○
松井(一)
政府委員 実はこの谷山の
郵便局の
昇格問題については、前の国会で、参議院においても
請願があつたのでございます。
特定局と
普通局との間にいわゆる
昇格という観念をも
つて、昔は実は処理して参つたのであります。最近の実際の現状を申し上げますと、
特定局においても相当大きな局もございますし、また
普通局においてもきわめて小さな局もある。一体
昇格という観念が何であるかということに対して、非常に大きな根本的な疑問が出て来たのであります。私
どもはいろいろな角度から見て、
特定局、
普通局という一つの沿革的なものはございましたが
郵政省全般としては何も
特定局なるがゆえに不利な扱いをするということもりくつのないことである。少くともある一定の大きさを持つた
郵便局でありますれば、
特定局であ
つても
普通局であ
つても、その事務の取扱いというものはできるだけ同じような基準においてや
つて行きたい。そういう
方針を立てまして、最近におきましては、両方に対する態度というものは、同じ基準、同じ見方から見て行きたい。いやしくもどちらが不利であるというふうな考え方のないようにいたしたい、かような措置を着々としてと
つて来ておるわけでございます。ただ一点だけ現在
特定局の名において、
普通局と著しく異な
つておる点は、これは当該
郵便局長になられる方が、いわゆる自由任用と申しますか、必ずしも部内の経歴のない方でも局長になれるという点が、これは著しく異
なつた点でございます。これは換言いたしますと、大体その土地に密着した局長さんという意味に運用上はな
つて来るわけですが、そういう局長さんを必要としない。どこの方でもこれに転任されていいというような形の場合のみが、
普通局らしい一つの特色を持
つておるわけですが、それを除きますると、ほとんど実際的には両者の区別というものは、歴史的な一つのずれといいますか、そういうものは若干は残
つておりますが、根本的な考え方としては残
つておらない。そこで二年ばかりの間、
特定局を
普通局に
昇格させるというふうなやり方はやめまして、ともかく
特定局と
普通局の取扱いについて、昔からあつた差別観念というものをなくしよう。たとい
普通局という名前で従来来ておつたものであ
つても、非常に規模の小さいものについては、何らこれは持定局とかえる必要はないのであ
つて、また
特定局といえ
ども規模の大きなものについては、取扱いは
普通局と同じような基準においてや
つて行きたい。
郵政省としてはさようなことが、やはりこの両者の間の公平な取扱いに徹するゆえんだろう。そこでこういう何か
普通局に上ることによ
つて、特別によくなるというふうな考え方は、できるだけ清算して行かなければならぬというようなことで進んでおりまするので、今日の段階においては、特に
普通局にするというようなことは、昔のような意味合いにおける
昇格という観念ではございませんので、特に私
どもはその必要はないのじやないか、かように考えております。