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1954-02-25 第19回国会 衆議院 予算委員会第四分科会 第1号
公式Web版
会議録情報
0
本
分科員
は
昭和
二十九年二月二十三日(火曜日)
委員長
の
指名
で次の
通り
選任された。
主査
山本
勝市君
岡田
五郎
君
富田
健治
君
西村
久之
君
羽田武嗣郎
君
葉梨新五郎
君
稻葉
修君
古井
喜實
君
伊藤
好道
君
武藤運十郎
君
川島
金次
君 三木 武吉君
—————————————
会議
昭和
二十九年二月二十五日(木曜日) 午前十時二十五分
開議
出席分科員
主査
山本
勝市君
岡田
五郎
君
富田
健治
君
西村
久之
君
羽田武嗣郎
君
葉梨新五郎
君
稻葉
修君
古井
喜實
君
伊藤
好道
君
井手
以誠君
川島
金次
君
兼務
森
幸太郎
君
出席国務大臣
運 輸 大 臣
石井光次郎
君 郵 政 大 臣
塚田十一郎
君
出席政府委員
郵政事務官
(
監察局長
)
齋藤信一郎
君
郵政事務官
(
郵務局長
) 松井 一郎君
郵政事務官
(
貯金局長
) 小野 吉郎君
郵政事務官
(
簡易保険局
長) 白根 玉喜君
郵政事務官
(
電波監理局
長) 長谷 慎一君
郵政事務官
(
経理局長
) 八藤
東禧君
建設政務次官
南 好雄君
建設事務官
(
大臣官房長
) 石破 二朗君
建設事務官
(
大臣官房会計
課長)
齋藤
常勝君
建設事務官
(
計画局長
) 澁江 操一君
建設事務官
(
住宅局長
)
師岡健四郎
君 建 設 技 官 (
河川局長
) 米田 正文君 建 設 技 官 (
道路局長
) 富樫 凱一君 建 設 技 官 (
営繕局長
) 木村 惠一君
分科員外
の
出席者
郵政事務官
(
大臣官房人事
部長) 宮本 武夫君
郵政事務官
(
大臣官房電気
通信監理官
) 金光 昭君 郵 政 技 官 (
簡易保険局次
長)
中村喜代嗣君
日本電信電話公
社副総裁 靱 勉君
日本電信電話公
社経理局長
秋草 篤二君 専 門 員 園山 芳造君
—————————————
二月二十五日
分科員武藤運十郎
君辞任につき、その補欠とし て
井手以誠君
が
委員長
の
指名
で
分科員
に選任さ れた。 同日 第二
分科員森幸太郎
君が本
分科兼務
と
なつ
た。
—————————————
本日の
会議
に付した事件
昭和
二十九
年度
一般会計予算
中
運輸省
、
郵政省
及び
建設省所管
昭和
二十九
年度
特別会計予算
中
運輸省
、
郵政省
及び
建設省所管
昭和
二十九
年度
政府関係機関予算
中
運輸省
、郵
政省
及び
建設省所管
—————————————
山本勝市
1
○
山本
(勝)
主査
これより
予算委員会
第四
分科会
を開きます。 私が当
分科会
の
主査
の職務を行うことになりましたので、よろしくお願いいたします。 それではただいまより
昭和
二十九
年度
一般会計
、同
特別会計
、同
政府関係機関
各
予算
中、
運輸省
、
郵政省
及び
建設省所管
を
一括議題
として審査に入ります。順次
政府
より
説明
を求めることといたします。
石井運輸大臣
。
石井光次郎
2
○
石井国務大臣
運輸省所管昭和
二十九年度
予算案
の概要を御説明申し上げます。まず
一般会計
から申し上げます。
昭和
二十九年度
一般会計歳入予算総額
は、十一億六千四百四万二千円でありまして、これを前年度
予算額
十三億六百三十八万五千円に比較いたしますと、一億四千二百三十四万三千円の減少となります。前年度に比べまして、減少及び
増加
しておりますもののうちおもなものを申し上げますと次の通りであります。 ま
づ定点観測業務費
の
駐留軍負担金
二億五千五百十一万円及び
船舶動静調査費
の
駐留軍負担金
六千十七万三千円がそれぞれ減額と
なつ
ておりますが、これは、前年度まで
日米行政協定
に基いて実施していたこれらの
業務
が昨年中に
打切り
と
なつ
たことによるものであります。 次に、
モーターボート競走納付金
三千五百六十四万円が減額に
なつ
ておりますが、これは、
昭和
二十九年度におきましては、
モーターボート競走納付金
の制度を廃止することとしたためであります。 次に、
港湾事業費分担金
におきまして五千五百二十九万円の
増加
と
なつ
ておりますが、これは、前前年度に比較して前年度の
直轄港湾工事
が
増加
しておりますため、これに対応して
地方公共団体
よりの
納付金
が
増加
することと
なつ
たためであります。 次に、手数料におきまして四千五百三十二万七千円の増額と
なつ
ておりますが、これは、
東京国際航空通信局
の
通信取扱量
が激増していることがおもなる理由であります。 次に、
航空保安協力業務費
の
駐留軍負担金
及び
マーカス
島
観測業務費
の
米国政府負担金
におきまして二千一百二万円の増額と
なつ
ておりますが、これは、これら
業務
に要する
歳出予算額
の
増加
によりまして、当然
増加
することとなるためであります。 次に、
歳出予算
について御説明いたします。
昭和
二十九年度の
予定経費要求総額
は二百三十二億一千二百七十万三千円でありまして、これを前年度
予算額
二百十四億二千一百四十六万四千円に比較いたしますと、十七億九千二十三万九千円の
増加
となります。 以下おもなる事項について御説明いたします。 まず
海運関係
から申し上げますと、第一に、
船舶建造
及び
改造資金貸付利子補給
に必要な
経費
として三十七億五千六百二十三万九千円を計上いたしました。これは、
外航船舶建造融資利子補給
及び
損失補償法
に基き、わが
国外航船舶
の
拡充整備
と
海運収支
の改善を促進するため、前年度までに着工いたしました
外航船舶
及び本年度に約二十万トンを目途とする
外航船舶
の建造に要する資金に対する
利子補給金
三十六億二千九百二十九万一千円
臨時船質改善助成利子補給法
に基き、低
性能船舶
を解撤して、新たに
外航船舶
を建造するために要する資金に対する
利子補給金
一億二千二百九十七万一千円及び「
離島航路整備法
」に基きまして、前年度までに着工いたしました
定期航路事業用船舶
並びに本年度に建造一隻、改造二隻を予定しております
定期航路事業用船舶
の
建造改造
に必要な資金に対する
利子補給金
三百九十七万七千円のために必要な
経費
であります。 第二に、
離島航路補助
に必要な
経費
として四千一百万円を計上いたしましたが、これは、公益上必要な
最小限度
の輸送を確保するため
離島航路整備法
に基き、航路の性質上経営の困難な
離島航路事業
に対して補助するために必要な
経費
であります。 次に、前年度におきまして
予算
を計上いたしました
帰還輸送費
につきまして、本年度は
経費
を計上してありませんが、これは、
中共地区等
よりの邦人の
集団引揚
の
見通し
が不明でありますので、
予算案
としては一応
経費
を計上せず、
集団引揚
が現実に必要と
なつ
た際に別途
財政的措置
を講ずることとしたためであります。
船舶動静調査費
につきましても、本年度は
経費
を計上しておりませんが、これは、
日米行政協定
に基いて実施いたしておりました
船舶動静調査業務
が、昨年九月末をもつて
打切り
と
なつ
たためであります。 なお
外航船舶建造融資利子補給
及び
損失補償法
に基き、
昭和
二十九年度以降国の債務となる
利子補給
及び
損失補償
の
限度額
としてそれぞれ二十億九千五百二十万一千円及び二十八億五千一百八十四万八千円、並びに
離島航路整備法
に基き、
昭和
二十九年度以降国の債務となる
利子補給
の総額として三百九十三万六千円を、
国庫債務負担行為
として
予算総則
第十一条及び第十二条において要求いたしております。 次に、
港湾関係
について申し上げますと、まず
港湾事業
に必要な
経費
として三十八億七千八百二十六万七千円を計上いたしましたが、これは貿易の振興及び
輸送力
の増強をはかるため、
出入船舶
並びに
取扱貨物量
の
増加
に対応して、
横浜港外
四十港について
港湾施設
の
整備
を国が行うために必要な
経費
と
東京港外
百七十二港の
整備
を
地方公共団体
または
港湾管理者
が行うに必要な
事業費
を補助するために必要な
経費
であります。 次に、
港湾災害復旧事業費
として十六億九千九百五十九万円を計上いたしましたが、これは、
昭和
二十八年以前の災害による
港湾施設
の
復旧事業
に必要な
経費
でありまして、
港湾事業費
と同じく、国が直接施行する場合と、
地方公共団体等
が施行する場合に補助するために必要な
経費
であります。さらに以上に申し述べましたような
港湾事業
を実施するために必要な
事務費
として、
港湾事業附帯事務費
を六千九百二十三万二千円計上しております。なお、
北海道関係
の
港湾事業
に必要な
経費
として、
総理府所管
の
予算案
において六億四千八百九十万円を要求しております。
鉄道関係
といたしましては、まず、
地方鉄道軌道整備補助
に必要な
経費
として二千五百万円を計上いたしましたが、これは、昨年より施行されました
地方鉄道軌道整備法
に基きまして、産業の振興及び民生の安定に必要と認められる
地方鉄道軌道
の新設及び
維持
に対して補助するために必要な
経費
でありまして、
予算
といたしましては、
新規事項
でありますが、このうちには、前年度まで実施いたしました
北海道開発鉄道
及び
軌道補助
も含まれております。 次に、昨年度に引続き
北九州地区
における戦時中の
石炭濫掘
による
鉄道
の鉱害の復旧を促進するため、
鉄道特別鉱害復旧補助
に必要な
経費
として四千百四十四万三千円を要求いたしております。 次に
航空関係
について御説明いたします。第一に、
航空機乗員養成所
の新設及び運営に必要な
経費
として一億五千百三十万七千円を計上いたしました。これは、わが国の
自主航空
を確立するため、
航空機乗員養成所
を新設して、
既経験者
の再教育と
新人操縦士
の
養成
とを実施しようとするものでありまして、
昭和
二十九年度に約六十人の乗員の
養成
を予定しております。なおこれに伴いまして、前年度まで実施いたしました
航空機乗員養成補助
は、
打切り
といたすことに
なつ
ております。 第二に、我国における
自主的航空交通管制
を早急に実施するため、
航空交通管制官
の
養成
に必要な
経費
として八百九十三万一千円を、前年度に引続き計上いたしております。 第三に、
東京国際航空通信局
の
整備
に必要な
経費
として四千六百五十五万円を計上いたしましたが、これは、
国際民間航空機構
の勧告によりまして、
東京国際航空通信局
の
対空通信回線
を五周波分増設するために必要な
経費
であります。 第四に、
東京国際空港
の
維持管理
に必要な
維持
として三千三百九十一万円、
東京国際航空通信局
の
維持運営
に必要な
経費
として二千五百八十九万九千円、
航空官署運営
に必要な
経費
として一億八千八百四十五万三千円を要求しておりますが、これらは、
東京国際空港
、
東京国際航空通信局
のほか
飛行場
七箇所、
航空灯台
二十九箇所、
航空標識所
十四箇所等を
維持運営
するためのものでありまして、前年度に引続き必要な
経費
であります。 第五に、
航空保安協力業務
に必要な
経費
として一億五千百六万八千円を計上いたしましたが、これは
日米行政協定
に基き、
駐留軍
の使用する
飛行場
及び
航空保安施設
を
維持運営
するため必要な
経費
であります。 以上のほか、
航空関係
といたしましては、前年度と同じく、
国際航空路線
の振興をはかるため、
日本航空株式会社
に対して
政府出資
を行うことといたしまして、
大蔵省所管
に十億円を計上いたしております。 次に、
海上保安庁関係
について御説明いたします。第一に、
巡視船等
の建造に必要な
経費
として三億六千八百七十四万円を要求いたしておりますが、これは、七百トン
型灯台業務用船
一隻のほか、老朽船艇の代替として、三百五十トン
型巡視船
一隻、二十三メートル
型内火艇
二隻、六十トン
型水路観測船
及び五十トン型灯台見廻船各一隻を建造いたしまして、
海上保安業務
の
改善強化
をはかろうとするものであります。 第二に、
航路標識
の
整備
に必要な
経費
として三億二千三百十五万一千円を計上いたしました。これは灯台、
電波標識
、
灯浮標
の新設のほか、
既設灯台
の
光力増大等
の
改良工事等
のために必要なものであります。 第三に、
警備救難費
として、
海上保安庁
に四億六百九十三万八千円、
管区海上保安本部
に三十八億二千四百三十万七千円を計上いたしましたが、これらは、
海上保安庁法
に基き海上における法令の励行、犯罪の
予防鎮圧
、犯人の捜査及び逮捕、
海難救助等海上警備救難業務
を遂行するとともに、これら
業務遂行
のため
巡視船
を改修及び補強して装備を強化し、並びに職員の
教育訓練
を行う等のために必要な
経費
であります。 第四に、
海上保安費
として、
海上保安庁
に四億二千六百八十二万一千円及び
管区海上保安本部
に六億一千四百三十一万円を要求しておりますが、
海上保安庁所掌
の
業務
のうち、水路の
測量観測
、
航路標識
千八百九十七基の
維持運営等
の
海上保安業務
を遂行するとともに、
水路灯台関係
の職員の
教育訓練
を実施するために必要な
経費
であります。 以上が
海上保安庁関係
の主なるものであります。 次に、
気象官署関係
について御説明いたします。 第一に、
水理気象業務
に必要な
経費
として三千四十八万七千円を
新規事項
として計上いたしました。これは重要な河川の
水源地帯
に
降水観測施設
、
通報施設等
を
整備
強化いたしまして、
水資源利用
の
高度化
と水害の防除に資しようとするものでありまして、
昭和
二十九年度におきましては、北上川及び利根川の両水系につきまして、
気象通報所
六箇所、
総合気象観測装置
十一箇所、
ロボツト雨量
計三箇所、
短波無線通信施設
七箇所等の
施設
の
整備
と
業務
の運営を実施しようとするものであります。 第二に、
水害緊急対策
に必要な
経費
として一億七千五百二十三万六千円を要求しておりますが、これは、前年度に引続き、水害の
防止軽減
に資するため、
気象観測施設
、
通信施設等
を
整備
するために必要な
経費
でありまして、
昭和
二十九年度におきましては、九州、四国、中国、近畿、
関東等
の地方にわたり、二十三都府県の区域を対象として
通報所
十二箇所、
雨量計
、
雪量計等
の
観測施設
四百二十六箇所、
短波無線通信施設
二十一箇所、
気象用レーダー
二基等の
整備
を実施しようとするものであります。 第三に、
定点観測業務維持運営
に必要な
経費
として六百八拾一万三千円を計上いたしております。前年度までは、
日米行政協定
に基き、
土佐沖
及び
三陸沖
の二箇所の
固定点
におきまして、年間を通じて常時
気象観測
を実施することと
なつ
ていたものでありますが、この
業務
が昨年十一月末をもつて
打切り
となりましたので、本年度におきましては、台風、
梅雨前線等
の
予報精度
の確保をはかるため
最小限度
の必要を満たすために、
海上保安庁
の
所属船
を使用して、
土佐沖
の
固定点
のみについて五月より十月に至る六箇月間の常時
気象観測
を実施することといたしたのでありまして、そのために必要な
経費
であります。 第四に、
マーカス
島
測候所維持運営
に必要な
経費
として、六千八百二十二万二千円を計上しておりますが、これは、
米国政府
の要請によつて、
マーカス
島における
気象観測所
を
中央気象台
が
維持運営
するために必要なものであります。 以上のほか、
気象官署
といたしましては、
地上観測
に必要な
経費
二千一百五十五万八千円、
航空気象業務
に必要な
経費
八百四十六万九千円、
上高層気象観測業務
に必要な
経費
一億二千一百一万五千円、
気象官署
の
一般業務維持運営
に必要な
経費
十七億六千七百五十三万五千円等の
経費
を要求しておりますが、これらは、
中央気象台
、
羽田航空地方気象台
、
高層気象台
、五箇所の
管区気象台
、五箇所の
地方気象台
、四箇所の
海洋気象台
、百三十二箇所の
測候所
、七箇所の
航空測候所
、その他の
気象官署
におきまして、観測、
予報等
の
業務
を行い、その
施設
を
維持
する等のために必要なものであります。 以上御説明申し上げました海運、港湾、
鉄道
、
航空
、
海上保安
及び
気象関係
のほか、おもなるものを申し上げますと、次の通りであります。 まず、
観光事業補助
に必要な
経費
として五千五百五十万円を計上いたしました。これは、
全日本観光連盟
及び
日本交通公社
をして、
国家的見地
より、外客の誘致、
対外宣伝
、
観光施設
の
整備
、
観光資源
の
保存等
の
観光事業
を実施させるため
補助金
を交付するに必要な
経費
であります。 次に、
小型船舶職員養成補助
に必要な
経費
として三百万円を要求いたしましたが、これは、
小型船舶職員
の技能を向上し、その補充を円滑にするため、経済的に運営することの困難な
小型船舶職員
の
養成事業
を行う団体に対して補助を実施しようとするものであります。 次に、
航海訓練所
の
練習船整備
に必要な
経費
として三億一千四百六十万三千円を計上いたしておりますが、これは、長期の
乗船実習
を必要とする
商船大学
の学生の
増加
のため、現有の
練習船
では不足いたしますので、三千屯型の貨客船一隻を購入し、
練習船
として改装するために必要なものであります。 以上で
一般会計
に関する御説明を終りまして、続いて木船再
保険特別会計
について御説明いたします。 前年度におきまして木船再
保険法
及び木船再
保険特別会計法
に基いて設置されました本会計は、
木船事業経営
の
健全化
と
木船船主経済
の安定に資することを目的とするものでありまして、
昭和
二十九年度においては、
歳入歳出
とも六千八百十万三千円を計上いたしました。そのおもな内訳は、再
保険料
六千六百十八万八千円をもつて木船再
保険収入
を計上いたし、これと同額の木船再
保険費
を計上して、再
保険金
及び
賠償償還払戻金
に充てるとともに、
一般会計
よりの繰入金一百十九万一千円をもつて木船兼
保険業務費
をまかなうものであります。 以上をもちまして、簡単でありますが、
運輸省所管昭和
二十九年度
予算案
の概要を御説明申し上げました。何とぞ十分御審議の上御賛同あらんことを御願い申し上げます。 次に
昭和
二十九年度
日本国有鉄道予算
の概要について御説明申し上げ、御審議の資といたしいたと存じます。 最初に
予算編成
の基本についてでありますが、前国会において承認されました転員の
給与改訂
のため、多額の資金を必要といたし、これがため運賃の改訂を
国有鉄道
としては希望いたしたいのでありますが、政府といたしまして、
財政規模
の圧縮、物価の安定に資することを方針といたしまして、
運賃料金等
の値上げは極力これを行わないこととし、
貨物運賃
については全然触れることなく、ただ
旅客運賃
のうち一、二等についてのみ
通行税相当額
を値上げするにとどめました。 次に
昭和
二十九年度
日本国有鉄道収入支出予算
について、損益、資本及び工事の各
勘定別
に御説明申し上げます。
昭和
二十九年度
損益勘定
の
予算
は、
給与改訂
、
輸送力増加等
を織り込んだ前年度
補正予算
を基礎としまして編成いたしました。まず収入について申し上げますと、
鉄道
による
旅客輸送人員
は対前年度増二・六%三十六億五百万人、
人キロ
では八百四十五億
人キロ
と策定いたし、
旅客収入
一千二百九十二億を見込み、
鉄道
による
貨物輸送トン数
は対前年度増二・一%一億六千万トン、トン・キロでは四百十四億トン・キロと策定いたし、
貨物収入
一千二百十億円を見込んでおります。これら旅客、
貨物輸送
に要する
列車キロ
は三億三千六百万キロで対前年度三・三%の
増加
と
なつ
て居ります。以上の
旅客貨物収入
のほか、
雑収入等
を合せて二千五百八十九億の収入を見込であります。 次に、
経営費
について見ますと、
人件費関係
については、一万五千三百七十円ベースに
昭和
二十九年度の昇給を見込んで算出いたしておりますが、このほかに
期末手当
一・二五箇月分、
奨励手当
半箇月
分休職者給与等
を見込んでおり、給与の額として合計九百四十八億円と
なつ
ております。また
物件費関係
については、
動力費
の大宗である
石炭費
として三百三十六億円、
修繕費
五百七十七億円、その他
業務
費等合せて
経営費総額
二千百四十九億円であります。以上の
経営費
のほかに
資本勘定
へ繰入れ三百三十五億円、利子八十五億円、
予備費
二十億円を合せまして、
支出合計
二千五百八十九億円と
なつ
ております。 次に、
資本勘定
について申し上げます。前述の
損益勘定
より受入れる三百三十五億円、
資金運用部
よりの
借入金
七十億円、(二十八年度は百四十五億円)、
鉄道債券
の発行による百三十億円(二十八年度は八十五億円)、
不用施設等売却
による七億円、合計五百四十二億円を収入として計上し、五百四十億円を
工事勘定
に繰入れることとしております。この他出資としての九千六百万円は
帝都高速度交通営団
の増資に伴うものであり、
借入金等償還
としての一億円は、
昭和
二十八年度に公募した
鉄道債券
の一部の償還に充てられるものであります。 次に、
工事勘定
について申し上げます。
昭和
二十九年度
工事勘定
の
予算
は、工事の重点を
施設
の
維持
及びとりかえ補充に置くことといたし、
新規工事等
は
必要最少限度
にとどめ
財政規模
の圧縮の方針のもとに編成いたしました。その内容について申し上げますと、まず新
線建設費
についてでありますが、新線の建設は前年度
工事着手線
の継続にとどめ二十五億円を計上いたました。次に
電化設備費
でありますが、電化につきましては、現在施行中の浜松・
姫路間電化
を引続き施行することといたしており、
昭和
三十年には米原まで開通する予定であり、七十八億円を計上いたしました。次に
車両費
でありますが、
電気機関車
、
内燃動車
、客車、電車及び
貨車等
の新造のほか
客貨車
の
改造等
でありまして、二十九年度の
輸送力確保
に努力しております。
内燃動車
につきましては
地方交通
の便益に供するため前年度に引続き百両の新造を計画しております。これらの計画に要します
車両費
として百五十六億円を見込んでおります。以上のほかに諸
設備費
二百三十七億円を計上いたしており、改良総係費を含めまして支出の合計は五百四十億円と
なつ
ております。これらに要する財源としては、前に
資本勘定
の御説明の際申し上げました通り、
資本勘定
より五百四十億円を受入れてこれに充てることとしております。 なお以上の諸計画の実施に要する
職員数
は四十四万七千七百二十五人でありまして、これは
昭和
二十八年度に比較いたしますと、四百七十六人の
増加
であり、これは
業務量
の
増加
に伴うものでありますが、要員の
合理化
に努め、その
増加
は最小限にとどめました。給与の総額としては
休職者給与
を含め、合計一千百四十二億円を計上しております。 最後に
日本国有鉄道
の財政につき今後の
見通し
を申し上げたいと存じます。
経済界
の今後の動静を勘案いたしますと、予定した収入を上げますには、格段の努力が必要と考えられ、また
工事計画
もより一層の
サービス
の改善のためには十分とは申しがたいのでありますが、
日本経済
の安定に資するため
公共企業体
としてより一層の
能率向上
をはかり
サービス
の改善に努めますとともに、経営の
合理化
を行い
経費節減
に努力いたすよう指導監督いたしたい所存でございます。 以上
昭和
二十九年度
日本国有鉄道予算
の大綱につき御説明いたしましたが、何とぞ御審議の上御承認あらんことをお願いいたします。
—————————————
山本勝市
3
○
山本
主査
次は
塚田郵政大臣
。
塚田十一郎
4
○
塚田国務大臣
それでは私から
郵政省所管
の二十九
年度
予算案
とこれに附随する若干の問題につきまして御
説明
申し上げ、御参考に供したいと存じます。 まず、
郵政事業特別会計
の
予算
について見ますと、
予算総額
は、
歳入
・
歳出とも
に一千百五十二億七千百余万円と
なつ
ております。 このうち、
歳出予算
について申し上げますと、
郵便業務運営
に必要な
経費
が三百億九千二百余万円、為替貯金
業務
運営
に必要な
経費
が百五十九億三百余万円、保険年金
業務
運営
に必要な
経費
が百四十九億六千七百余万円、日本電電公社からの委託によります特定郵便局の電気通信
業務
運営
に必要な
経費
が九十二億五百余万円、恩給負担金等の
経費
を他の
会計
へ繰入れるために必要な
経費
が、十六億八千余万円、以上の
業務
運営
のために必要といたします総係
経費
が百七十六億七千三百余万円、郵便局舎等の
復旧
に必要な
経費
が二十五億五百余万円、公債及び
借入金
の
償還
に必要な
経費
が二千万円、
予備費
が一億五千五百万円、このほか、
業務
外の
支出
経費
といたしまして、
収入
印紙・失業保険印紙・日雇労働者健康保険印紙の売りさばき
収入
をそれぞれの
会計
に繰入れるために必要といたします
経費
が二百三十億六千八百余万円と
なつ
ているのでございます。 これに対します
歳入
予算
といたしましては、切手・はがき等の料金
収入
が三百六十億八百余万円、郵便為替・振替貯金等の手数料
収入
が二十一億七千六百余万円、病院
収入
及び預金
利子
等の雑
収入
が十九億二千余万円、郵便貯金・簡易生命保険・電気通信
業務
等の
運営
経費
の財源に充てるため、それぞれの
会計
から繰入れを受ける他
会計
よりの受入金が五百十億九千八百余万円、郵便局舎等の
復旧
財源に充てるための
借入金
が五億円、同じく他
会計
から繰入れを受ける設備負担金が、四億九千八百余万円、このほか、
歳出予算
において申し上げました
収入
印紙等の
業務
外
収入
が二百三十億六千八百余万円を、それぞれ
予定
計上いたしている次第でございます。これ等の
経費
を前
年度
予算
九百九十四億九千六百余万円に比較してみますと、百五十七億七千四百余万円の
増加
と
なつ
ておりますが、この
増加
の内容について申し上げますと、
歳出予算
におきまして、
業務
運営
経費
が百三億六千八百余万円、
収入
印紙等の
業務
外
支出
が五十六億四千二百余万円と、それぞれ
増加
し、この反面、郵便局舎の
建設
費等の
減少
が約二億円と
なつ
ているのであります。 ところで、
業務
運営
経費
の
増加
につきましては、そのほとんどが、本年一月より実施を見ました郵政従事員の
給与
ベース
改訂
に伴う
経費
の
増加
と相
なつ
ている次第でございまして、その結果郵政事業におきます人件費率は、七四%を占めることになるのであります。 以上が、
郵政事業特別会計
の
予算
の概略でありますが、次に、郵便貯金
特別会計
の
予算
について申し上げます。 まず、
歳出予算
について申し上げますと、郵便貯金預入者に対する支払い
利子
が百四十五億六千六百余万円、郵便貯金
業務
運営
経費
の財源に充てるため、
郵政事業特別会計
に繰入れを必要とする
経費
が百四十四億六千九百余万円で、
合計
二百九十億三千六百余万円を
予定
計上いたしております。 これに対します
歳入
予算
といたしましては、郵便貯金
資金
を
資金運用部
に預け入れることによつて生ずる
利子
収入
が二百四十三億六千九百余万円、雑
収入
が、四千六百余万円でありまして、差引四十六億二千余万円の
歳入
不足となるのでありますが、この不足額は、
資金運用部
特別会計
における剰余金の全額四億二千五百余万円を充当し、残余の不足額五億九千四百余万円は、
一般会計
から補填を受けることと
なつ
ている次第でございます。 次に、簡易生命保険及び郵便年金
特別会計
の
予算
について申し上げますと、
歳出予算
といたしましては、
保険金
及び年金の支払い並びに還付金、分配金等の支払い
経費
が百六億九千二百余万円、保険及び年金
業務
運営
経費
の財源に充てるための
郵政事業特別会計
に繰入れを必要とする
経費
が二百五億六千七百余万円、
予備費
が五億一千万円で、
合計
三百十七億六千九百余万円と
なつ
ております。 これに対します
歳入
予算
としましては、
保険料
及び年金の掛金が七百二十億二千六百余万円積立金及び余裕金の運用に伴う
利子
収入
が九十一億三千百余万円、その他
雑収入等
が三千五百余万円で、
合計
八百十一億九千三百余万円を
予定
計上いたしておりまして、この
会計
における収支の差額四百九十四億二千四百余万円の剰余金は、積立金として処理いたすことに
なつ
ている次第でございます。 次に電波関係を除く
郵政省所管
の
一般会計
歳出予算
について見ますと、
郵政省
基幹
職員
に必要な
経費
が三百八十四万一千円、電気通信監理に必要な
経費
が八百二十九万六千円、国際
会議
その他諸費が二千六百二万六千円、郵政貯金
特別会計
の
歳入
不足補填金が五億九千四百五十一万四千円、その他が八百五十二万八千円で、
合計
六億四千百二十万五千円を
予定
計上いたしております。 以上が
郵政事業特別会計
予算
の概略でございますが、次に日本信電電話公社の
予算
について申し上げますと、同公社の
予算
は、
損益
、
建設
、
資本
、貯蔵品割掛及び工作の五勘定にわかれており、その総計におきまして、
収入
支出
とも二千二百五十八億一千九百余万円でありますが、このうち勘定間の振替によつて重複する金額九百三十億八千五百余万円を控除いたしますと、
収入
支出
予算
の純計額は、いずれも一千三百二十七億三千四百余万円でありまして、これを二十八
年度
と比較しますと、百三十七億二千七百万円弱の
増加
と
なつ
ております。 次に、主要勘定たる
損益
、
建設
両勘定の
収入
、
支出
の内訳について申し上げますと、
