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1954-06-02 第19回国会 衆議院 本会議 第60号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年六月二日(水曜日)  議事日程 第五十七号     午後一時開議  第一 砂利採取法案大西禎夫君外十四名提出)  第二 農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助暫定措置に関する法律の一部を改正する法律案芳賀貢君外四十四名提出)     ————————————— ●本日の会議に付した事件  日本中央競馬会法案内閣提出参議院回付)  図書館運営委員長国立国会図書館法第十一条第二項の規定による審査の結果報告  海外胞引揚及び遺家族援護に関する調査特別委員長調査中間報告     午後三時四十一分開議
  2. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) これより会議を開きます。      ————◇—————  日本中央競馬会法案内閣提出、   参議院回付
  3. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) お諮りいたします。参議院から、内閣提出日本中央競馬会法案が回付されております。この際議事日程に追加して右回付案議題となすに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。  日本中央競馬会法案参議院回付案議題といたします。
  5. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 本案の参議院修正に同意するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて参議院修正に同意するに決しました。      ————◇—————
  7. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 図書館運営委員長から、国立国会図書館法第十一条第二項の規定により同委員会における審査の結果を報告いたしたいとの申出があります。この際これを許します。図書館運営委員長伊東岩男君。     〔伊東岩男登壇
  8. 伊東岩男

    伊東岩男君 ただいま議題となりました国立国会図書館法第十一条第二項の規定による図書館運営委員会における審査の結果を、きわめて簡単に御報告申し上げます。  まず国会図書館庁舎建築の問題について申し上げますと、第一期工事八千坪の建築を四箇年で完成せしめる計画に基き、昨年度予算において初年度新営費八千五百万円が計上せられ、数年来の懸案であつた図書館新築の第一歩を踏み出したことは、すでに御報告いたしたところであります。その後、大蔵当局との交渉に手間取つたりいたしましたため、その予算年度中に使用することができず、約七千万円が本年度に繰越され、新たに計上された分五千万円と合せて計一億二千万円をもつて年度中にその基礎的工事を完成するよう計画がつくられ、目下着々工事が行われております。建築の準備につきましては、昨年九月国会図書館建築協議会の設置を見三基本設計一般に懸賞募集いたしまして、五月末にはその応募を締め切ることにいたしました。応募者は九十五点に達し、やがて現代を代表する建築物として将来に誇るに足るりつぱな設計が当選発表されるものと期待しております。  次に、図書館活動状況につきまして一言いたします。国会に対する奉仕の面におきましては、調査立法考査局をさらに整備充実して、議員各位の御利用を満たしつつ、その考査件数はますます増大し、その能率も著しく向上して参つたことは、御承知のところと存じますが、将来は、優秀なる専門的職員の増設により、調査立法等国会奉仕の実をあげたいと存じます。  次に、昨年度予算修正により、PBレポート及び原子力関係資料購入費が計上されましたが、これによりPBレポートの第二次発注が行われ、総数十一万件中すでに半数以上が到着し、一般に公開されており、さらにその一部を複写して大阪の図書館に備え一、つけることに相なりました結果、同方面利用希望者に多大の便宜を与え得ることになりました。また、原子力関係のある資料を、ひとり理化学関係のみでなく、医学、政治、経済等方面にわたり研究者利用に供しておりますが、これは立遅れの状態にあるわが国原子力研究の上にまことに喜ぶべきことと存じます。  そのほか、国会図書館は、印刷カード及びマイクロフイルムの施設を充実し、また一部夜間の開館を行う等、わが国中央図書館としての面目を新たにして参りました。さらに、国会図書館利用活動の上において、独立した庁舎を持つことが何よりも急務であることは言うまでもありません。国会図書館建築は、その緒についたとは申せ、国家財政の現状にかんがみますとき、前途多難を思わざるを得ません。ここに図書館運営委員長としての御報告を結ぶにあたり、これが計画遂行に対する議員諸賢の一層なる御努力を切にお願いいたす次第でございます。(拍手)      ————◇—————
  9. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 次に、海外胞引揚及び遺家族援護に関する調査特別委員長から同委員会における調査中間報告をいたしたいとの申出があります。これを許します。海外胞引揚及び遺家族援護に関する調査特別委員長山下春江君。     〔山下春江登壇
  10. 山下春江

