入りまして、
会社
側が経営の
都合
上
相当
な人員整理を必要といたしまして、二十五名の退職
希望
者を募りましたところ、二十名の応募があ
つた
。残りの五名につきまして
指名
解雇ということにな
つたの
でありますが、その中に組合の三役を含む幹部がほとんど五名に含まれてお
つた
ということで、第一組合は目下不当労働行為の申請を準備中でございます。おそらく地労委に出されるのじやなかろうか。この点はたして不当労働行為かどうか、地労委の裁定にまつべきだというふうに
考え
ております。
和田勝美
61
○和田
説明
員 基準法
関係
のこともございましたので、私から申し上げておきます。加藤車体の方につきましては、労働就業規則をば、組合に提示をしてないのではないかという問題であ
つた
と思いますが、加藤車体の沼津工場につきましては、二十三年の三月十九日に所要の手続をとりまして、就業規則は監督署に届出がされておりまに一部変更をいたしまして、基準法に定める手続をとりまして、五月六日に監督署に届出がされております。ただ問題は、基準法の百六条によりまして、就業規則の周知義務があるのでありますが、その点若干怠りがあ
つた
ようでございまして、そのために一部問題があ
つた
ようでありますが、監督署でただちに是正をさせましたので、基準法違反の問題は、加藤製作所については現在ないということでございます。 それから
日本
名産の方は、今
労政局長
から
お話
のありました中で、私
ども
の方に
関係
のございますのは、組合の書記長が強制退職の中に入
つて
おりまして、二月八日に即時解雇の認定をば持
つて
来ております。理由は前歴の詐称だということでございます。従来、基準局といたしましては、前歴の詐称につきましては、大体
労働者
の責めに帰すべき事由として、解雇
要求
除外認定をいたしておるのが例でございますが、本件につきましては、
会社
側がすでに
相当
前からこの履歴詐称の事実を知
つて
お
つた
という点がございましたので、そういう事実を知
つて
おりながら、今ごろにな
つて
履歴詐称があるということで除外認定を持
つて
来るというのは、あまり適当でないだろうということで、監督署から注意をいたしまして、解雇
要求
の除外認定の申請は却下いたしております。 以上のような
状態
であります。
井堀繁雄
62
○
井堀委員
この前にこういう具体的な事実について御
調査
願いましたのは、全国にこういうケースが非常に多いという
意味
で、せつかくの御
調査
を願
つたの
であります。たびたびの催促にもかかわらず、なかなかその詳細な
報告
をいただかなか
つた
ことは非常に遺憾に思います。これは労働省の予算が非常に乏しいということで、出先の活動が不活溌にな
つたの
であるかもしれない。とにかく労働省設置法の精神に基いて、
労働者
の保護については、今日ほどその使命の重大なる時期はないと思う。一方吉田
政府
の経済政策なり財政政策が、どうしても中小企業の
労働者
にいろいろな形においてしわ寄せをされて来ることは必至なんであります。先ほどの
特需
の場合でもそうでありまして、全般的にそういうことが言えるわけであります。この場合にこそ、労働省が
労働者
の最低生活権を守るために積極的な活動が
要望
されることは申すまでもないと思います。ところが実際には、最も東京に近い実例をあげて労働省のそういうものに対する活動の実際を
はつ
きり今われわれは知ることができるわけでありますが、こういうことであ
つて
は、せつかくの労働省も、
一般
の
労働者
から非常に信頼をかけられておりながら、実際にはまことに不活溌で、もつと強い言葉で言うと、きわめて無能な労働行政を暴露することになりますので、今後は一段と実情把握のために、また
事前
に問題防止のために、せつかくの努力をなさるよう、この
機会
に
要求
しておきます。
安井謙
63
○安井
政府
委員
前回の
委員会
におきまして、
井堀委員
から、いろいろ中小企業に関する
労働者
保護の問題について、御注意御示唆がありました。その例として二件ばかりおあげになりましたので、これをさつそく
調査
いたしまして、ただいま御
報告
をいたせたような次第であります。中小企業のしわ寄せと申しますか、
労働者
保護につきましては、
政府
といたしましてもかねがね十分気をつけてや
つて
おる次第であります。ただ、いろいろな
個々
の事件につきましては、それぞれ地方に
機関
がございまして、一々本省に連絡がないというような場合もあるかと存じますが、これまた御指摘がありますれば、そういう点ももつと十分に配慮をいたす
考え
でおりますから、御了承願います。
多賀谷真稔
64
○多
賀谷
委員
先ほどの問題に関連し、今の
井堀委員
の問題に関連して、私も一言申し上げておきたいと思います。中小企業の不当労働行為あるいは
労働基準
法違反を
調査
いたします場合に、われわれといたしましても、ずいぶん過去において苦労をなめさせられたわけであります。たとえば、不当労働行為で
労働者
側が申請した証人が、いざその場所に行
つて
みますと、今度はまるきり
労働者
に不利で
会社
に有利な証言をする場合がたびたびあ
つた
わけであります。そこで問題が起りまして、ただちに不当労働行為の救済の申立てをいたしましても、現在なかなか労働
委員会
はすぐ
調査
というわけには行きません。そこで、まず答弁書を出させてから、ゆつくり
調査
をしておりますから、あらゆるもみ消し運動が起
つて
おる、証拠はほとんど隠滅しておるというのが実情であります。そこでたまたま証人を連れ来て、しかも中小企業のことですから、連れて来るのに給料までや
つて
連れて来て、そうしてしやべらせますと、まるきり逆の効果がある。あるいはまたほとんど証人になりたがらない。なるほど労働組合法には、
委員会
で発言をした場合に、
会社
がそのゆえをも
つて
不利な取扱いをした場合には不当労働行為になるという条文がありましても、現実問題として、なかなかこれは困難でございます。そういう
事情
でありますので、不当労働行為がありました場合には、
調査
する権限があるかどうかわかりませんが、労働
委員会
あるいは労政事務所に何人も申立てができるのでございますから、やはり労政事務所とも十分連絡をと
つて
いただいて、県に一つしかない労働
委員会
、あるいけ労政事務所は少くとも郡か市単位にございますから、ぜひ出向いて行
つて
いただいて、先に
調査
を願いたい、こう
考え
ております。また監督署の
調査
にいたしましても、十分そういう点がありますので、小さな声でも十分聞いていただきたい、かように
考え
ておる次第であります。
要望
しておきます。
黒澤幸一
65
○
黒澤
委員長
代理 本日はこの
程度
とし、次会は公報をも
つて
お知らせすることにいたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時四十二分散会