○
松井(一)
政府委員 実はこの
手数料のきめ方は、先ほど私一口で実費というふうに申したわけでありますが、その実費の
内容というものは、実際問題としてこれを売りさばくために手数を要する、その人件費というふうに考えなければならぬ問題が
一つあります。それからこれを売りさばくためには若干の設備と申しますか、一軒の家がいるわけではありませんが、やはり特別の設備がいるだろう、そういうものに対する
一つの償却その他の問題がある。それから買受けた姿金がいるので、その資金に対する金利というものを見なければならぬ。あるいはそれをや
つているうちに破
つてしま
つたということから起る
一つの危険負担という問題、それからこれについてのやはり若干の税金というものも入
つて来る、そういうものを総合したものが実費と
なつておるわけであります。おつしやる
通り確かに少額の場合においては、手数はかえ
つてふえるかとも思います。しかし他面そのために金利その他の面においては、非常に軽くて済むというふうな問題が起きて来るわけであります。
そこでこれをどういうふうに区切るかということについては、私たちいろいろと考えたわけでありますが、大体現在の
法律も
改正案でありますのでありますので、現在の
法律を制定した以後どういうことに
なつておるかということを大ざつぱに見まして、総体の売上げが
郵便切手類においては大体当時の倍以上、
収入印紙においてははるかに大きく
なつておりますが、そういうことを勘案いたしまして、一応今度も区切り方を現在の区切り方の倍にすればどうだろうかということを考えたわけであります。その場合に現在の五千円までと
なつておるのを、かりに一万円以下というふうに切
つてみる。一万円以下にわける売りさばき人の平均数をとりますと、大体二千八百円ばかりに
なつておる。二千八百円ばかりの売りさばきをするために月に何回か
——これは回転率があります。それから
現実に
郵便局にとりに行く時間、そういうものをいろいろ
計算してみますと、大体において二千八百円に対する実費として百五十円ばかりになるのじやないか。それを率に換算しますと五分二厘大毛ぐらいになる。今度は逆にしからば十万円以下ぐらいのところではどうなるか。これは平均が二万八千円ぐらいに
なつておる、二万八千円ぐらいに対する
一つの金利負担、そういうものをいろいろ見て、これが四百七十七円ぐらいの
計算になる。それは二分五厘二毛ぐらいに
なつておる。それからさらに大きくなりますと、今度はたとえば十万円を越えた売りさばき人とい
つたものをと
つてみますと、その平均が三十八万九千
幾らに
なつておる。それに対する同じような
計算が千九百四円ぐらいに
なつて、それが四厘八毛余りになるとい
つたような
計算を一応しております。結局先ほどおつしや
つたように
手数料においてふえる部面と、それから金利の負担というようなものがありますので、それをいろいろあんばいいたしますと、やはり
金額をたくさん売りさばく場合においては、もとより
手数料の面においては軽減されますが、金利の面においては大きくなる。それらの
関係で
手数料自身の絶対
金額は当然ふえて参りますが、しかし率はおのずから下
つて行くという傾向は否定できないと思います。