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1953-12-11 第19回国会 衆議院 労働委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年十二月十一日(金曜日)     午後二時二十九分開議  出席委員    委員長 赤松  勇君    理事 鈴木 正文君 理事丹羽 喬四郎君    理事 持永 義夫君 理事 山花 秀雄君    理事 矢尾喜三郎君       池田  清君    石村 英雄君       多賀谷真稔君    井堀 繁雄君       大西 正道君    熊本 虎三君       中原 健次君  出席政府委員         労働政務次官  安井  謙君  委員外出席者         議     員 神近 市子君         労働事務官   中西  実君         (労政局長)         専  門  員 浜口金一郎君     ————————————— 十二月十日  委員島村一郎辞任につき、その補欠として田  中伊三次君が議長指名委員に選任された。 同月十一日  委員青野武一君及び黒澤幸一辞任につき、そ  の補欠として多賀谷真稔君及び石村英雄君が議  長の指名委員に選任された。     ————————————— 十二月十日  昭和二十六年六月及び七月の大水害並びに同年  八月及び九月の風水害による被害地域における  失業対策事業に関する特別措置法の一部を改正  する法律案吉川久衛君外十三名提出、第十七  回国会衆法第六号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  国政調査承認要求に関する件  労働行政に関する件     —————————————
  2. 赤松勇

    赤松委員長 これより会議を開きます。  国政調査承認要求の件についてお諮りいたします。委員会国政調査につきましては、衆議院規則第九十四条により、あらかじめ議長承認を要することとなつております。つきましては当委員会におきましては次のごとく国政調査承認要求をいたしたいと存じます。  まず調査する事項といたしましては、一、失業対策に関する事項、二、労使関係に関する事項、三、労働基準に関する事項といたしまして、調査の目的は、労働行政の適正を期するためとし調査方法関係各方面よりの意見の聴取及び資料要求等をいたしまして、また調査の期間は本会期中といたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 赤松勇

    赤松委員長 御異議なければ、さよう決定いたします。  なお、諸般の手続につきましては、委員長に御一任願います。
  4. 赤松勇

    赤松委員長 次に労働行政一般につきまして、政府側より説明を聴取いたします。  多賀谷真稔君。
  5. 多賀谷真稔

    多賀谷委員 仲裁裁定実施に伴う労使間の紛争を見たわけですが、ことに年末手当について、かなり終結を見ておるところも多いと思うのですが、一体その状況はどういうふうになつておるか各公社及び現業別に御回答を願いたいと思います。
  6. 中西実

    中西説明員 本日の朝、林野解決しましたので、全部一応三公社現業関係妥結を見たわけでございます、年末手当の全額がどのくらいになるか、これは実は相当部門が団体交渉によることになつておりまして、それがまだ済んでおりませんので、はつきりしたものがございませんが、大ざつぱに申しまして、年末手当勤勉手当、これは大体において一・二五は払う。さらにそれにアルフアーがどのくらいつくかということにつきましては、今申しましたように、大体において団交によつて今やつておるようなことではつきりとどのくらいになるかということは、まだ発表されておりません。しかし、大ざつぱに聞いておりますところを申しますと、国鉄におきましては一・二五のほかに増送奨励金として〇・一これは今年内、つまり十二月二十三日までに支給する。さらにそのほかに生産奨励金については、労資努力して今後話し合つて、できるだけのことを考えて行こうということになつております。専売につきましては、一・二五箇月分のほかに、いわゆるプラスアルフアーにつきましては現在団交中ということで、まだ正確に聞いておりません電通も大体同じようなことでございます。それから郵政も同様であります。電通郵政につきましては、これもはつきり率は聞いておりませんけれども一・二五のほかに、年末までに、年末繁忙手当ということで、これは毎年やつておるそうでありますか、超過勤務手当あたりの操作で考える。そのほか生産奨励金については、双方で協議して今後努力して出すようにしたい。それからあと印刷、造幣、林野アルコール専売、いずれも一・一五それに超過勤務手当として大体〇・一を出す。なお生産奨励金についしは今後の問題として双方で大いに業績をあげることに努めよう、こういりように聞いております。詳細はなおそれぞれの労使において協議の上できめて行く。ただなかなかそのやりくり等あるようでございまして、昨年の実績も調べたいと思つていろいろと聞いたのでありますけれども、これもはきりつかめないようなことで、大体正確にはなかなか把握しにくいのでありますが、およそのところは今申したうなところであります。
  7. 多賀谷真稔

    多賀谷委員 これだけ大きな紛争を見た争議跡始末が、どうもしり切れとんぼで、わけがわからぬわけですが、ことに正確に知り得ないということは実にふしぎに思うのです。今お話になつたのとわれわれが聞いたのと、もう相当食い違いがあります。労働省の方ではどういう調査をされておるのか、労使双方争議解決団交になれば、お互いに隠しておるのかどうか。これだけ国会いろいろ紛議をかもしたものがあとになるとわけがわからないで終わるといことは、われわれとしてどうも了承しかねるわけです。さらに正確に調査して、次会報告を願いたいと思います。
  8. 中西実