損益勘定
において
収入
は、電信
収入
及び電話
収入
が一千百二十三億八千二百万円弱、受託
工事
収入
が六億七千余万円、雑
収入
が二十八億六千四百余万円、計一千百五十九億一千七百万円弱と
なつ
ており、
支出
は、電信電話運用費が三百八十五億六千余万円、電信電話保守費が二百三十一億五千三百万円弱、管理共通費、試験研究費、
職員
訓練費等が百二億五百万円弱、増接続電話の受託
工事
費が四億九千六百万円弱、
利子
及び債券取扱費が五十一億八千百万円弱、減価償却費が二百三十六億二千二百万円、
予備費
が十五億円、計一千二十七億一千七百万円弱となり、収支差額百三十二億円は
建設
改良
及び
債務
償還
に充てるため、
資本勘定
へ繰入れることに
なつ
ております。 次に
建設
勘定において、
建設
改良
のための財源として電信電話債券の公募による分が七十億円、加入者及び地元引受けによるものが五十億円、電話設備負担金等が四十八億一千八百万円弱、
損益勘定
からの繰入金が減価償却引当金二百三十六億二千二百万円を含めて三百六十三億二千二百万円、
合計
五百三十一億四千万円弱が
建設
改良
のための
資金
であります。同じく
支出
としては
給与
及び
事務費
が六十一億六百万円弱、
建設
改良
工事
費が四百七十億三千四百万円弱、計五百三十一億四千万円弱と
なつ
ております。 なお
建設
改良
工事
につきましては、ただいま申し上げました五百三十一億四千万円弱をもちまして、加入者開通は十四万加入、市外電話回線は東京、神戸間、横浜、大阪間を即時式に接続する長距離回線を含めまして二十五万
キロ
、分局開始十一局、方式変更二十一局を主要工程とする拡張
改良
工事
を
計画
しております。 以上を通じまして二十九
年度
予算案
において特に考慮されました点を申し上げますと、まず
建設
財源の調達についてであります。
財政
投資
計画
の
圧縮
に伴いまして、
建設
財源としての外部
資金
は、遺憾ながら拡充五箇年
計画
において期待した金額を相当下まわり、電信電話債券の公募の
限度額
は七十億円と相なり、残りは全部加入者引受け債券による
資金
を含めまして
経営
内及び利用者より調達する、いわゆる内部
資金
にたよることに
なつ
たのであります。従いまして、
損益勘定
において後述いたしますように、
経費
の
合理化
、節約によつて生み出しました
建設
財源繰入金百二十七億円、戦時中よりの老朽
施設
の特別償却を今後五箇年間に行うため計上した特別償却費四十二億円等、極力その財源
確保
に努め、これに対応しまして
支出
面におきましても能率の強化、各種物品の
計画
発注などにより
経費
の効率を高め、拡充五箇年
計画
に大きな支障を及ぼさないようにいたした次第であります。 次に、公社の経常
経費
についてでありますが、その
合理化
と節約には特に留意し、
損益勘定
について見ますと、二十九
年度
支出
一千百五十九億円は、二十八
年度
に比し二百億円の増でありますが、そのうち八十四億円は
建設
財源等のため
資本勘定
へ繰入れる金額の二十八
年度
に対する
増加
分でありますから、それを差引いた百十六億円が経常
経費
の
増加
であります。この百十六億円の
増加
は、その大部分が
給与改訂
によります年額
増加
額と減価償却費の
増加
でありますが、なおそれに
業務量
及び
施設
の増に対応する所要
経費
を
必要最少限度
に見込み、一面において物件費に対しては二十八
年度
と同様特別節約額を計上しておるものであります。 以上申し述べましたように、今後一段と事業
経営
の
合理化
に努めますとともに、
建設
資金
調達の安定をはかり、健全な
財政
的基礎の上に電信電話事業をますます拡充発展せしめ、熾烈なる現在の需要にこたえて行きたいと存じます。 次に電波関係
予算案
の
概要
につきまして申し上げますと、要求
総額
は十三億七千四百万円でありまして、その内訳は、海外放送交付金が五千五百万円、
業務
費が約五億八百万円、人件費及びその他庁舎の新営に要する
経費
が八億一千百余万円と
なつ
ております。 海外放送交付金は、放送法第三十三条の規定に基いて、郵政大臣が日本放送協会に国際放送を実施させるために必要な同協会に対する交付金でありまして、現在行つております十方向十時間の国際放送を来
年度
から二方向二時間を
増加
して行うに必要な
経費
であります。 また電波行政実施の中核をなす
業務
費は、その内訳を申し上げますと、無線局検査費が一億五千九百余万円、電波監視費が一億三千九百余万円、電波研究費が一億九百余万円、国家試験施行費が一千六百余万円、その他が八千二百余万円と
なつ
ておりまして、これらは無線局の検査、電波監視、電波研究、無線従事者国家試験等に要する
経費
でございます。 以上で
郵政省所管
各
会計
の
昭和
二十九
年度
予算案
とこれに付随する若干の問題について御
説明
を終りたいと思いますが、なお御質疑によりましてお答え申し上げたいと存じます。
—————————————
山本勝市
5
○
山本
主査
南
建設政務次官
。
南好雄
6
○南
政府
委員
建設
省関係の
昭和
二十九
年度
歳入
歳出予算
案について
概要
を御
説明
申し上げます。 まず
一般会計
から申し上げます。
建設省所管
の
昭和
二十九
年度
歳入
歳出予算
は、
歳入
四十四億九千七百余万円、歳出九百七十三億七千九百余万円でありますが、この歳出に、
総理府所管
に計上されており、
予算
執行の際
建設省所管
に移しかえになる
予定
の北海道開発のための
経費
を合算いたしますと、歳出
合計
額は一千五十三億八百余万円に相なるのでありまして、これを前
年度
の
予算額
と比較しますと、歳出において二十四億六千百余万円の
減額
と
なつ
ております。 以下
歳出予算
案の各項目について御
説明
いたします。 まず治山治水に関する
経費
について申し上げますと、
河川
関係
事業費
は、内地分二百四十五億三百余万円、北海道分三十二億一千万円、計二百七十七億一千三百余万円を計上いたしておりまして、前
年度
に比し、三十三億九千八百余万円、約一割四分の
増加
と相
なつ
て居ります。 また砂防
事業費
は、内地分五十七億四千九百余万円、北海道分五千六百余万円、計五十八億六百余万円を計上いたしておりまして、前
年度
に比し、四億九千百余万円、約九分の
増加
と相
なつ
ており、
河川
関係
事業費
、砂防
事業費
、両者を
合計
いたしますと、前
年度
に比し三十八億八千九百余万円約一割三分の
増加
と相成つております。 治山治水事業は
政府
の重要施策の一をなすものでありまして、昨年内閣に設置いたしました治山治水協議会の治山、治水根本対策に関する結論も一応まとまつておりますので、この趣旨にのつとり、
昭和
二十九
年度
におきましては右諸
経費
をもつて、砂防、ダム、浚渫に重点を置きまして、治山治水事業の施行に遺憾なきを期して行く所存でございます。 道路
事業費
は内地分百十四億一千八百余万円、北海道分が三十五億一千五百余万円、計百四十九億三千三百余万円を計上いたしております。前
年度
に比し二十億八千二百余万円約一割六分の
増加
と相
なつ
ております。これは道路
整備
費の財源等に関する臨時措置法に基く五箇年
計画
の初
年度
といたしまして、道路事業を実施するために必要な
経費
でありまして、最近の自動車の
増加
及び大型バス等の重量車両の
増加
に対処いたしまして、幹線道路の鋪装、並びに橋梁の
整備
を特に促進するとともに、産業開発道路の
建設
を実施いたす
計画
でございます。 なお、このほかに道路
整備
五箇年
計画
に基く事業といたしまして、都市内の重要街路を
整備
いたしますために必要な
経費
として、後に
説明
いたしますように、都市
計画
関係
事業費
の中にも十八億円を計上いたしております。 都市
計画
事業費
は内地分三十九億一千八百余万円、北海道分が一億二千百余万円、
合計
四十億三千九百余万円を計上いたしております。前
年度
に比し三億二千万円、約七分の
減少
と
なつ
ております。これは戦災及び火災復興、街路の鋪装橋梁、立体、交叉の
整備
並びに都市水利等の事業に必要な
経費
でありまして、このうち道路
整備
五箇年
計画
に基く都市内街路の
整備
費十八億は戦災復興関係街路七億、街路事業関係十一億と
なつ
ております。 なお戦災復興事業は
昭和
二十九
年度
を最終
年度
とする五箇年
計画
に基いて実施しておるものでありますが、
昭和
二十八年末における進捗率は五大都市は六七%、その他の都市は八八%平均七七%と
なつ
ており、本
予算
をもつては、若干不足する見込みでありますが、事業実施の都合並びに
財政
上の関係をも考慮し、一部の都市については多少完成
年度
を延長することにいたしたのであります。 なお戦災復興は一応完了しましたが、なお不十分な都市もありますので、重要都市
整備
事業を策定いたしまして、これら不十分な都市の
整備
をはかりたいと考えております。
建設
機械
整備
費は内地分が十億七千五百万円、北海道分一億七千七百余万円、
合計
十二億五千二百余万円を計上いたしております。前
年度
に比し四億八千五百余万円、約二割八分の
減少
と
なつ
ておりますが、
財政規模
縮少の
方針
にのつとり機械の新規購入は極力これを差控え、現有
建設
機械の
整備
活用に重点を置いて
建設
事業の機械化を推進いたしたい所存でございます。 公営住宅
施設
費は内地分が百十七億五千余万円、北海道分が八億四千九百余万円、
合計
百二十六億余万円を計上いたしております。前
年度
に比し十六億一千余万円約一割四分の
増加
と
なつ
ております。これは住宅の不足を緩和するため公営住宅法に基き低廉な賃貸し住宅を
建設
するための
経費
でございまして、これにより
災害
分を含め五万三千戸の公営住宅を
建設
いたす
計画
であります。 次に
災害
復旧事業
について申し上げます。
昭和
二十八年以前発生いたしました北海道を含む全地域における
建設
省関係
災害
復旧事業
費を
建設省所管
に計上いたしております。
災害
復旧事業
費
合計
額は三百三十九億九千二百余万円に相なりまして、これを前
年度
に比較いたしますと、八十六億三千四百余万円の
減額
と
なつ
ておりますが、二十八
年度
予算
には、二十八年発生
災害
を
復旧
するに要する
経費
百七十二億三千余万円を含んでおりますので、実質的には八十五億九千余万円の
増加
と
なつ
ております。 これを各項目別に申し上げますと、
河川
等
災害
復旧事業
費は三百二十八億九千六百余万円でありまして、これにより直轄
災害
につきましては、残事業の大部分を完了し、
地方公共団体
において実施いたします公共土木
災害
復旧
につきましては、二十七年以前の
災害
については重点的に箇所を選択して残
工事
の進捗をはかり、二十八年
災害
については、再度
災害
を誘発する危険のある箇所については出水期までに
復旧
工事
を完了するとともに、特に緊要な橋梁についても本
復旧
を進めたいと考えております。 都市
災害
復旧事業
費は十億九千五百余万円でありまして、都市村落等の排土事業並びに都市
施設
等の
災害
を
復旧
する
予定
でございます。 次に雑件について御
説明
いたしますと、
総額
四十六億六千四百余万円、前
年度
に比しまして十二億三千二百余万円の
減少
と
なつ
ております。本
経費
のうちおもなるものは高速自動車道路調査費千五百余万円、国土総合開発調査費二千八百余万円、防火建築帯造成
補助金
一億円、産業開発青年隊導入費
補助金
千百余万円であります。以上は
一般会計
の
概要
でございます。 次に特定道路
整備
事業
特別会計
につき御
説明
申し上げます。
歳入
予定
額は
借入金
が二十億円、
地方公共団体
貸付金
利子
収入
が一億九千四百余万円、料金
収入
が三千二百余万円、計二十二億二千六百余万円、歳出
予定
額は
歳入
予定
額と同額で、二十二億二千六百余万円、これを前
年度
に比較いたしますと、七億四千二百余万円の
減少
と
なつ
ております。 この
特別会計
は道路
整備
特別措置法に基き国または
地方公共団体
の行う有料道路の
建設
に要する
経費
を経理するものでありまして、
昭和
二十九
年度
中には総事業箇所二十三箇所のうち戸塚国道外三箇所は完成する
予定
でございます。 なお本
事業費
は前述いたしました
通り
、前
年度
に比しても
減額
と
なつ
ており、これではとうてい十分の成果を期待することはできませんので、今後一般公募債による
資金
の獲得等に努め、事業の促進をはかりたい所存でございます。 終りに住宅金融公庫の事業
計画
について一言申し上げます。
昭和
二十九
年度
の貸付契約額の
総額
は百八十億円を
予定
いたしており、その原資として
一般会計
出
資金
が五十億円、
資金運用部
より
借入金
が九十五億円、回収元金等が三十五億円、
合計
百八十億円を
予定
いたしております。その貸付戸数は一般が三万戸産業労務者用が一万戸であります。 以上簡単に御
説明
いたしましたが、詳細については
政府
委員より
説明
いたさせます。よろしく御
審議
のほどをお願い申し上げます。
山本勝市
7
○
山本
主査
これにて
説明
は終りました。 次に質疑に入ることとなりますが、審査の便宜上まず
郵政省所管
、それから次に
建設省所管
、最後に
運輸省
所管の順で質疑を行うことにいたします。
—————————————
山本勝市
8
○
山本
主査
それでは
郵政省所管
について質疑を許します。
羽田武嗣郎
君。
羽田武嗣郎
9
○羽田委員 郵政大臣に公労法の適用者と非適用者との
給与
のアンバランスの問題についてお尋ねをいたしたいと存ずるのでありますが、御承知のように、現業官庁といたしましては、
郵政省
が二十三万の公労法適用者を持つており、これに対しまして非適用者が二万一千九百四十一名、それからその他
大蔵省所管
に属するアルコールとかあるいは印刷局あるいは造幣局、それから農林省の林野庁、林野庁の公労法適用者は一万九千七百十人に対して非適用者が一千四百人というような数を数えております。これらの現業官庁の公労法適用者の数は、全部で二十六万一千百二十名を算しております。これに対して非適用者、すなわち現業の官庁の監督者たるものが二万三千四百三十人という数に
なつ
ておるのでございます。そのほかに公社である専売公社、
日本国有鉄道
、あるいは電電公社、こういうものは今申し上げました官庁よりも、もつと多数の現業者並びに非公労法適用者があるわけであります。ところが去年この公労法適用者の
給与
ベースが上りましたために、非適用者すなわち監督者の
給与
がそのまま置いて行かれてしまつたのでありまして、このために非常な不合理が生じておることは大臣もとくと御承知の
通り
であります。このために監督者の方が
給与
が安くて、監督される方が高いというようなことで、人事の交流が行き詰まり、また非適用者の志気振わないというような状態を呈しまして、こういう現業というような現場の問題でありますだけに、非常な深刻なる不合理が露出をいたしておるような現状でございます。このアン・バランスを何とかすみやかに修正をいたすということは絶対に必要でございまして、
郵政省
の郵政本員会においても、昨年は特に特別委員会をつくりましてこの問題の解決に当り、大臣も熱心にこの解決に御努力を今日までして来てくだすつておるのであります。そこでこの国会におきまして、幸いにこの四月から実行するこのアン・バランスの修正をして行くように何とかしなければいかぬ。それにはどうしてもここに立法措置を講じまして、こういつた現業官庁あるいは公社というような現業をあずかる部面における公労法非適用の監督者に対しましては、一般公務員と違つた
給与
制度の特別な措置を講ずることが必要ではないかと考えるのであります。これに対して
政府
は、どういうふうに考えられておるか、特別な措置すなわち立法措置を講ずる御意思があるかどうか、またそういう法律をいつごろお出しになるかどうか、そのことをまず第一にお尋ねをいたしておきます。
塚田十一郎
10
○
塚田国務大臣
御指摘の点はまことにごもつともな点でありまして、私どもといたしましても、ぜひこれは直したいというように考えておつたわけであります。現実の問題といたしましては、この問題を最初に取上げました当時も、非常に大きなアン・バランスは、五現業の公労法適用
職員
については、仲裁裁定に基く
給与改訂
、その他の
職員
については、人事院勧告に基く
給与
の
改訂
である程度の是正はできたのでありますけれども、なお十分に行かない面が相当あるというようなこととそれからかりに今までの状態はそうなりましても、この問題は長く同じような形で残るものでありますから、どうしても何か特別な法的措置を講じて、今後こういう問題が起きないように根本的に解決する必要があるのではないかというように考えましたので、いろいろと検討の結果、単に
郵政省
だけでありませんで、ただいま御指摘の五現業全部につきまして、企業官庁
職員
の
給与
に関して何か特例を考えようということで、企業官庁
職員
の
給与
に関する特例法というような名前で、この間のアン・バランスを是正する法律を今準備中でございます。大体関係各省の意向がまとまつておりますので、今会期中に必ず御提案申し上げて御
審議
願えるという段階になると考えております。
羽田武嗣郎
11
○羽田委員 ただいま大臣から承りますと、
政府
としても、この不合理を是正するために公企業官庁
給与
に関する特別法というような法案を、この国会に御提案になる用意を着々と進められておるということでございますが、それはいつどう出るのか。その時期もあまりおそく
なつ
てはいかぬと思いますので、特に時期の問題、進行状態についてお尋ねをしておきます。
塚田十一郎
12
○
塚田国務大臣
大体関係各省の意見がまとまつて、今内閣において法案の準備をしておるようでありますので、三月の初旬には国会に御提案申し上げることができると考えております。
羽田武嗣郎
13
○羽田委員 もちろん
給与
のことでありますから、法律は四月一日から実施されると存じますが、その実施の時期をひとつお知らせ願いたい。
塚田十一郎
14
○
塚田国務大臣
御想像の
通り
、四月一日から実施に間に合うということなんであります。
羽田武嗣郎
15
○羽田委員 郵政大臣に対する私の質問はこれで一応
打切り
ます。
山本勝市
16
○
山本
主査
次は
川島
君。
川島
君に申し上げますが、大臣は参議院の
予算委員会
の関係がありますから大臣の方に先に御質問願いたいと思います。
川島金次
17
○
川島
(金)委員 塚田さんの御都合もあるようですから、最初に大臣に少しだけ質問をして、あとはこまかいことになりますから事務当局にお伺いをしておきたいと思います。 まず第一にこの機会にお伺いしたいのは、
郵政省
が最近年々発行して参りました公債の関係であります。この公債の売行きについてはいろいろの支障があるようであります。従つてまたなかなか順調に行つていないのではないかということを、私は聞いておるのでありますが、ことに昨年の債券の発行額、その消化された額、あるいは一般公募のもの、あるいはまた電話架設の際に引受けを割当てておりますものとの関係についての数字が、わかつておりましたならばこの際聞かせておいてもらいたい、こう思うのでございます。
塚田十一郎
18
○
塚田国務大臣
主として電気通信事業に関係しての公債のお尋ねであると考えるのでありますが、二十八
年度
は、
予定
では大体公募七十五億と、加入者引受けの分納五十億を
予定
をいたしておりまして、加入者引受けのものはむしろ
予定
よりも突破するという状況に
なつ
ておるようでありますが、公募の部分は、七十五億のうち今までに六十億だけ発行済みでありまして、あと十五億残つております。あと三月一ぱいあるわけでございますが、御懸念のように若干残るかもしれないという状態であります。二十九
年度
は、そういうようないろいろな事情も考慮いたしまして、公募の分七十億と、加入者引受けの分五十億、
合計
百二十億だけを一応
予定
いたしておるわけであります。
川島金次
19
○
川島
(金)委員 事業のいろいろな年次的な
計画
が立てられて、それに必要なる
資金
源としての公債
計画
でありますが、その公債
計画
が
見通し
を誤つて順調に行かないということになりますと、
建設
事業
計画
にも著しい支障をもたらすことは言うまでもないのであります。今塚田さんのお話のように、二十八
年度
において七十五億を
予定
したが消化されたのは六十億、まだ残額が——もつとも
年度
内でありますからこれから若干の消化はあろうと思いますが、この残つた十五億は
年度
内に消化できるという
見通し
のあるものかどうか、それはどう、お考えになりますか。
塚田十一郎
20
○
塚田国務大臣
多少困難はあつても、大体消化できるのではないかと思うのですが、最悪の場合は、あるいは五億くらい消化できない部分が残るかと、こういう
見通し
でございます。
川島金次
21
○
川島
(金)委員 そこでさらに、これは意見にもなりましようが、二十九
年度
はこれらの事情を勘案して七十億に押えて行こうということが
説明
されておりますが、二十八
年度
においてすらも七十五億が非常に危ぶまれておるという実情にあるにかかわらず、二十九
年度
は、
政府
の政策からいえば、一種のデフレ政策であり、国民の所得も減る、物価も下るという
見通し
で、不景気政策というものが一連の政策として押し進められて行こうという実情の中にあつて、二十八
年度
の七十五億でさえも、かりに今予想されたように五億不消化のものが出るとしても、結局においては七十億であるというにもかかわらず、今度は二十九
年度
においてその七十億を
予定
いたしまして、はたしてそれで支障なく進むかどうかということは、非常に疑問ではないかと私は思う。そういうことになりますと、あなたのところの一切の事業
計画
というものを根底から修正をしなければならない事態に立ち至ることは、理の当然な事柄ではないかと私は懸念をするのでありますが、その点はいかがでございますか。
塚田十一郎
22
○
塚田国務大臣
この点は、私どももことしのいろいろな
計画
をいたします場合に、ずいぶん懸念をし、検訂いたした点なのでありまして、これは大体こういう
見通し
をしておるのでございます。電通関係の分だけでなしに、公募全体は、御承知でもありましようが、ことしは
政府
の
資金
計画
全体の上において三百九十億ということに
なつ
ております。この数字は、昨年は三百九十五億ということに
なつ
ておつたので、五億だけ詰まつておる。五位の
減少
では、御指摘のようなことしの
財政
、金融情勢を見ると、非常に無理じやないかという感じがいたしますが、ただもう一つ考えられますことは、昨年の三百九十五億という数字は、昨年の
予算
が遅れました関係で、
年度
の途中、八月ごろからいよいよ募集に入りましたので、非常に無理があつたわけでありますが、私どもの昨年の七十五億も八月から公募に着手いたしまして、いよいよ
年度
末に来て、先ほど申し上げましたような状態であるということで、ことしは四月から平均して募集して参りますれば、そう困難ではないのではないか。むしろ
予算
を編成した途中におきまして、金融界の情勢を私自身もいろいろ確かめました時分の空気では、電通の債券の場合には、全体としてまだ二十億や三十億の引受けができるのではないかという
見通し
があつたと思いますけれども、金融政策全体の関係で、大蔵省側の強い要請もあつて、電通の分は七十億というふうに押えられたわけであります。その点におきましては、二十九
年度
の七十億は公募に困難をするということは万ないのではないかという
見通し
を持つております。
川島金次
23
○
川島
(金)委員 塚田さんは金融
財政
についても党内における相当の勉強家の一人であります。言うまでもなく
政府
は、
財政
引締め、金融引締めの一連の政策、むしろそういう一つの大きな看板を立てておるにかかわらず、反面において、こういう事業
計画
に伴う
資金
源の
予定
額というものは、その政策とうらはらのことをやつておるというような感じが私にはいたすのであります。また、そういう感じのみならず、実際においてそういうことになるのではないか。これだけの
資金
源にこれだけの公債が必要だ、しかしながらその公債の必要だということは
予定
されても、実際にはその公債がいろいろの事情において消化し切れない条件がだんだん積み重
なつ
て来るのではないか、そういうようなことを私は考えるので、
政府
の
財政
政策、金融政策と、また一方にこうした面におけるところの
見通し
というものとの間に、非常に矛盾があるような気がいたすのであります。もし万全の努力を払つてそういうことがないのだということならば別であります。また私はそういうことをここで議論をしようというのではないが、そういう矛盾的のものが非常に感しられるので、一応念のために伺つておいたのでありまして、それ以上はあとでまた事務当局と話合つてみたいと思うのであります。 そこでもう一つ伺つておきたいのですが、今の郵便貯金の
利子
が適切なものかどうか、
政府
の
財政
金融政策の基本的な立場から見た場合に、郵便貯金の
利子
が、低物価政策と並行した上においてこのまますえ置いてもいいのであるかどうか、あるいはまた、郵便
利子
についても日銀利しと同様に再検討をこの機会に加える必要はないかどうか、こういう点については大臣はどのように考えておりますか。
塚田十一郎
24
○
塚田国務大臣
これは郵便貯金の
利子
をどういう考え方で上げ下げをするかということが非常に問題になると思うのであります。結論から申し上げますならば、今の状態では、大体この辺の
利子
で、今これを動かそうという考え方は持つておらぬのでありますけれども、それを上げ下げをする場合の考えとしては、これは金融政策全体としての大きな観点からというよりも、むしろ市中金融の
利子
と市中預金の
利子
というものと絶えずバランスをとるということに重点を置いてこれを考えるということの方が、今までも大体そういう考え方で参つておりますし、またその方が妥当ではないか、こういう感じをいたしておるわけであります。
川島金次
25
○
川島
(金)委員 唐突に郵便貯金
利子
を取上げたから、塚田さんには異様な感じがあつたと思いますが、私つくづく考えるのに、
政府
の今度のデフレ政策——
財政
緊縮、金融引締め、そして低物価政策を推し進めて行くという、こういう一連の政策を一応是認した立場にかりに立つたといたしました場合に、一体
政府
の今日このままの金利政策で、そういう事柄が完全に遂行できるかどうかということに非常な危惧を私は感じておるのであります。金融政策全般の問題をここで論じてもしかたがないのでありますけれども、そういう問題もきわめて大切なことでありますので、その金融関係の一つの窓口にも
なつ
ておりますこの郵便貯金の金利というものも、やはり全般的な
政府
の金利政策の上に立つて考えて行く必要がある。私は郵便貯金の
利子
だけを考える必要があるというのでは決してないのでありまして、全体的な、総合的な立場に立つて
政府
のいわゆる金利政策というか、金融政策の一つである金利政策というものの再検討をしなくては、私は
政府
のねらいとする低物価政策の遂行に、必ずしも満足な動きを進めて行くことはできないのではないか、こういうような感じがいたしますので、あえてお尋ねをいたしたのであります。その点は郵政大臣としては所管違いになりますけれども、特にあなたはそういう方面にも造詣がありますので、この機会にもう一ぺんそういう大局的な立場に立つての御見解を聞かしてもらえばけつこうであります。
塚田十一郎
26
○
塚田国務大臣
これは大きく金利政策ということになりますと、私は両面の要請があると思うのでありまして、一方日本のいろいろな諸物価の中において金利の占める要素がかなり大きいものがある。ことに業種によつてそれが大きく
なつ
て、そのためにコストの引下げができないものがあるということも事実でありますが、それと同時に今のいろいろの総合的な
財政
金融政策の観点からするならば、私は貯蓄を増強するということが非常に大事じやないか、こういうように考えておるわけであります。今の
政府
の政策の基本の考え方は、不要不急の消費を押える、そうして余つた金をなるべく貯蓄の面に吸い上げて来る、そしてそこのところから出て来た
資金
をもつてインフレというものを起さずに、必要な
資金
をまか
なつ
て行くという考え方に
なつ
ているわけです。従つて一方物価を引下げるという立場からすれば、貸し出す金利はなるべく引下げたい。しかし一方貧金を集めたいという考え方からすれば、預金の
利子
というものはそんなに引下げられないというような、両面の相矛盾する要請があると私は思う。従つて金利政策をどうするかということは、貸し出す金利はできるだけ低く、預かる金利はそんなに下げないということの調和点を見出して行くというところにあると思うのでありまして、金融機関の
合理化
なり何なりをしまして、なるべく高く預かつて安く貸し出せるという条件をつくつて行くということが、金利政策の基本ではないか、こういうふうに考えておりますので、少くとも金利というものについて、今の段階ではそう下げるということは、特に郵便貯金の場合には考えられないのではないか、こういうように考えておるわけであります。
川島金次
27
○
川島
(金)委員 私は繰返して申しますが、郵便貯金の
利子
が高いではないかという意味で言つているのでは決してないのであります。ただ、たまたまこの席では郵政関係の問題が取上げられておりますので、質問の糸口として郵便貯金の
利子
の問題を取上げたわけであります。御承知の
通り
今日当面の問題と
なつ
ております造船
建造
計画
の
利子補給
のごときも、あるいは
地方
鉄道
の非常に困難なところに対する
利子補給
、
政府
は
利子補給
問題をいろいろここに重
なつ
て実施されて来ている。それはひつきようするに高金利ということが問題に
なつ
て、そのてこ入れにそういうことがなされておるので、この機会に
