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1954-03-01 第19回国会 衆議院 予算委員会 第20号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年三月一日(月曜日)     午前十時三十五分開議  出席委員    委員長 倉石 忠雄君    理事 小峯 柳多君 理事 西村 直己君    理事 西村 久之君 理事 川崎 秀二君    理事 佐藤觀次郎君 理事 今澄  勇君       相川 勝六君    岡田 五郎君       尾崎 末吉君    尾関 義一君       小林 絹治君    庄司 一郎君       高橋圓三郎君    富田 健治君       中村  清君    灘尾 弘吉君       羽田武嗣郎君    葉梨新五郎君       福田 赳夫君    船越  弘君       本間 俊一君    八木 一郎君       山崎  巖君    山本 勝市君       稻葉  修君    河野 金昇君       河本 敏夫君    中村三之丞君       足鹿  覺君    滝井 義高君       長谷川 保君    横路 節雄君       稲富 稜人君    川島 金地君       河野  密君    小平  忠君       堤 ツルヨ君    西村 榮一君       黒田 寿男君  出席政府委員         大蔵政務次官  植木庚子郎君         大蔵事務官         (主計局長)  森永貞一郎君  委員外出席者         専  門  員 小林幾次郎君         専  門  員 園山 芳造君         専  門  員 小竹 豊治君     ————————————— 三月一日  委員川俣清音君、吉田賢一君及び三木武吉君辞  任につき、その補欠として稲富稜人君小平忠  君及び中村梅吉君が議長の指名で委員に選任さ  れた。     ————————————— 本日の会議に付した事件  昭和二十九年度一般会計予算  昭和二十九年度特別会計予算  昭和二十九年度政府関係機関予算     —————————————
  2. 小峯柳多

    小峯委員長代理 これより会議を開きます。  昭和二十九年度一般会計予算外二案を一括して議題といたします。この際、各分科会主査より、それぞれその審査の結果について、委員長に御報告がありましたから、これから順次各主査報告を求めることにいたします。  まず第一分科会主査尾関義一君より報告を求めます。尾関義一君。
  3. 尾関義一

    尾関委員 第一分科会において慎重審議いたしました予算案につきまして、その審議経過及び結果について御報告いたします。  本分科会は二月二十五日午前及び午後、二月二十六日午後並びに二月二十七日午前と午後にわたりまして審議いたしました。本分科会所管は、皇室費国会、裁判所、会計検査院、内閣、経済審議庁を除く総理府、法務省及び大蔵省所管並びに他の分科会所管以外の事項に関する予算案でありまして、政府側からそれぞれ説明を聴取して質疑に入りましたが、今その質疑の若干について述べますに、おおむね次のようでありました。  まず、市町村合併問題につき、その進行状況いかんとの質問に対しましては、現在の市町村総数九千六百二十二のうち、昭和二十八年に九百三十七、二十九年度に四千六十三、三十年度と三十一年度におのおの六百二十五、合計六千二百五十市町村を合併して、三年後には三千三百七十二となる旨の答弁がありました。これに対しては、無理に合併して後日に再び分村することのないように指導すべしとの意見が述べられました。  次に、接収貴金属の返還問題につきまして、その総額は七百億円程度であるが、原所有者の確定できるものとできないものとがあり、ダイヤモンドの大部分は現所有者の確定が困難であるとの政府側の言明がありました。  保安庁予算につきましては、二十八年度の新造船十六隻、総額百三十四億円の基本計画すらもいまだできていないのに、何ゆえに約五十七億円の新造船経費昭和二十九年度に計上したかとの質問に対して、新造船は短期間に完成するものでないから、計画を立てて毎年経費を計上する必要があるとの説明がありました。これに関連して自衛隊員の制服と私服数の問題、自衛官の増員に伴う初度費と維持費の問題、予備役の設置問題並びにMSAによつて提供されるジエツト飛行機の種類とその維持費及び保安庁法の一部改正法案の提出時期につきまして質疑が行われました。  このほか警察法改正に伴う地方財政影響、最近の汚職問題から見て、行政監察の拡充と会計検査院権限拡大の必要、繊維消費税の再検討等が問題となり、さらに多数の有益な質疑応答が重ねられました。かくて、討論採決予算委員会に譲り、分科会質疑を終了いたしましたが、詳細は速記録をごらん願うこととし、以上をもつて第一分科会報告といたします。
  4. 小峯柳多

