○山口(伝)
政府委員 お答え申し上げます。御指摘のように航路標識の
整備につきましては、海上の安全を守るために、われわれ非常に苦心をいたしておるわけでございます。まず最初に昨年の航路標識
整備費四億四千九百万円に対して、今
年度三億二千三百万円にな
つております。その
通りでありますが、その三億二千三百万円でどういうふうな事業を
予定いたしておるかと申しますと、新営の燈台は本
年度は比較的中規模あるいは小規模というような燈台を急ぎましたために、数としてはかなりにな
つておりますが、同じ
予定としては燈台が四十九基、電波標識が三基、燈浮標が十五基、これらの浮標の
整備のために指定の箇所に浮標のベースを置く、それから予備浮標十三基、新営といたしましてかようなことをいたします。改良、改修、これが実は非常な削減を受けておるわけでありまして、昨年一億九千九百万円でございましたのが、本
年度は八千七百万円
程度にな
つております。昨年は金額としては御指摘の
通りむしろかなり多いのであります。昨年の基数を御参考までに申し上げますと、これは内容がかなり違うためにかような数字になるわけでありますが、二十八
年度では、燈台二十六基、電波標識二箇所、燈浮標四十一基、浮標基地一箇所、予備浮標十七基、こういうようにな
つております。先ほど
ちよつと申し上げましたように、燈台につきましては、海洋燈台と申しますか、遠洋航海をする燈台
——遠距離で見る明りというよりも、ことし数多いのは小規模の港の燈台であります。港湾の修築に応じまして、二種、三種のような漁港の
整備を要する燈台
——これは港湾標識と申しておりますが、これらの方が数が多いので、数としてはこれだけよけい
予定いたしておりますが、大規模のものはたしか三箇所くらいしかなか
つたと思います。
それでことしかように航路標識
整備費が減りましたにつきまして、一応の弁解になりますけれども、われわれとしては相当の要求をいたしたわけでありますが、大蔵省が航路標識の
整備につきまして、小規模の、特に防波堤の先につけるような航路標識につきましては、他の公共事業費のごとく
地方からの負担を一部
予定したらどうか、今日までのようにすべてを国費でやることは、この苦しい際に遠慮したらどうかと申されるわけでありまして、われわれはそれに対していろいろの意見もございますが、そういうこともありまして、特に改良、改修等につきまして、昨年に比してこんな数字にな
つたのであります。それで今後の
考え方でございますが、懸案になりました主として局部的な航路標識につきましては、制度として当分の間十分研究いたしまして、大蔵省とも相談することに約束しておりますが、もともと御指摘の
通り、
日本の海岸線に対しまして、夜標というものはまだ非常に不十分であります。現在二十八
年度末には、航路標識の総数といたしましては千八百九十七基を
予定いたしております。二十八
年度末の千八百九十七基に対しまして、航路標識全体としては、今度の三億二千何がしかの
整備費をもちまして約千九百六十三基、これはすべての航路標識
——燈台から浮標まで全部勘定した数字でございます。これだけはふやすことにいたしております。将来、ここに申し上げました燈台や電波標識のほかに、ロラン・ステーシヨンとかいろいろ近代的な航路標識もつくらなければなりませんし、燈台だけについて申し上げましても、各国の一流の国に比べましてむろん少いのでありますが、
日本の海岸線としてはそれよりもむしろたくさんなくちやいけないくらいに実際は思われるのでありますが、
日本の財政が許されないので、われわれとしては少くとも列国の水準くらいまでには持
つて行きたい。さようなことになりますと、まだこれから現在の
整備状況に対して少くとも五、六割、理想を言えば、財政が許せば倍くらいまでは持
つて行かなければならない、かように
考えております。各地から出て参ります御
要望の数は最近非常に多いのでありまして、候補地点として全国で五百くらいはたしか出ておると思います。これらを燈台部におきまして、その中から緊急のものあるいは
効果等を見まして、
予算の許す
範囲で一生懸命に
増備に邁進しておるわけであります。
地方費負担につきましては、今後の研究によ
つてどういうようになりますか、われわれとしてはできる限り国費から持
つて行きたいのでありますが、ある場合にはまた
地方からも応援するようなこともひとつ
考えてみて、ここ数年後にある
程度の水準まではぜひ持
つて行きたいということで努めて参
つておる次第でございます。