政府
は、ことに市中銀行の金利の問題を真剣に
なつ
て考える必要があるのではないか。塚田さんも御承知の
通り
、今日の日本全国の主要なる銀行の資産とかあるいは利益の配当などの実情を見た場合に、一体市中銀行のあの高金利が、はたして
日本経済
再建のために妥当なものであるかどうかということは、十分これは再検討する機会が到来しているのではないかという感じが私はいたしますので、この機会に郵便貯金の
利子
問題を取上げて、それを糸口として、あなたに金利問題を尋ねておこう、こういうつもりでございまして、もとより
資本
の蓄積の必要性ということは、われわれも否定するものではありません。従つて
資本
蓄積のためには、金利というものも必ずしも安くては、またこの
資本
蓄積はなかなかむずかしいというようなことも私どもわかつているのでありますが、今日の金利というものを十分に検討し、しかもそれがすみやかになされなければならぬような事態に来ているのではないか、そういうことなくしては、私は低物価政策というものの一連の政策を推し進める上において非常に欠けるところがある、こういうつもりでお尋ねしたことを御了承願いたいと思うのであります。 もう一つついでに伺つておきますが、
政府
では最近年賀郵便を特別に出している。ことにことしは、この年賀郵便は相当な売上げを示したということであります。その売上高はあとで伺いますが、この年賀郵便の売上げの問題を、私は特に言い立てようというのではありませんが、年々歳々この年賀郵便の売上げ増進に、いわば
政府
がやつきと
なつ
ている。この売上げ増進にやつきと
なつ
ているということは、役所の立場からいえば、できるだけ
収入
をふやすという立場において、当然なすべき事柄であることは私もわかるですが、今日
政府
は、いわゆる国民の浪費を節約せしめるのだという一つのゆるぎなき政策を一本打立てて、国民の前に乗り出して来た。その乗り出して来た
政府
の立場において、去年よりは今年、今年よりは来年という形において、年賀郵便の売上増進を、あらゆる努力を払つてするということにおいて、いささか矛盾がないかどうか、こういう問題は当然起つて来るのではないかと思う。この事柄について塚田さんに質問することは、少しく意地が悪いようでありますけれども、おそらく
政府
としては、今年大分昨年よりは売上げが高まつた、この調子でひとつ
昭和
三十年の年賀郵便も大々的に宣伝し、力を傾けて売り上げて行こうという
計画
が、おそらくとうにできているに違いない。そのことと、いわゆる国民の消費節約ということを強調する
政府
とのこの政策の上に矛盾がないだろうか。これは非常につまらぬ問題ではあるようでありますけれども、一面また非常に大切な問題ではないか、かように思いますので、その辺の塚田さんの御見解をひとつ聞いておきたいと思います。
塚田十一郎
28
○
塚田国務大臣
消費節約というものの考え方が、一年に一回の年賀交換というものまでも緊縮しなければならないというところへつながつて行くかどうかは、これは具体的な問題としてはかなり問題だと思うのでありますが、しかし少くとも考え方の問題としては、御指摘のような点は確かにあり得ると思います。まあやつきに
なつ
てたくさん売れれば売れるだけいいというような考え方は、あるいは御指摘のようにとるべきではないかと思うのでありますが、ただ本年などの実例に徴しましても、ひとつ大いに売つて大いに利益を得ようというような考え方で成績が上つたというよりは、年々非常に需要が
増加
して参りまして、需要増というものに応ずるという態勢を整えるだけで、去年よりは今年、今年よりは来年というように、相当たくさんの年賀はがきをふやして行かなければならない。今年も、現に希望に足りないくらいであつたというように承知しているわけでありますが、大体そんなような情勢であつて、必ずしも考え方としては、大いに宣伝をして大いに買つていただくというような考え方には
なつ
ておらないという点をひとつ御了承願いたいと思います。
川島金次
29
○
川島
(金)委員 それは塚田さんは実情を知らぬからそういうふうに言われておるのであります。実際はそうではない。これはやつきの活動なんです。また第一線におる人の目の色をかえたやつきの姿は、むしろ涙ぐましいものがある。ことしも役所では相当売上げ増進の
予定
を立てておることは私は知つておる。知つておりながら聞いておるのでありますけれども、これは議論をあまり深くしようと思うわけではありませんが、そういう矛盾を感ずるので一応尋ねておいたわけであります。 それから最後に、これは風説であるのが多いのでありますから、特に声を大きくして言うつもりはないのです。これは郵政大臣は直接関係はなかろうと思う。しかしその責任はあるのであろうと思いますが、電話の架設の問題であります。東京を中心にして、大体関東のことでありますが、非常に情実的なものがからむ。そして同じ架設可能の地域内にあつても、その申入者の顔、あるいはまた申入者が第一線のそれぞれの仕事に携わる急所の方面にいろいろの運動をしなければ、とても架設が促進されない。そして成規の手続をしたのでは半年も一年もかかる。そこで何らかの形で動くと、比較的にそれがたやすく進む。これは私は風説としておきたい。風説としておきたいから具体的には申し上げませんが、そういうきらいがないではないのであります。そういうことはあつてはならないと思います。この点について大臣におきましても監督の責任がありますし、またそういうことをほつておいて、重
なつ
て参りますと、だんだんいろいろな問題が外に現われて来ると思います。そして国会などで問題に
なつ
て、
郵政省
のせつかく働いておる人たちの全体の名誉を傷つけて行かなければならぬ。それがまたやがて政治問題になれば、内閣の土台骨もゆすぶらなければならぬというようなことにもなりかねぬと思うのでありまして、そういうことについて大臣は聞き及んでおるかどうか、もし聞き及んでおるとしなくてもそういうことがあるやにいわれておりますので、特にその問題については今後監督を一層厳重にされ、そしていささかもそういう疑いのないように、そして厳正に公平に、やはり必要なるところ、そしてしかも架設可能なるところには順次その要求に応じて電話の普及を促進する、この大局的な立場でやつていただきたい、こう私は思います。いろいろなことを聞いておりますけれども、この席上では申し上げません。そういうことについて十分御注意を願つておきたいということ、だけ申し上げて、あなたに対する御質問を一応終つておきます。
塚田十一郎
30
○
塚田国務大臣
まことに御親切な、しかも好意ある御忠告をいただいてまことにありがたく存ずるわけでありますが、実はそういう問題は私も全然聞かないことはないのでありまして、いろいろな機会にうわさを耳にすることがあるのであります。私もそういうことはないだろうと確信をしておるし、また確信をしたいのでありますが、うわさがひんぴんと出るならば、何がしかはあるかもしれないという感じを持つております。ことにこの問題は、昨年も当
分科会
におきまして、本年もこの
分科会
においでの
富田
委員から非常にきつくおしかりを受けたのであります。そのときもお答えをしたのでありますが、もちろんそういうような実例があつた場合には、そしてそれが非常に質の悪いものであるならば、厳罰に処するという
方針
で向つて行かなければならないと考えておりますけれども、何にしましても、今までのように非常に需要者が多い、それに対して架設し得る能力が非常に少い場合には、需要と供給の関係でそういう危険が起る要素をたくさん持つものでありますから、なるべく早く無制限にそういう需要に応じられるという体制をつくる、無制限に応じられないまでも、相当大幅に希望者には架設ができるという体制をつくるということの方が、私はこの問題の根本的な解決策であると考える。従つて昨年の電話料金の値上げのときも、別途の面からはずいぶん反対論なぞもおありのようであつたのでありますが、特にお願いをして御賛成を得て、相当大幅な値上げを御承認いただいたのであります。その結果都内あたりはすでに青空開通というように、申込みがあれば無制限に開通ができるというようなこともできておりまして、そうなればもちろんそういう問題も自然解消して参る。そういうような面に本質的な解決策を頭に置いて行きながら、なお当面出ておりますそういり問題につきましては、御注意の趣旨をよく体して、十分監督をしながら是止して参りたい、こういうように考えております。
羽田武嗣郎
31
○羽田委員 ただいま私中座いたして、
川島
君の質問の内容を承らぬで関連質問してはまことに恐縮でありますが、大臣のお答えに
なつ
て大体の御質問の趣旨もわかりますのでお尋ねをいたすのですけれども、実際私もそういう例を先般一つ持つております。私の友人で、弁護士をし、かつ通産省の顧問弁護士をいたしており、また通産省の役所の中にある一つの統計の財団法人の理事長もいたしている者がございます。場所は世田谷でありますが、こにこもうすでにずいぶん前からお願いをいたして、初めのうちは枝の電話というような話で、それで進んで、やがて今度は単独に線が入つたというので、単独に引いてもらうというように進んでおつたのでありますが、いざそこに十何軒も電話が引かれたのにもかかわらず、その私の友人のところには引かれなかつた。窓口に聞いてみますと、
工事
上支障あり、こういう回答を得まして、私実はびつくりいたしたのです。というのは、ちようど友人の家のへいのところに最後の棒が立つておりまして、その支柱から近所の家のひつぱつて行つているのです。ですからもう一間か一間半もただ上からその家の中に流せば、そのまま電話が架設せらるべきはずであります。これはわれわれしろうとが見ましても、また専門家が見ても、あるいは赤ん坊が見てもそうだと私は思うのです。それにもかかわらず
工事
上支障があるというようなことを回答とし、そういう扱いでそこに引かないということは、私は非常にふしぎなんです。こんなばかなことをしておつて、電電公社なんというものがあり得るかと実は憤慨をしているのです。私は行政訴訟までやりたいと思つたのです。こういう現実の事実があります。吉沢局長もそれは知つております。こんなことは吉沢局長に大臣はお聞きいただきたいのでありますが、そういうような不合理なことをやつては、電電公社の民衆に対する
サービス
の向上なんというものはできつこないと思うのです。子供が見てもわかるようなことを
工事
上支障ありというような答案を出して、そして当然引かるべき筋合いのものをそういうふうにして荏苒と拒否する。そうすれば何か買収しなければならぬ。金でも持つて行つて現場の諸君を買収しなければ、こういうことができないのじやないか。私は非常に憤慨して、実は行政訴訟をやりたいと思つたくらいです。そういう点について、大臣の所信を承りたいと思います。
塚田十一郎
32
○
塚田国務大臣
具体的な事例でありますので、よく調べませんと何でありますが、御指摘のような事情があつて、そして何らその
工事
上支障というようなものが認められないというようなことであれば、おのずから何か別個の動機があつてやつておると思いますので、十分調査しまして、もしも正しくないという考え方であるならば、これは是正をするものは是正をする、さらに当の責任者にしかるべき処分ということも考えなければならない、こういうふうに考えております。
西村久之
33
○
西村
(久)委員 今の問題に関連して、私も一、二点お尋ね申し上げてみたいと思います。 私のお尋ねするのは、各局の関係の電話数が、局によつては片寄り過ぎて多くなり、局によつては少な過ぎるというような形で、配分が公正に行かない関係等があるのではないかということを心配いたしますので、その配分等の関係は、東京都内を例にとつて申し上げましても、東京都の各局の配分関係につきましては、何か標準を立てておやりに
なつ
ておるのかどうか。それで大臣が先ほど申された
通り
に、
川島
君の質問に対するお答えの際に、配分が公正に行き渡つて、最近は大分飽和の状態にあるから、
川島
君のお考えのような点は是正されつつある、それは私も認めまするが、政治の中心地である東京都内の電話の数だけをふやして行つて、飽和状態に立ち至らしむる結果が、おのずから
予算
に限度がありますので、他の
地方
に累を及ぼすおそれはないか。
地方
は電話が架設にならないで困つておる、東京都はある局によつては多過ぎる、こういうようなことになると、配分に非常に不公平を来すきらいがありますし、その結果が
川島
君なり、今お尋ねになりました羽田委員の御意見のようなことができがちに
なつ
て来るのじやないか、少いところは競争する形になりますが、その配分についてどういうふうな考え方を本省でとられているか、この点をお尋ね申し上げてみたいと思います。
塚田十一郎
34
○
塚田国務大臣
これはこまかいことは、後ほど公社もしくは監理官の方からお答え申し上げるようにいたしたいと思いますけれども、おそらく全体の設備
資金
を大きくどういうぐあいに割振つて行くかという考え方の場合におきましては、御指摘のような考え方で、なるべく公平にやつて行かなければならないと思うのであります。さて、たとえば
昭和
二十九年の増設
計画
になりますと、おのずから、今度はどこの局というふうに
資金
を割振つて順位をつけてやつて参りますので、そう必ずしも行きかねる面があるのではないか。むしろ今の都内のある局は比較的楽に引ける、ある局は非常に引くのが困難だというのは、ただ金だけを配分して、そしてそこのところに引くまでの材料、そういうものだけを考えればいいのではなくて、やはりその局自体の中に備えつける
施設
というものが必要なのであつて、中にそれだけの
施設
があつて切めて加入者の数というものができる。中に備えつける
施設
は、たとえば日本全体として一万
増加
できるという場合に、それを広くみんなに割振るわけには行かぬと考えますので、ある
施設
をすると、ある局に相当数の加入の余裕ができる。しかしそれは他の局にはそのときに行かないでも順次他の局へ行くというような関係に
なつ
て時期的に若干ずれて行くものが出ているんじやないか、従つてある局は非常に青空開通というものさえできているにかかわらず、他の局はやはり非常に開通が困難だというような事情に
なつ
ておる、全体の考え方としては御指摘のように、地域的に片寄らないように
資金
その他も配分して行かなければならないと考えるのでありますけれども、年次
計画
の上で時期的に若干そういう問題が事実の要請の上からできて来ておるのではないかと考えます。なお御指摘の考え方で十分検討してみたいと思います。
西村久之
35
○
西村
(久)委員 大臣の
説明
は私はよくわかりますが、東京都内の関係だけを見ましても非常に多く電話が引かれる、五本申し込めば五本とも一ぺんにかかる、そうしてなおゆとりがある。ところがかからないところは羽田君の御意見の
通り
かからない。羽田君の御意見に対しましては私はそのまま賛成するものではございません。電話の架設につきましては電柱その他の関係もあり、隣の家まで来ておつてもその隣の家には引かれないというようなことは、技術的の関係もあつて、電線を新しく引込まなければならないというような家もあるであろうということを考えますれば、限りある金でやるのでございますから、局としてなかなか引きにくいという関係を伴うこともないとは限りませんので、一概にはそういうふうに言えませんけれども、多い局のところは申し込んだらどんどんかかる、少い局のところはかからない。その結果電話の価格はどうかというと、多いところは十万円で売買ができる、少いところは二十万円出さなければできない。同じ都内でそういうふうな電話の価格そのものに、局のいかんによつて値段の開きが大きく
なつ
ているということは、私は好ましいことではないと考えるのであります。それで大臣のお話の
通り
に、局の
施設
のいかんによつても違うであろうというお話でございますが、そうであるといたしますならば、少い局の
施設
をかえられて、そうしてなるたけ公平を保たれるように配分に御努力を願いたい。高いものをどうとかと批判はいたしませんが、価格の面からあまり等差があるような配分は好ましいことではないのではないか、こういうふうに考えるのであります。
羽田武嗣郎
36
○羽田委員 私は現業官庁というものは何といつても直接
サービス
がうまく行つているかどうかということが一番大切で、それが大衆の支持を得、また公社の存在理由というものがはつきりいたすのでありまして、そういう意味において、ただいま私の申し述べました例は、現場でひとつよく見てもらつて、そうして、なるほどこれは、今
西村
委員から御指摘でありますが、全然特別な例ではなくて、一間か二間ぐらいでその線がすぐそのまま部屋の中に引けるという場所であります。私はその意味において公社を監督せられている金光監理官並びに吉澤営業局長、このお二人でもつて、ぜひこの一つの例をつぶさに現場について見てもらつて、書類によつて報告書を出してもらいたい。この
審議
の継続中のあさつてまでにこれを出していただきたいということを要望いたします。こういうような一つの例を見て、これはいかぬ、現場は間違つたことをやつておるということを、監督者たるものは強く腹に把握して、そうして今後の
運営
をうまくやつて行かなければ、とうていこういうほんとうの大衆の支持は得られないと私は思う。また公社のほんとうの使命は果せないと思います。その意味において、あさつてまでに現場の報告を書類あるいは口頭によつて、この席において御発表いただくように、ひとつ大臣からそれぞれ御下命をいただきたいということを要望いたします。
塚田十一郎
37
○
塚田国務大臣
そのようにとりはからいます。
山本勝市
38
○
山本
主査
ちよつと私が大臣に伺つておきたいのですけれども、今電話の架設に関して、いろいろ悪いことが行われておるという、これはたびたび起るのですが、それに対して大臣が、何分需要が非常に強くて、それに対する供給力が弱いところにそういういろいろな間違いの原因もあるというお考えでありましたが、ごもつともだと思まいす。それでなしに綱紀粛正でただせる部分もありましよう。しかし非常に需要が強いため、需要者自身から要求されなくても、無理に持つて行くという場合もあり得るんじやないか。それをただす方法として、電話をふやすということで需要を十分に満たすほど供給する。これは根本解決に違いりまあせん。しかしそれは財力に限りがあつてとても行かないということで、結局行き詰まるとしますと、その解決策としての一つの方途は、これはいろいろな関係があると思いますけれども、やはり価格で調整しなければなりません。つまりあまりに需要が強く供給力がないというときに、要するに需給関係からいつて安過ぎる。それは需要者からいえば安い方がいいにきまつておりますけれども、しかし安過ぎるから需要が供給をひどく突破する。それをある程度価格を上げることによつて、需要が押えられて、供給のひどいアン・バランスをなくし得るのではないか。そうすればそうするまで、またいろいろな障害はありましよう。ありましようけれどもそこの軽重を考えて、結局需要供給のバランスをとるためには、供給力を
増加
するということのほかに、もう一つ価格でバランスをとるということも考慮の余地はないか。そういう点で、今後の根本的な解決策について、何か組織とか制度とかいう上にも考慮の余地があるんじやなかろうか、この点については大臣はどうお考えになりますか。
塚田十一郎
39
○
塚田国務大臣
これは昔非常に安く加入ができたというときには、そういう影響が非常に強くあつたと思います。しかし公債などをお持ち願うというその額もかなり大きくなることによつて、かなり御指摘の面からの調整はできておると思うのであります。しかし価格をかえるということ自体が、国の政策としてやつておるものとして非常に問題があるのと、それから一旦そういう価格でやることにしましても、その価格を国の政策でいつまでも
維持
できるという方法はないのでありまして、そこのところは、たとえばある局の電話が非常に申込みが多いからして、相当高い加入料、架設料をとるということにいたしましても、そこのところに設備拡張をいたしまして、今度ゆとりができると、どすんと需要に応じられるように
なつ
て、また金が自然下つてしまうというような関係になる。公社がどういうぐあいにするかによつて、その価格それから需要供給の関係がどうでもなるものを、自分の方で
施設
しないでおいて、そうして希望が多いから価格を高くするというようにはなかなか行かないのではないかと実は考えております。しかし大体はそういう感じで、だんだんと持つていただく公債の額などもふやしたりして、調節はできておることはおると思います。なおよく公社の当局の方からお聞き願つて、しかるべき方法があれば御検討願いたいと思います。
川島金次
40
○
川島
(金)委員 私は野党でありながら非常にやわらかく塚田さんに申し上げたのでありますが、かんじんかなめの与党内からまことに強硬な意見が質疑の形で出て、ちよつと私の方で面くらつた形です。いずれにしても大臣はおりませんが。当面の責任者はおられると思いますので、そういう問題について一層の注意を傾けて、今羽田君などから申されたような具体的な事例が出て来ないように、最善の努力を
郵政省
の名誉にかけてやつてもらいたいと思う。 そこで続いて事務当局の方に、勉強不足な点があつてわかつておらないところがありますので、少しこまかくなるので恐縮でありますが、若干この機会にお尋ねをしておきたいと思います。今電話の問題が出ました。電話はなるほどお話がありましたごとくに、一部の地域においては、相当需給の均衡がとれてそうはげしい争奪戦をやらぬまでも、電話の需要が満足とは言えませんが、大体において満足に近い程度に
なつ
ているところもあるけれども、場所によりますと、とにかくまだ問題にならない。そういうところからいろいろな問題起つて来る要素もあるわけでありますが、この電話の架設政策というか、架設
方針
が、大都会集中主義というか、そういつた形に若干なり過ぎておるのではないかという感じが私にはいたす。これは私の感じであつて、数字をあげればそうでないことになるでありましようが、もしそうでないのだといたしますならば、この電話架設の基本
方針
というか、そういつた事柄についてのきまつた
方針
があるでありましようから、それをまずひとつ聞かせていただいて、あわせて全国的の電話架設の現状が戦争前に比較いたしまして、人口その他の勘案においてどういう姿に
なつ
ておるか、その点もお答えをしておいていただきたいと思います。
靱勉
41
○靱
説明
員 先ほど来から電話架設について御注意がありました。この点については、今後さらに一層厳重なる監督をやりますし、現場において、加入者あるいは加入希望の方々に対しましてよく御
説明
がつくように、なお
サービス
の
改善
に努力いたしたいと思います。 先ほど来架設の全国的な配分等について御賀問がありまして、ただいまその基本
方針
という御賀問でございますが、大体におきましては、私ども需要に応じまして架設
計画
を立てる、これが基本
方針
であります。そこで一番需要の多いのは何といつても大都市でございまして、これの需要が中都市あるいは町村等に比べまして非常に多い。私ども終戦後具体的にはいわゆる大都会中心主義をもつて戦災電話の復興並びに新規の需要に対する拡張
整備
をやつて参つたのであります。戦前の最高は百八万ということでございましたが、現在は百六十五万ということに
なつ
ておりますし、本
年度
におきましては、特に増設はその工程が
予算
以上に進捗いたしております。終戦直後におきましては、百八万が五十万余りに半減いたしたわけでありますが、この七年間に三倍程度の復興率を示した。こういう形に
なつ
ておるわけでございますが、戦後どういう状況に
なつ
ておるかと申しますと、戦災を受けない都市におきましては、相当人口の移動、産業の変動等によりまして、かえつて
地方
におきまして多く電話が架設されておる。戦災を受けました大都市におきましては、新たな局を建てます場合におきましては、どうしても特に大都市の需要は多いものでございますから、二千、三千というような数を擁する電話局を建てましたならば、非常に不経済である。もちろん終戦後相当占領期間があつたわけでございまして、アメリカのそれぞれの専門的な人も総司令部におりまして、電話につきましてもいろいろと、いわゆるサゼツシオンがあつたわけであります。その際大都市におきましては大きな電話局を建てることになりました。そこで先ほど来相当申込みに応ずることができるように
なつ
たというのは、丸ノ内に千代田の電話局でありますが、これは四万の電話を入れるということで、今まで私ども逓信省時代からやつておりましたのは最高が一万でありますが、その一万の電話局を四つかかえる、さらに将来はそれを八万にするというような
計画
を、当時総司令部の民間通信局から指示されまして、その第一の実現がただいまの千代田局に
なつ
ておるわけであります。こういう局を建てますのには、建築も一年以上かかります、さらにそこに機械を入れて行く、それから加入者への線路を敷設して行くということになりますと、どうしてもそれが動くまでに二年ないし三年の時日を要するわけであります。そこで全般的な基準といたしましては、先ほど申し上げましたように、需要数に応じまして全国的な配分をいたす次第でありますけれども、局が詰まつておるところにはどうしても配分ができない、そういう局は現在でも一個も増設できない、こういう局が百になんなんとするような状況に相
なつ
ております。今後五箇年
計画
を料金値上げのときに御
説明
申し上げましたが、五年後には現在の状況で行きますと満員に
なつ
てしまうという局が二百余りもあるわけでありまして、かなりの重要都市、大都市内部でのある地域、こういうところにつきましてはまつたく一ぱいに
なつ
てしまう。そこで私どもこれをどうしても解消して行かなければならぬということで、五箇年
計画
において基準を立てましたのが、大都市におきましては現在のほぼ九〇%、倍ということには参りませんが、二十八
年度
以降五箇年間に大体九割くらい増して行く、それから中都市においては四割五分くらい増して行く、その他のところが三割くらいの増しでありましたか、というような基準を設けまして、五箇年
計画
を設定した次第でありますが、これは全体の需要から見ますと、全国平均大体三〇%弱というような基準でやつたのであります。従いまして全国的な割合としましては、需要数から見ればほぼ均衡がとれておる次第でありますが、何と申しましても大都市における需要というものは非常に多いのでありまして、現在約四十万近くの申込み積滞が全国にございますが、東京は十万以上行つておりまして、大阪が五万以上に
なつ
ております。大体全国の需要総数の半分程度を東京、大阪でかかえ込んでおる、こういう状況に
なつ
ております。その点につきましては、私どもこまかい資料を持つておりますから、なお別な機会に詳しく数字的に御
説明
できると存じますが、先ほど来の、ある所では非常に利用ができる、ある所ではできない、これは東京におきましてはまさに中心地においてはかなりよく
なつ
たのでありますが、同じ中心地でもやはり日本橋、京橋、銀座、霞ケ関等においては必ずしもよくはないのであります。今一番いいというのは丸ノ内近辺でございまして、これらにつきましてはすでに前
年度
から本
年度
、来
年度
にかけての
計画
が立つておる。一方非常に困つて参つたのは郊外の地域であります。ことに荏原方面、中野方面がどうしても局をつくらなければ救済できない、こういうような状況に
なつ
ております。世田ケ谷方面も、線路の状況を見ますと、東市都内でありましても、まだ不可能地域と称するものが相当あるのでございまして、これが需要が非常に多いものでございますから、線路をある方面につけますと、そこには線路をつけた以上に需要者が溜つておるということになりまして、どうしてもまずここに一ぱい入れてしまうということで、同じ区内でも線路の方向によつてはアン・バランスが出て来る。私ども大都市におきましても、全体的に不可能地域というものをどうしてもなくすということで、線路
施設
を各方面に
計画
するというような
方針
をとつて参つておりますので、二十九
年度
においては、できるだけ不可能地域を解消いたしたい、こういう考えでおるのでありますが、一つの区域を設定する場合におきましては、どうしても東京都内において最低一万、二万、三万という局をつくらなければならない。郊外方面におきましても、現に新宿のところに郊外方面の救済として本
年度
工事
を進めておりますが、これも三万であります。それから荏原方面といたしましては、目黒方面にやはり二万、三万という局をつくらなければならぬ。それから三田から品川方面につきましては、やはり白金に局をつくらなければならぬ。それが一挙に全部並行して建ち得るならば、アン・バランスというものは少くなるのでありますが、
予算
の関係上どうしても一挙にできないということになりますと、ある時期におきましては、ある方面はかなりきゆうくつな状況が現出する。全国的に見ましても、たとえば一番電話の市価の高いのは現在札幌ということに
なつ
ておりますが、これは二、三年は、局舎ができ、そこに一ぱい線路が入るまでは、どうしてもできないということがわかりまして、需要が非常に多いと、これは非常な市場価格が出て来てしまう。できますとそれは一挙に解消されるわけでございますが、電話のほんとうの
計画
の健全性から申しますれば、十年、十五年を見込んで、常に一ぱいになりそうなところを余裕をもつて進めて行きますれば、かかる現象は絶対に生じないのでありますが、戦災で半分を失い、戦後非常に需要が多く
なつ
て、
資金
自体にも制限があるというようなことで、そういう状態に
なつ
ております。五箇年
計画
でこの点を相当部分解消いたしたいというような方向で、現在
計画
を進めておるような次第であります。
川島金次
42
○
川島
(金)委員 私どもは専門家でないから、これこれと具体的な数字をあげて申し上げることはさしひかえなければならぬと思いますが、今の御説大体なかばはわかりましたけれども、私は埼玉ですが、東京と比べて、もちろん埼玉でございますからいろいろ違いがあることは十分にわかるのですが、これはひとり埼玉の問題だけではなしに、東京を中心として附近の関東地帯だけを取上げてみても、どうも需給の関係、あるいは架設の
