○
吉田(賢)
委員 ちよつと
白根局長に伺いたいのですが、あなたは
物価指数の問題を少し軽視しておられるのじやないかと思うのです。釈迦に説法でございますけれ
ども、
保険事業のごときは、
物価指数とかあるいは数学的な計数の動きとかいうものを軽視なさいましたら、私はそのお考えに対して根本的に批判しなければならぬと思います。そこで
政府提出の
資料によりますと、今御
説明になりましたごとく、
物価指数は
昭和九——十一年を基準といたしまして、九年ないし十一年におきまは
保険金最高限度四百五十円、二十八年十二月におきましては十四万六千二百一円、これは東京における小売
物価指数を一〇〇として三二四、こういう
数字になる。そうすると約十五万円、二十年の基準によりますと同じく一〇五、二千円に対する二十一万余円、こういうことにな
つております。これは各種の理由はあると思いますけれ
ども特に
保険事業のごときは計数の検討というものを重視すべきものであろうと私
ども考えておりますので、
民保の
立場——民業の
圧迫という言葉が使われますけれ
ども、そういうようなことはお互いに別な角度と
関係から検討をなすべきものであ
つて、最も
考慮すべきものは
物価指数と
保険金最高限度の
関係でなければならぬと私
ども考えておりますので、これがひいては
保険金支給の
関係あるいはまた
生活費の
関係等、各般に
影響して来ることは申し上げるまでもございません。でありますので、小林先輩の御
意見もありますけれ
ども、数学的なものの観察
判断というものは、
保険業においては最も尊重すべき
要素であろうと考えます。ついてはあなたはこういうことにつきましても、もつと勇敢に勇断をも
つて臨んで行くという積極的な気魄がないといくまいと思います。われわれは漸進もけつこうであると思いますが、およそ漸進々々というようななしくずしの妥協というようなことでは、ほんとうに力強い行政は行えないのであります。やはりそういうきめ方というもの自体が、ものの
考え方に由来するものであり、そういうきめ方に順応して行くということ自体が、行政の気魄を欠如してしまうと私は思うのであります。でありますので、一
簡易保険のみならず、郵政
事業全般にわたりまして、幾多の問題が当
委員会においても論議されて来たのでございますが、これらの各般の未解決の問題が山積しておる折柄でありますので、
簡保の
最高限も
決定せんとするときには、もつと積極的な強い確信に満ちた態度でも
つて数字を
折衝し、あるいは検討するということが私は必要であろうと思う。先般
大蔵省の銀行局のある
説明員の
説明によりますと、
簡保は
民保のためには何かつけたりの付属物の存在であるかのごとき印象を受ける
説明に終始してお
つた。こういうようなことにつきましても、ものの認識に対する根本を改めなくちやならぬというふうに、強く私は印象を受けたのであります。こういう際でもありますので、
民保との
折衝あるいは
大蔵省との
折衝各般のことがありましようが、私
どもは望むらくはやはり
保険局長は行政の先頭に立
つて指揮して行くからには、もつと強い信念的なあり方をも
つて、積極的な態度でこの
数字の妥当性を
結論づけて行くとふうにしていただきたいと思う。腹にしからずして面にそうだというようなことでは、今日の財政は許しません。やはり内も外も首尾一貫の態度で行かねばなりません。われわれはある
数字が適当であり、妥当なことであるならば、それを信じて行きたい。しからずしてそれが妥当でないとするならば、最も妥当なる線の発見に向
つて最善の努力をして行かなければいかぬ、こういうふうにわれわれ
委員会としても努めて行きたいと思います。われわれが二十万円を
決定したことに対して、あなたは十三万円が妥当だとお思いになるならば、その二十万円のわれわれの
理事会の
申合せに対して、これを反駁する積極的な気構えをも
つて御
説明になる。これくらいはげしい検討の仕方によ
つて、初めて練りに練
つた正しい
数字が生れて出るものだと思いまするし、
国会というものはわけもわからず、ただ妥協して
行つて数字を生み出すというところではないのであります。これはやはりあらゆる角度から検討しまして、最も正しい、最も適正なる
数字を生み出さんとする努力にほかならぬのでございますから、この
意味におきましてあなたのほんとうに温厚な態度というものは、
数字を検討し
決定する上におきまして、きわめて私
どもは不満足に
感じますので、ひ
とつあなたの御見解を伺いたいと思います。