    中西説明員 ただいま申しましたよりに、昨年の分につきましても、非常に実態が把握できないのでありまして、大体そういうことで、労使満足して妥結すればいいのじやなかろうか、大筋は一・二五は共通にきまつたあと残額につきましては、それぞれ企業実態によりまして、双方満足の行結果を得ておるのでございます。われわれとしてもできるだけのものを知りたいのでありますが、非常に困難がのるということは御承知いただきたいと思います。
  9. 山花秀雄

    山花委員 ただいま多賀谷委員の方から、跡始末について労働省当局に賛同いたしましたところ、中西政府委員答弁によりますと、大体労使双方満足解決したものと思われるから、実態調査が幾分不明確な点があつても、問題が円満解決という点で御了承を願いたい。こういう御答弁でございましんがはたして労使間の紛争議円満解決しておるかどうかという点において、私どもは一点の疑義を持つておるのであります。労使双方が円満に解体いたしますと、何といつても、これらの仕事は国民大衆国民生活に非常に大きな関連性がございますので、国民のすべてが安堵できるような態勢が整えられておるとは私ども考えていないのでございます。この点につきまして、いま一度、円満に解決したかどうかという点を、ひとつ政府の所見として明らかにしていただきたいと思うのであります。
  10. 中西実

    中西説明員 経済闘争としまして、結局ベースアツプの問題と年末手当の問題、この点につきましては、大筋において大体妥結せられまして、目下具体的な金額についてなお交渉をしてこれをはつきりする、さらに生産奨励金につきましては、年度末までの問題がございますから、これは若干あとに残るわけでございますが、経済闘争の面におきましては、一応労使妥結を見たという見方でございます。
  11. 山花秀雄

    山花委員 先ほど私のお尋ねいたしましたのは、経済闘争の面において、おおむね円満に妥結したということになりますと、それに伴う派生的な問題はないというように了承する以外ございませんが、そのように了承してよろしゆうございますか。
  12. 中西実

    中西説明員 おつしやるところは、結局は新聞紙上にもちよちよい出ておりますが、公労法違反行為に対する処分問題だと思います。この点につきましては、われわれとしましては、従来からもそうでありますが、各公社にそれぞれ違反の事実があるかどうかということの認定を委任し、さらにまた、いかなる処分をするかということもこれすべて各企業体にまかせております。各企業体の方で、どういう方針でどの程度のことを考えておりますか。今のところまだ連絡がございませんので、承知いたしておりません
  13. 山花秀雄

    山花委員 中西政府委員のただいまの答弁によりますと、この問題から、派生して起きました公労法違反と認定できるような問題については、それぞれの企業に一任をしておるから、労働省当局としては関知しない、こういう答弁のように受取られましたが、この問題解決のためには、私どもも微力ながらあつせんをいたしまして、労働省の最高の責任者である小坂労働大臣におかれましても、この問題が円満に解決するならば犠牲者を出さないようにひとつ努力をするとおつしやつていたのでございます。中西労政局長の方にその意向が伝えられていなかつだのかどうか、知りませんが、少しサービス省としての建前をお忘れになつたような御答弁のように承りましたが、この点、労働大臣とあなたの間にその間の連絡があつたのであるか、なかつたのであるかという点を、ひとつ御説明を願いたいと思います。その労働大臣との折衝におきましては、安井政務次官も立ち会つておられましたので、安井政務次官からも、この問題に関する御答弁をひとつお願いしたいのであります。
  14. 中西実

    中西説明員 大臣との間に、ことさらに話合いをいたしておりません法規違反の問題、これは事実の問題でございまして、違反があつたのに、なかつたと言うわけにも参らないと思うのであります。ただ、どの程度にそれを扱うかということは、そのときどきの責任者判断でございます。そこで一応の認定なり、どの程度やるかということは各企業体にまかせてございまして、それぞれの企業体において責任ある態度をとるわけでございますから、労働省にも相談はあるのでございます。昨年の場合でも、そうでございましたが、まだ、そういつた段階に来ておりません。われわれとしましては、企業体においてどの程度の気持をもつて責任をとるかということの判断をまず待つておるという段階でございます。
  15. 安井謙

    安井政府委員 労使問題の紛争の円満な解決のために、労働省がいろいろとあつせんをいたすことは当然のことでございまして、そういう意味から今度の問題につきましても、労働大臣がいろいろとその間にあつてあつせんされましたし、また自由党あるいは社会党その他の政党が、いろいろな懇談をやつたことも事実でございます。今後も、そういう趣旨にのつとつて、残つておる問題があれば解決をはかつて行きたいと考えておることは事実でございます。ただ具体的な問題といたしましては労政局長がただいまお答えいたしましたように、各企業体それぞれで実情調査中のものでありまして、今日具体的な問題として労働省がどうするというような話合いのところまで、まだ来ておらない実情であります。
  16. 山花秀雄

    山花委員 この問題の解決いかんによりましては、また国民生活に不安を与えるような問題を惹起しないとは、「これは私どもにも保証できないのが、ただいまの実情ではないかと思うのでございます。特に労働大臣としては、国民の福祉の建前から、又労働省といたしましては、サービス省としての建前から、この問題に付いて一段の努力をしてもらつて、先ほど中西労働政局長の方から言われましたようにすべてが円満に妥結をしたという実証をあげ得るように、ひとつ努力を願いたいということを希望いたしまして、一応私の質問を終えたいと思います。
  17. 赤松勇