方針
について若干疑念を抱かせるような向きがあるわけであります。今のお話によれば、需要の関係が主体だ。もちろんそれも必要でありましようが、しかしかりそめにも電電公社は
公共企業体
で、電信電話は公益のものであります。すなわち公益性ということが重要な任務の一つでありますので、必ずしも大都市に需要が多いからそこに重点的になるんだというだけではならないと私は思うわけです。公共性というものにかんがみまして、その間のあんばいをやはり政治的に相当考えられ、経済と文化の推進のためにも電電公社が積極的な立場をとるということも、私はかなり必要な面ではないかと思います。そういう点につきまして今後とも十分研究願いたい、かように希望しておくものであります。 〔
主査
退席、葉梨
主査
代理着席〕 それからこれはこまかいことになりますけれども、私どもしろうとで、この知識はないのでありますが、たとえば
サービス
の問題です。即時とか市外とか、故障係あるいは料金係それぞれのところへダイヤルをまわす、あるいは
地方
においては呼び出す。ところが相手方は出ておる形に
なつ
ておるんだが、しかしかんじんかなめの通話がなかなか届かない。これは私どものしろうとの立場から言いますと、通じておるのになかなか相手方が出ない、こういうことは一体どういう関係から来るのか、あるいは一人の係が幾つもの電話口を持つておるためというのであろうかと想像はいたすのです。昔ももちろんでありますが、今でも電話をそういつた方面にかけますと、なかなか出て来ない。そういう事柄は一体どういうところから来ておるのか、私その知識がないのでわかりませんが、この機会にそれを聞かしてもらつて、今後どういうふうなことでそれが改まるのか、またなかなか改まらない実情にあるのか、その辺の事情を聞かしてもらいたいと思います。
靱勉
43
○靱
説明
員 最初におつしやいました関東地域の問題でございますが、関東
地方
におきましては、かなり滋石式の電話が多いのです。こういう電話につきましては、あるいは
郵政省
の特定局の方に委託いたしまして、電話
サービス
を提供しておりますが、そういうところには相当余裕のあるところもありまして、そういう余裕のあるところにつきましては、私ども需要があればできるだけ御希望に沿うということで、債券の負担あるいは負担金等もちようだいいたしておりますので、実際上かなりよけいつけておるところもあるのです。ただその際に、今御注意がありましたように、よほど公共性を考えないと、ただ数さえふやせばいいということで、せつかくある設備を——まだつかないところで、電話の利用から申しますればどうしても早くつけなければならぬというところが、距離が遠いからそういうものはあとまわしだ、近くでともかく電話の希望さえあればつけてしまうのだ、こういう弊害が若干あつたわけであります。これを今せつかく是正いたしまして、金がかかつてもそういう公共性を考えて行かなければならぬと思つております。ともかく戦災後におきましては、加入者の数をふやすということに非常にまつしぐらに走つたものですから、そういう御非難が出たことは、私ども十分反省いたしまして、ただいまおつしやつた公共性は十分考えて行かなければならぬ、こういうふうに存じております。 それからいろいろ特殊な番号、局に電話をかけても出て来ない、あるいは市外通話の申込みをいたしましても、相手が出ていると思われるにもかかわらず出て来ないというのは、多くの場合におきまして人員の配置が十分でなくて、一人でいろいろ持つておるという関係でございます。それからある場合におきましては、私どもよく経験いたすのでありますが、幾ら呼んでも出て来ないのは、よく調べてみると、非常に機械の古いところでは、信号がよく出ないという場合もあり得る。それから夜間等におきまして、あるいはほかの用事で出かけておつて、そこにいなかつたというようなこともあります。ことに昼間繁忙時等におきましては、もちろんほかに用事がありましてもすぐ出るようにやつて行かなければならぬわけでございますが、非常に信号の多い場合におきましては、人員の配置の関係から、迅速に呼出しに対しておこたえできない事例がかなりございます。夜間等におきましては、機械を集中いたしまして、小人数で応待するということになるので、その場合には信号がありしまてもすぐには出られない、こういう状況に
なつ
ているのであります。これは
サービス
改善
の点から言えば非常に申訳ないことでございますので、それにつきましては、私ども公社発足以来、管理部門の人をできるだけ現場機関の方へ配置転換等もやつて参つております。現場で一番必要な交換要員等は、かなり出入りが多いわけで、むしろそちらの方面の欠員があり、管理事務には人が余つているというような状況もあつて、これらの是正によつて、さらに
サービス
の
改善
をいたしたい、こういうように考えております。
川島金次
44
○
川島
(金)委員 もう大分時間も迫つて来たから、いいかげんに
打切り
たいと思いますが、これは私も前々から考えていることで、こまかいことでまことに恐縮でございますが、加入者全体の問題であろうと思うのでお尋ねしておきます。局が電話料金の徴収をいたします場合に、本来であれば、
サービス
的な役所でありますから、その料金等の徴収は、やはり内訳を書いて来るのが普通だろうと思います。ところが、これは全国的だと思いますが、いきなり
総額
だけを書いて徴収書が加入者のところへ来る。加入者の方も丹念につけておけば別でありますけれども、そういうことをやつている者は少い。従つて概算だけでありますために、加入者の方としても、実際それだけかけたのであろうけれども、何か役所の請求が間違つて大きくかかつて来ているのではないかという感じをする場合がずいぶんあるのです。そういう話も聞いているのじやないかと思いますが、それは役所の都合もありますし、
経費
もかかることでありますが、できることなら電話料金徴収書の中に、内訳を書かるべきだと思いますし、また
サービス
としてはそれが当然じやないかと私は思う。そういうことは一体できるのかできないのか、これはやつてもらう方が一番完全で、しかもそれが親切な
サービス
の一つにもなることではないか、こういうふうに思うのです。 あわせてお尋ねいたしますが、小さいなかでは別でありますが、一々徴収料金を局の窓口まで持つて行かずに済む方法はないか、これもまた商売その他の都合で忙しい者は、これはなかなかめんどうなことであります。それは
経費
の都合等もあろうと思いますが、できるならそういうことまでやるべきじやないか、それが可能かどうか、その点この機会に聞いておきたいと思います。
靱勉
45
○靱
説明
員 まことにごもつともな御意見でありまして、料金についてはできるだけ内訳を書くことを、私どももぜひ実現いたしたい、こう私どもも考えております。まだ在来それができなかつたのは、やはり人手の関係の問題であります。そこで電話料金につきましては、あるいは基本料、市内の度数料、それから市外通話料ぐらいの大内訳しかやつておりませんので、特に内訳を承知いたしたいという方に対しましては、御照会によりまして市外通話の相手先その他全部お知らせすることに
なつ
ておりますが、積極的に各加入者の方にそれを書いてお示しするところまで今行つていないのは、非常に遺憾に存じております。ただ東京におきましては、アメリカの機械等の輸入によりまして、丸の内付近におきましては、今度市外通話だけは全部記録して御通知するという制度をすでに実行いたしておりますが、これをさらにだんだんと拡大いたしまして、東京都内あるいは大阪にも及ぼして行きたいと思いますが、このIBMという機械は相当高い機械でありますから、非常に加入者が多くて市外通話の多い、集中的なところでないと不経済であります。そこで他の
地方
、中都市等においてどういうふうにやつて行くか、あるいは人の手数によつてそういう方法をとるかどうか、これは第二段として検討いたしたいと思いますが、方向としましては、市外通話等についてはできるだけ記録して行くという方向で進みたいと思つております。ただ現在におきましては、御質問的には応じて詳しくお知らせする、こういう程度でごかんべん願つているような次第でございます。 それから料金を納める問題でございますが、これは料金値上げの際においても、あるいは集金制度の問題等も御意見が出たのでありまして、私ども目下検討中でございますが、実は諸外国の例におきましても、料金の集金ということはほとんどないのであります。と申しますのは、ガスや水道のように加入者宅にメーターをつけないし、また市外通話等はかなり高額な金額でありまして、集金日を
予定
しておきましても、一般家庭あるいは商店等において、かえつて御迷惑をするようなこともあるわけです。そこで単に郵便局だけでなく、電話局でもあるいは銀行の振替等につきましても御利用願い、商店等におきましては、できるだけ銀行の振替口座を利用されて、便宜振りかえていただくというような方向に現在お願いしておるわけであります。 集金制度をやるかやらないかということにつきましては、国会からもいろいろ御要望がありましたのでせつかく検討しておりますが、ただいまのところいろいろな問題も考え得るのでありまして、金額も毎月一定していない、一定した金額ですと集金に行きましても割合にいいでありますが、責任者の方がいつもおられるというわけではないし、この問題はわれわれは実はかなり否定的に考えておりまして、非常に多額の料金をお納めになる方は銀行等を利用するような方法をお考え願つたらどうか、こういう点で考えておるような次第でございます。
川島金次
46
○
川島
(金)委員 両者ともいずれも労力、
経費
等のかさむことでありますから急には行かぬと思いますが、大いに研究の上、できることは順次実行に移して行くという努力を願いたいと思います。 あなたに最後にお願い申し上げますが、最近大都市はもちろんでありますが、大都市の郊外あるいは
地方
に参りますと、集団的な勤労者住宅がたくさんできておる。こういう集団的な勤労者住宅の地域は、比較的市街地から離れておる。こういう限られた町から見ると離れ小島のようなところに集団住宅がある。その付近には商店街もないのでありますから、従つて電話などは及ぶべくもない。しかもその勤労者住宅等から、特定の人がその遠いところへ電話を引くというようなことは、これまた思いも及ばないような状態であることが普通なのであります。公社の公共性という性格から考えましても、また
政府
といたしましても、そういう集団的な勤労者住宅地帯に公衆電話の一つくらいは原則として建ててやるくらいな積極的な政策がなされていいのではないか。何しろ市街地から遠いので、たとえば夜中に火事が起きた、あるいは病人ができたといつた場合に、その勤労者の住宅地域ではなかなかそういう火急の間に合わないということが非常に多い。そしてせつかく助かる病人も助からなかつた、あるいは早くから消火に努めれば小事で済んだものが、住宅街の大火を引起するようなことに
なつ
たというような事例もかなりあるわけであります。そういうことについて、いろいろ文化的な立場あるいはそういつた日常生活の立場から見まして、集団的な勤労者の住宅地域に公衆電話を何らかの形において設置してやるという積極的な
方針
が打立てられてよろしいのではないかと私は思う。但しその架設の費用とかあるいは架設後における
経費
の分担というようなものについては、もちろん別な研究が必要でありますけれども、何はともあれやはりそういう方面に積極的に電話の一本くらいは架設して行くという
方針
がきわめて必要ではないか、こういうふうに思うのでありますけれども、そういうことは私の知る範囲では今日あまり行われておりませんまたそういう住宅が希望いたしましても、なかなかそこへは応じてくれないというのが現状であります。そういうことについて、私も平素非常に感じているところがありますので、この機会にあなたの御所見を承つておきたいと思います。
靱勉
47
○靱
説明
員 その点につきましても私どもまつたく異論のない点でございまして、在来公衆電話につきましてはいわゆるボツクス式のものと、あるいはすでに架設されておりますところの、簡易公衆電話といたしまして、外部の方も利用しやすいような店先等の電話を一般の公衆に利用していただくというような方向でやつて参りましたが、実は二十九
年度
の
予算
といたしましては、一般公衆電話を三千五百余り増備いたしたいというような
計画
に
なつ
ております。 そこで集団的な、あるいは町から相当離れたようなところについてどうかという問題でございますが、これは村の部落等におきましてもまだ電話が一個もないというようなところもございますので、そういうところにはやはり特別の公衆電話を設置する。これはもちろん公社の負担におきまして、全部公社の
経費
でやるという形であります。今勤労者の住宅のことをおつしやいましたが、いなかの方におきまして、ある部落等にはまつたく電話がない。これは非常に困るので、こういうところには先ほどの御趣旨の公共性を考えまして、皆さんで利用できるような公衆機関を設置するという方向でやつておりますが、在来必ずしもその数が多くないのでございます。来
年度
におきましてはそういう公共性をかなり充実して行くような方法を、現在実行
計画
において考慮いたしているような次第でございます。御趣旨にはまつたく同感でございます。
葉梨新五郎
48
○葉梨
主査
代理 それでは
郵政省所管
の質疑を午後も続行することとしまして、この際午後二時まで休憩することにいたします。 午後零時四十八分休憩 ————◇————— 午後二時二十九分
開議
山本勝市
49
○
山本
主査
休憩前に引続き
会議
を開きます。
郵政省所管
の質疑を継続いたします。
川島
金次
君。
川島金次
50
○
川島
(金)委員 たいへん質疑がこまかいことになるので、恐縮でございますが、私元来大まかな議論ばかりして来たので、この機会にこまかい点を承知しておきたいと思います。その点をあらかじめ御了承の上で、お答えを願いたいと思うのであります。 まず最初にお伺いしたいのは、郵便貯蓄が漸次増強の一途をたどつておることは、まことに喜ぶべき現象だと私ども喜んでおりますが、この貯蓄が現在どのくらいに
なつ
ておるか。そしてここ二、三年内の現状として、どういう比率で貯蓄が増強されておるか。その数字がお手元にありましたら、まずそれをお示し願いたいと思います。
小野吉郎
51
○小野
政府
委員 郵便貯蓄の現在高は、ごく最近のところで三千四百四十五億ということに
なつ
ております。ここ二、三年間の郵便貯金の増強の模様でございますが、本
年度
は
補正予算
で郵便貯金の目標の
改訂
がありました。その
改訂
の結果、八百億と相
なつ
ておる次第でありますが、これに対しまして、現在のところもうあと十四億で目標に達するというような状況で、すなわち七百八十六億が現在の伸びでございます。昨年の伸びはどうだつたかと申しますと、目標は六百二十億であつたのでありますが、これに対しまして目標をかなり上まわりまして、六百五十九億の増強をいたしております。そういう面から申しますと、ここ数年来毎年目標として定めます数字は、国民所得の状況とか、一般の預貯金の増強の状況などをいろいろ参酌いたしまして決定するのでありますが、いずれも目標を突破あるいは達成いたしております。ここ約四年ばかり前に、三億ばかり目標に到達しなかつたということがまつたく異例の現象でございまして、毎年目標を円満に速成いたしておるというような現状であります。
川島金次
52
○
川島
(金)委員 そこで二十九
年度
における郵便貯蓄の趨勢を、当局はどういうふうに考えられますか。
小野吉郎
53
○小野
政府
委員 来
年度
の目標につきましては、九百億の増強という目標を持つておりますが、この九百億の増強は、今
年度
の八百億から見ますと、さらに百億多いわけでございます。ここ数年百億見当の目標増が続いております。しかも先ほど申しましたように、大体目標を達成あるいは突破しておりますので、来年の九百億は、安易に達成できるとは必ずしも思いませんが、決して不可能なものではない、かように存じておる次第であります。
川島金次
54
○
川島
(金)委員 ここ二、三年来、それぞれ目標をオーバーするような状況に
なつ
ておることは、今の数字でわかるのですが、明
年度
の目標を九百億に置いたということにつきましては、私どもの立場からみると、若干疑念があるので、それは午前中も塚田さんとちよつと話し合つたのですが、全体的な国民所得が従来に比してふえない。こういう立場を中心としての政策を内閣がとつておるわけで、従来でありますと、年々国民所得は、正確な数字であるかないかは別といたしまして、四、五百億ずつふえて行くというのが前提とされて、
審議
庁あたりで国民所得の次
年度
の推定をされておるのですが、二十八
年度
と二十九
年度
と比較しての国民所得の
増加
は、ここ二、三年に比較いたしましてきわめてささいなものしか見込まれないと
政府
はすでに
予定
をし、それを言明しております。そういうことを勘定に入れますと、当局が持つておりまする二十九
年度
の貯蓄の増強推定額は非常に甘いのではないか。そしてそれを達成するためには、非常に困難が伴つて行くのではないかと思うのでありますが、はたしてそういう懸念がないという言明ができるかどうか。その点はいかがでございましようか。
小野吉郎
55
○小野
政府
委員 御説の
通り
二十九
年度
における国民所得は、二十八
年度
に比しまして約五%増と見込んでいるのでありまして、かりにそのままの率で計算いたしますと、郵便貯金におきましては、今
年度
八百億でありますので、四十億しか増を期待できないという結果になるのであります。今日の預貯金全体を通じまして、戦前の物価の指数から換算いたしますと、そこにいろんな事情があるとは申しながら、まわめて低率でございます。そういう面で必ずしも国民所得の
増加
のカーブのみにとどまり得るものではないと思うのであります。現に今
年度
の八百億の今後の
見通し
につきましても、最近七百八十六億まで参りまして、あと十四億と申しましたが、
年度
末までにはまだ多くの貯金を期待いたしております。またこれは昨年の実績から見ましても、当然八百億を十億ぐらい上まわることを期待していいのじやないかという実は予想をしているのであります。かれこれ考えてみますと、来
年度
九百億というのは、国民所得の
増加
の率から見ると非常に多いように考えられるのでございますが、従来の実績が必ずしも国民所得の
増加
の割合にのみとどまるものではありませんし、われわれの努力次第、郵便貯金のいろいろな
業務
面における
サービス
いかんによりまして、非常に
増加
も期待し得る次第であります。もとよりさつき申し上げましたように、決して安易に達成し得目標とは考えておりませんが、努力いるかんによりましては、とうてい相談にならない数字とは考えておりません。
川島金次
56
○
川島
(金)委員 必ずしも国民所得の
増加
率のみを比較して推定することが完全なものではないことは、私は承知いたしておりますが、とにかく
政府
の大体の見込みといたしましては、物価は上昇しない。むしろ逆に五ないし一〇%の引下げを目途としている。賃金もこのまま上昇をさせない。従つてまた不景気政策のもたらすところ、一般中小企業の収益も少いであろうということは当然であり、そういう総合的な観点に立つて推定をいたします場合に、九百億という目途が必ずしも妥当のようではないと考えるのであります。しかしこれで私は議論をしようとするのではありません。 そこで私はさらに押し進めてお尋ねをしたいのでありますが、この日本の経済再建にあたつて最も重大なる要件は、何といいましても
資本
の蓄積にある。これはまことに言うまでもないABCの話であります。そこでこの
資本
蓄積の中で郵便貯金の占めている率は軽視のできない位置にあるということも、私は認めているのであります。しかもその郵便貯金をされる側を見ますれば、言うまでもなくそれは零細な勤労階級の生活の節約あるいは努力、また中小企業の、しかも同じ中小企業でも最も底の方にある中小業者、また農民の一部もそれに加わつているようでございます。これらの貯金の集積が日本の
資本
蓄積の上に大きな一応の役割を果しているという事柄については、われわれは高く評価して行くべきではないかと思うのであります。そこで私はこの郵便貯金の問題を取上げるのでありますが、今日の郵便貯金が単なる増強傾向にあるからといつて、それだけで済まされるものではなく、
政府
当局はこの郵便貯蓄をもつと積極的に、いかにして増強せしめるかという問題をも考える必要があるのではないかと思う。当局の各位におかれましては、従来もかなり熱心に貯蓄の増強策について努力されているのではありましようけれども、この機会にさらに一歩前進する何らか具体的な方策を持つべきではないか。そういうことにならなければ、言うところの
政府
の
財政
緊縮、物価の引下げ、
資本
の増強という一連の政策は、満足に進められないことにもなるわけでございます。そこで郵便貯金の増強方策につきまして、何か新しい積極的な政策というか、施策を持つべきではないかと思うのですが、その点何か目先のかわつた構想を持たれているかどうか、いかがでございますか、伺つておきたい。
小野吉郎
57
○小野
政府
委員 きわめて有益な御意見を拝聴できまして、非常に感謝にたえないのであります。郵便貯金の増強につきましては、毎年いろいろ画策苦心をいたしているのでありますが、なかなかこれといつた妙手も実は見当りにくいのであります。最近におきましては、郵便貯金の増強をただ単に窓口で——特にこれは通常貯金についての問題でございますが、受身の形のみにおきまして増強を期待いたしましても、なかなか意のごとく参らないのでございます。もちろん足をもつて勧奨いたします積立貯金、定額貯金、この面におきましては、必要な
予算
さえあれば、増強の方策としてちやんと裏づけがあるわけでありますが、通常貯金につきましては、街頭進出する手足も持つておりませんし、またそういつた建前には
なつ
ておりませんので、従来は大体窓口に進んで来られる貯金の増に期待しておつたのでありますが、ここ三年ばかり前から、そういつた個々の貯金行為でない、たれか非常に熱心なそういつたまとめ役があつて、それが強制にわたらず、戦時中の隣組貯金のような種類のものでなく、みなの貯蓄意欲がそういつたところで結集され、発揚されるような形におきまして、
団体
貯金、こういつたものを非常に勧奨しているような次第でございます。これは地域的に自然に結成できる
団体
もありましようし、また職域における一定の
団体
貯金、こういつたものもあり得るわけでありますが、こういつた方面に力を注ぎまして、かなりの成績をあげて参つております。私どもは将来の
団体
貯金のあり方自体に対しまして、非常に期待をいたしているような状況でございます。来
年度
以降、特にそういつた効率的な貯金、しかもお互いが、われわれ郵便局のものが勧めるからでなく、貯金の意欲を持つている人が、自然にそういつた意欲を競いながら高めて行くというような組織を大いに利用したいと思つております。さらに来
年度
自体の問題といたしましては、こと長らく中止いたしておりました割増金付の定額貯金、これもひどい射倖心をそそらない限度におきまして
計画
をしているような次第でございます。
川島金次
58
○
川島
(金)委員 従来の方式もさることながら、当局は一つ特段のくふうをせられまして、これら零細な
資本
の蓄積にも全力を傾けてしかるべきだと私は思います。そこで今お話の出ました市中銀行などがやつております割増金付貯蓄などは、一つの新しいくふうだと思うので、そういつたことを中心として大いに検討され、しかもそれが明るい形で実施されることを強く要望しておきます。 そこでさらに前進してこの際お尋ねしておきたいのでありますが、この郵便貯蓄はただちに大蔵省の
資金運用部
資金
にまわされて、その運用部
資金
が間接的に
地方
の
財政
その他に寄与するという形に
なつ
ておりますが、この点につきまして、私は別に大きな異論を持つものではないが、何らか今日の段階においてこの事柄を再検討する余地はないかどうか。これを私実は個人的ではありますが、考えているものであります。言うまでもなく郵便貯蓄というものは、先ほども申しましたように勤労大衆を中心とした零細な農民、零細な業者がその大部分を占めて貯蓄をされておるものであります。ことに最近におきましては保全経済会などを中心として、いわゆる市中におけるところのあまり好ましくない金融機関というものが俎上に上りまして、今や全国的に将棋倒れに
なつ
ておるような状態である。この保全経済会を中心としていろいろのあまり健全でない、また妥当でない金融機関というものは雨後のたけのこのようにできまして、しかもそれに多くの大衆が飛びついて行つたというところに、私どもは考えさせられる余地があろうかと思つておるのであります。そこで郵便貯金をもう一ぺんここで再検討をして、ただ単に郵便貯金だからといつて、それをすぐさまに大蔵省の
資金運用部
にまわすだけをもつて事足れりとするのではなくて、この際こういう国内的ないろいろな事情もありますので、これをきつかけとして考え直して行く必要はないか。結論的に端的に申し上げますれば、これらの零細ないわゆる大衆の
資金
をまた大衆に直接返すという問題をも考える必要があるんではないか。たとえば勤労者の貯蓄でありまするから、勤労者に積極的に役に立つ方面に還元をするとか、あるいはまた零細な業者に直接にそれがもどつて来て、その業を守る上に役立つといつた事柄を——全部の預金額をそのまま全部使えとは私はあながち申すものではございませんけれども、そういうことをもう少しは考える必要があるのではないか、こういうふうに私個人ではございまするが、昨今いろいろな情勢から判断をいたしまして、関心を持つて考えておるのでございます。そういつた点についてあなたはどういうふうな構想を持たれておるか、あるいは考える余地がないものであろうか、その点の見解を突然でありますけれどもただしておきたい。
小野吉郎
59
○小野
政府
委員 おそらくただいま御質問に相なりました趣旨は、郵便貯金の預入者の多くの人が抱いておる考えではないかと思いますが、そういつた要望も私どもかねがね承つておるのであります。要は
資金運用部
資金
の中で郵便貯金は、全体の五五%を占める非常に大きなウエートを持つておるわけであります。この
資金
につきましての運用のあり方の問題であろうと思うのでありますが、この運用の問題につきましては、私ども現在直接その主管の省にないのでありまして、大蔵省方面の主管に属する問題でございます。従いまして私どもの考えそのままでただちに立案
計画
できる筋合いのものではないのであります。と同時に、問題は非常に大きな問題とも相なりますし、一
貯金局長
といたしまして、今後貴重なる御意見に沿いまして、これは大いに研究いたさなければならないと思いますが、私ども個人として決しかねる問題がありますので、有益なる御意見として拝聴いたしておきたいと思います。
川島金次
60
○
川島
(金)委員 あなたにこの問題をお尋ねすることは若干御無理であるということだけは承知の上でお尋ねをいたしておるのですが、一つ問題を投げかけるという形においてお尋ねをいたしておるわけであります。元来私の私見をもつていたしますと、たとえば市中銀行の金などにおきまして、われわれとしてはもつと考え直す余地があると思う。その考えと申しますのは、御承知の
通り
、全国の市中銀行において集まりました
資金
というものは、大部分といつても過言でないほどにこれが中央あるいは大都会、大企業といつたものに偏在的に流れて行く。そのためにせつかくの
地方
の
資本
というものが、
地方
の産業、
地方
の生活を守るという観点からはずれて行くという問題が相当あろうとわれわれは考えておる。それと同じような問題ではございませんが、やや似たことでありますけれども、郵便貯金におきましても、なるほどそれは
資金運用部
資金
として
地方
の
財政
に宿与したり、
地方
、公債を買い上げたり、あるいはその他のことはいたしております。そういうことも必要ではございますが、やはり零細なる人たちの
資金
は、その
資金
の全額とはいわぬでも、ある程度の額をもつて零細なものを守るということに使われることが、政治の上では当然に考えられて行かなければならない問題ではないか。かように私見としては持つておりますので、これはいずれ別な機会において、大蔵省のしかるべき人たちとも議論をしてみたいと思うのであります。新しい問題ではないけれども、私はこの問題を投げかけます。そこでひとつ
郵政省
のそれぞれの担当官におかれましても、十分に現下の
日本経済
の実情あるいは勤労者、零細業者の実情等を勘案せられまして、また一面においてはいろいろな雨後のたけのこのようにできたそれらの機関が、将棋倒れに倒れているというこの現実をも十分に勘案せられて、その上に立つて、今後はどういう形においてそれらを守つて行くかという点について——これは金融政策の重要な問題にもなりますし、あるいは産業政策にもなりますけれども、十分に検討していただきたい。何か具体的な目途をこの際立てる必要があるのではないかと考えますので、特に希望的なお尋ねをしておく次第であります。 さらにお尋ねをいたしますのは、この郵便貯金を
地方
銀行の一般的な
利子
との関係でございます。私は午前中にも郵政大臣に申し上げたのでありますけれども、日本の銀行
利子
は、国際的にはもちろんでありますが、国内的の事業採算の上からいつてべらぼうに高いことはまぎれもない事実であります。この高い利息を払いながら事業を営み、産業を
運営
することは、その
経営
者にとつて重大なる圧力であるということだけは、まぎれもない否定のできない事実であります。そのことが
日本経済
再建の上に大きな一つの妨げと
なつ
ておることも、これまた否定のできない事実であります。そういうことからして造船や石炭に対する
利子
の補給など考えられているわけでありますけれども、何とか郵便貯金の
利子
の問題を一つのかけ橋として、日本全体の金利という問題を考えて行く必要があろう。それにはまずこの一番手近な郵便貯金から始めて、それを突破口として日本全体の金利政策の上に大きなメスを加えて行くことによつて、
