○山本(勝)
委員 なお若干の質問がありますが、予定の時間が迫りましたので、最後に、私は先般の五日の日の
今澄君の発言に関して一言させていただきたいと思います。五日の日に
今澄代議士が保全経済会類似の金融機会に顧問をしているという者の名前を列挙された際に、私の名も列挙された。私はうとうとしてお
つて、何か自分の名前を読んだと
思つて、質問席の
今澄君のところへ
行つて聞いたんですが、あなたなどは名前だけ使われたのだろうというふうなことを言われた。しかし、とにかくあくる日は新聞に堂々と出たのでありまして、この機会に、二、三分時間をいただいて一言させていただきたいのであります。
大体私は、
今澄君がこれをここで持ち出される場合には、その機関がはたして保全経済会類似の機関かどうかということを確かめる必要があつた、それから第二に、その機関が大衆に迷惑を及ぼしているのかどうかということも確かめる必要があつた、第三には、それらの機関に顧問や相談役として名を連ねた方々が顧問料というふうなものをと
つているかどうかということも確かめる必要があつた、それから最後に、か
つてに名前を使われているのではないかということも研究されて、ここに公にされるのがほんとうは適当であつたと思うのであります。私の場合を申しまするが、私は根本の態度において、この保全経済類似の会社からたびたび顧問にな
つてくれということを頼まれたことがある。ところがそのたびごとにそれは全部私は断つた。神田のある会社のごときは、私がはつきり断つたにかかわらず、私を顧問という名前で印刷物を出しているということを、東京の興信所から私のところへ来て知らせてくれたので、さつそく呼びつけて、その書類を全部破棄させると同時に、申訳なかつたというわび証文すらと
つて私は持
つているくらいであります。そういうぐあいでありますから、ああいう類似の会社には私は絶対に関与しない。ところが、御指摘に
なつた
昭和何でしたか、利財会でしたか、この会社との
関係についてはどういう
関係にな
つておつたかと申しますと、これは山形県の米沢の両羽銀行の頭取をしておられる高野という方の弟で、高野銀行の取締役を長くしておられた高野源次郎君という方は私も前から知
つておつた。ところが私のある親友で、これは多くの皆さんが御存じの方でありますが、その友人から懇篤な手紙をよこして、私も知
つている高野君が今度二、三の友人と金を出し合
つて土地の分譲の仕事を始めるのだ、それで何かと御指導願いたいという手紙をつけて、会いたいということで、会
つてみたところが、その手紙を持
つておつた。そこで私はその際に、これは昨年の二月六日の日
——私は日記帳をく
つて見たが、二月の六日の日で、私はもちろん当時は代議士ではありませんでしたが、その親友の手紙を持
つて高野君が来たので、私は会
つてもくろみをいろいろ聞いたら、本人もそういう話である。すでに分譲地の用意もできておるのだ、将来は大きな土地をまとめて買
つて、そうして小さくわけて、つまり箱根土地の小さいようなものである、だからそれの指導をしてくれと言う。私は経済学の研究をしているので、始終いろいろな相談を受けるのです。ことに親友から自分にかわ
つてや
つてくれと言うから、それはできるだけのことはしましよう、こういう返事をしたのであります。これが昨年の二月六日であります。話はそのまま切れておつたのです。もちろん顧問料とか何々料というものは一切と
つておりません。ところがその後私が昨年の四月の選挙に当選してここへ参りました。
予算委員としておりましたところが、朝日新聞のある記者が、このうしろのところで私に、実は山形県のある方から朝日新聞社に照会があつた、それは高野氏の会社が山形県の何とかいうところへ支店を設けるるについて主任にな
つてくれということを言われたが、引受けてよかろうかどうかということを朝日新聞の方に照会して来た。その書類の中に私の名前が顧問として載
つておるということを初めて聞いた。そこで私は最初高野君に引受けたときには、五つの条件を出しておる。
一つは不特定多数の、つまり未知の人から金を集めないということ、株には投資しないということ、それから金は貸さないということ、それからいつも私に相談をかけるということ、それから人間をあまり使わないことという五つの条件をつけて、そうしてこれからできるだけの指導はしましようということを答えておつたのでありますが、山形はいかに高野君の郷里ではあ
つても、そういうところへ刷りものなどを持
つて行つて、そうして私の名前で仕事するというようなことは困ると
考えたから、すぐに呼びつけて、その書類の破棄を命じ、また自分はもう
関係を絶つ、こう言
つてしかりつけて、議員会館で帰した、ただそれだけのことであります。もちろんこの高野君がその後下特定多数の者から金を集めておるかどうか知りません。おそらく集めてなかろうと思う。私と話したのが
——本人の性格から言うと、自分は土地の分譲では長い経験があるが、株のことは絶対やらぬし、また貸金はしないと言うからや
つておらぬだろうと思いますが、とにかくいずれにしても私の
関係はそれだけだ。これは
今澄君を私は責めるわけではありませんが、しかし私はびた一文も不純の金はとらぬ。とらぬからこの年にな
つても自分の家もようつくらぬし、小型自動車もよう買わずにこうしてや
つておるのです。どうかああいうところで言われるときには、今後私は注意してほしいと思う。それは
今澄君などは若いのだから……。ですけれ
ども、君の方がぼくよりもはるかにわれわれ及ばぬような暮しをや
つておられる。そういうふうなことを君が軽率に言われたために、私の選挙区からも心配をして、いろいろなことを言
つて来たのです。
〔小峯
委員長代理退席、
委員長着席〕
時間がなければ私はきよう発言するつもりがなかつたのですけれ
ども、先般三木武夫君も言われたということでありますので、最後の時間を借りてそれだけ申し上げておきます。