    赤松委員長 山花君の御希望は、本委員会としては異議はございませんから、できるだけそのように努力していただきます。多賀谷健稔君。
  18. 多賀谷真稔

    多賀谷委員 付言することもないと思いますが、この問題は公労法も示しておりますように、刑事的な責任ではなくして、単に労使双方民事的関係を規定しておるのである。でありますから、そういう趣旨から言いますれば、一応事件が円満に片づいておるのでありまして、これはただ、労使双方にまかされた民事的問題しか残つていない。でありますから、その趣旨を十分勘案されて労働省としてはサービス省としての建前から、ぜひ御善処方をお願いいたしたいと思います。
  19. 赤松勇

    赤松委員長 続いて公労法の問題について、何か御質問ありますか。
  20. 多賀谷真稔

    多賀谷委員 政務次官にお尋ねいたしたいと思います。新聞で見られたと思いますが、けさの朝日新聞に、労働省公労法改正に着手し、休会明け国会に出すということを大きく一面で取扱つておるわけであります。われわれはこの前のこの委員会におきまし、て、緒方副総理に対して、委員長からその質問をいたしましたが、内閣としては考えていないという御答弁で、われわれも安心しておつたわけであります。ところが、この裁定紛争が終りますと、また突然そういう問題が提起されつつある。こういうことは、きわめて遺憾に感ずるのでありますが、政府としてはどういう御所信であるか、お尋ねいたしたいと思います
  21. 安井謙

    安井政府委員 公労法改正につきまして、政府として具体的な発表なり意見の開陳をやつた事実はないのでございまして、これはこの前の紛争中にも御答弁申し上げました通りに、種々の角度からいろいろ検討しておるということはこれは労働省の職責として当然でございますが、ただいまただちにこれをどういう方法で、どういう点をどうしようといつた決定は、何ら見ておらない実情でございます。
  22. 多賀谷真稔

    多賀谷委員 では、休会明国会にもそういう提案の運びに至らないと、我々は安心してよろしゆうございますね。
  23. 安井謙

    安井政府委員 休会明け国会が何十日先になりますか、そういつた点につきましてははつきりしないわけでありますが、ただいまの段階では、こういう問題をどうしようという扱い方をとりきめていないことは、事実でございます。
  24. 赤松勇

    赤松委員長 次に、先般も本委員会で若干審議があつたのでございますけれども、例の日雇い労務者ベース・アツプの問題につきましてはその後労働省でどのように進行しております。か、ひとつこの委員会労働省態度を表明願いたいと思います。
  25. 安井謙

    安井政府委員 日雇い労働者ベースの問題につきましては前回委員会でも若干御答弁申し上げたかと存じますが、御存じの通りに、本年の九月十六日から約一割のベース・アツプをいたした次第でございます。それは大体日雇いベースも、一般公務員あるいはその他の企業体の職員と同じような傾向線をたどつてベースの線も考えるべきであろうという建前をとつてつたのでありますが、何分さし迫つた問題でございましたので、当時は厳重な計算がないまま、おおよそのところで約一割の値上げをいたした次第であります。ところが、PW計算が最近になつて、ほぼ明確になつて来たものでありますから、これにつきましてさらに正確な検討を加えまして、明年の一月を期して若干の手直しができるように目下作業中でございます。
  26. 赤松勇

    赤松委員長 まだその内容につきましては、委員会報告をしていただくほどの段階に至つておりませんか。
  27. 安井謙

    安井政府委員 まだ正確な結論が出ませんので、これをここでああ言つたじやないか、こういうようなことになると、困るのでございますがただいま大体の目標といたしましては、値上げ前に対して平均一三%程度のものになるのではないか。これは今のところ腰だめでございますが、大体そういつた線目標に目下検討中でございます。
  28. 赤松勇

    赤松委員長 職安局長は、ただいま法廷に証人として喚問されまして、横浜かどこかに行つておるそうでございますから、ひとつ御了承願いたいと思しいます。向うを早く済ませてこちらへ引返すということになつております。それから労働大臣は、国連の例の協定の問題で向うへ呼び出されておるそうでございます。
  29. 山花秀雄

    山花委員 日雇い労務ベース・アツプの問題でございますがこの前の委員会でも私からお尋ねいたしましたときに、只今安井政務次官からお答がございましたように。大体一二%くらいだという御回答でございました。現行の賃金ベースが二百七十五円でございますから一二%というと大体十円足らずの金になるのであります。ところが来年の一月の中ごろから健康保険の掛金が、たしか私の記憶によりますと八円くらいとられるようになるのではないか。そうなりますと、値上げされた額がそのまま相殺勘定という形で実質的には一銭も上げてないという結論が生れて来るのでございまして、ただいま労働省当局のお考えになつておるような値上げの率では、今後の日雇い労務労働行政は、円満に行われないと考えるのでございます。そこで労働省当局におきましても、まだ腹も固まつてなく現在これらの問題についていろいろ検討なさつていらつしやる段階でございますから、ただいま申し上げましたような点を十分考慮されまして、一段の努力払つて日雇い労務者に対してあたたかい思いやりのある措置を講じていただきたいということを、この際お願いをいたしておきたいと思うのでございます。
  30. 安井謙