日本経済
の再建あるいはまた物価引下げ政策の大きなてことして進めて行く必要がある。これは
資本
主義の
政府
であろうと、社会主義的な
政府
が樹立されようと、同様に重要な問題として検討する必要があるのではないかと思つておる。従つてそういう事柄につきましても、何かの機会がありました場合には、十分に検討する一つのきつかけをあなた方をつくつて行くことはきわめて大切ではないかと思いますので、これを希望しておく次第でございます。 そこで次にお尋ねいたしますが、今の一口の平均貯金額は一体どれくらいであるか。しかもこの郵便貯金の
限度額
があるのでありますが、その
限度額
は一体一口幾らに制限をしておりますか。その制際をしておられる額が、はたして今日の物価あるいは
日本経済
の実態から推して、あるいはまた市中銀行との関係もありましようが、それらを総合的に考えてみて、はたして一口に対する今の郵便貯金の
限度額
というものが適切であり、妥当のものであるかどうか。それを訂正する余地というものがないものかどうかということについて、あなたの見解をこの際聞いておきたいと思います。
小野吉郎
61
○小野
政府
委員 現在の郵便貯金一口当りの平均額は三千六百円ぐらいに相
なつ
ております。これもここ数年急速に伸びた現在高でありまして、終戦直後あたりからしばらくは一口当り千二百円見当という歩みが長かつたのでありますが、ここ二、三年とみに郵便貯金も
増加
いたしまして、やつと一口三千六百円ということに
なつ
ておりまもす。一方、郵便貯金の最高制限がどのくらいに
なつ
ておるかというお尋ねでございますが、これは
昭和
二十七年四月一日から郵便貯金の
利子
を引上げました。これと同時に、従来の三万円を大幅に引上げまして現在十万円に相
なつ
ております。この十万円は、お断りしなければならないのでありますが、一人についてであります。しかもこれは十万円を越えては、預入行為は法律行為としては全然無効ということには
なつ
ておらないのでありまして、かりにこの限度を越えた預入がありましても、その場合にそれが発覚すれば手持ちの公債をもつてこれを預入者に返還するというような建前に
なつ
ておりまして、法律行為といたしましては、十万円を越える貯金がかりにありましても貯金行為は有効に成立して行く、こういうような状況に相
なつ
ております。この十万円の制限が、先ほど申しました一口当り三千六百円から見ますとそこにずいぶんの幅があるようであります。従つて今の十万円の最高額につきましては全然問題がないようにも思われるのでありますが、今日銀行業におきましては金額に制限なく預入できるような建前に
なつ
ておりまして、これは無制限でございます。そればかりでなく、今日の一般の国民生活の実態、諸般の生計費等から見まして、この十万円の制限が必ずしも妥当であるとはわれわれ考えておらないのでありますが、同時に郵便貯金の預入につきましては税法上全然課税の対象に相
なつ
ておらないのでありまして、無税でございますので、この前の二十七年四月一日から三万円を大幅に十万円に引上げましたときには、時たまたま非常な減税措置が行われたときでありまして、うまくその減税の措置に乗り得たのでありますが、現在の状況におきましてはそういう税収に響く関係からいたしまして、この限度引上げの必要は痛感いたしながらも、減税のチヤンスをつかまないとなかなか実現できないというような現状に相
なつ
ておるのであります。
川島金次
62
○
川島
(金)委員 この十万円が妥当であるかどうかはいろいろ検討の余地がありそうに私思つておるのでありますが、零細な金が集まりますこの郵便貯金が、今のお話によれば一口当り三千六百円、今の物価比率から申しますとまことに僅少な平均額に
なつ
てしまうわけであります。そこで何か考えを新たにいたしますれば、一口当り三千六百円程度ではなくして、もつと高い標準に高めて行く余地が相当にあるのじやないかと私は私なりに考えておるのでありますが、そこに何か郵便貯金というものの性格がそういう高い標準になり得ないものが相当にある。単に郵便貯金に対する
利子
の問題だけではなくして、それ以外に国民全体が、大衆が郵便貯金の中に飛び込んで行つて、その標準を高めて行くということにならない形があるというふうな気がいたすのでありますが、その点はどんなものでありましようか。
小野吉郎
63
○小野
政府
委員 もちろん今の一口三千六百円と申しましても、人頭的に一入三千六百円の貯金しか持つておらないということにはならないのでございます。同時に定額貯金に入つておる者もあります。積立貯金に入つておる人もおります。そういつた平均から行きますれば、われわれにもはつきりした計数は出しにくいのであります。これは全然口座の処理
方針
、方法を異にいたしておりますので、非常にめんどうな調査をいたしませんとそういつた計算は出ないわけであります。従つて一人当りの貯金の額は先ほど申し上げました三千六百円よりもかなりいいとばうことは考えられます。今後一人当りの貯金の額を高める工作がありやいなやというお尋ねでございますが、私ども常に郵便貯金の非常に堅実であり安全であり、また今日の
利子
の状況におきましては、決してかつて考えられておつたような不利なものではなくして、長く預入すれば非常に有利な計算に相
なつ
ておりますので、そういつた点をよく
説明
いたしまして、郵便貯金預入を勧奨いたしておるような次第でございます。そういつた状態で、漸次郵便貯金を通ずる国民の貯金の
増加
、ひいては日本の最も喫緊な
資本
の蓄積、こういつたところに全力を尽して参りたい、かように考えておる次第であります。
川島金次
64
○
川島
(金)委員 私一人であまり一つの問題を長くやることはどうかと思いますので、この程度でとめておきたいと思いますが、問題は一番最初の、私がちよつと申し上げました新しい問題として投げかけた事柄に帰着するのでありますが、どうぞひとつ、市中における銀行にあらざる、あるいは大蔵省の管轄外におけるいろいろな金融機関的なものがどしどし将棋倒れにつぶれて行くときでありますので、こういつた大衆の貯金というものを守りつつ、また高めつつ、そうしていかに大衆を守るかという、こういうことにも新しい構想と着眼を持つて
政府
は積極的な研究と努力をする段階にあるのではないかと思いますので、それを重ねて希望をいたしまして、あなたに対するお尋ねはこれで一応打切つておきたいと思います。
山本勝市
65
○
山本
主査
ちよつと私一言聞きますが、もし調査があつたらほしいのですが、今の投資信託というものが起つて来たことが郵便貯金とどういうふうな関係に
なつ
ておるか、つまりどういう影響を与えたか。それから町のいろいろな例の金融機関ですね、その消長が貯金にどういうふうに影響しておるか。もう一つは子供銀行、あれが郵便局に持つて行くよりも銀行に持つて行くんだが、子供銀行というものの発達が郵便貯金にどういう影響をしておるか、もし調査があつたらひとつ出していただきたい。
小野吉郎
66
○小野
政府
委員 今の投資信託のことですが、創始以来相当伸びておりますが、それと郵便貯金との消長の関係につきましては、なかなか的確な資料をつかみ得ないのでざいます。もちろん郵便貯金を払いもどして投資信託に入つておるものもかなりあると思いますが、それがどの程度具体的にありまして、現状としてどの程度その方に流れておるかということは、これはなかなかつかみにくい問題でございます。御了承願いたいと思います。 さらに町のいろいろな金融機関との関係におきましては、最近特に郵便貯金の窓口が忙がしく
なつ
たのでありますが、それはそういつた不健全貯蓄に対する
健全化
である、こういうふうにも見られておりますが、実際の数字を見ますと、一月という月が郵便貯金としましては非常に伸びる月でございます。前
年度
は百七十億伸びております。今
年度
は、従来の一月の伸び方から行きましても二百億見当は期待してしかるべきだと考えておりましたが、現実にはそれが少し下まわりまして、百八十八億増に相
なつ
ておりますが、これはわれわれのふところぐあいから見まして決して異数な伸びではないのでございます。個々の郵便局につきましては、そういう現象もあろうかと思いますが、もつともこの関係の影響もここ半年やそこらでなく、ああいつた事態になるまでには、もうすでにその方面への預入行為は相当控えられておつたわけでございます。そのためにああいつた結果に
なつ
たのでありまして、実際にその関係を調べれば、ああいつた金融機関が続々と発生いたしまして、最盛期を迎え、ずつと伸びて参りましたが、少くともここ一年以前からの状況を調べなければならないと思いますが、今日まだ相当たんす預金、こういつたものもあるわけでございまして、それがそのままその方面に向けられたものがかなりあるように思います。郵便貯金からその方に流れたものが皆無とは申しませんが、さほどの影響があつたとは考えられません。ただ今後におきましては、そういつた貯蓄の不健全なものが
健全化
されるという点におきまして、銀行方面においてもさらに伸びが期待し得るものがありましようし、私ども郵便貯金の面から言いましても、在来よりも期待していい分野がふえた、こういうことは考えられると思います。 それから子供銀行の関係につきましては、あの中に子供郵便局というのもございますが、この
運営
は子供銀行にいたしましても、子供郵便局にいたしましても対として考えられておるわけでありまして、小学校、中学校等でやつておるのでございますが、その学校の好みに応じまして、あるいは銀行
業務
によつて預入行為をいたし、あるいは郵便貯金
業務
によつて預入ないしは払渡しをやつておるわけでございます。私どもも両者同じように見ておりますし、また大蔵省におきましても、やはり銀行
業務
であれ、郵便貯金
業務
であれ、社会
教育
の一課程として推奨いたしておりますし、またそういつた点が社会
教育
の課程としてでなく、将来の貯蓄心
養成
というようなことに対しても、非常な期待を持つておるわけでありまして、成績優秀なものについて表彰いたします場合は、大蔵省も子供銀行、子供郵便局を通じまして、成績のよいものを選定して表彰いたしておるような状況でございます。現在高は子供銀行、子供郵便局を含めまして、全体を通じて約四十五億くらいに
なつ
ておるかと思います。その中で子供郵便局関係はざつと十億余りに
なつ
ておるような現状であります。
西村久之
67
○
西村
(久)委員 ここでお尋ねするのはどうかと思いますが、簡易保険の積立金の関係から、郵便局の手を通じて起債ができるように
なつ
ていて、それが実行されているのではないかと思いますが、その関係がおわかりでしたら、
総額
に対する起債の額がどれくらいあるものか承知したいのであります。これをお尋ねするのはほかではありませんので、
地方
で積んだ金はなるたけ
地方
で回転させて使わすというような考えを持つているのでお尋ねするのであります。
白根玉喜
68
○白根
政府
委員 簡易保険の積立金の運用につきましては、前
年度
までは大蔵省一手で、
資金運用部
で運用いたしておつたわけでございます。ところが簡易保険の運用を
郵政省
に復元いたしまして、簡易保険の性質に照応いたしまして、地元還元的な融資をいたしたい、かような意味であの法律を提出いたしまして、その結果二十八
年度
におきましては、新規の積立金の二分の一を
郵政省
で直接運用いたしまして、その運用先は市町村に対する貸付に
なつ
ているわけであります。あとの二分の一は大蔵省の
資金運用部
に、本
年度
に限りまして預入することに相
なつ
ているわけでございます。金額的に申し上げますと、二十八
年度
の新規積立金が三百八十億でございまして、その中の百九十億を
郵政省
で運用することにいたしまして、先ほど申し上げましたように、運用先は市町村に対する貸付、これは加入者に対して直接的な利害関係の強い、密着した市町村の需要に応ずることが、簡易保険の特質に合うという建前から、こういうふうにしていただいたわけでございます。来
年度
に至りますと、新規積立金全部を
郵政省
、で運用することにいたしまして、その金額はまだ決算を経ないのでございますが、大体私どもとしては四百六十億くらいになる見当でございます。出投資
計画
もそういうふうに
なつ
ております。これは法律の建前から、先ほど御
説明
申し上げましたように、市町村に対する貸付ということに相
なつ
ております。
西村久之
69
○
西村
(久)委員 もう一つお尋ね申し上げますが、簡保の
限度額
は八万円で押えているように私は承知いたしておるのでありますが、これを十万円とかあるいは十五万円に引上げるというような声も耳にいたすのでありますが、役所といたしましては、現在の八万円程度でよろしいという考えでございましようか、または多少とも上げて行きたいというようにお考えに
なつ
ておりますか。
白根玉喜
70
○白根
政府
委員 御承知の
通り
、現在の簡易保険の最高限は八万円に二十七年に決定していただいたのでありますが、その際においても、十万円以上にしたらどうかという御意見が非常に大多数ありました。その後民間保険の伸びぐあいにいたしましても、また事業的な面からいたしましても、保険的効果の面からいたしましても、物価の現状からいたしましても、八万円では保険的効果がないのであります。従つてただいま関係官庁と折衝いたしまして、最高制限額の引上げを今折衝中でありまして、ぜひともある限度の金額に引上げていただくように、ただいま関係方面と交渉中でございます。
西村久之
71
○
西村
(久)委員 わかりましたが、あなた方役所の考え方では、どの程度くらいが適当であろうとお考えに
なつ
ておりますか。
白根玉喜
72
○白根
政府
委員 これは
政府
とは、まだちよつと言える段階ではございませんが、
郵政省
といたしましては、
最小限度
十五万円程度はと考えております。
山本勝市
73
○
山本
主査
ほかに通告はありません。
郵政省
に対する質疑は終了いたします。
—————————————
山本勝市
74
○
山本
主査
次は
建設省所管
でありますが、通告の順序によつてこれを許します。
富田
健治
君。——
川島
君は、順序がありますからちよつと待つてください。
富田健治
75
○
富田
委員 私は戸塚大臣にお伺いしよと思つておりましたが、大臣はお休みのようですから、政務次官にお伺いするわけでありますが、それは治山治水の問題であります。先般の総理大臣の施政演説におきましても、現内閣の重要なる政策として、ほとんど唯一の政策というくらいの言い方で、治山治水というものを取上げられている。また昨年秋以来、自由党の中でも治山治水の特別委員会ができて、
政府
でもそういう対策を立てている。そしてその対策の一番基本になりましたのは、一兆八千億円くらいあれば大体日本の治山治水は完璧になる、こういうふうにわれわれは聞いておつたのであります。国民とても非常に期待もしておつたのであります。また多くの政治家がこの治山治水はぜひ根本策を推進さすべく一歩を踏み出してもらいたい、踏み出すのだろうと期待しておりました。施政演説でも非常に大きなことを言つておられるのであります。ところがこの
予算
を見ますと、御承知の
通り
非常に貧弱なものでありまして、
河川
関係の
事業費
、砂防
事業費
合せましてたしか三百四十億に足らぬくらいであります。二十九
年度
の
河川
等の
災害
復旧
費が三百二十八億でありまして、ほとんどこれだけ見ますととんとんくらいになる。こういうことではいけないのです。治山治水をぜひ根本的に推進しようということを
政府
としても非常に強く考えておられたのだろうと思います。もちろんこの一兆緊縮
予算
というかんじんなわくに縛られておるということもあつたと思うのでありますが、こういうふうにほとんど年々
災害
がある。
災害
復旧
をしてもみな流されてしまう。そういうことを繰返しておつて損害ばかり積み重ねておるのでは何にもならぬと思います。これは言うまでもないのであります。一兆円
予算
という非常に重要なわくもございますけれども、こういう際こそ何とかして治山治水を推し進めることができないか、これを非常に残念に思うのであります。場合によりましては治山治水のための目的税をつくるのも一つの道じやないか、あるいはこれのための特別な公債を出すのも一つの方法ではないかというようなことが言われておりましたし、私も非常に期待しておつたのでありますが、こういう残念な貧弱な治山治水対策
予算
ということに相
なつ
たのであります。大臣にしても政務次官にしてもいろいろご苦心に
なつ
たことだと思うのでありますが、ひとつ将来のためにお伺いいたしたいのであります。どういう経過でかくまでやかましく言つておつた治山治水策がこんな貧弱なものに
なつ
たのか、また今の目的税なり公債を治山治水のために特別に起すことができなかつたものかどうか、そういう空気なり、所見を政務次官にお伺いいたしたいのであります。これが私のお尋ねするところであります。
南好雄
76
○南
政府
委員 お答申し上げます。先ほど御
説明
申し上げました
概要
におきましても、内閣の重要施施策の一つといたしまして治山治水が取上げられ、閣僚懇談会も持ちまして一応の結論も出ていることは御承知の
通り
でございます。従つて
建設
省といたしましては、その案の実現に大臣以下私たちも鋭意努力したのでございますけれども、御承知の
通り
、国の全般の
財政
のあり方の問題から一兆
予算
ということになりまして、
河川
関係につきましては二十八
年度
のわずか一割強の額でしんぼうするよりほかなかつたというのが、実は今までの偽らぬ経過であります。こう
なつ
て参りますと、これから私たちのしなければならぬ道は、この
予算
の執行の際において、与えられた
経費
でできるだけ効果的に、しかも重要的に
工事
を施行いたしまして、
災害
の予防あるいは
災害
の
復旧
に万全の措置を尽すことだというように考えておる次第でございます。 なお治山水閣僚懇談会の内容その他の経過につきましては、ただいま戸塚大臣が病気で引きこもつておりますが、いずれ御出席になりましよう、私あまりその
会議
に出ておりませんので、申し違えたりいたしますとかえつで失礼でありますから、いずれ大臣からでも機会を見て御
説明
していただくようにとりはからうことにいたします。
富田健治
77
○
富田
委員 今答弁をいただいたのでありますが、これはもう長年こういうことばかり繰返しておりまして、私も長年
地方
庁に勤務してこういう問題にぶつかり、非常に残念だと思う。毎年
災害
があつて、むだな金を使つている。さいの河原に石を積んでいるようなやり方でこういうばかなことがあるものかというふうに私は考えておりますので、大臣なり政務事官なりにお伺いしたいと思いましたことは、どうしたらこの治山治水の根本策が樹立できるかということです。これは一内閣とか一大臣の問題でなくて、ずつと継続して考えなくちやならぬ問題だ。どうしたらいいのだろうか。おそらく三十
年度
の
予算
ということになるのじやないかうそうするとやはり今のようなことを言つて、事務当局がやりたいという意思があつてもできない。国民の非常な要望があつてもできない、こういうことを繰返しておつてはどうにもこうにもならぬじやないか、私はかように思うのであります。そういう意味でひとつ政務次官もこの上とも御研究を願い、また大臣ともお話合いを願いまして、ただそのときだけの
予算
ということでなく、ほかの
予算
と一緒に考えないで——どの
予算
もみな重要なものでありましようけれども、ぜひひとつどうしたらほんとうにできるかということをお考え願いたい、こういう趣旨でお尋ねをし、お願いをいたしているわけであります。政務次官に対する私の質問はこれで終ります。 そこで少しこまかくなるのでありますが、
河川局長
さんにお尋ねいたします。
河川
改修費の
補助
でありますが、これが非常に
増額
も少いのでありますけれども、一体都道府県への配分はどういうようになさるのでありますか。
米田正文
78
○米田
政府
委員 ただいまのお尋ねは各都道府県に対する
河川
改修費
補助
の問題だと存じますが、これは御承知のように、二十九
年度
は大体二十八
年度
いうことでただいま要求をしてございます。趣旨としては、先ほど政務次官から申し上げましたように、治山治水対策で大いに推進しようという意気込みであつたのでありますが、それが今日のような状況になりましたので、来年は今日の少い
予算
で集中的に
予算
の使用を行つて効果をあげたいというのが最大目標でございます。従つて従来着手をしております事業を早く完成させるという点に重点を置きたい。新規に着手をいたしたいものもたくさんございますけれども、これらはできるだけ後
年度
にいたしまして、現在着手しているものから順次完成をさせるというような
方針
をとりたいというので、現在各都道府県の担当者を呼びまして、細部にわたつて各
河川
別の事業の内容を検討いたしております
富田健治
79
○
富田
委員 そこで私少し具体的にお伺いいたしたいのでありますが、猪名川という川が兵庫にあるのであります。これは御承知の
通り
非常に荒れる川でありまして、しかもその沿岸には伊丹、尼崎というような工場地帯、住宅地帯があり、百万の人口がこの沿岸に水の脅威にさらされているというような状態であります。またちよつとした
水害
でも、堰堤を流してしまう、堤防をくずしてしまうということで、これが一つ大きくオーバー・フローしますとたいへんなことになるというので非常に不安におののいておるのでありますが、われわれが聞いておりますところではあの総工費の概算が三十六億円、ところが今まで使われた金が二億幾らというようなことでありまして、一割にも満ちておらぬ。昨年実は私は戸塚大臣にもこのことについてお聞きをし、お願いをいたしたのでありますが、大臣からは重点的は今度の
河川
改修費の
補助
を配分しようというお話があつたのであります。あの各
河川
、各水系について重点的に配分するにしても、ある程度の区切りまで行かないと、少しぐらいちぎつて均分して割振るといいますか、そういうやり方をしては何もならぬ、こういう大臣のお話であり、私も全然同感でありました。ところがこれは各
河川
についてそうであるかも知れませんが、猪名川のごときは、今申しました道り、わずかな費用で毎年
災害
を繰返しておる。そして非常な不安である。これはちよとよけいな水が出ますと、何百万の人がたいへんなことになるということであります。
河川局長
は専門家としてこれはよく御承知のことであると思うのであります。そこでお伺いいたしたいのでありますが、二十八
年度
の
災害
の
復旧
費として、国庫の
補助
額はどれくらい猪名川系に対して出されておるのでありますか、また二十九
年度
にはこの
災害
関係でどのくらいの割振りをお考えに
なつ
ておりますか、それから今の
河川
改修に関係するのでありますが、
河川
改修の費用は、今御答弁がありましたが、これは大体前
年度
通り
くらいということで、まだこれから御研究になろうということのようでありますけれども、
災害
の昨
年度
の
補助
額、二十九
年度
の御
予定
額がもしおわかりになれば伺いたいと思います。
米田正文
80
○米田
政府
委員 ただいまお話の問題は、猪名川の池田から下流は直轄
河川
として国で直轄事業を実施いたしております。それから上は現在改修
工事
はいたしておりませんが、年々
災害
を受けまして、
災害
復旧
工事
を実施いたしておる状態でございます。それで今のお尋ねは、府県の
災害
復旧事業
費だと存じますが、実はわれわれの方では、各都道府県に対して全体から見たある率で
予算
配分をいたしまして、その中で各府県において各
河川
ごとの
計画
、あるいは箇所ごとの
計画
を立てることに
なつ
ておりますので、ただいまここで猪名川の
災害
復旧
に府県の
災害
復旧
費が幾ら行つておるかということはちよつとわからないのでありまして、全体といたしましては、二十八
年度
の
補正予算
その他予備金
支出
等で全体
災害
額の一三%に相当する金額が行つておるのであります。従いまして、今
年度
一ぱいには
予算
としては大体一三%の
工事
が竣工する。そのほかにこれは県によつて違うのでございますけれども、例のつなぎ融資が行つております。これは各都道府県を合せますと約七十五億程度のものが土木
災害
の
復旧
に使われております。従いまして、これが大体七%に相当するのでございます。二十八
年度
災害
は一三%と七%加えました大体二〇%というものが二十八
年度
中に完成をする
予定
でございます。さらに二十九
年度
予算
は、二十八
年度
災害
については率で申しますと二一%に相当する
予算
を配付することに
なつ
ております。二十九
年度
中には二一%に相当する
予算
が配付せられます。問題はつなぎ融資を実は大蔵省は
年度
内に返せということを言つております。そうすると私が今二〇%二十八
年度
中に配付すると申し上げましたけれども、それを返すということになると二〇%はできないという結果になりますので、実はこの問題は今大蔵省と折衝中でございまして、まだ決定をいたしておりません。いつ幾ら返すということがまだ決定をいたしておりませんので、まだはつきり申し上げられませんが、もしその今渡してある金を全部使えば二〇%できるという結果になるのでございます。
富田健治
81
○
富田
委員 今いろいろお話を承つたのでございますが、ぜひひとつある程度の区切りまでは
河川
について重点的に選別をしていただくと、それぞれの
河川
について、ある区切りまでは乏しい
予算
でございましようけれども、ぜひひとつ事務当局も御研究をお願いいたしたいと思うのであります。 次に私は道路のことをちよつとお伺いいたしたいのでございますが、それは例の阪神第二国道のことなんであります。これがまた東京の方は第二京浜国道も大分前からできておりまして、非常に交通が緩和されておるのでございますが、阪神は御存じの
通り
最近ますます輻輳しておりますが、まだ完成というところへ来ておらぬのであります。国道につきましては二十九
年度
予算
で相当重点的に
予算
にお考えに
なつ
ておるように思いますが、どういうことに
なつ
ておりますか、お伺いいたしておきたいと思います。
富樫凱一
82
○富樫
政府
委員 第二阪神国道につきましては、お話のように至急
改良
いたさなければならないないことはわれわれも考えておるのでございます。ただ二十九
年度
におきましては、道路費は昨年よりふえましたが、直轄
工事
は昨年より一割減つております。直轄で着手するわけには行かないものにつきましては、県の
補助
事業として考えようということにただいま話を進めておるわけでございますが、何分にも新規
工事
になりますので、この点で難色があるわけでございます。しかし第二阪神国道は何とかして解決しなければならないというので、できるだけ二十九
年度
において
補助
工事
で着手できるように考えたいと思います。
山本勝市
83
○
山本
主査
ちよつと南次官に伺いますが、今
富田
委員から申された治山、治水関係というものは非常に重大だと思うのです。
建設
省としては力一ぱい折衝されたに違いないと思いますけれども、大臣は病気ということですが、あすは出られませんか。
南好雄
84
○南
政府
委員 ちよつと困難だろうと思うのです。
山本勝市
85
○
山本
主査
出られるのでしたら、やはり大臣にも出ていただいて、委員の方々の要望だけでも聞いておいていただいた方がいいのじやないか、もし出られましたら、ちよつとでも顔を出していただきたいと思います。
川島金次
86
○
川島
(金)委員 続いて
建設
省の問題に関連して、これまたこまかくなりますが、少しお尋ねしておきたいと思います。まず道路ですが、この
説明
によりますと、高速度道路の調査費が千五百万ばかり出ております。千五百万のわずかな金でどの程度の調査をするんですか、心細いきわみですが、
建設
省においてはこの高速自動車道路の何か具体的な構想があるように聞いておるのですが、それがもしありましたならば、ひとつこの際われわれに明らかにしておいてもらいたいと思うのです。
富樫凱一
87
○富樫
政府
委員 東京・神戸間の高度道路の問題について御説申し上げます。調査費は二十九
年度
に一千五百余万円を要求いたしておりますが、この高速道路につきましては二十七年、二十八年と調査を進めまして、二十九
年度
において完結する
予定
でございます。二十八
年度
におきましては大体の実地の測量を終りまして、二十九
年度
には大きなトンネルあるいは大きな橋梁の地質調査をいたしまして、
計画
を確定する
予定
でございます。もともとこの高速道路か考えられましたのは、現在の東海道がすでに飽和状態に達しておりまして、これらの交通をさばくために、もう一本高速道路が必要であると考えられましたことから出発したわけでございますが、この道路の実施につきましては、まだ具体的にきまつておりません。
建設
省の考え方といたしましては、まずこの道路を確定しておきまして、いつでも仕事のできるような態勢にしておこうという考え方でございます。ただいま考えられております高速道路の線は、大体現在の東海道線に沿うております。本年の調査が完結いたしましたならば、実際の線が確定されることになるわけでございます。
川島金次
88
○
川島
(金)委員 今の調査が完結するそうですが、その調査もやはり一つの構想なり
計画
なりがあつて調査を進めておるんでしようが、
建設
省としてもちろん
予算
の伴うことですから一概にできるものではなし、また
予算
によつていろいろの実施
計画
が違つて来るのでありましようが、最高の理想というか目標というか、そういつたものはあろうと思います。たとえば東海道線に沿つてどのような幅員で、どのような
施設
のものを理想として将来描いておるか、そういうことがあるだろうと思いますが、それがありましたら示していただきたい。
富樫凱一
89
○富樫
政府
委員 これの実施につきましては、公共
事業費
によつて実施しようということは考えておりませんので、公共
事業費
以外の費用で実施することを考えておるわけでございます。ただいま考えておりますこの高速道路の幅員は二十二メートルでございまして、片側十一メートル、二車線という考え方でございます。まん中に分離帯を三メートル置きまして、路肩にニメートル半を考えておりますが、これはすべての道路、