    小峯委員長代理 次に第二分科会主査庄司一郎君より報告を求めます。
  5. 庄司一郎

    庄司委員 第二分科会における審議経過並びにその結果につき御報告申し上げます。第二分科会審議対象は、文部省厚生省及び労働省所管に関する事項であります。審議に入るに先だち、政府側から予定経費要求額についての説明が行われ、分科会にふさわしく、細目にわたり熱心な質疑応答がかわされました。  まず文部省について申し上げます。文部省所管予算額は、千百八十三億二千四百四十四万四千円で、これを前年度予算額千六十一億九千五百四十二万三千円に比較いたしますと、百二十一億二千九百二万二千円の増額であります。  次に委員質疑のおもなるものを一括して申し上げます。義務教育に関する質問では、教員受持児童数が多くて、負担過重になつていないか、教員結核患者の現状及び保養所創設費補助金が減つている理由いかん等青年学級に関する質問では、従来の三分の一補助を四分の一補助に引下げた理由、これを廃止する気がないとすれば、もつと充実したらどうか等。学校給食に関する質問では、学校給食理想をどこに置いているか、これは国民全体の食生活の改善という大きな目標に基いて行うのでなければならないのではないか、給食パン品質等について非難が多いのは、各省間に緊密な連絡がとれていないからでないか等。教育委員会に関する質問では、町村財政の苦しい折から、町村教育委員会を廃止してはどうか等。学生アルバイトに関する質問では、学生アルバイトの中には健康上からも教育上からも、寒心にたえないものがあるが、政府はどう思うか等でありました。  これに対する政府側答弁は、教員負担については過重にならぬよう十分注意する。また保養所は軽症の者のみを対象とするものであり、その創設費減つたのは、設置希望の県が今年度より少かつたためである。青年学級については、補助費減つたのは遺憾であるが、将来は増額するようにしたい。また青年学級必要性にかんがみて、これを廃止するつもりはない。学校給食理想については同感である。給食パンについては農林省に良質の粉を要求しているので、漸次よくなつていると思う。教育委員会制度創設日も浅いので、なお様子を見ることとしたい。今これを廃止することは考えていない。学生アルバイトについては報告を受けているものは、家庭教師、タイピスト、通訳その他であるが、不健全なものについては今後も十分注意するとのことでありました。その他、文化財保護教科書無料配付打切りによる父兄の負担の増大、婦人教育等の問題も論議されました。  次に厚生省について申し上げます。厚生省所管予算額一般会計七百五十三億六千百九十四万七千円でありまして、二十八年度に比し、二十億七千四百六十三万四千円の増加となつております。また厚生省所管特別会計は、厚生保険特別会計船員保険特別会計及び国立病院特別会計であります。  次に厚生省関係質疑の重要なものを申し上げます。