    安井政府委員 日雇い労務者健康保険の問題やその他の差引につきましては、ちようど職安局長がただいま組合とのいろいろな折衝で席をはずしておりますので、また適当な機会に御答弁を申し上げるかと存じます。それで一二%と申しておりますのも、これは当委員会からの強い御要望によりまして私が腹で返事をしておるようなかつこうでございまして、これがぴりつとも動いては困るというような御解釈をいただくのは、ちよつといかがかと存じておる次第であります。それで前回値上げ基準として、一三%を目標にして目下作業中でございます。
  31. 山花秀雄

    山花委員 重ねてこの問題について申し上げたいと思います。九月の十六日に大体一割の値上げになりましたがその前の値上げの時期がいつであつたかということを、ひとつ御考慮願いたいと思うのであります。ただいま安井政務次官の御回答によりますと、九月十六日に関連して一割三分ほどの値上げ、こういうお話でありますが、これは聞きようによつては、少し言葉の魔術のように聞えます。その前の日雇い労務者賃金形態が、どの程度すえ置きになつてつたかということを御考慮願えば、九月十六日の一割の値上げは、御破算に考えてよかろうと考えておるわけであります。この間に、労働省当局見解と、私ども見解とが食い違つておると思いますが、二百五十円のすえ置き賃金日雇い労務者が来たというこの事実の過程に立つて、今後の賃金値上げを御考慮願いたいということを、重ねて申し上げておきたいと思うのであります。
  32. 安井謙

    安井政府委員 お言葉でありますし、十分御要望の点はわれわれ、も承知いたしまして、今後も検討したいと思つております。ただ、どちらかと申しますと、今の一般公務員なり公企業体のペース・アツプより先んじて、一応の目安で九月十六日に日雇い労務者の方はベースアツブしたというふうに、われわれは解釈しておるのであります。今後それをどう正確に手直しして行くか、目下作業中であります。
  33. 山花秀雄

    山花委員 口を返すようでございますが、われわれの解釈は、九欟十六日は遅れて実施したというふうに解釈しておるのであります。この点は、いま一度二百五十円の賃金がどの程度にすえ置きになつてつたかということを、ひとつ考慮していただきたい。一般公務員より先んじてこれを解決した、こういうものの考え方に立ちますと、今後の賃金値上げにずいぶ影響を及ぼしますので、この点は、労働省としても私ども解釈に同調していただきたいということを、重ねて要望するものであります。
  34. 安井謙

    安井政府委員 技術的な点につきましてはまた事務当局にはいろいろあるかと思いますが、昨年のベース・アツプ、さらに今年も少し早目にやつたというふうに、私どもはただいま解釈いたしております。しかし、これはいつやつたとか、どれがいいとかいう議論は、つまりPW結論が、いつごろどう求めたかということによつて、具体的に解決される問題であろうと存じます。その点目下作業中でありますので、御了承願いたいと思います。
  35. 山花秀雄

    山花委員 問題はちよつとかわりますが、この前の労働委員会で、特需の関係首切り問題に関しまして、私がいろいろ質問をいたしましたときに政府当局といたしましては、実数のいろいろ御報告を願いました。たとえば、川崎の小松製作では全員解雇になつたとかいうふうに、ずつと実数をお述べになつて、さらにこれが拡大する懸念があるかどうかという私の質問に対して、本年度アメリカ予算削減がきまつて、それで来ておるのだから、少くともアメリカの七月の年度がわりまでは拡大するおそれはない、こういう御答弁でございました。ところが、最近ビクターオートその他に起きましても、どんどん首切りが発表されて来ておるのですが、その間の労働省当局調査は、一体どうなつておるか。せんだつて質問に対して、どう責任をお考えになつておられるか、明らかにしていただきたいのであります。
  36. 中西実

    中西説明員 具体的には諸般報告を受けておらないのですが、われわれの見通しとしましては、一応アメリカ予算関係が大体きまりましたのでその予算削減によるものは出ないというふうに、今でも実は承知いたしておるのであります。ビクターオートなどは、どの程度でありますか、私の方で調べまして、お答えいたしたいと思います。
  37. 山花秀雄

    山花委員 これは他の関連産業にも影響する重要な問題でありますし、労働省当局から、予算関係で今まで首を切られた人には気の毒であるけれども、一応次の予算までは終止符を打つたものである、こういう回答がございました。それでこれらに関連しておる産業で働いておる労働者諸君は、一応安心したのです。半年先には、またどうなるかわからないけれども、この暮れは何とかやつて行けると思つてつた。ところが、ただいま申し上げましたように、新しい事実としてビクターオート関係、それから府中と、たしか所沢と思いますが、大量の首切りが出て来た。こうなりますと、政府の言つておることは、一時のがれのごまかしではないか、われわれはいつ首になるかわかりはしない。要は安心してこれら労働者が働けない不安な状態を与えると思うのであります。従つて、この問題に関しましては労働省当局としては、最近のこのビクターオート首切り実数など調査し、さらにその他の関連産業実情をも的確につかみ、なお、アメリカ予算との関係はつきりしていただいて、もつと齟齬の行かないような御答弁をお願いしたいと思うのでございます。私どもも、平素労働組合としよつちゆう折衝しております関係政府がただいま申し上げたような、あと齟齬を来すような答弁をされますと、その政府意向を正しく労働組合関係に伝えることができませんので、この点もあわせて、慎重な厳密な調査の上で御答弁願いたいということを重ねて望む次第でございます。
  38. 赤松勇