鉄道
と立体交叉するということを考えておりまして、最高スピードを百二十
キロ
に
予定
いたしております。この百二十
キロ
と申しますのは、百二十
キロ
瞬間的に出ましても、構造としては安全なものにしようということでありまして、道路のスピードは平地において百
キロ
、山岳一部になりまして七十
キロ
程度でございますが、ただいまの
計画
では東京・神戸間まず百
キロ
といたしますと、五時間ないし、六時間で到達できる計算になるわけでございます。
川島金次
90
○
川島
委員 道路はその国の文明と経経力を象徴する重要な一つの要素であることは言うまでもありません。今の
計画
によりますと、私は先般ドイツの方に行つて来ましたか、西ドイツのベルリンを中心として流れております道路にやや似た
計画
のように見てとつたのであります。これは将来の夢であり構想にもなりますが、おそらくこの高速度自動車道路は、東海道線の東京・神戸間の問題に限られた問題ではなくして、これから東京より東の方あるいは北の方に延びるという
計画
も、それぞれ夢としては
建設
省にはあるのだと思います。しかしながら日本の経経の現状において、それがすぐに現実の上で設計をし、その設計に基いて
工事
を進めることがなかなか困難であることはまことに残念でありますが、この道路問題にわれわれも一層の協力を惜しまないものでありますので、当局においても大構想を立ててもらいたい。その構想ができる、できないは別でありますが、日本経経再建の夢を、道路
計画
の上においても、治山治水
計画
の上においても、日本国民が持つてよいのではないかという気がいたしますので、その点を特に期待をしておきたいと思います。 そこで道路のことでこまかい話ですが、ちよつと御注意を申し上げておきたいことがあるのであります。これは私の身辺において経験した事柄であります。戦後国道を開拓して
新設
されたことは多とするのでありますが、その開拓された新しい路線がほとんど開拓されたままに
なつ
ておりますので、たとえば夏になればもうもうたる砂塵が天に沖するというありさまであります。しかもその道路沿いの田地、田畑はまつたく見る影もないほどに砂塵にまみれてしまう。あるいはたまたま住宅や店舗がありますれば、その店鋪なり住宅の中にも、かりに戸をしめておいても、いつの間にか砂塵が屋内に舞い込んで来て、まつたく生活にも困るし、商売にもならぬ。はなはだしいところでは、いつの間にか戸棚にしまつてある米びつの中にさえもその砂塵が舞い込んで来るということが実はあるのであります。
建設
省が道路
計画
に沿つて府県とともに共同して新道路をつくることはよいのでありますが、つくつたあとが耕作の上にも影響し、国民の生活の上にも非常な不愉快と若干の被害をも与えて行くというようなことであつては、せつかくの道路もその意義が半減されて、むしろその沿道の国民が実に憎しみやら恨みやらの眼でその道路をながめるということに
なつ
てしまつては、まことに遺憾千万なことであろうと思うのであります。新しい道路をつくりますれば、その道路の基本的な
計画
に基いて、どうしたならばそういうことも防げるかを考えて、一日も早くその道路がまつたく名実ともに道路としての用を果し、しかもその沿道の国民に対しても、いささかの迷惑にもならぬというようなことにならないといけないと思います。私の小さな狭い範囲の目撃ではありますが、そういうところもあります。それはひとり私の目撃した点だけではなしに、さだめし国内には方々にそういう事態が起つておるのではないかと心配をいたしておるのでありますが、そういうことにつきまして、
政府
側はどのように考え、また今後どういうふうにそれを処置して行くという
計画
を持つておるのか、その点についてこの機会にお尋をしておきたい。
富樫凱一
91
○富樫
政府
委員 ただいまの仰せはまことにごもつともでございまして、その
通り
でございます。日本全国の道路は、府県道路以上はただいま十三万
キロ
ほどございますが、このうち
改良
されておりますものは二〇%以下でございます。ことに道路の問題は、狭くて自動車が通らないというのがただいまの道路の問題でございます。しかし仰せのように、道路をやりまして鋪装いたしませんと、農産物の上にも被害を及ぼしますし、また保健衛生の上にも悪影響がございますので、道路を
改良
したならば必ず鋪装して行くようにしたいという考えは持つておるわけであります。そこでただいま道路の五箇年
計画
というものを立てつつあるわけでございますが、その中には鋪装を重点に考えまして、すでに
改良
されておりまして、十分に幅もあるというところの鋪装はこの五箇年で——もつとも交通量にもよりますが、交通量の多いところは全部鋪装したい考えであります。さきに申し上げましたように、自動車が、幅が狭いために通らぬ。
改良
にも相当金を入れなければなりませんし、また日本の道路の橋梁の大半が木橋であるというような点から、この木橋を永久橋にかけかえるために相当の費用も投じなければならないのでありますが、この鋪装に最も力を入れて行きたいというふうに考えております。
森幸太郎
92
○森(幸)委員
道路局長
さんが御出席ですからお伺いいたしたいのですが、いろいろ今
川島
委員からお話になりましたが、せつかく道路をつくりまして、耕地をつぶして幅を広げましても、利用率が非常に少い。これは理想をいえば、舖装をすれば問題はないのでありますが、今日完全鋪装はとうていでき得ない。簡易鋪装をやられると——私はあるところでこれは失業救済道路か、こういつて冗談を言つたのであります。ある区間が、こちらから直していつて向うへ着くころはまたこつちがいたんでいる。いわば失業救済にはこれはもつて来いの仕事だと私は冗談を言つたことがありますが、これについて陸運局として非常にお困りだろうと思うのは、
輸送
関係は、私らの記憶を呼び起しますと、昔は四トン級のトラツクには、これだけの積載量を認めた以上はそれ以上載せなかつた。警察の前に台ばかりをこしらえて、その上にトラツクを載せて、荷物が超過しておれば、おろしてまで道路を保護したのであります。ところが占領されて以来、進駐軍が出て来ておる。いままた
駐留軍
がおりまして、どれだけ積んでおるかとてもわけのわからぬほどたくさんな、二十トンか三十トンかしらないようなたくさんな荷物を積んで走りまわつておる。それですから道路局で、いかに道路をりつぱにせんとせられましても、はたからこわして行く。これはあなたの所管でないかもしれませんが、
運輸省
とうまく連絡して、トラツクの積載量を制限する必要があると私は思う。
駐留軍
の車だつて遠慮することはありません。むろん道路に対する抵抗力も考えてあるかと思いますが、この道路はこれこれ以上の積載量は認めない。道路の性質によつてこれを制限してもいいのではないかと私は思う。そうしなければ陸運局の方では幾らでもトラツクを許して、そうして積載量は御随意おかつて、こういうような状態でありますと、道路局がいくら理想的に道路管制をなすつても、これははたから、権兵衛が種まきやからすがほじくるでだめです。これはあなたの方で何か一つの打合せをして、トラツクにはこれだけ、五千
キロ
というのですか、その制限以上には載せない、こういうふうに何とか処置をつけなければいくら金を出して道路管制をしようとも、私は管制の機会はないと思います。ことに主要路線については、ことさらであります。夜、夜中に東京から神戸まで走るのですから、その道によつては、はたから直してははたからこわして行く、こういう状態でありますから、道路局として、道路保護の意味において、また道路を管制する意味において、陸運局との折衝々うまくやつて、積載量の制限ということを厳重にやられたらどうか、と私は思いますが、この点について、道路局の御
方針
を参考に承つておきたいと思います。
富樫凱一
93
○富樫
政府
委員 仰せの
通り
でございまして、これは自動車の大きさは各種あるわけでございますが、それぞれの大きさに応じて積載量がきまつておるわけであります。道路をこわしますのは、この公称の積載量以上に物を載せる場合が一番道路をこわす結果になるのでありまして、四トントラツクでありますと、四トンの積載量を載せればよろしいわけでありますが、三割も五割もよけい積んでおるわけであります。定められた積載量であれば、自動車の構造そのものが道路に及ぼす影響としては、大きくても小さくても同じような影響を与えるように設計されておるのでありますが、積載量を越えて積載いたしますと、そういう道路に悪影響を及ぼして来るわけであります。このオーバー・ロードを取締ることでありますが、これは諸所にはかりを置いてチエツクしなければならぬということになるわけでございますが、これは私どもの直接の所管ではございませんが、取締りの方面とよく連絡いたしまして、こういうことを早急に考えて行かなければならぬと考えておる次第でございます。最近にも神奈川県でそういう問題が起りまして、さつそくはかりを用意するというようなことを聞いておりますが、そういつた面をわれわれの側からも進めまして、このオーバー・ロードする自動車を取締つて行きたいと考えております。
森幸太郎
94
○森(幸)委員 これが運輸関係か、
建設
関係かあいまいとしておるようなことでは取締りはできない。道路を
建設
するのはあなたのところの仕事だから、自分のつくつた道を守る意味において、あなたの方の権限において、この道はこれ以上の積載量を持つたものは通さないのだということをやつていいと思う。それをやらないから、夜カツパをかぶせて四トン車に七トンも八トンも、あるいは十トンも積んで走るのですから、
運輸省
が
運輸省
で許可する、許可せんじやない、自分のつくつた道だから守るのはあなたの方の責任だ。昔は各府県とも主要な道路にはかりがあつた。それが戦争でむちやくちやに
なつ
た。進駐軍が来てでたらめな、とんでもない大きなトラツクを通しておるが、今のお話のようにトラツクの構造と積載量がうまくマツチしておれば、道路の抵抗力は同じだと承つておりますが、四トンの貨物自動車に七トンも八トンも積んで走るから、いくらあなたの方でりつぱな道をつくろうという理想を持つてもだめだ。これは
運輸省
の方にうちの方ではこれこれ以上の車は通さないとはつきり
建設
省でおやりになることが道路管制の手段だと考える。はかりをこしらえてとかいうことでなしに、道路局自身でおやりになるべきだと思う。この点についてどうでございますか。
南好雄
95
○南
政府
委員
道路局長
から返事をした方がいいのでございますが、私もたまたまこの問題を従来から知つておりますのでお答え申し上げます。自動車の積載量過重を取締つておりましたのは交通警察、東京あたりは警視庁でやつておつたわけなんであります。森先生の言われるように、つくつておるものだからこつちの力で取締つた方がいいという考え方もございますが、従来からの経緯で、これは交通警察が
運輸省
に参りました関係上、
運輸省
で取締ることに法規上に
なつ
ておるのでございます。道路交通警察とか何とかいう法律が陸運法規の中に出ておりますので、取締らなければならぬように
なつ
ておるのでありますが、
予算
の関係その他で主要道路にはかりを置くというようなことは、
予算
がなかなか確得できないので、まだ手を出しておらぬようであります。私参りまして早々その問題は
道路局長
から向うの陸運局長の方へ連絡をさせまして、今いろいろ交渉しておるのであります。どうしても伺うでやれぬということになりますれば、お説の
通り
これは道路をつくつても、
維持管理
の上において非常に遺憾の点が出て参るのでありまするから、
維持管理
と結びつけまして、場合によつては法規の改正まで持つて行かなければならぬのじやないかという点を、先般来私から
道路局長
にも話をしておるのであります。なおこの問題につきましては、運輸当局へも、厳重にやるか、しからずんばこちらに協力して文句を言わぬか、どつちか返事をしろというような点まで話を進めておるのでありますが、まだその結末がついておらぬというのが今日の状態でございます。
森幸太郎
96
○森(幸)委員 なるほどそういうはかりをこしらえるということについては、
予算
もいるでしようけれども、せつかく乏しい
予算
で道をつくつて、そうして五年もつ道を三年でぶつこわされて、三年目で直さなければならぬということは実につまらぬ。そんなことは
運輸省
がなんのかんのと言つたつて、自分でつくつた道じやないか。これをむちやくちやなことを、やるなら、五年もつのを三年でこわれてしまう。それでまた金がいる。こんなわかり切つたことはないはずです。そんな交通取締りがあつて巡査にまかしたつて、警察はやるひまがありやしませんから、自分でつくつた道は自分で守ること、私は
建設
省の責任として、これは法律が不備なら法律改正をしてでも
建設
省がやらぬと、もつたいない。わずかな
予算
でつくつて、五年もつものを三年でぶつこわされる。失業救済かどうか知りませんが、失業者があるから、道路をこわしてニコヨンを頼む、そんなじようだんを言つているときじやないんです。乏しい
予算
でやつているんですから、自分つくつた道は、どうかしてこれを完全に、一年でも長く使わすようにしていただかなければならぬと思うのでありまするから、どうか南さんひとつそういうふうにぜひやつていただきたいと思います。
予算
の節約ですから、私はよろしく希望しておきます。
葉梨新五郎
97
○葉梨委員 関連して、ただいまのお話なんですが、これは私ども非常に痛切に感じておるところでありますが、大体今通つている重量車のトン数は、最高どれくらいのものが実際に通つていましようか、これをお調べに
なつ
ておりますか。
富樫凱一
98
○富樫
政府
委員 日本の自動車は、道路運送車両法の施行規則に目方がきめられておりまして、最高二十トンということに
なつ
ております。それから進駐軍の使つております車が非常に大きい、しかも重量車を通しておるわけでございます。これははつきりしたことはわからないのでありますが、トレーラーに戦車などを乗せたときには八十トンぐらいになるかと思います。こういう点に関しましては、占領軍の方にも、あまり重い自動車を通されることは困るということも申したことがあるわけでございますが、向うは、設計上総体の目方は大きいけれども、道路に対する影響については、小さな自動車とかわらないようにしてあるということを言つております。それで前にも申しましたが、これがオーバー・ロードをしておらなければ、それほどの影響もないと私は考えております。しかしだんだんに自動車が重く、大きく
なつ
て来る傾向に
なつ
ております。
葉梨新五郎
99
○葉梨委員 二十トンの制限のところへ八十トンのトレーラーが通れば、無理であることはだれしもわかるのであります。そうしますと、県道はしばらくおくといたしましても、国道における
建設
省の
計画
は、一体何トンを目当てにして鋪装等をやつておるのですか。あるいは鋪装等しなくても砂利道であつてもけつこうですが、それは何トンに耐え得心という
計画
のもとにやつておのですか。基礎
計画
はどう
なつ
ておりましようか。
富樫凱一
100
○富樫
政府
委員 ただいまの道路構造令によりますと、十三トンを考えております。しかしこの十三トンというものは、考えの上での標準の自動車でございまして、このくらいの自動車を
予定
にして設計して行けば、大方の自動車は大丈夫であるというところできめてあるのでございます。しかし最近だんだんに自動車が重く
なつ
て来ておりますので、これの
改訂
をいたさなければならないと考えておりまして、ただいまその研究を進めておるのでございますが、近く結論が出ることに
なつ
ております。大体アメリカあたりでは二十トン・トラツクを考えておりますので、その近所のものに上げて行かなければならぬというふうに考えております。ただ目方を一ぺんにそう上げましても、こういう車両が橋梁などを通過できないことになりますので、その経過措置として、橋梁の通過方法を制限いたしますとか、あるいは橋梁の補強を考えるとか、いろいろな手だてを講じなければなりませんが、そういつたところでただいまは国道の設計をいたしておるわけでございます。 そこで鋪装の問題でございますが、鋪装は交通量に応じて考えております。砂利道と鋪装道路と経済的にひとしくなる交通量というものは、大体三百台でございます。三百台以上のところは鋪装して行きたいと考えておりますが、
予算
に制約されまして、ただいまのところは五百台以上の部分をこの五箇年間には鋪装したいというふうに考えておる次第であります。
葉梨新五郎
101
○葉梨委員 私はほかを知らないので、自分の直接知つておるところを申し上げますが、六号国道が昨年九月以来通行できるかできないかという非常な悪状態であるということを
道路局長
は御承知でありましようか。
富樫凱一
102
○富樫
政府
委員 六号国道が昨年の長雨のために上盤がこわれまして、久しい間交通が、ほとんどむずかしい状態にあつたことは知つております。そこでこの六号国道の場合につキにましては、これは一種の
災害
であるというふうに考えまして、その
災害
の
復旧
という考えで措置も考えたわけで。ございますが、それもできませんでしたので、六号国道については、実は五箇年
計画
で水戸まで全部鋪装してしまおうという
計画
を持つておるわけでございます。しかし二十九
年度
につきましては、この
計画
通り
行かぬようになりましたが、できるだけ早く鋪装するように私、どもの方でも
計画
いたしております。
葉梨新五郎
103
○葉梨委員 実は福島県とか茨城県とかいうようなところは、御案内の
通り
道路が非常にいいということで、昔から名が通つておつたといいますか、当局の管理よろしきを得て非常によく行われておつたところで、その原因としては側溝に注意した。つまり一に溝、二に溝、三に溝ということが私ども茨城県方面においては土木の秘訣とされておつたくらいで、側溝を常によくして道路の保全ができておつた。そして国道であろうが県道であろうが、非常にりつぱな道路だというので、どこにも自慢できたくらいのものであつた。ところが最近重量車が通るようになりましてから、国道も県道も差別はない、一様に底が抜けてしまつたというような状態であります。いくら割ぐりを入れようが何しようが、沈んでしまつてだめなんです。これは先ほど一種の
災害
だと言われましたけれども、私は今日の年まで、自分の郷里である茨城県を歩いておつて、道路が非常にいいということで自慢して、また気持よく交通しておつた。ところが昨年の九月以来というものは、県道等はトレラーバスが通つたりして、鍵盤が抜けたような形で、まるで底抜けに
なつ
ておる。国道もまたしかり。今日なお交通が杜絶したと同じような状態に
なつ
ておる。私はつい三、四日前自動車で往復をしたのですが、非常に迂回をして、汽車の三倍も四倍も時間をかかつて、やつと東京に帰つて来たというような状態です。昨年の九月からこういう状態です。しかもそれは国道なんです。一種の
災害
であると言われるけれども、そうじやない。私は、これは道路局の今の
計画
で言つての不可抗力に侵されているのではないか、こういうふうにしか理解できない。今、せつかく
計画
を検討中であるというお話でありますけれども、せつかく検討中であつて、あと何箇月このままにして交通杜絶のような状態にするのですか。そういう責任の明らかにできぬようなことでは相ならぬのでありまして、責めるわけではありませんけれども、これは不備の点があつて、他の省の関係と協議しなくちやならぬ点があるのなら、遠慮なくなすつたらいかかでございますか、この点まず伺いたい。
富樫凱一
104
○富樫
政府
委員 この六号国道について、ただいまのお話でございますが、これは
維持
に属する問題でございまして、国道の管理者が都道府県知事でありまして、都道府県知事のやらなければならぬ仕事に
なつ
ております。そこで今お話のような事態が再々起つておりますので、国においても、この補修あるいは国道の
維持
といつた面にも
補助
をやる。あるいは直轄で補修
維持
ができるようにということは考えておるのでございますが、何分にも日本の道路の現状では、
改良
を進めるということが先でございまして、補修
維持
の面は管理者におまかせしてある状態であります。しかし将来国道については、こういつた補修
維持
の国の
補助
といつたものを考えて行かなくちやならないのではないかというふうに考えております。
葉梨新五郎
105
○葉梨委員 まことに心ぼそい次第です。府県にまかしてあるんだ、自分らの方に責任はないんだとおつしやらんばかりの御答弁であつたように伺いました。さようなことになりますと、国道でも、一ぺんつくつて渡せば、あとの
維持管理
はその土地のものだということに
なつ
てしまう。それなら五トン車か十トン車程度を目標にして道路の
建設
をした、あるいは補修をして補装にかえて渡した。そこを八十トン車あるいはそれ以上の重量のものが通つているのでありましよう。そういうものが通つておつて、こわれても、それはわれわれの方の責任じやないということになる。かりに
維持管理
を府県にゆだねてあるとしまして、その監督、あるいはこれを大きな意味でいえば、総轄しての国の管理というものがなければ、国道という意義をなさぬのではないか、それは今あなたのおつしやるように責任はないのでございますか。
富樫凱一
106
○富樫
政府
委員 国道の
維持管理
の責一任は、ただいまの道路法上では、管理者は都道府県知事に
なつ
ております。そこでこの国道については、将来は理想的な形とすれば、国が補修し、
維持
することにしなければならぬと思つておるのでございますが、先ほど申し上げましたように、ただいまのような道路費の現状では、
改良
をするということがまず先に
なつ
て来るわけであります。そこでお話の六号国道などについても、これは早く鋪装してやるということが、当面の問題じやないかと思つておるわけですが、そういう鋪装の面について、われわれはただいま五箇年
計画
に入れて
計画
しておるわけです。
葉梨新五郎
107
○葉梨委員
維持管理
に関しまするさらに最高の、上級の監督機関は何でございますか。
南好雄
108
○南
政府
委員 道路の
維持管理
につきまして葉梨先生の御質問は、私も同様そう考えたのでございます。道路はやはり、道路法では、
維持管理
そのものはその県の責任で
経費
を持たせておつても、国道全般に対する
政府
の責任、
建設
大臣の責任はよほど考えなければならぬ。埼玉の道路はいいが、茨城の道路は悪いというように、一本の道が管理者が違うことによつて、よかつたり悪かつたりするようなあり方は、私としても納得が行かない。そこで今年は、当然今までやらなければならなかつたのでありますが、五箇年
計画
の当初の年でもありまするので、
維持管理
費を約十億近く大蔵省に要求したのであります。金をこちらから出し、従つて国道については全般発の責任を、一本の道路にして持つように、こういう建前で大蔵省とずいぶん交渉したのであります。しかしながらちようど私たちの気のついたところが、たまたま一兆円
予算
にぶつかつて、何のかんのと言いくるめられまして、今年は遂に泣寝入りに
なつ
たというのがほんとうのありのままのお話でございます。しかしこのままでは、今御質問になりましたように、私たちでも納得の行かぬ点が多々残つておるのでございます。金の面は別といたしまして、
建設
大臣の責任は、私はあるべきものであり、またあるのが至当だと考えておるのであります。この点につきましては、国道の五箇年
計画
をやることについて、なるほど当面は鋪装
改良
が主であつても、一本の道にそうひどい差ができないように、
予算
措置の上におきましても、格段の考慮を払つて行きたいと考えておる次第でございます。
葉梨新五郎
109
○葉梨委員 私は、当局を責めようという意図から言つておるのでなくして、どうしたらよくなるかということで申し上げておるのであります。そこで先ほど森
幸太郎
君からの御質問にもありましたが、重量制限ということは非常に大きな問題であります。また道路の幅員につきましても、道路の監督官庁である道路局として真剣に考えていただきたいことは、乗用車もそうでありますが、バス、トラツク等の幅の制限、大きさの制限、在来は楽にすれ違つた道路が、もうすでにすれ違いができないように
なつ
ておる。これはなるほど
運輸省
の所管でしよう、陸運局の所管で、あなたの方の所管ではない、だろうと思う。しかし道路を管すると申しますか、道路を
建設
して、これを
維持管理
をして行くということは、常識として
建設
省の責任である。 〔
山本
主査
退席、
西村
(久)
主査
代理着席〕 そこでそれをやるのは、今陸運局は、道路局に相談なしに、許可認可をやつておるのかもしれませんが、少くも合議で車の幅員に対しての制限を考えてほしい。無制限な大きな車を狭い道路に——たとえば観光バスのごときも、今日全国的に観光バスが大はやりですが、この観光バスのごときも、やつと通れるような道を悠々通つて、ほかの車は、もし行きあうと通れなくなる。そこで非常に時間を空費するようにする。そういう非常に無
計画
的な国の認可許可の
方針
だ、こういうふうに考える。これは終戦後の非常に自由な放任といいますか、自由というよりも、放任なやり方が今日のああいう状態を来しておるのじやないか。この際これは
整備
をし、各省の権限等の関係もありますれば、至急その権限等の
整備
もしてもらいたい。実際のことで、どうだこうだということで、事務当局でお話合いができなかつたら、南さんたちお互い政務官の間でお話合いをすれば、各省で話合いがつくと思います。こういう弊害を至急除去することに御尽力あらんことを、切に御要望申し上げて、私の質問を
打切り
ます。
稻葉修
110
○
稻葉
委員 関連して——道路の
維持管理
の責任はもちろん
建設
省にあるのですが、道路破壊の大部分というものは、
駐留軍
の超重量自動車等による破壊が非常に多いのです。これは占領下にあるときならばともかく、独立をしたわけでありますから、道路は国の財産で、それに対する規則もありますので、その規則違反です。超重量をもつて道路を走つてこわしたのだから、不法行為による損害を与えたことになる。わが国としては、アメリカ側に対する損害賠償の請求権があると思う。それらのことについて、今まで
建設
省ではどういう努力をして来たか、それについての請求権がもしありとするならば、それは当然国の
歳入
、歳出の
予算
に計上されてしかるベきものだと思います。その点、政務次官はいかがお考えになりますか。
南好雄
111
○南
政府
委員 お答え申し上げます。この御質問になりました道路についての考え方は、国道の
維持管理
は道路管理者がすべきことで、これは
河川
はついてもそう
なつ
ておるのであります。一
通り
の解釈面では、国道につきましては、埼玉県を通つておる道路は、一応埼玉県が
維持管理
の責任者ということに
なつ
ておりまして、バスその他を通す場合におきましては、陸運当局が
維持管理
者に合議をしておるようであります。そこでおそらく
維持管理
者がいいというので、バスなどの路線に
なつ
ておるものと考えております。しかしそういう法律的な仕組みはいずれにいたしましても、最近は幅員狭い道路に大きな車が通つておるということは事実であります。しかも先ほどから幾たびも御質問がありましたように、道路に対して過重になる、いわゆる重量制限を超過する車が通つておることも事実であります。これを取締る上に、私たちも今まで陸運当局に強い要望をして参つたのも事実であります。しかし御承知の
通り
に、権限争いはありましても、その権限に属しました際には、なかなかこれを早急に解決していうことはやらぬというのも、これまた見のがすことのできない事実であります。この点につきましては、将来ひとつ陸運当局とよく協議いたしまして、どちらかはつきりさせたいと考えております。今いろいろ交渉しておるような次第であります。 なお稲葉先生の言われたように、道路に損害を与える大きな車を通したというようなお話がございましたが、これは法律問題としてむずかしい問題ございまして、今日重量制限以上の車がどれだけ道路に損害を与えておるか、アメリカの車がどれだけ損害を与えたかということになりますと、相当厳密な現地調査をやり、相当しつかりした法律構成をつくらないと、これまた結論を得られない問題になると思います。やはり取締り規定も
整備
し、取締りの
施設
もやりまして、具体的に、現地調査の基礎資料を得て、それからの問題だと思います。そういうことは、ただいま事務当局同士の話合いの交渉中途という程度でありまして、見られるような重量制限を突破しておるようなことに対する車を取締る
施設
も、あつたものがなく
なつ
ておるという実情でございまして、その点はなはだ遺憾でございますが、まだそこまで話を進めて行くほどに
なつ
ておらぬことを御了承おき願いたいと思います。
稻葉修
112
○
稻葉
委員 どうも私は御了承できない。道路
建設
費の相当部分は、やはり
駐留軍
の重量車の破壊によつて占められておると私は思うのです。これは明確に違反行為による損害ですから、不法行為として、損害賠償の請求権がわが国にあると思うのであります。それらのことについて、道路の
維持管理
の責任者たる
建設
省が、何らの調査もなく、全然見当がつかない。道路
建設
費にしても、何パーセント、何十パーセントがこれに当るものか、見当がつかないということは、これは
建設
省としては怠慢だというふうに思うのです。もしそういこうとがずつとできておれば、当然に、
昭和
二十九
年度
予算
の
歳入
面において、国の財源として、
収入
見込額として盛り込めるはずであります。それがもし盛り込めるとすれば、今後の道路
建設
にも相当の
歳出予算
が組めて、非常にいいと思うのです。まあ、できてしまつたことはしかたがない。今までやつていないというのは、しようがない。私は了承はいたしませんけれども、そういうことは怠慢だと思うが、今後はぜひ調査をして、
昭和
三十
年度
の
予算
ぐらいには、相当の見込額を織り込めるように御努力を願いたい。そういうことを要望いたしまして、私の関連質問を終ります。
井手以誠
113
○
井手
委員 私もただいまの
駐留軍
