○塚田国務
大臣 適切なお尋ね、かつ御注意をいただいて、まことに感謝しておるわけで、私も
事件が起きました当時、当初被害額な
どもつと大きく伝えられておつたので、一層重大に
考えておつたのですが、その後被害額は大したことはなかつたということに
なつたのでありますけれ
ども、私はそういうことよりもこの
事件が郵政事業というもの、もつとはつきり申し上げまするならば、
国民——利用者の側から見られる面と、それから内部でこれに従事している
従事員の立場から、この
事件に対する感じというものが、この
事件が未解決で迷宮入りに
なつてしまう場合に、非常に悪い影響を与えるであろうということを
心配しておつたわけであります。今もその
考え方はなく
なつておらぬのでありますが、私も昨日ちよつとひまを得ましたので、東京監察局へ行きまして、
部内としてはどういう
措置をしたかということ、それから現在の捜査の状態というものを、自分で行
つてみずからいろいろ情勢を聞いたほど関心を持
つておるのであります。そこで私といたしましては、犯人が見つかることは私の方の監察、もちろん主としては国警なり、市警なりがお骨折りを願わなければならぬのでありまするが、それと同時に、今後こういう事態が郵政
部内の事務運営のやり方で防ぐ面があるならば、これをぜひ
考えてみなければならないということで、いろいろ検討をそれぞれ
関係の部局の者に命じたわけであります。いろいろ
議論をいたしました結果、
一つは逓送自動車というもの
自体のやり方に問題があるのではないか、問題があるというよりも、もう少し別の
考え方をしたならば、犯人があれだけ容易には強奪はできないということになると、これは幾らかでも防げるのじやないかということも
考えられます。それから運ぶ者が現金を持
つておるということが、一番そういう動機を誘発しやすいのでありまして、現金を最小限度に運ばなければならないということがもう
一つ考えられるわけで、その点はいろいろあとに
なつて調べてみましたところ、やはり最小限の現金で、あとのものは現金でなく、
従つて盗んだ者がそれを利用できないで途中で捨ててしまつたということに
なつて、今現金が運ばれておりますのは、御
承知のような現金送金だけのものに
なつておるのであります。これは利用者の側から便利であると見えまして、創始いたしましてから急速度に利用がふえておりますので、これをやらないというわけに行かないのじやないかという
考え方をしておるわけであります。どうしても現金送金というものの制度はやめられないということになると、おそらく今後こういうものに常時何がしかの現金が載
つておるということを頭に置いて、いろいろな対策を講じなければならないというので、なおいろいろ検討させておるわけであります。しかしなかなか適切な
方法が見当らないで弱
つておるのでありますが、そういうことを一方で検討させると同時に、
従事員諸君がこれによ
つて志気沮喪することのないようにということは、私も十分注意をいたしておるわけであります。