    赤松委員長 なお、重ねてお聞きしますが、先ほどの政務次官の御答弁は、公労法第十七条で処罰する意思はなく、たとえば、現在各地における刑事事件に該当すると思われるような問題について、まだ十分その資料が集まつていないので、その資料が集まつた後においてと、こういうふうな御答弁解釈してよろしゆうございますか。
  39. 安井謙

    安井政府委員 私どもの方では、まだ各企業体がそれぞれ調査を進めておる段階でありまして、具体的な措置についての報告なり通知に接していないので、今とやかくの判断なり批判をしたり、あるいはあつせんするというような段階にないという事情を申し上げておるのでございます。十七条そのものと具体的に結びつけてのお話は、ちよつと困難であろうかと存じます。
  40. 赤松勇

    赤松委員長 そうしますと、公社等で十七条の解釈を誤つて処罰する。たとえば、解雇をしたというような場合には、これは非常に重大な問題になつて来るわけでございますけれども、そういう点については、政府は全然無関心で、すべて公社の方にまかせておくのだ、それが決定された後に政府態度を表明するのだ。まさかこういうのじやないと思いますが、その点はどうでありますか。
  41. 安井謙

    安井政府委員 具体的な問題が出て参りますれば、それぞれ適用されるべき法規に照してみまして、それが妥当なものであるか、あるいはその法規を逸脱したものであるかについては、その個々で判定をいたす所存でございます。ただ法規違反をやつてつても、手をつかねて、知つたことじやないという態度をとろうという意味じやないのです。
  42. 赤松勇

    赤松委員長 一般的に見まして、公労法第十七条が、今次の三公社現業の年末の紛争に関して適用されるのではないかというお考えでございましようか。
  43. 安井謙

    安井政府委員 十七条の解釈につきましては、労政局長から……。
  44. 中西実

    中西説明員 今度の争議の過程におきまして、十七条の違反がなかつたか、あつたか、これは各公社において今調査をいたしております。私らとしまして、これがあつたとかなかつたとか、今のところ若干発言を差控えたいと思います。
  45. 赤松勇

    赤松委員長 そういたしますと、こう理解してよろしゆうございますね。なお今調査中であるから、労働省としては、第十七条に該当するかどうかということについては意見を差控えたい。差控えたいということは、一般的にいつて第十七条に該当するようなことはないが、しかしながら、個々の事例においてそういう場合があり得るかもしれなので、そういうような調査を今公社その他のところでやつている。その結果をまつて判定をする、こういうふうに解釈してよろしゆうございますね。
  46. 中西実

    中西説明員 前提として、なかつたがということでなくて十七条違反があつた、なかつた、そういうことは問わずに、目下各公社においていろいろ中央から末端まで行われました事例についての調査をしている、こういうことでございます。
  47. 赤松勇

    赤松委員長 これは労働大臣が御出席になれば、当然各委員から御質問があろうかと思いますので、この点につきましては、労働省において十分御研究くださつて、万遺漏なきを期していただきたいと思うのでございますけれども、ただ私の希望を申し上げますならば、少くとも刑事事件等の問題とは別個に、公労法解釈については、政府の共通した解釈があると思うのです。従つて、今次の年末の紛争につきましては、むろん円満に解決したのであるから、円満に処理したいというお考えはしばしば表明された通りでございますが、そういう線に沿うてできる限り事態を紛争なく解決して行きたい、こういう立場に労働省は立つているというふうに理解しても、別にさしつかえないでしようね。——それではさように理解しておきます。
  48. 中西実

    中西説明員 円満に解決することをこいねがつていることには、何ら異議はないのであります。ただ、法違反違反としましても、それをどうするかということは、これはまた別の問題でございます。その点は、諸般の事情からまず公社側がどういう態度に出ますか、その連絡を今待つているという状態であります。
  49. 多賀谷真稔

    多賀谷委員 公労法建前が、一応円満に解決すれば、あまり責任を問わないというような法律の建前になつているわけです。そこに、労働組合法と非常に違う点があると思う。不当労働行為の場合でもこれは指示または命令することができる、こういう規定になつている、しかもその指示、命令を聞かない場合はどうかというと、いや、それは官庁だから聞くだろう当然聞くべきだということが前提になつている。それから民間の組合関係の場合には、そういうことではなくて、やはり二十七条七項の規定がありさらにそれに従わない場合には二十八条の罰則がある。こういうように組合法と公労法の書き方が非常に違う。そういう点から見て、事態は一応円満に解決して、その後起きていないのですから、政府府としては、当然公労法の精神にのつとり、犠牲者を出すようなことのないように、善処方をお願いいたしたいと考えわけであります。こういうここは、やはり労働省として包括的にそういう御方針でやるべきが至当であると思う。この点について伺いたいと思います。
  50. 中西実