日雇労務者等簡易宿泊所利用遊興飲食税を課することは不合理であるから、これを徴収せぬことに改正できないか、人口問題に関し、人口問題研究所経費が少ないではないか、受胎調節を積極的にやる意思があるのか、生活保護に関しては、要保護者の数が激増すると思われるのに、予算が貧弱ではないか、共同募金赤十字募金に関して、事務費がかかり過ぎるのではないか、また生活扶助を受けるような世帯に募金に行くのはおかしいではないか、母子福祉対策に関しては、もつと国が主体となつてやるべきではないか、結核対策に関しては、結核患者数調査の結果はどうなのか、増床しなければならないのではないか、保健婦等養成所に関しては、その建設費補助率が減つているのはどういうわけか、上下水道に関しては、水道事業重要性にかんがみ、その促進を希望する。特に町村簡易水道については一層努力が望ましい。但しそのパイプに関しては不足品が使用されているため、不測の災害を起し、あるいは衛生上書を与えていると思うがいかん等々の質問がありました。  これに対し、政府側簡易宿泊施設に対しては予算を増加している。これを利用する者に対する遊興飲食税の廃止には努力したい。人口問題については、わが国として重要な問題であるから、研究所経費の多いことが望ましいが、明年度はこの程度でやつて行きたい。受胎調節十分指導はしたい。生活保護費明年度ただちに増加するとは考えられない。かりに失業が起つたとしても、まず失業保険等でしばらくやつて行くことができる。共同募金等国民の熱情によるものであるから、事務費の支出は最小限度にすべきである。母子の更生はやはり地方団体が中心でやるべきで、国は補助する形式が正しいと思う。結核については四月から七月まで四箇月にわたり調査した、その結果は集計中であるが、従来考えていたものよりも多いのではないかと推定される。将来はベツドの数を増設すべきものと思う。保健婦等養成所建設費については、平衡交付金に含めているから、今後の活動に大して支障はないと思う。水道についてはその促進の必要を認める。簡易水道については補助予算が少いので困難が伴う。またパイプの不良品については検査を厳重にし、また町村に対しても注意をするようにしたい等の答弁がありました。その・旧日本医療団の財産、病院におけるラジオ聴取料等の問題も出ました。  最後労働省について申し上げます。労働省所管予算一般会計歳入二億三千四百十九万四千円でありまして、前年度より二千九百四十四万七千円の増となつております。また歳出は二百五十四億八千七百十一万円で、前年度より十二億七千四百二十五万五千円の増であります。質疑のおもなるものは次の通りであります。  婦人少年労働行政について、経費も少ければ人員も少いのではないか、失業対策について、これを永久的なものとして考え直すべき段階に来ているのではないか、たとえば盆暮れの中元とか、もち代とかいう形式でなく、予算的に確立したらどうか、未亡人生活補導をどうするか等であります。  これに対する政府答弁は、婦人少年労働局では行政整理人員が減つたが、協助員を入れてやつて行く。失業対策は応急的なものでない方が理想である。盆暮れに出しているものは性質上予算に計上しがたい。未亡人職業補導については、十分実態調査もしたい等の答弁がありました。以上のほか婦人参政権の問題、労働基準法改正の問題、身体障害者職業補導の問題等々が論議の対象として取上げられたのであります。  以上のごとくして、第二分科会審議は二月二十五、六、七の三日間続けられました。なお分科会における討論採決は、予算委員会に譲ることといたしたことを申し添えて、御報告にかえる次第であります。
  6. 小峯柳多