の車のことについて、簡単にお尋ねしておきたい。道路をこわし、橋をこわしておる
駐留軍
の車に対して手をこまねいておるような
建設
省の態度は、非常に私は不満でございます。そこでお尋ねしたいのは、そういう道路関係について、行政協定ではどう
なつ
ておるか、まずその点をお尋ねいたします。
富樫凱一
114
○富樫
政府
委員 行政協定では、軍の車両には特別の制限はございません。自由に交通できることに
なつ
ております。ただ
駐留軍
の
施設
関係で必要を生じた道路につきましては、安全保障諸費で措置して参つたわけであります。これは演習場間をつなぐ連絡道路で使えなくなるというようなものと、あるいは演習場内の連絡道路に使われるもの等でございまして、大きな車が通つて、
駐留軍
の車が道路に損傷を与えたといつたものについては、格段の措置がとられておらないのでございます。
井手以誠
115
○
井手
委員 特別のとりきめがないとすれば、重量の制限にかかるわけですね、現在の法規にある……。
南好雄
116
○南
政府
委員 先ほどから申しておりますように、抽象的に、大きな車が道路に負担過重になりまして損害を与えるものか、小さい車が積載量を超過して走るために、道路を痛めておりますか、なかなかむずかしい問題でございます。先ほど稲葉先生の御質問にお答え申し上げましたように、一つの道がこわされて行く際において、通る車が具体的に、どの車と、どの車が積載量を超過しているというような資料が出て、初めて損害の算定から、責任の所在本はつきりして来るのであります。今までの法規関係におきましては、道路を
建設
するところまでは
建設
省がやつておるのでありますが、道路の上を走る車の取締り、そういうものは交通警察の中に入りまして、旧内務省から
運輸省
に一切引継がれております関係上、道路の取締りは陸運当局がやつておるのであります。従来のしきたりに従いまして、私たちは道路の
維持管理
の責任がありますがゆえに、道路の愛護という点、また道路の
維持
という点から積載量についての取締りを陸運当局に要望して参つておるのでありますが、御
説明
申し上げましたように、まだそのチエツクの段階——事実はわかつておるのでありますけれども、
施設
ができておらぬ。従つて通る車のどの車がどれだけ損害を与えて行つたかということがはつきりしておりませんので、通つている車のうち日本側がどれだけ責任があり、また通つている車のうちの駐車留側がどれだけ責任があるかは、これは実際問題といたしましてなかなかわからぬ、こういうことも先ほど御返事申し上げたのであります。
西村久之
117
○
西村
(久)
主査
代理
井手
君のお尋ねは、道路に関する
日米行政協定
のうちに、何かこういうふうな関係で日本
政府
から要求されないような協定があるのではないか、そういう前提のもとにお導ねに
なつ
ておるのですが、日米の行政協定の中には道路に関する協定
事項
はないわけでございますか。
南好雄
118
○南
政府
委員 行政協定中にはその種のいわゆるとりきめはないのでございます。
井手以誠
119
○
井手
委員 そうしますと、現在の道路交通取締り法でございますか、それに積載量を越えれば違反するわけでございますね。
南好雄
120
○南
政府
委員 占領中は軍でごいまざすから、おそらく内地の法規は適用されておらぬと思います。独立後におきましては——私の解釈でございますから、後ほどよく調べまして御返事を申し上げまするが、
駐留軍
といえども日本国内の法規には服従すべきものと私は今考えております。なおよく外務当局あたりに聞きまして正確な御返事を申し上げたいと思つております。
井手以誠
121
○
井手
委員 おかしな答弁だと思うのです。違反しているかはつきりわからないというくらいのことでは
建設
省の責任は務まらぬと私は思うのです。先刻も、二十トンくらいの重量しか耐え得ない日本の道路に、八十トンのものを積んだ重量のものが走つておるということははつきり答弁しておる。はつきり違反しておるのです。そのものに対して
建設
省は今日までほうつておくという手はないはずなんです。その点について全然抗議を申し込んでないかどうか、その点をはつきりしてもらいたい。
富樫凱一
122
○富樫
政府
委員 先ほど八十トンぐらいの重量になる車が走ると申しましたが、そのときにも申し上げましたのですが、設計上は道路に与える影響は小さな車と同じようにしておるという
駐留軍
の話でございます。それで道路に与える影響、たとえば大きなトレーラーになりますと、車を非常によけいにしておりますから、そういつた関係で一つの車あるいは単位面積にかかる力というものは、八十トンのトレーラーでありましても、十トンのトラツクと同じようになる、こういうことでございます。この占領軍の大きな車両が通るために、いろいろ道路をこわしますので、この点に関しましては、行政協定の中に道路
分科会
というのがございます。そこでこの問題を出しまして協議したこともありますが、先ほど政務次官から申されましたように、どの程度の影響があるのか確実につかめないまま今日に至つておるわけでございます。
井手以誠
123
○
井手
委員 道路を
建設
する主務省がどのくらい影響があるかわからないというようなお言葉は、私はどうも解せぬと思う。また取締り面からも向うの方はこういう考えを持つている。そういう一方的な解釈でぐらつくような日本の法律ですか。私はこの点は非常にふしぎに思う、取締りの
方針
というものは確立されておる。
駐留軍
がこういうふうに解釈しておるから非常に困る、こういうようなことで左右される性質の法律ではないと私は考えております。この法律は長い間実施されております。それを明確にし得ない
建設
省、影響についてもはつきりつかみ得ない
建設
省の今日の態度は、私はどうも不可解にたえません。先刻来の御答弁によりますと、その責任は
運輸省
にあるというのであるが、ほんとうは道路を
建設
した主務省の
建設
省が一番熱意を持つてこれに当るべきだと思う。法規上
運輸省
に
なつ
ておればいたし方ありませんけれども、道路を損傷するというこの事実に対しては、
建設
省が最も熱意を持つて当るべきものだと思う。日参してでも向うに抗議を言うべきものは言うということが、私は本筋だと思う。私の方は取締りの責任はありませんというお言葉であるならば、私はお尋ねいたしません。あらためて
運輸省
にお尋ねいたしますが、そういうことで
建設
省が立つて行くとは私は考えません。ひとつ十分自戒されまして、違反を犯し、そのために道路が損傷するというものに対しては、いかに相手がアメリカであろうとも、法の命ずるところによつて取締りをされるように、
建設
省も十分努力をされるよう、特に御注意を申し上げておきます。
葉梨新五郎
124
○葉梨委員 この際動議を提出いたしたいと思うのであります。それは先ほどから道路行政の主管官庁であります
建設
省に質問をいたしておりますが、道路行政上疑義の点が多く
なつ
ております。これは関係各省との間に疑義をただして、すみやかにこの
方針
を樹立する必要があるんじやないか、こういうふうに考えられるわけであります。そこで私は、明日の委員会でもけつこうですから、関係省の出席を求めて、この道路行政に関しまする糾明を明らかにしまして、道路行政上さしつかえのないように、不安のないような道路法の改正を必要とするなら必要とするような点を、お互いの責任において究明して行きたい、かように思いまするから、そのおとりはからいを
主査
においてなされんことを希望するの動議を提出いたします。
西村久之
125
○
西村
(久)
主査
代理 葉梨君の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
西村久之
126
○
西村
(久)
主査
代理 御異議ないようですから、満場一致葉梨君の動議は可決されました。従つて
主査
の方においてその手続をとることにいたします。
川島金次
127
○
川島
(金)委員 大事なことでありましたので、私の発言中の関連質問を見送つて来たのですが、関連質問がえんえんここに五十分にわたるという状況でございます。これは私も短い議会生活でございますけれども、あまり慣例のないことでもありますし、そういう議事のとりはからいというものはやはり一応申合せで、そういうことがいいのだということであれば今後もそうする。しかし今まではそういうことは例としてはない、質問をいたしたいために、私は早くから来ている。そうして成規の手続をして発言をしております。しかし事柄が非常に重大な問題でありましたので、私はそれぞれの委員の方々の関連質問を了承し、かつ謹聴しておつたのでありますが、今後そういう形でこの委員会を
運営
されるか。やはり関連質問には若干の限度があつてもしかるべきじやないかと思うのであります。まだ一日、二日委員会がありますが、その点どういうふうにきめますか。
西村久之
128
○
西村
(久)
主査
代理
川島
委員の御意見の
通り
に取扱つて行く
方針
を立てて参ります。
川島金次
129
○
川島
(金)委員 わかりました。別に目にかどを立てて言うわけではありませんで、一応私は謹聴しておつたのですから、それは御了承願いたいと思います。ただ今後の議事の
運営
の仕方をそうしていいかどうかということを聞いておきたいのです。
西村久之
130
○
西村
(久)
主査
代理 承知いたしました。なるたけ関連は短かい関連を許すことにとりはからいたいと思います。
川島金次
131
○
川島
(金)委員 どうぞそのつもりで
委員長
もおとりはからいを願いたいと思います。 そこで先ほどの継続ですが、私が先ほど申し上げましたように、ことに
新設
道路において、夏はもうもうたる砂塵天に沖し、その付近の耕作物あるいは住民にまことに忍ぶことができないような迷惑を与えておる。また冬は冬で泥棒まことにひざを没するというようなことにまでなりかねないような悪道路に
なつ
て、そのためにまた沿道の農作物はもちろん、住民あるいは店舗にも大きな被害を与えておる。それからまた砂利道は砂利道でそこにトラツクが通れば今の話ではないが、国内のトラツクはもちろん、ことに
駐留軍
等の車が通るときには、砂利がはね返つて沿道のガラスをこわし、あるいははなはだしいものは戸までこわしてしまうというようなことも事実しばしばあるわけであります。こういうことに対して急速な措置を講ずるということは、まず鋪装かもしくは道路の改修以外にはないのですが、それとあわせて、こうした沿道の一般国民の受ける被害は、ただいたずらに沿道であるがために泣寝入をしなければならない、こういうことはまことに筋の通らないことだと思うのです。そこでそういうことのないように、まず
政府
は急速な措置を次から次へととつて行くのはもちろんであるけれども、現に被害をこうむつておる沿道の国民に対して、何らかのこれに対処する熱意がなければ私は筋が通らぬと思うのです。実際に
道路局長
も場合によればこれを目撃しておるのではないかと思いますが、その被害のありさまは、言語に絶するものがわれわれの身近の狭い範囲ではありますけれどもあるのです。日本全国においてそういう地域がおそらく相当の数に上つておるのではないかと思う。そういうことに対して一体
政府
はどういうふうに考えておるか。道路はその沿道の人たちの直接の利益ではなくて、ことに国道のごときはそれを利用する国民全般の利益である、その国民全体の利益のために、たまたま沿道なるがゆえにいかなる迷惑をこうむり、いかなる被害を受けても泣寝入りをしなければならぬのだというのでは筋が通らぬし、それは政治ではないと私は思う。これは今の道路行政の監督の責任の問題とともに、直接国民の沿道の人々の利害の問題であり、生活の問題でもありますので、その点について
政府
には何かお考えがあるべき筋合いと思うのでありますが、ありましたならばこの機会に示しておいてもらいたいと思います。
富樫凱一
132
○富樫
政府
委員 お話のように砂利道で沿道がほこりをかぶり、また砂利が飛んで被害を受けるというようなことがあるのでございますが、このほこりにつきましてはただいま補償する道がないわけでございます。そこでわれわれといたしましてはできるだけ急速に道路の
改良
を進めるということに力をいたしているわけでございますが、これも
予算
の制約に縛られましてなかなか思うように行かないのが実情でございまして、われわれとしてはできるだけ効率的に仕事をしたいと努力しております。
川島金次
133
○
川島
(金)委員 効率的に仕事をするという問題はもちろんなのですが、実際の上において
新設
道路その他の沿道の国民が日々迷惑をしている。日々被害をこうむつている。あなたが寡聞で知らないとおつしやれば私が現地を見せてあげてもよろしいのですが、それは実に言語に絶するものがあります。中には沿道であるがために一年中表の戸障子を締めておかなければ——夏なお暑いときでもその戸を締めておかなければ、どうしても生活ができない。また商売がまるきりできないことに
なつ
ているところも事実あるのです。そういう問題について、法律上の問題を私は論じているのじやなくて、法規にはそういう場合の損害補償とかなんとかいうものがかりにないといたしましても、やはり政治の建前からいつて、そういうものがあつた場合には何らかの措置を講ずるという誠意というか、何かなければならぬ。そういうことについて一体
政府
は何か考えたことがあるか、どうかを聞いているわけです。
富樫凱一
134
○富樫
政府
委員 鋪装をいたします場合にできるだけ人家の連
なつ
たところから始めて行くというような措置は講じているわけでございます。そういう箇所が非常に多うございますので、私どもの方は一定の交通量を越えるものについて、しかも幅もあるというようなところから鋪装を始めているわけでございまして、これが沿道のそういつた苦情を一挙に解決することにはならないわけでありますが、逐次そういう面の
改良
を進めて行くということでやる以外にないと考えております。
川島金次
135
○
川島
(金)委員 道路そのものに対する施工の問題はもちろんでありますが、それが完成する間に実際において半年も一年もかかつている。その一年もの間たまたま沿道の住民たるがゆえをもつてひとり多くの犠牲を払わなければならぬというこの立場を放任しておくという手はないと私は思う。法律上に補償の点があるかないかは私は調べておりませんからわかりませんが、かりにないにいたしましても、そういう実害をこうむつた沿道の国民がありといたしますれば、それに対して
政府
は何らか親切な心をそれに向けなければならぬ、それが私は政治だと思う、こう言つているのです。そういうことについて
政府
当局は考えたことがあるかどうか、その点を聞いているわけであります。
南好雄
136
○南
政府
委員
川島
さんにお答えいたします。
建設
省としては、そういう場合にはできるだけ早く鋪装して御迷惑をなるべくかけないようにするというのが今までの考え方で、手一ぱいだつたのでございまして、そういう面における実害を考えて何とか政治的に手を打つというところまでは、考えてはおつたのでしようが、実際問題としてはやつておらなんだというのが、今までのやり方だつたと思うのであります。これは道路ばかりでなくて、
河川
の
工事
にいたしましても、特定道路で、しかも通し
予算
でやりますものですから、長期にわたつて非常に御迷惑をかけている実例も、私は実際問題としてあるだろうと思います。もともと相当金があれば短期間にやれるのを、金がないものですからひまがかかるというようなことが間々起きては参るのでありますけれども、この点につきましては、なるべく
予算
を重点的に使用して、御迷惑を一日でも早くなくするように努力をするという程度で、今のところはしかたがないんじやないか。もし考えるといたしますならば、法律的に何か手を打たなければ、今までの
政府
のやり方といたしましては、私は手がないんじやないかという気がするのであります。
川島金次
137
○
川島
(金)委員 そういう長期にわたる、たとえば三月か半年のことならば、あるいは沿道の住民もできないがまんでもない場合もありますが、それが一年、二年という長期にわたつて被害をこうむり、迷惑をこうむつている住民もいるのであります。そういう問題に対して、現在のところでは国家的な補償の余地はないにいたしましても、そういう事実が全国的にあるといたしますれば、政治はそこに目を向けてそれらに対して、どうするかという考えをまとめるなりあるいは検討する必要があるんじやないか、こういうことを特に強くこの際申し上げておきたいのであります。 時間がありませんから次に移ります。いろいろ道路の制限トン数の問題がある。その制限トン数をオーバーする重量をもつ交通が頻繁にあるから道路がこわれる。まさにその
通り
。反面には——私はしろうとでわかりませんけれども、
工事
をもつと完全にやつたならば、ああまで早期に損傷しないのではなかろうかと思うような事態がずいぶん国道筋等にはあります。つくつてみたかと思うと、そこに超重量的ものが通つたためにこわれたものもありましようが、そうでないにかかわらず、
工事
が終つたかと思うと、わずかの期間でさつそくこわれている。そしてそこがみぞに
なつ
てしまつたり、穴に
なつ
てしまつたりというような事柄が、われわれはしろうとでありますが、よく目につくのであります。これはやりは
工事
の設計というよりも、基礎
工事
、その他完成までの間の
工事
の上に、ややもすれば手を抜いたり、あるいは監督が不行届きであつて、完全な施工がされない。こういう場合もずいぶんあるのであります。そういう問題によつて、いたずらに貴重なる血税を投じた道路がむだなやり方をされているということもずいぶんあるのではないかと思われる節がありますが、そういうことについては、今の道路の上における重量トンの制限もさることながら、まず道路自体の施工の上においてもつと完全無欠なしくみをつくりながら、血税の使い道を完全無欠なものにする努力が、国民の前に当然なされなければならぬ責任が当局にあろうと私は思います。ところがそうでないように思われる箇所もはわれわれも目にいたしておりますので、そういうことについて、一体役所側といたしましてはどういう形で責任をとつて行こうとしているのか。今までの決算報告などを見ましても、中には
建設
省の所管においてそういう、
工事
についての不当な支払いがあつたり、あるいは過払いがあつたりというようなこともずいぶんあるわけであります。そういうことについて
政府
は今後とも責任を持つて行かなければならぬと思いますが、そういうような問題について一体当局はどういうふうに考えているか。そういつた点を、特に南さんでなく、直接の責任者である
道路局長
にこの際伺つておきたいと思う。
富樫凱一
138
○富樫
政府
委員
工事
が終つてすぐこわれるというようなことが間々ございます。これはいろいろの原因があるわけでございますが、施工の時期、また施工の方法、基礎のやり方等で、そういうことが起つたこともあるわけでありますが、これはお話のように十分慎重な施工をやりまして、
工事
が終つたらこわれるということがないようにしたいと思つているわけであります。これは設計につきましては、国が直轄で施行し、また
補助
してやるものは本省で見ているわけであります。施行の面につきましては、国が直轄で施行し、また請負者に渡して施行しているものもございますが、直接国が監督するものにこれらの施行の方面で職種がありましたならば、その施行者たるものに責任があるわけであります。これらの点につきましては、十分厳重に監督して——従来も監督して参つたわけでございますが、今後なおより以上の監督をして参りたいと考えております。
川島金次
139
○
川島
(金)委員 これはあまり具体的には申し上げませんが、そういう問題でいろいろの風説も間々あることであります。これは
河川
、道路、治山治水の問題につきましてもそういう話がないわけではありませんので、今後そういうことについて十分に戒心をしていただきたい。監督をさらに一層厳重にして、せつかくの貴重なる国民の血税の使途については、一層の戒心を深めてもらいたい。特に国民の立場から要求をしておくわけであります。そこで時間があまりありませんので、住宅の問題についてお尋ねをして、私の
建設
省に対するお尋ねは終りたいと思います。 今日の日本における住宅払底は実に厖大な数に上つており、終戦直後三百何十万戸といわれたほどの住宅不足であります。それの上に立つて今日まで何年かの間一住宅
建設
について若干の努力をされて来たことを、あえて認めないものではございません。しかし依然として住宅の不足は、人口増もさることながら、少しも緩和されておらないという現実に遺憾ながらあるようであります。そこで私はまずお尋ねをします前提として、今日の日本国内における住宅の不足数は一体どれくらいに
なつ
ているか、その不足数に対して
政府
は今後どういう形で問題の解決に当ろうとしているのか、その間の事情なり見解なりをまずお聞かせ願いたいと思うのです。
師岡健四郎
140
○師岡
政府
委員 二十七年四月一日における住宅不足数は、それまでのいろいろの住宅センサスその他の調査によりまして、約三百十六万戸であつたのでございます。この住宅不足を解決するとともに、人口増その他の新規の需要増に対しまして住宅施策を考えて参つたわけでございます。そこで二十七年当時におきまして
政府
の施策としては、いわゆる公営住宅政策、それから住宅金融公庫の施策、これが住宅政策の二大支柱と
なつ
ておつたわけでございます。そこで
政府
としては、この住宅不足を大体において約二十箇年間に解消するという建前のもとに、公営住宅におきまして第一次三箇年
計画
というものを設定いたしたわけでございます。このときの考え方といたしましては、この三箇年間に大体百九万戸の
建設
をするならば、新規の需要増をカバーしてなお二十箇年の間にその住宅不足を解決するという根本
方針
にかなうものというふうに考えたわけであります。そこで二十七年、二十八年とすでに実績を経たわけでありまして、来年が第三
年度
になるわけでありますが、この二十七年、二十八年の実績を見ますと、この目標に対して大体七五%に近い成績に終つておるのでございます。公営住宅について申しますと初
年度
が二万五千戸、二十八
年度
が五万戸、二十九
年度
が五万四千戸ということでありまして、大体七〇%の達成に
なつ
ております。さようなわけで目標
通り
には参りませんが、新規需要をわずかに上まわつておりますので、大体少しの
改善
は見たという状況でございます。
川島金次
141
○
川島
(金)委員 この住宅問題は日本の勤労大衆にとつてきわめて重大な問題でありますと同時に、
日本経済
再建の方策の一つとしてもきわめて重要な案件であろうと私は考えておるのであります。しかるに
政府
の住宅政策というものは——
予算
がないといえばそれまででありますが、ややもすれば非常に強力でないうらみがあるのであります。そこでお尋ねをしておくのですが、あの敗戦のさんたんたるうき目にあつた西ドイツにおきましても、住宅の復興は実に目ざましいものがあることは当局も御承知の
通り
であろうと考えます。また英国あたりにおきましても、ことに勤労者の住宅の問題については、これまた実にうらやましいほどの積極的な政策を強力に押し進めております。そういうことによつて勤労者の生活にゆとりと潤いを持たせながら、その勤労者の生産意欲、生産力を一層高めるという大きな見地に立つて、住宅政策が押し進められておる。こういうことも当局は御承知だろうと思うのであります。しかるにこれに反しまして、吉田内閣の住宅政策を見ておりますと、実に手ぬるい。一体火災で年々焼失して行く戸数も相当な数に上る。しかもその上に年々家屋の老朽化によつて使いものにならないという住宅も出て来る。その上に人口もふえるというようなぐあいで、新規需要がますますあとを追いかけて来る。そういう現実の上に立つてやつております
政府
の住宅政策といたしましては、極端にいえば、くつの下から足の裏をかくというようなことではないかとさえ言いたくなるのであります。そこで
政府
は、今日のような住宅政策でなしに、何らかもつと根本的、抜本的な立場に立つて、住宅問題の早期解決に当るという大構想なり大
方針
を持つべきではないかと思うのでありますが、そういつたことについて当局は一体どのように考えておるのか。あわせてさらに南さんにも伺いますが、吉田内閣としての立場からは、住宅政策はこのままでいい、この調子でよろしいと思つておるのか。それとも何らか新しい構想の上に立つて、もつと強力な、もつと積極的な住宅問題の解決にぶち当るという熱意を必要とする考え方でおるのか、その点を
政府
当局、ことに南さんの御意見をもあわせてお尋ねしておきたいと思うのであります。
南好雄
142
○南
政府
委員 お答え申し上げます。
政府
といたしましても、住宅問題の重要性につきましては十分考えておるのであります。住宅問題は、
建設
委員会においてもいろいろな問題になるのであります。私の経験したところによりますと、
建設
委員会におきましては、超党派的に動いておりまして、いろいろの御要望も出るのでありますが、こういう一兆
予算
という緊縮
予算
にぶつかつたものでりありますから、住宅問題のはかばかしい解決もできないのでおしかりも受けておるのでありますが、今の
予算
の上におきましては、一つの案をもつて、その案の実現に努力しておりますので、そのことにつきましては、
住宅局長
が今御
説明
申し上げたようなことであります。なお住宅問題についてもつと根本的な構想をもつてやる意向はないか、
政府
の
方針
はどうかという御質問でございますが、これで決して満足だとは考えておりません。しかしながら今の
財政
状態から申し上げますと、
政府
といたしましては決して住宅問題を等閑に付してはおらないのであります。昨年も産業労働者住宅法というようなものをつくりまして、与えられた条件のもとにおいてできるだけ善処するようにやつておるというのが現在でございまして、この程度ではただいまの住宅問題解決には御期待にそむくかも知れませんが、御容赦願いたいと思うのでございます。
川島金次
143
○
川島
(金)委員 どうもその程度の見解では、われわれとしては納得も行きませんし、承知もしかねます。何といいましても勤労大衆の今の住宅の問題につきましては、実に生活の基本的な問題としての悩み、それが
政府
の力によつてすみやかに解消できぬようでは、日本の経済、国民大衆の生活安定も思いやられ、私はまことに残念に感じておる一人であります。 次にお伺いいたしますが、最近は御承知の
通り
建築資材の著しい暴騰がありましたが、一般勤労者の
収入
はそれほどふえておらない。そういう関係から、せつかく
政府
が
予算
を組んで、あるいは住宅金融公庫等に
資金
を流すにいたしましても、何しろ建築費が非常に高く
なつ
ておる、従つて普通の者では、住宅を建てたくても手が出ないというような現実が、実はあつたのであります。従つてこういう問題にぶち当つた場合においても、何かもつと積極的な思いやりのある施策を進めて行かぬ限りは、中流以上の勤労者ならばとにかく、普通のサラリーマンでは、とても住宅金融公庫にさえも金を借りて建築ができぬ、建物は持つことができない、こういう現状であります。これはもう当局がよく御承知であろうと思う。いかに
政府
が低物価政策だといつても、最近においてもなお建築用材は非常な値上りの傾向を示しておることは御承知の
通り
で、いよいよもつて普通のサラリーマンでは、どんなに困つておる生活をしておつても、またかりに金融公庫から金を借りられても、この借りられる範囲では満足な家が建たぬ。また借りたくても借りられないというのが現実でありますので、そういう事柄につきまして一体当局はどういうふうに考えておるか、今のままでいいと思つておるのか、何かもつと積極的な施策をプラスをさせて、そうしてこの資材の騰貴、建築費の高騰に備えて、手の出ない一般のサラリー階級に対する住宅難の解決を、積極的に促進するという基本的な何か考えを明らかにしないといけないのではないか、こういうふうに私は痛感をする一人でありますが、その点どんな考え方でありましようか。
師岡健四郎
144
○師岡
政府
委員 お話の
通り
、たとえば住宅金庫金融公庫を利用いたそうとしましても、建築費が非常に上つて、従つて頭金が多くなる。また土地の価格も上りまして、それだけ自己負担分がふえて来るという事実があることはお話の
通り
でございます。そこで
政府
としましては、住宅金融公庫の貸出しの建築の分につきましては、
建設
標準費を事情に合うように今回
改訂
いたしまして、たとえば東京で従来坪当り二万八千円でありましたものを、約二割上げまして三万三千円といたしました。大体こういうことで実情に合つて行くのではないか。そうすれば公庫の貸出しは大体その八割五分を貸しておるわけでございますから、わずかの頭金で家が建つということに相なろうと思います。土地の分につきましては、昨年、一昨年あたりから急激に上昇して参りまして、この点もまた住宅金融公庫を利用しまする場合の隘路と
なつ
ておつたのでありますが、この点につきましても最近価格の
改訂
をいたしまして負担を軽減せしむるという措置を講じております。なお今回
政府
におきましては、さらに土地対策を一層徹底的に講じたいという見解に立ちまして、住宅金融公庫法を改正いたしまして、宅地の開発事業についてその開発
資金
を貸し出して、適正な価格で宅地が入手できるようにいたす、かような改正もいたして参りたいと考えております。
川島金次
145
○
川島
(金)委員 私は今の建築単価の問題等においてましても、かなり無理があると思つております。実際の建築費と
政府
が算定しておりまする基礎単価との間には、それは建物の建て方にもよりますけれども、常識的な標準的な立場から見ましても、まだまだ無理があるような気がする。従つてそれがだんだんしわがよつて来て、建てたい方からいえばなかなか家が建たぬ。かく家が建たぬということになるわけでありまして、そういつた単価の立て方あるいは土地購入についてのあつせんの仕方、指導の仕方あるいはまた利息
償還
の方法、こういつた問題等について、もつと何らか前進をした姿においてこの問題の解決に当るという熱意を具体的な条件において示して行くことの必要があるのではないかと思います。あなたも御承知の