    中西説明員 争議解決したということと、公労法でいえば十七条違反ということとは、また別の問題だと思います。争議自体は解決しましても、十七条の問題は残り得るわけであります。しかし、先ほどから言いますように、で送るだけこういつた問題も、一体を見まして、最も妥当な処置に出ることが望ましいことなので、この点は、さらに各公社態度を見まして、よく考えたいと思つております。
  51. 赤松勇

    赤松委員長 それではそのことを強く政府に希望しておきます。  この際お諮りいたしますが、議員神近市子君より、委員外の発言を求められております。これを許可するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  52. 赤松勇

    赤松委員長 御異議なければさように取り計らいます。  神近市子君。
  53. 神近市子

    ○神近市子君 失業対策費でまかなわれている日雇い労働者の問題の、特に婦人に関する問題でございますけれども、この間日雇い労働者の会合がありました。私の地区は第五区でございますけれども、非常に日雇い労働者が多いのでございます。大体引揚者あるいは中共帰還者、そういう人たち、それから非常に生活の困難な人たちなのですが、失業対策費でまかなわれているくらいですから、ほとんど最低の生活もできない人たちです。これはこの救助費と見てよいのでございましようか、そういう基本的なことをお伺いいたしたい。
  54. 安井謙

    安井政府委員 失業対策費は、御存じの通りに、正規の就業の可能でない人、あるいは常用の労働に従事する場ありえられない方に対しまして、政府の失対事業費から補助をいたしまして、そうした仕事をお与えしておるということでございます。
  55. 神近市子

    ○神近市子君 大体その人数は百五十万と伺つておりましたがそんなものでございましようか全国的に。
  56. 安井謙

    安井政府委員 百五十万と申しますは、一日でございますか、どういうような数でございましようか。常時百五十万の人が従事しておるという意味でございますか。
  57. 神近市子

    ○神近市子君 常時ではございません。その恩恵に浴している人……。
  58. 安井謙

    安井政府委員 これはちよつとお聞き違いがあるのではなかろうかと思います。登録しております失業者は、たしか今三十数万であろうと思います。そのうち、民間やいろいろな方面に吸収されるのもありまして、政府が毎日支出をいたしますのは、おそらく二十万ちよつとであろうかと思います。
  59. 神近市子

    ○神近市子君 それで、そういう性質の金であれば階層をたくさんつくる必要はないと思うのですけれども、たとえば男と女——北海道におきましては、賃金の格が三十種類あるそうで、それから山口県が八階層、東京は四階層でございます。これは東京あたりの線が一番段階として妥当ではないかしいうふうに私は考えわけですけふど、三十種にも区切るというのは、ういうところから出て来たのでございましようか。
  60. 安井謙

    安井政府委員 ただいま北海道は三十種類になつておりますか、私存じませんが、これも御存じの通り、地方の物価その他を勘案いたしまして、地域別に賃金がかわつて参りますのと、失業対策法によりまして、同一業種と申しますか、業種別に賃金が設定されおりまして、同一地域の同一業種の賃金のやや下まわるものを、失対費で支出する、こういうような運用と規定になつておるそうであります。
  61. 神近市子

    ○神近市子君 その点はごもつとも思うのです、業種によりますとか、地域によりますと。私が一番困ると思うことは、必ずしもそういう合理的な理由からでなくわけられていることです。私にはそういうように感じられるのです。地域別あるいは業種別というような考え方を抜きにしても、あまりに階層が多過ぎる。なぜそれが困るかと申しますと、五円でも十円でもよい方につきたいというので、むだな競争とかあるいはいろいろなことが起る。現場監督的な人間は、それをえさにして、始終自分が有利なことを求めるというようなことが起りそうなので、たいへん恐れ入りますけれども、御調査願いまして、できればよい方に向けていただきたい。もつと単純な階層にしていただいた方がいいのではないかと思います。  それから現場監督というものがあるそうでありますけれども、それにはどういう資格を与えてあるのでございましようか。
  62. 中西実

    中西説明員 これは地方によつて大分違うようでございます。日雇いのうちで比較的まじめなよく働くのを、ときに現場における統率者といいますか、そういうようなこと。それから中には、その中から、たとえば東京あたりは都の吏員といいますか、これにいたしまして、そうして現場における頭といいますか、一応のキヤツプにして統制をとつでいるということをやらせております、
  63. 神近市子

    ○神近市子君 それは任期がどの程度にきめてあるのですか。半年とかあるいは三箇月ごととか、どれくらいになるのでしようか。一度任命されますと、かなり長期にわたつてその業務に従事するということになつておるのでありましようか。
  64. 中西実

    中西説明員 今言いました、東京のごとく特に吏員にしたというものにつきましてはこれは任期も何もございませんで、失対事業の現場々々をまわつて、そういつたキヤツプを務めるということになつております。それからその都度の現場ごとのものは、その現場が終りますれば——大体格付は、そういうなかなか、有用な人だということは、安定所に置いてございますけれども、一応現場ごとにかわつて行くということになるかと思つております。
  65. 神近市子