    小峯委員長代理 次に第三分科会主査西村直己君より報告を求めます。西村直己君。
  7. 西村直己

    西村(直)委員 第三分科会における審査経過並びに結果について御報告いたします。  第三分科会は二月二十五日より二十七日まで三日間会議を開き、外務省、経済審議庁通産省及び農林省所管大臣より説明を聴取し、次いでこれに対して熱心なる質疑が行われました。おもなる問題点は次の通りであります。MSA援助に伴う軍事顧問団の問題、余剰農産物買付に関する問題中小企業対策の問題、電気料金値上げの問題、畜産振興予算に関する問題並びに繭の関取低価格保証の問題についてであります。  その詳細につきましては速記録に譲ります。  質疑を終りまして後、討論採決委員会に持ち越すことと決定いたしました。  以上御報告申し上げます。
  8. 小峯柳多

    小峯委員長代理 次に第四分科会主査山本勝市君より報告を求めます。山本勝市君。
  9. 山本勝市

    山本(勝)委員 第四分科会経過並びに結果につき報告いたします。  本分科会に付託されました案件は郵政省建設省及び運輸省所管昭和二十九年度予算案審議でありまして、去る二月二十五日より二十七日に至る三日間にわたり審査いたしたのであります。  まず審査に先だち、前述の各省所管予算案につき、それぞれの所管大臣より説明を聴取いたしました。その内容は会議録に譲ることとし、質疑のおもなるものにつき、簡単に御報告申し上げます。  まず最初に郵政省及び電電公社に対する質疑から申し上げます。  公労法の適用を受けておる現業員給与とこれを監督する公務員給与とは、著しきアンバランスなつておるが、これを是正するため、法的措置をとる意思はないかとの質問に対し、政府側から、給与関係現業員仲裁裁定により、また公務員人事院勧告によつておるが、両者のアンバランス給与改善の都度是正して来たが、目下バランスをとるため、企業体関係職員給与特別法を立案中で、近々国会に提出する旨答弁がありました。  このほか電電公社公債政策電話料金徴集票内訳記入要求電話料金集金制度郵便貯金増強対策簡易保険の積立金運用問題、電話架設問題、通話サービス等につき種々質疑応答がかわされました。  次に建設省関係質問であります。道路行政に対し質疑が集中されましたが、その要旨を申しますと、次の通りであります。  すなわち道路いくら金をかけても、自動車積載量を制限せねば、次から次へとこわして行くが、自動車取締り道路責任はどの省が負うているかとの質問に対し、政府側より自動車規定積載量以上に積まねば問題はないが、規定の二倍も三倍も積むので道路がいたむ。これを取締るには計量器を備えつけねばならぬが、予算関係もあり、せつかく運輸省関係陸運局とも協議を進めているとの答弁がありましたが、道路責任自動車取締り建設省運輸省通産省三省関係しているので、これらの各省関係者を同時に出席せしめ、さらに質問することになりましたが、その翌日政府側より特に発言を求められ、道路を担当する建設省交通関係を担当する運輸省自動車を担当する通産省三省協議の結果、御要望にこたうべく早急に立案するゆえ御了承願いたしとの発言があり、異議なく了承されました。  右のほか高速度道路計画、住宅問題、災害復旧資金関係物件費の単価問題の質疑応答が活発に行われました。  最後運輸省及び日本国有鉄道関係質疑であります。国鉄の二十九年度予算は国の緊縮政策影響を受け、不安定な不均衡なものになつておるように思われる。すなわち国の低物価政策により、国民所得はむしろ減るだろうと思われるにもかかわらず、国鉄予算では収入増客車二分五厘増、貨車二分一厘増を見込んでいる。また鉄道債券も二十八年度の八十五億円でさえ全部消化できぬのに、二十九年度には百三十億円を予定している。これらの矛盾に対してどう考えているかとの質問に対し国鉄総裁より、国鉄行政でなく企業であるから、国の予算の実施に伴う事態の推移により適当の処理をする。収入増は現在超満員の状態から見て、客車を減らすようなことはなかろうし、二分位収入増はあるだろう、また鉄道債券は二十八年度も月平均十億円程で、二十九年度も同様月額十億円と見込んでいるので、さほど無理とは思わぬとの答弁がありました。  これに関連し、雑収入が二十八年度より十六億円増の八十五億円を計上しているが、無理ではないかとの質問に対し、国鉄側より、従来土地物件賃貸料等は安過ぎ、世論もやかましいので、今回二倍ない三倍値上げした。土地物件賃貸料は六億五千万円を十三億円に、広告料金は三億円を七億円に、構内営業料は一億五千万円を三億六千万円に改めたとの答弁がありました。  右のほかに気象警報伝達方法、中国との気象通報連絡問題、東海道線及び東北線の電化問題、デイーゼル・カー配分問題、航路標識強化問題、自動車のオーバー・ロード取締り問題、日本航空会社収支関係及び欠損問題並びに監督問題、国鉄の国営問題、沖繩定期航空問題、外航船利子補給問題、造船事業国営問題、日通、交通公社等国鉄外郭団体及び鉄道会館問題等、活発に質疑応答が行われました。  以上で本分科会質疑は全部終了し、討論採決予算委員会に譲ることを採決し散会いたしました。  以上をもつて私の報告といたします。
  10. 小峯柳多

    小峯委員長代理 以上をもちまして各分科会主査の御報告は終りました。お聞き及びの通り予算三案に対する討論採決は、いずれも総会に譲るとの報告であります。  それでは暫時休憩いたします。    午前十一時二分休憩      ————◇—————   〔休憩後は開会に至らなかつた〕