通り
、また私どもの目撃した範囲におきましても、親子の五人、六人が百姓家の納屋の一隅を借りて、四畳半なり六畳の中にひしめいて、豚小屋のようにして住んでおるというのが今日でもたくさんあるような状態であります。そうかと思うと、東京の郊外でも、ぶつこわれたような二階家の四畳半一間に、何万円という権利金を出して何千円という家賃を払つて、そこに辛うして生活をし、そこから職場に通つている。この現実を目の前にいたしたときに、
政府
ならずとはえども、この問題に重大な関心を持つて何らか積極的な解決の促進に当るという一層の努力を傾ける必要があるのではないかと思いますので、この機会に特に強くこの問題の早期しかも具体的な解決策をもつと積極的に前進させてもらいたいということを希望いたしまして、時間もありますことだし、私も長い間一人で質問をいたしておりましたので、他の人に迷惑を及ぼしてもどうかと思いますので、他にもまだ質問がありますけれども、一応この程度で私の質問は打切つておきたいと思います。
稻葉修
146
○
稻葉
委員 おそくなりましたから、五分か十分きわめて簡単に御質問いたします。しかし質問
事項
は重大ですから、答弁いかんによつてはこの
予算
にも影響を及ぼしますから、しつかり御答弁を願いたいと思います。
建設
省関係だけでなく全般にわたる問題ですが、特に
建設
省関係は物件費が多い。たとえば官庁営繕費とか、住宅
建設
費、
災害
復旧
費とか、そういう問題について占める人的
経費
も多いが、物的な
経費
が非常に多いと思う。その物件費あるいは
施設
費算定の基準はいつを標準として組まれたものであるか、この点を伺います。
石破二朗
147
○石破
政府
委員
建設
省が
建設
工事
に用いる資材にもいろいろあるわけでありまして、住宅金融公庫の
建設
単価のことにつきましては、先ほど
住宅局長
よりお話があつた次第でありますが、大体その他のものは土木の関係になるわけであります。その中で大体
工事
費の半分程度のものは労務費でございます。これにつきましては、厚生省のきめております標準賃金によつて組まれておるわけであります。
稻葉修
148
○
稻葉
委員 いつを標準として物件費の単価を組んだかということを聞いておるのです。
西村久之
149
○
西村
(久)
主査
代理 官房長に御注意申し上げます。
稻葉
委員の質疑は、昨年のどの時期の物価を標準とされて
予算
を計上されたかということを問うておるのであります。それで昨年八月ごろの物価指数を標準としたとお答えになるか、十月ごろの物価であるということさえ簡単にお答えになればよろしいと思います。
説明
を聞いておるわけではないのでありますから、私はそういうふうに解釈して官房長に御注意申し上げます。
石破二朗
150
○石破
政府
委員 ものによりましてはつきりいついつかということは、私承知いたしておりません。
稻葉修
151
○
稻葉
委員 大蔵省の
説明
によると、八月十五日現在を標準としたと言つておりますが、その
通り
でよろしゆうございますか。
石破二朗
152
○石破
政府
委員
予算
の折衡の過程におきましては、単価の問題までいろいろ議論は実は事務的にはいたしておりませんので、大蔵省がさように
説明
しておりますれば、さように御了解願いたいと思います。
稻葉修
153
○
稻葉
委員 それでは伺いますが、本
会議
においても
予算委員会
においても、大蔵大臣並びに経済
審議
庁長官は、二十九
年度
一般物価は年平均して五%は最低下がる、場合によつては一〇%引下げ得る、こういうことを言明しております。一方においてこれら
経費
の
予算
の算定の基礎は、時期的に八月十五日である。八月十五日からその後物価は上つております。しかしながら五%は上つていません。もちろん一〇%は上つていない。その間に差額があるはずだ。そうしますと、来
年度
に組まれたこの
建設
省関係の物件費は少し水増しされておる、こういうふうに判定するのが常識ですよ。その点はお認めになりますか、なりませんか。認めるならば認める。認めないならば認めない、こういう御答弁をいただきたいのです。
石破二朗
154
○石破
政府
委員 ……。
稻葉修
155
○
稻葉
委員 それでは答えにくいかもしれぬから、大蔵省の言うことだから、
建設
省としては何とも答えられない、それでもいいのです。しかし大蔵省の言うことを認めるというなら、一方において八月十五日の時期を算定の基礎とした。来年は物価は少くとも五%は下るというならば、この物件費は五%水増しされた物件費とわれわれは判断するんだが、その
通り
でいいか。それじやいけませんならいけない、いいならばいい、こういうふうに答ていただきたい。
石破二朗
156
○石破
政府
委員 大蔵省の
説明
は間違つていないと
建設
省も了解いたしておりますけれども、ただ一点
建設
省の
予算編成
の形を申し上げれば御了承をいただく御参考にもなるかと思うのでありますが、実は
建設
省の
予算
は御承知でもありますが、具体的に施工の箇所、たとえば
災害
復旧事業
にたしましても、二十九
年度
中にこことこことをやるのだ、その金がこれだけであるというふうに具体的に積み上げたものではございませんので、かりに見積り単価より安く資材の購入ができるといたしますならば、当初
予定
しておりました
計画
工事
がよけいできるということに相なる次第でございまして、私どもは水増しとは考えておらぬわけであります。
西村久之
157
○
西村
(久)
主査
代理
主査
の方からお尋ねいたしますが、そういたしますとただ数字だけをあげてあるという結論になるのですか。
石破二朗
158
○石破
政府
委員
災害
復旧
費にいたしましても、たとえて申しますと、公共土木の
災害
復旧
費は二十八年には一千億円を越える程度の
災害
復旧
を要する結果に
なつ
ておるのであります。しかも二十八
年度
にはそのうち二割見当しか
復旧
はできないという状況であります。二十九
年度
予算
をもつていたしましても、やはり二割程度のことしかできないというようなことに
なつ
ておるわけでございまして、一応これで二割程度はできるという計算のもとにできておりますけれども、数字だけ並べたものとは私考えておりません。
西村久之
159
○
西村
(久)
主査
代理 そうするとたとえば二百億なら三百億あれば四割できるのだが、二百億あれば
災害
の関係の六分
通り
しかできない。それでその二百億なら二百億を
財政
の関係で二百億にきめておるのであるという意味になるのですか。そうでなければ二百億になる以上は、こういう箇所のところはこういう関係で次
年度
にもやむを得ず繰延べるから、この部分々々の
事業費
が大体二百億になるという目安があつて、二百億が出るのか。そこの関係は非常に重大な関係になるのであります。
予算
というものは数字を並べてあるわけではありません。大体
予定
した箇所を標準として算出するのが筋合いだと
主査
は考えるのであります。従つてあなたの言われるようなことでは、
稻葉
委員はおそらく同意されないだろうと思うのであります。あなたでおわかりにならなかつたら、その数字の算出の関係のわかる人を出してもらつて、稲葉君の質疑が了承できるようなお答えがなければ、おそらく了承されないだろうと考えるのであります。それでわからないならわからないとお答えになれば、わかる人を要求してお尋ねになるのじやないかと思います。
南好雄
160
○南
政府
委員 お答え申し上げます。官房長が返事いたしましたのは、
予算
を要求いたしましたのに、少く査定されましたものですから、稲葉さんの御質問がひよつとして水増しだから減らせというような話になるとたいへんだ、少しでもよけいもらいたいという意味でああいう返事をしたのだろうと思います。しかしほんとうは八月十五日の物価で一定の
工事
を積算してございます。それで大蔵大臣や経審長官の言うように、来
年度
平均して物価が五分なり一割下るものといたしますならば、もつとも引下るのは平均でありまして、いつ
工事
をやるかはむずかしい問題でございます。しかし実際やるときに両大臣の言うように物価が下つておりますれば、その箇所については五分下つておれば五分だけの
経費
の余りが出て参ります。これは不要額に充てるべきものと私は思います。
稻葉修
161
○
稻葉
委員 今の政務次官の御答弁であるならば非常にわかつておる。そこで年平均して五分ないし一割下る。この物件費は昨年の八月十五日現在で組んでおる。そうしますとこの物件費は二十九
年度
の
予算
としては五分ないし一割よけいに見積つておる
予算
である、こういうようにりくつの上から言つて了解できると思うのですが、経審長官なり大蔵大臣なりが答弁しておるように、ほんとうに年間を通じて五%ないし一〇%物価が下るということであれば——責任大臣の答弁だから私は真実だと思うが、そうすれば昨年八月十五日に組んだこの物価の見積りは二十九
年度
の
予算
としては高く見積つておる、それだけは削減されてもしかたがないものであるというように筋としてはなろうと思いますが、その点はもう一度念を押します。いかがですか。
南好雄
162
○南
政府
委員 お答え申し上げます。二十九
年度
の平均物価が五分ないし一割値下りするということが実際問題として事実でありましても、物価は常に固定しておりません。絶えず動いております。上つたり下つたりしておりますので、カーブを画けば平均して行く数字は出て参ります。しかしいずれにいたしましても、物価が下るといたしますならば、まあ五分というところはどうでしようか、三分か二分か、あるいは七分か八分か、その間において多少そこに
予算
の余りが出て参るものと考えております。それは
予算
をやつてみなければ、また資材を手当してやつてみなければはつきりした不要額は出て参らぬと思います。 なおもう一つその際、
稻葉
さんの御承知の
通り
、事実物価が下りますればという大きな前提がございますが、下るといたしましても、そういうような不確定な、つまり何ほどか余るだろう、こういう結論にならざるを得ないと思つております。
稻葉修
163
○
稻葉
委員 あなたは穏かでないことをおつしやる。不確定なといつたら、大蔵大臣も経審長官も怒ると思いますよ。それはたびたびこの
予算
をやれば必ず下りますとはつきりした御答弁をしておられるのです。それを同じ
政府
の
建設政務次官
がそういう不確定なことを基礎として、余りが出るなどということは穏かでないと思うのですが、もう少し言い直されたらどうですか。
南好雄
164
○南
政府
委員 私の申しました言葉が不穏当ならいつでも取消すのでありますが、私の言うたことは、具体的に二千万という
工事
費になりますと、それを実行して
予算
をしめてみますと、二千万円で一割下るから二百万円節約ができるというほどには参りかねる。実際やつてみれば何ほどかは余るが、余るということは物価が下りますれば、肯定いたしますが、百万円余るか百五十万円余るかというはつきりとした金額はなかなか申し上げられない、こう申し上げたのでございます。
稻葉修
165
○
稻葉
委員 政務次官の御答弁ですと、何どほかは余ることはもう確実であるという御答弁ですが、それで私は満足いたします。何ほどか余るというつもりでこの
予算
を見て参りましよう。
西村久之
166
○
西村
(久)
主査
代理 そういうふうな意味には
主査
は解しておらぬのであります。物価が下つた場合に、下つた箇所を施行した関係のところに限つては、下つただけの金だけは不用額として残るであろうが、今これを残るという断言はできない、こういう意味でお答えに
なつ
ておると思います。そういう意味ではありませんか。
南好雄
167
○南
政府
委員 その
通り
です。
稻葉修
168
○
稻葉
委員 そうですと私は満足しないのです。もう一度繰返さなければならぬのですが、八月十五日現在の物価で組んだ
予算
、来年は五%ないし一〇%下る。そうすれば今政務次官もおつしやつたように、五%とは行かなくても、少くとも二%ないし三%、三・五%くらいのところは見ておいてもいいんじやないか。やつてみなければわからぬというのですけれども、予想はつくじやないか。
予算
というものは予想ですよ。推定ですよ。推定はできるのでしよう。どうです。推定もできないのですか。そのところをはつきりしておきたい。推定はできるのかどうか。
主査
はいかがに解釈されます。
西村久之
169
○
西村
(久)
主査
代理 あなたの言われる
通り
の事柄であれば推定はできるのであります。しかし
主査
の意見といたしましては、これは私がお答えするのが順序になるかどうかわかりませんが、八月十五日の物価以下に下るか下らないか。今日の物価は八月十五日の物価よりも上つておるものもあるのでなかろうかと考えております。それで下るということが、今日の物価に比較して五分下るということになるのやら、すこぶる微妙な問題であります。あなたの御質疑に
なつ
ておる点は
主査
もよくわかつております。南政務次官の言われることも、おそらくあなたはおわかりに
なつ
ておるのじやないかと思つておるのです。それから先を押し進めるということは、政治感覚上少し無理ではないかと私は思います。
主査
にあえて答弁を求めるなら、
主査
としてはさようにお答えするよりほかに道がありません。
南好雄
170
○南
政府
委員 今
主査
がお答えに
なつ
た
通り
に私返事しておつたのですが、言葉が非常に不明確であつたならばあの
通り
にひとつ御理解おき願いたいと思います。
稻葉修
171
○
稻葉
委員 ものによりけりですけれども、政務次官もおつしやつておられるように、たとえば先ほど
川島
委員からの質問によれば、建築資材等についてはそう下るとは思えないけれども、やはり平均して物事を考えなければならぬ。全般的に言うと、一方においては八月十五日、そして来年は五%ないし一〇%、年間を平均するならば少くとも最底五%は下るということは、毎回の答弁で明確なんですそうしますと、その間にいつ
工事
をやるかによつて違いますね。いつ物価は下るか、四月ごろに
なつ
て一%下るのか、そして十二月に
なつ
ては二〇%下るのか、そういう時期的に割つて答弁された言葉でないからあれだけれども、年間を通じて平均最低五%は下る。場合によつては一〇%下るかもしれません、こういうのでありますから、
建設
省関係のいろいろな
工事
がいつ行われるかによつてそれは違うけれども、平均して私は五%くらいの下りはあると思う。ほんとうに来年この
予算
を実行したあかつきに、破綻を起さずに行つて一〇%ないし五%下る、こういう経審長官なり、責任大臣たる大蔵大臣の言明は真実だろうと思う。われわれも真実だと思うのだから、
政府
部内においてあなたも真実だと思わなければいけない。それはそうでしよう。同じ責任者だもの。その御答弁はただいま最後にしめくくりがついたからいいけれども、
予算
は推定なんだから、そういう推定のもとにこの
予算案
を、五%と行かなくても、二%ないし三%、三・五%、そういう程度の値下りというもの、従つてこの
予算
はある程度の水増しであるということは、これは当然お認めにならなければいけないと思うのですが、もう一度念を押します。
西村久之
172
○
西村
(久)
主査
代理
稻葉
委員にお尋ね申し上げますが、水増しだという言葉を言われるから答えがしにくいのだと思います。お心持はおそらく
政府
委員の方でもおわかりであろうと思います。
南好雄
173
○南
政府
委員 私の申しますことがお叱りを受けて、あるいは間違つたことのように受取られたかもしれませんが、
予算
というものは大体見積りでやつておるのでございます。そこで平均五分ないし一割下ると申しましても、四月に五分上つて八月に三割下つたといたしますれば、平均すればやはり下る方が多い。たまたま五分高いときに
工事
をやりますれば、
予算
が足りなくなるという現象も
計画
量について起きます。しかし平均して
政府
の施策がよろしきを得ますれば、またある程度物価の引下げが成功いたすとしますならば、決算面においては、何ほどかは余つて出て来るかもしれない。しかしそれは今日予断することはできない、こう御返事申し上げたのであります。
稻葉修
174
○
稻葉
委員 しからばもう一点、
建設
省が生活困難な中から、国民の税金でいろいろなことをやる場合に、親切心があるならばならべく物価の下る時期をねらうべきである。あなたの方の
建設
省の
工事
というものは、いかにも物価の一番高いときをねらつてやるような、そういう言いのがれみたいな牽強附会の御答弁をされるということは、はなはだ満足できない。そういうことになりますと争いになるから平均で言うべきです。常識的に…。そうしますとこの物価は八月十五日算定だ。しかるに大蔵大臣も経審長官も、来年は下る、こう言うのだから、平均して相当な剰余を見積り得ると常識人ならば推定するのが当然だと思う。いろいろ政治的含みもあるから私はそう言うのです。
西村久之
175
○
西村
(久)
主査
代理 その程度でよろしゆうございますか。——それでは
井手
君。
井手以誠
176
○
井手
委員 おそくなりましたので、簡単に
災害
復旧
についてお尋ねをいたしたいと存じます。先刻官房長の答弁によりますと、二十八
年度
二割、二十九
年度
二割だとおつしやつておりましたが、去る一月三十日の本
会議
における大蔵大臣の
説明
では、この
予算
を執行すれば二十八
年度
災害
は六割を完了するということを答弁なさつておる。はたしてさようであるか、数字的にひとつ御
説明
いただきたいと思います。
米田正文
177
○米田
政府
委員 二十八
年度
災害
については項目がいろいろございますが、今そのうちで最も重要な各都道府県の
災害
復旧
の
補助
について申し上げますが、これは二十八
年度
の
災害
が国費にいたしまして一千十一億の
災害
を生じたのであります。二十八
年度
中に
補正予算
及び
予備費
等から拠出いたしましたものが大体一三%でございます。二十九年の今度の
予算
に盛つてありますのが大略二一%でございます。
合計
いたしまして三四%に
なつ
ております。このほかに、先ほども申し上げましたが、二十八
年度
にはつなぎ融資を七十五億ばかり出しておる。すなわちこれが、パーセンテージにいたしますと約七%に相当するものを出しております。従つて二十八年中には、つなぎ融資と
予算
を一緒に使いますと二〇%だ、こういうことになるのでありまして、しかしこれはどうせ返さなければならぬものであります。いつ返すかが問題でございまして、例の百五十七億という融資の今後のものもございます。これがございますけれども、それを七%というつなぎ融資の分をはずしますと、
予算
としての処置は二十九
年度
一ぱいいたしますと三四%ということになりますので、大蔵省で今お話のございました六割、六〇%ということでございましようが、その点と食い違つております。それは実は一千十一億という全
災害
の額に対しまして、われわれはこれを基準にして見ておりますが、大蔵省はこれにまだもう一度査定を加える必要があるというふうな意見を持つておりまして、われわれのところとまだ意見の一致を見ない点がございます。そこでまだこの問題については、大蔵当局と各省との間にそれぞれその食い違いについて折衝をいたしておる過程にございますので、われわれの申します三四%と、それから大蔵省は六〇%と言つておるというお話でありますが、そこは食い違いを生じておるのはそういう理由でございます。
井手以誠
178
○
井手
委員 つなぎ融資が
年度
末にもどされねばならないことは申すまでもないことであります。百五十七億の三党協定による融資がほとんど見込みがないことも申すまでもないのであります。従つてただいまおつしやつた二十八、二十九両
年度
にわたる
予算
によつて三四%が執行できるというように私は了承いたします。そこでお尋ねいたしますが、大蔵省と
建設
省の間に食い違いがあるというお話でありますが、大蔵省も査定を現地にいたしておりますか、その点をお尋ねいたします。
南好雄
179
○南
政府
委員 大蔵省は現地でどういうふうに査定したか、事務当局で調べてもらうように話をしたのですが、結果は聞いておらぬのですが、私の聞いたところでは、財務局で
災害
箇所について何か抜き検査をした、こういう程度の実施検査のようであります。
井手以誠
180
○
井手
委員
政府
の
方針
を承りたいのですが、大体どこでそういう
復旧
費をきめるのですか、お尋ねいたします。
南好雄
181
○南
政府
委員 それは申すまでもなく、公共土木
災害
につきましては
建設
大臣がきめるのであります。
井手以誠
182
○
井手
委員 重ねてお尋ねいたしますが、
建設
大臣が責任者であるならば、大蔵省の言つておる六割というのはうそでございますね。
南好雄
183
○南
政府
委員 大蔵省の申しておる六割は大蔵省の希望だろうと思います。私は
建設
省の方が正しいと思います。
井手以誠
184
○
井手
委員
建設
省の方が正しくて大蔵省の方は単なる希望であるということを承りまして、別の機会にまた追究いたしたいと考えます。 そこで二十八
年度
は一割三分、つなぎ融資がありますので、二〇%近くできるということになりますが、この雨季までにかりに二一%の二十九
年度
のものを早急にやるといたしましても、この三四%でこの雨季に耐え得る
工事
ができるかどうか、責任のある
建設
省の見解を承つておきたいと思います。
米田正文
185
○米田
政府
委員 この問題は昨年以来私どもも実は非常に苦心をいたしておるところでございまして、実は現地についても、関係課長を班長とする調査班を現地に出しまして、二十九
年度
の出水期までに幾らいるかということを調査いたしたのでございます。その結果は、雨季までに三八%やらなければならないという結論が
建設
省としては一応出たのであります。そういたしますと、先ほど申し上げましたように、
予算
の処置をいたしたのが三四%でございますので、残りの四%というものが出水までに不足だということになるのであります。この処置と、それから、それでは出水期が経んだら全然やらぬか、この一年休むか、こういうことになるのでありますが、そうも行かないので、やはりその後の出水に備えるための重要な
復旧
はやつて行かなければなりませんし、これに必要な額も今後必要でありますので、これらと合せまして不足額は融資によつて各府県にあつせんをして解決をいたしたいと、こういう努力を今いたしております。
井手以誠
186
○
井手
委員 私、
地方
の実情を見ましても、またただいまの答弁を承りましても、大体雨季までに必要な
工事
量の半分ぐらいしか
予算
処置ができていないように感ずるのであります。そこで大蔵省との食い違い、あるいは雨季に非常に心配だというこの点について、
建設
省の責任者はどういうふうにお考えに
なつ
ておるか、今後どういうふうに努力しようとお考えに
なつ
ておるか、この点を、基本
方針
と申しますか、
建設
省はどうしてもこれだけは必要であるという建前をとつておられるならば、大蔵省が何と言おうと、事務局が何と言おうと、
政府
としては確固たる立場をとらなければならぬと私は考える。
水害
対策特別委員会では、大臣が相当の決意をもつて答弁をなさつております。ほんとうならば六割をやらなければならぬという考えもお述べになりました。重大な決意が必要であると私は考えますが、その点についての政務次官の考え方を承りたいと思います。
南好雄
187
○南
政府
委員 お答え申し上げます。今
河川局長
からお答え申し上げましたように、
建設
省の中央における係官あるいは現地の土木部の連中と一緒になりまして、詳細に調査いたしまして、出水期までにある程度の自信を持つた
工事
三八%という数字は今
説明
した
通り
でありますその後におきまする
工事
の施行につきましても、これは考えて行かなければならぬものでございます。そこで
予算
は三四%しかございませんから、その間におけるギヤツプは事務当局同士で今話をしておりますが、
建設
省といたしましては、先ほどちよつと米田君からお答え申し上げましたように、二十八年中に融資をしてもらつております金を、本来ならば三月三十一日までに返さなければならぬ。そういうものを事務的にまだ交渉の余地がございますので、責任を持てる金額まで一時返さぬように措置をするとか、あるいは返したものをすぐに出してもらうというような措置によりまして、大体四%か五%の狂いだろうと思いますが、そういう点につきましては、融資の措置によりまして、できるだけ現地にも不安を起さぬように措置をしてきたいというふうに考えております。
井手以誠
188
○
井手
委員 いろいろ聞きたいのですが、時間の関係で私はこれ以上申し上げません。ただ、今までのうちで、大蔵省の六割が間違いであつて、実際は二十九
年度
予算
を執行して三四%しかできないということを承つておくにとどめます。
主査
にお尋ねいたしますが、先刻大臣の出席というようなことで私語があつたようでございますが、大臣はいつか出席なさるお見込みでございますか。
西村久之
189
○
西村
(久)
主査
代理 大臣は御病気中だと伺つておるのですが、病気がなおらなければ御出席ができないのじやないかと思つております。従つて大臣の代理として南政務次官のお言葉を御信じくださつておくよりほかにないと考えます。
井手以誠
190
○
井手
委員 次にお尋ねいたします。いわゆる小
災害
は、市町村の分は今まで十万円以上のものが五万円以上に、府県は、十五万円以上のものを十万円以上に国庫
補助
の対象にするという確約が、昨年の救農国会でできておつたのでございます。その金額は大体五分といわれておりまするので、五十億くらいになろうかと考えるのであります。この点は大臣も何回となく言明をされ、また大蔵省の方でも公約したところでございます。その結果二十八
年度
にはどういう措置ができておるか、二十九
年度
にはどういう措置が講ぜられておるか、その点を簡単でよろしゆうございますからお答え願いたいと存じます。
南好雄
191
○南
政府
委員 お答え申し上げます。御質問の小
災害
に対しましては、自治庁において、十六億円を二十八
年度
において特別起債として
予定
し、これが元利補給については全額を見ることといたしまして、
償還
期限を三年ないし五年くらいに
予定
したいということで、大蔵省、
建設
省、自治庁三省間で今事務折衝を進めております。 二十九
年度
につきましては、まだ二十八
年度
を今せつかくやつておるので、まだきまつておりません。しかし二十八
年度
がこういうふうにきまりますれば、ある程度の道がつくのでありまするから、その後の折衝によつて起債額も相当
確保
できる
見通し
を持つております。
井手以誠
192
○
井手
委員 いつごろ三省間に話がまとまつてその
方針
が確立されるのか、その点を……。
南好雄
193
○南
政府
委員 お答え申し上げます。おそらく
年度
内にははつきりした御返事ができると思つております。
井手以誠
194
○
井手
委員
地方
ではそういう約束があつたので期待しておつたところが、本省から何の通知もないということで、調査もできていないようであります。私はそういう
方針
が
建設
省できまれば、当然
地方
に対して、この
方針
でやるから調査しろという通達があつてしかるべきだと考えておりますが、実際に出してないのか、近々小
災害
についてこういうことをするという
方針
を通達する御意思があるのか、その点をお尋ねいたしたい。
南好雄
195
○南
政府
委員 お答え申し上げます。これは
井手
先生御承知のように、自治庁の特別起債に
なつ
て参りますので、
建設
省といたしましては、土木部長あたりの
会議
の際には、こういう
方針
であるという程度のことは申しておりますが、市町村に対しての流し方はまだやつておらぬようであります。
井手以誠
196
○
井手
委員 もちろん起債の手続については自治庁だと考えておりますが、小
災害
の
復旧
、
災害
復旧
についての主管は
建設
省だと考えております。自分の管轄についてこうしたい、そういう希望はもちろん
建設
省におありだと思う。当然
建設
省はこういう
方針
でやるから、また起債については自治庁からこういう話があるはずだからということを通達なさることが、私は
建設
省の務めではないかと思うし、また当然おやりになるべきものだと考えておりますが、いかがでございますか。
南好雄
197
○南
政府
委員 お答え申し上げます。お言葉の
通り
、小
災害
といえども
建設
省の所管でございます。ただ手続の上において自治庁がそう
なつ
ておるのでありまするが、とにかくこういう問題につきましては、幾ら、どういう
利子
で何年間ぐらいということがきまつて、また相当程度確実なものにならないと、流し方いかんによつては市町村にかえつて迷惑を及ぼすことがございます。そういう意味で、こういうものにつきましては、大体の
方針
なり、そういうものはできるだけ機会を見て連絡はしておるのでありますが、その程度ではほんとうは市町村はなかなか満足しないと思うのであります。実際どの程度のものをどういう方法でめんどう見るということがはつきりきまらないと、事、金に関するものでありまする関係上、私は地元においても相当御心配に
なつ
ておることと想像しておるような次第であります。
井手以誠
198
○
井手
委員 済んだことについていろいろ申し上てもいたし方がございませんので、これ以上申し上げませんが、大体そういう方向であれば、すでに両大臣からの公約もございますので、早急に
方針
だけなりとも流されることが必要であると私は考えております。
地方
の話ではそういうことを本省であまり聞かないということでございますので、もし近い機会にそういう会合その他がありますならば、早目に、小
災害
についてもこういう
方針
でやるということをはつきりとお示し願いたいことを強く要望いたしますとともに、その起債については別わくをもつてはつきりと明示されるように御交渉願いたいことを最後にお願いをいたしておきます。
西村久之
199
○
西村
(久)
主査
代理 本日はこの程度にとどめ、明日は午後一時三十分より開会することとし、これにて散会いたします。 午後六時十分散会