    ○神近市子君 そこにたいへん難があるらしいのでございます。これはもう少し私も御協力してよく聞き込みをいたしますけれども、男の人の、そういうふうな現場監督吏員でなく、仲間の間から選ばれた監督の人が、今まで同一に動いていたときには、別に難がなかつたような人も実そういう地位につきますと、たいへん困ることには、若い女の場合には、ある場合には、身を提供しておせじを言う、タバコをあげるということをやつて、だんだんとその人をボス化する傾向があるらしいのです。これは特に女の場合に困る。対策費の対象に一番優先的にならなければならない子供をかかえた母親、そういう人は魅力も薄いし、ただ働くだけで、タバコを買つてあげるとか、食べ物の何かを持つてつてあげるというような力がないし、一番不利に落し込められている。そういうようなことを考えますと、有能であり適格であると思つて御任命になつても、長期にわたつて同一の人をお使いになるというようなことは、困るのじやないかというように考えます。これを何とかひとつお考えおき願いたい。吏員といたしましても、長くそこへお置きになれば、やはり相手が非常に弱い人でありますから、そういう自分の立場によつて甘やかされ、そういう弊害が出て来るのじやないか。この点少し御監督をきびしく、失業対策のような社会事業的な仕事であれば、特に被保護者の立場を考えてやつて、その方で御努力を願いたいというふうに考えます。  それからもう一つございます。今どこか東京都の北の方角に軍用道路ができているというのがございますか。
  66. 安井謙

    安井政府委員 ただいまお話のような、監督者が非常に不届きな所業があるというような事実がございましたら、これは厳重に取締りもいたしますし、処罰もいたしますので、これはひとつはつきりと事実をお示しいただければ幸いだと存じます。われわれとしては、そういうことは絶対にないように心がけておるつもりでおります。それから婦人と男子の関係につきましても、同一職種であれば同一賃金という建前で、そのために差別扱いはしておらぬように思います。  それから今の軍用道路という意味はどういう意味でございましようか。
  67. 神近市子

    ○神近市子君 私も行つて見たのでないのですけれども、北区の方で軍用道路の構築が始まつているようであります。そこでその道路に働けば出づらが二十円上るのだそうでして、それで強労働で、女には手に負えないと知りながら、そこへ女が就業して、そうして流産なんかしばしば起つている。その二十円という差額でございますけれども、この二十円のために、女が体力を上まわつた仕事に従事する。婦人の体力と男子の体力、特に生殖ということになりますと非常に強労働は不適当だ。この職場が骨の折れるところだからこれを二十円高くするということは、社会事業的性格の失業対策費で今まかなわれているというのに、少し不当ではないか。体力の弱い女が、いつも出づらがほしくてそこに行きたいというような矛盲、それで健康を害したりあるいは流産を起したりというふうな状態なので、そこのところは調節はできないものでございましようかというのが私の聞きたいことです。
  68. 安井謙

    安井政府委員 具体的に軍用道路がどういうふうになつておりますか、ちよつと存じませんが、一般の公共事業とかあるいは一般の民間の事業に参りますと、同じ職種でも、先ほど申しましたように若干高い賃金になつております。これは失業対策法の建前から、失業対策で支給します場合には、約一割余り低い賃金という建前になつておりますので、あるいはそういつた差額が現われておるのじやないかと思います。
  69. 神近市子

    ○神近市子君 その軍用道路は、やはり日雇い労働者がおもにやつているわけで、そこへ行けば二十円高くなるのに、行かなければ二十円低いところでがまんしなければならない。そういうのが、からだのできが違うということであり、婦人の労働というものの特殊性でございますけれども、そこの開きが二十円というのが非常に問題なのだそうです。それが多いか少いかで生活が立たない。大体今二十一日就労で七千三百円くらいの賃金でございますから、二十円というものは、二十円働けば四百円違うというようなことだろうと思うのですけれども、これは仕事の性質上ちよつと開きが不当でありはしないかというように考えるので、ひとつ御研究願いまして、私もまた、もしなんでございましたら調査に御協力いたしますから、何とかそこを合理的に考えていただきたい。  それから今皆困つておるのは赤ん坊を預ける施設でございます。これは昨日ちようど東京都の懇談会がございましたから、しきりにお願いをして、何か便法はないかということをお考えつておいたのですが、なるべくそういうところの近くに——施設は、不潔でさえなければ、非常に理想的なものでなくてもよろしいですから、早く、手軽に預けられるような施設を——みな赤ん坊を背負つて働いておるというような状態でございますから、ぜひひとつ御善処を願いたい。
  70. 赤松勇

    赤松委員長 そういう点につきましてはよく調査を願いまして、本委員会にその対策を御報告願います。  多賀谷真稔君。
  71. 多賀谷真稔

    多賀谷委員 私は根本的な問題を少し仲裁裁定の問題をめぐつて聞いてみたいと思う。それは一応国会の意思表示はあつたわけでありますけれども、あるいは今後財源の点において可能になる、こういう事態も十分察知できるので、そうした場合に、われわれは債権債務は確立しておると考えておりますが、政府といたしましては払う意思があるかないか、お尋ねいたしたいと思います。
  72. 中西実

