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岡崎国務大臣 初めの点につきましては、先ほどから申しておりますように、
総理が実際に相手国の
実情を見、また相手国の
考え方を知り、そうして
日本の
実情をよく話すということは、彼我の理解を深めるのみならず、将来の
日本の
政策を立てる上に非常に重要なことである。しかし一々の、よく言われるような何千万ドルの借款をもら
つて来るとか、あるいはそのほかにいろいろだ懸案を解決する。それは
日本の大使が常駐しておりまして、そういうことで一々
総理を煩わす必要もなければ、またそういうことは国際的な慣例にもな
つておりません。
従つてそういう種類の具体的なおみやげは私はないだろうと
思つております。しかしそれでは何にも役に立たぬかといえば、将来の施策の上の大きな基礎になるものが期待できる、こう
考えておるのであります。
東南アジアの防御機構というのは、これは
新聞等にもしばしば伝えられておりますけれ
ども、どの報道を見ましても、具体的にこういう機構をつくるのだという報道は
一つもないのであります。またわれわれも注意して外国から情報をと
つておりますが、いまだにそういう
考えがまとま
つておらないようであります。
従つて、何らかの安全保障
措置を講ずるような統一行動をとるとか、あるいは何らか集団安全保障的な機関をつくらなければいかぬというようなことは、まさしく各地でも
つて言われておりますけれ
ども、こういうものをつくるのだという具体的な機構の内容はないのであります。ところがその内容によりましては、
日本としても協力できる場合もあれば、加入できる場合もあり、また内容いかんによ
つては加入できない場合もあるのでありますから、抽象論でただこういう機構には入ることがいいか悪いかと言われても、それはお答えができないのであります。具体的な問題でこういう条件で入るのであるが、これでどうだということでないと
——それが中心でありまして、ただ抽象的な防衛機構というようなことではお答えができないのであります。実際上声はあが
つておりますが、具体的なものはまだ
一つもないという
状況でありますので、
ちよつと
原則論以外には御返事はしようがない。
原則論としては、国連の憲章のもとにおける地域的安全保障
措置であれば、それはけつこうなものである、
日本としても賛成であるが、ただ具体的にそれに
日本が参加できるかどうか、あるいは参加することがいいか悪いかということは、実際上の組織を見てみなければ御返事ができない、こういうことになります。