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赤澤委員 懇切な御
説明であ
つて、大体私も了承いたしたのでございますけれ
ども、やはり社会科というのは非常に大事な科目であると思うのです。その社会科の教官が中学校の
自分の教え子と桃色事件を起すような、こういう素質の人であ
つて、こういう人に徳育るやらせろとい
つたつて、これはできるはずではないと思う。やはりそういう若い人がこうい
つた衝い当るということは、私は非常に危険であると思うのでございます。こういう点について文部当局としても何らかの考慮を払
つていただきたい。
さらに、学校の先生たちの中には、何か教組ということで左翼的な活動をや
つておるというふうに十把からげにとられておるようでありますけれ
ども、実態はそうではございま
せん。それは共産教育を受けた人も若干あるかもしれま
せんけれ
ども、大部分はごく穏健な
考え方を持
つておる
人たちが引きずられておるという状態でございまして、教組自身が、大部分の人はこの
やり方について反省をいたしておるのでございます。こうい
つた点で文部当局が対立をするということでなくして、教員諸君と手を握
つて、とに
かくこういう倫理的な問題にしても道徳的な問題にしても、あるいは単に唯物主義的な観点から割出したいわゆる平和主義という点からではなくして、理想主義の立場に立
つて国防という思想を普及するとか、こういうことについてももつと真剣な
努力をしていただきたいと思います。
そこで私はきようは木村国務
大臣にいろいろ希望も申し上げ、お願いもいたしたい点もあ
つたのでありますけれ
ども、時間も十二時半になりますので、残念ではございますけれ
ども――今日のようなこういう時代で放置いたしておきました場合には、世相が刻々悪くな
つて参ります。今日のようなこういう政治のあり方であ
つた場合においては、教員の政治活動を禁止するとか、せぬとかいうようなことは、まことにこけのさたであ
つて、禁止しようという
国会そのものから、もうくずれ去ろうとしておるような事態でございますから、私はなおかつこうい
つた問題については、時期といたしましても、よけい御注意をいただきたいと思う。実際の問題として、こうい
つた個々の教員諸君が政治活動をする――政治というものは日常生活に結びついておりますから、これを
自分の教え子を通じて、この社会状態のいろいろなまずい面を見て、ああもしたい、こうもしたいという意見を発表する自由さえも奪われたら、これは教員としても一箇の人格を無視された形になると思う。やはり実際のところは何か一つの唯物的な観点から政治運動をするということがいやだというふうなお
考えであろうと思うのでありますけれ
ども、やはりこうい
つた点においては、
政府の、しかも文部当局の今までの
やり方というものが不十分であ
つたとも、私は感じられるのでございます。こうい
つた点につきましても十分御
配慮され、三つ子の魂百までというようなことにならないように、慎重にこの徳育という面に考慮をお払いくださいますようにお願いいたします。また教員にいたしましても、決して左傾している人ばかりではない。右とか左とか申しましても、私
ども今日の唯物主義的な立場から
日本を解剖され、またその思想のもとに
日本の組みかえをやられるということについて不安を感じておるのでございますが、そうでない場合にはよほど自由にや
つていただいて
けつこうではないか、これは私個人の
考えでございます。ただ教え子を通じて、何々の党に投票しないと戦争が起るからお母さんに一言
つておけこういうようなことをや
つておる実例もありまするけれ
ども、これはそうい
つたただいまの問題教育基本法やその他の政治活動の問題とは別であ
つて、このこと自体は今日の
選挙法に解れる問題でもありまするし、いろいろの点でまた別に
選挙違反に問われる道もあると思うのでございます。そうい
つた点にも十分御
配慮をいただきますようにお願いいたします。
自治庁長官はおいでにならぬわけですね。