○松前
委員 ただいまのお話と、先ほどのいわゆる平和が戦争かの問題につきましては、私は多少副
総理の御
答弁が矛盾があるような感じがいたしますが、ただいまのお
言葉を
中心として
考えてみますれば、少くとも、もしも戦争が起
つたと仮定して、もし原子力がない時代を仮定いたしましても、今のようなものでは役に立たない。私どもは東條
内閣のときに、あのような
日本の陸軍や海軍では問題にならないと主張いたしまして、大分東條さんにも迫りまして、私も多少東條さんににらまれてやられたのでありますが、それと同じようなことが
日本の現在に行われておると思うのです。あのような保安隊のあり方では、実は戦争が起
つたにしても私は役にはあまり立たぬと思う。と同時にただいま申しましたように歴史の動きは、少くとも原子力の新しい時代に当面して平和の方向に動いておるんじやないか、動かざるを得ないのであります。これは何とかかんとかいろいろありましようが、動かざるを得ない。科学的にすべてのものを、新しい時代を把握いたしますれば、平和の方向に動かざるを得ないのであります。このことを認識して、国際連合なりあるいは康子力の国際管理なりに対して全然関心をお持ちにならないような現在の外務省では、また外務大臣では、あるいは
吉田さんでは、
日本の歴史を担当するのには非常に危険である。私は東條さんのときに実に痛切に感じました。竹やりで戦争する、
日本精神で戦争すると盛んにおつしや
つて、そのようなことを誹謗する記事を書くと片つぱしからやられた。そのゆえに民族の悲劇に遭遇したのであります。今非常に重要なときでありまして、この歴史の大局を今日において誤
つてはならないと思うのであります。こういう
意味におきましてて、ただいま私どもは
政府の皆様から承りまして、あるいは貿易の問題にいたしましても、ま
つたく行き詰まりの
状態にあり、高物価で低品位で買手がない。これの打開策の具体的な方途もほとんど今行われてない。このような
状態に相な
つておるのであります。何をおきましても私どもは今日最も重要なることは、この歴史の動きをはつきり把握すること、そうして歴史の動きの中にみずからの進むべき道を発見すること、しかも原子力時代、新しい時代に当面している、こういう大きな
立場から
考えまするときに、私はアメリカの中共承認はあるいは相当早く行われ、
日本だけが置き去りになる。そうしてまた
日本が世界の動きと逆行して、せつかく理想的と申しまするか、平和への希求のゆえにできた憲法を今改正して、また世界の笑いものになる。バートランド・ラツセルの所説によりますると、このような憲法が最も矛さわしい姿になるのである。またなるであろう。このようなことはラツセルの口を通じなくとも私どもは言えるのであります。このような
意味におきまして、
政府は今日において、この歴史の重大なる
段階に当面して、ただ世界歴史の小さなさざ波にもみくちやにな
つて、歴史の動きの大波を忘れるということにな
つてはたいへんだと思うのであります。いろいろな
総理の御
答弁などを前々から拝聴いたしまして、私はどうも東條さんのや
つたようなあの歴史のさぎ波に驚いてお
つたあの
政治が、今の
吉田内閣の
政治ではないかと心配いたして見ておるのでありまするが、この点につきましては、
政府はすみやかに
国際関係のこの微妙な中からそこに大きな新しい時代と力が生そておる。そうしてその力を
中心として歴史の新しいとびらが開かれようとしておるということを認識されんことを希望いたしまして私の
質問を終ります。(拍手)