    中西説明員 十六条、三十五条の解釈はこの取扱いの当初からいわゆる停止条件付ということで一貫しておりまして、従つて国会承認がございませんければ、それですべてがなくなる。従つて実際上、後に至りまして支払能力ができたといたしましても、それは仲裁裁定の効力を離れまして、もし公社あたり企業の方で払つたといたしますならば、これは別の措置としては悪いことはない。しかしそれは仲裁裁定の効果ではないというふうに解釈しております。
  73. 多賀谷真稔

    多賀谷委員 そうしますと年度末になりまして金が残つて来る。こういうことになりますと当然給与として支払われても、政府としては何とも言わない、こういう意味と理解していいですか。
  74. 中西実

    中西説明員 御承知のように給与総額というものがございまして、従つて給与準則を越えるようなことをして払うことはできません。ただ、いわゆる弾力条項といいますか、業績を上げた、あるいは経費を節約した、そのために予算が残つたというような場合には、主管大臣承認を得まして業績手当として出し得るという道はございます。
  75. 多賀谷真稔

    多賀谷委員 われわれはあくまでも債権債務が残り得る。であるから、可能の場合には請求できると考えておるわけです。しかし一応政府説明によりますと、終始一貫その態度は停止条件付として国会承認考えておるのだ、こういうことでありますが、われわれとしては承服しかねるわけです。あくまでも債権債務が残りそういうものが国会の意思とか、あるいは政府の意思によつて曲げられるものではない、かように考えておることを申し添えておきます。  なお、労政局長の御答弁ですと給与総額があるけれども、弾力条項があるので、やはり金が余つて来るという事態になれば、公社としては払い得るので何も政府としてはこれをとやかく言わないのだこういうように聞えるのですが、そういうように了承してよろしいですか。
  76. 中西実

    中西説明員 先ほど言いましたように、条件がございます。業績が予定より上つた、さらに予定よりも経費を節減したという場合には、それぞれ主務大臣の認可を受けて特別の給与として払い得る、こういうことでございます。
  77. 多賀谷真稔

    多賀谷委員 われわれは、まず債権債務は確立し、なお金さえ余れば、八月から十二月分を特別給与として考えてもいいのだという考え方を持つておるわけであります。そこで裁定の効力として、特別給与を一時金として支給してもよろしい、また支給すべきであるというふうにあくまでも考えておるわけですが、そのことについては否定されるかどうか、これを伺いたいと思います。
  78. 中西実

    中西説明員 その点はまつた見解の相違でございあしてわれわれとしましては、裁定国会の議決に従いまして、その後はともの不承認になればなくなるということでございますのでたといただいま言われました弾力条項で特別給与が払えるという場合も、それはいわゆる弾力条項の特別給与であつて裁定の不完全実施の埋合せということにはならないというふうに考えております。
  79. 多賀谷真稔

    多賀谷委員 念を押して聞いておきますが、では、今後金ができる、あるいは金ができなくても、不履行の分について再び国会承認を求めるということはないという答弁であるようですが、そうですか。
  80. 中西実

    中西説明員 国会の議決は、一応一つのことに一度あれば、それでももう終るというふうに解釈をいたしております。
  81. 多賀谷真稔

    多賀谷委員 特別給与の関係は、それが債権債務と関係がなくで、いわばそういうような条件が成就した場合には、主務大臣承認を得ればできるのだ。しかし、それは仲裁裁定とは関係ないのだ、こういうことですか。われわれとしては、仲裁裁定とは関係大あり、いな、効力としては当然あるのだ、かように考えておる。これは見解の相違だということで、これ以上議論して、もむだであろうと存じますがこの年度末において業績が上り、あるいは経費の節減ができだという場合に、主務大臣が条項をたてにとつて承認をしないということは、私は公労法の精神から言つて、きわめて不穏当であると考えるのであります。でありますから、政府としても公社現業にまかせてしかるべく善処を願いたい、こういうことを希望しておきます。
  82. 赤松勇

    赤松委員長 所管局長が法廷に出ていて帰りませんから、本日はこれで終りたいと思いますが、国連軍の例の雇用関係の問題、駐留軍労務者の年末手当の問題はどうなつているか、御報告できたら伺いたいと思います。
  83. 安井謙

    安井政府委員 年末手当の問題は、具体的には特別調達庁長官がよろしいと思いますが、大部分は年末手当が支給できるが、あと若干の数の人が残つておりますために、その折衝段階が少し残つておるように聞いております。  それから国連軍の方の関係につきましては、これはこの前から何度も議論になりましたように、今日できれば間接雇用に切りかえる方がいいということは、われわれも一致した見解でございまして、その点について努力をしておる次第でございます。なお、これもいろいろな予算その他の関係がありまして、まだこの程度解決したという段階にまで行つておらぬ次第であります。
  84. 赤松勇

    赤松委員長 なるべく早い機会に御報告願います。
  85. 多賀谷真稔

    多賀谷委員 ちよつと委員長に希望があるのです。国連軍の雇用関係の問題は、やはり外務大臣、それから特別調達庁長官、労働大臣に御出席を願いまして、われわれは質問の後、ぜひ見解を聞きたいと思いますが、さようにとりはからつていただきたいと思います。
  86. 赤松勇

    赤松委員長 承知しました。次会は公報をもつてお知らせすることとし今日はこれにて散会いたします。     午後三時三十五分散会