    山下春江君 本日は、詳しく御報告するはずでございますが、時間の制限がございますので、簡単に御報告させていただきます。  今国会において、海外胞引揚及び遺家族援護に関する調査特別委員会は、ソ連地区残留同胞の第二次引揚げについて、あるいはまた中共地区残留同胞集団引揚げ打切後の対策を初め、引揚者在外資産に対する処理あるいは非公務死軍人遺家族に対する保障問題等留守家族遺家族及び引揚者はもちろん、全国民要望と期待に沿うべく、真剣にこれら諸問題と取組んで参つたのであります。この間委員会を開会すること十回、委員各位の熱誠なる審議状況を、その成果とともにこの中間報告において幾分なりとも御報告できればと存ずるのであります。  まず最初に、ソ連及び中共地域残留する同胞引揚げに関しましては、中共地区よりは昨年三月中旬第一次送還以来七回にわたつて二万六千百二十七名が、またソ連地区よりは昨年末及び本年三月の二回にわたつて千二百二十四名の残留同胞引揚げて参つたことは、すでに御承知の通りでございます。しかしながら、現在なお多数の同胞が、引揚げ機会に恵まれずに異境の地に残留を余儀なくされ、来るべき引揚げを一日千秋の思いで待ち望みつつ生活していることが、引揚げ参つた人々より伝えられているのでありまして、これら残留者のすみやかなる引揚げ生死不明者調査は、現下の急務であると考えるものであります。これらについては、いずれもソ連赤十字社及び中国紅十字会の好意にまつところ大なるものがあり、引揚げ問題は一歩前進し、その状況は幾分好転したとはいえ、終戦後九年を経過した今日なお未解決の問題がきわめて多いことは、まことに遺憾きわまりないことであります。  特別委員会は、これら残留者の早急なる引揚げ促進に関し、その具体策を樹立すべく、残留者事情抑留当該国に対する折衝等に焦点を集中して調査いたし、その交渉の衝に当つた日本赤十字社代表及び第一次、第二次ソ連地区引揚者委員会に招致して、その詳細なる陳述を得たのであります。  ソ連地区残留者引揚げは、マレンコフ政権成立以来、そのいわゆる平和政策に基いて、昭和二十五年四月集団引揚げが打切られた後、満四年ぶりに全国民待望引揚げが再開されたのでありまして、日ソ両国国交がいまだ回復されない現在において、赤十字社が果された非常な努力成果は、われわれの深く感謝してやまないところであります。しかしながら、事は人道上の問題であり、国交の回復といなとにかかわりなく、また、赤十字社を通ずるにせよ、政府が直接その衝に当るにせよ、引揚げ問題の解決は一日もゆるがせにすることのできぬ重要問題なのであります。  ソ連地区収容所における残留同胞状況は、引揚者諸君陳述によつて明らかなことく、最近その処遇は著しく改善されたとはいつても、その衛生状態はまことに憂慮すべきものがあり、その環境から来る特異な現象として一般に高血圧症が増加し、一日遅れることは一日生命を縮めるような危険状態に陥つている者が多数に上るもののようであります。また、過去九年間、一般邦人の大多数は文通を許されず、家族の安否を気にして精神的に疲労困憊し、遂には病気に倒れ、その死期を早めるというような肉体的、精神的の苦痛にさいなまれながら、故国に帰る日を夢見つつ生き抜いて来ているのでありまして、舞鶴での出迎えに際し、長くかつ深い苦痛に耐えて生き抜いて来られたこれら同胞の顔を見たときには、よくぞ生きて帰られたという感情に胸打たれ、涙を禁じ得なかつたのであります。  なお、ソ連地区には、終戦後諸種の事情より罪なき罪に問われ、いまだに拘禁せられている同胞も多数に上り、幸いにして刑期が満了しても、帰国の道がないために、いわゆる自由市民として残留を余儀なくせしめられている同胞については、みずからの労働によつて一応生活の安定は得られても、家族からの通信もなく、帰心矢のごときものがあり、これらは、今回の帰還者から提供していただきましたきわめて最近の資料により、氏名の判明している方が四百六十名にも上つているのであります。今後問題をさらに究明して、これらの障害を早急に取除き、残留者引揚げ促進についての対策を樹立して、その解決を期すべきは、本委員会はもとより、国民として喫緊の要務であると思うものであります。  次に、中共地区残留同胞引揚げは、昨年十月第七次引揚げをもつて集団引揚げは打切られ、その後十一月に、中国紅十字会より、将来とも帰国希望者個別引揚げについては協力する旨の意志表示があり、中共地区からの引揚げは一応個別引揚げの段階に入る形となりましたが、現実には多数の同胞がなお帰国をはばまれている実情にあることは、本人からの通信等によつてもよく判断せられるところであります。中共地区からの引揚げ問題の打開について他に適切な方策のない今日、留守家族の強い願望もあり、引揚げ問題の特性にかんがみ、本特別委員会といたしましては、日赤の熱望である中国紅十字会代表招請実現を妥当として、去る三月二日全会一致決議を行い、政府当局に善処を求め、なほ本問題の実現を強く要請するため、去る五月二十七日各党共同決議案を本院に上程し、満場一致の御可決を願いました趣を、たちにオスロにおける万国赤十字社会議理事会に出席中の島津日赤社長に打電いたした次第でありますが、政府はすみやかに善処され、この人道上の問題解決に熱意を示されんことを切に望むものであります。  第三に、引揚者在外資産に関する問題について申し上げます。本問題は、今会期において、本委員会海外胞引揚げの問題と相並ぶ重要問題として熱心に取り上げて参つたものであります。終戦以来十年を数える今日七百万引揚者は何等の解決を見ることなく現在に至りましたが、在外金融機関の有する未払い送金為替外地預金の支払い及び引揚者が持ち帰つた日本銀行券交換等については、ようやくその処理方針在外財産問題調査会の答申によつて決定し、その全貌が明らかにされましたので、本委員会においては、ただちにその概要を聴取し、私権擁護の見地から、引揚者の利害と公正妥当なる処理を目途として、各般にわたつて詳細に審議検討を加えたのであります。この際特に在外預金未払い送金為替換算率の不均衡については終戦前後の特殊事情から見て何ら区別さるべきものではないという強い要望が多数の引揚者からあつたのであります。また閉鎖機関である横浜正金銀行につきましては、法案が成立いたしましても、現実には現在在外債務に充当いたすべき国内資産がきわめて少いために、債権者はほとんど法律による利益を享受し得ない実情にありますが、同行には、ブラジル、スイス、インド、パキスタン等に多額の財産があり、それらは近き将来返還される見通しも十分あるので、これらを見返りとして、余力のある他の閉鎖機関等剰余金から一時借り入れ、他行並に五万円まで支払わしめることが最も妥当と考えられますほか、特殊清算人債権者のために弁済すべき財産を信託する場合には、法律改正の趣旨にかんがみ、主たる利益代表者に信託すべきものと考えられますので、これら諸点について特に論議を尽し検討いたしました結果、その妥当性を認め、当該法案審査しておりました大蔵委員会に申入れを行う措置を講じました。  この機会に、この困難な問題究明のため長期にわたり真剣な御健闘を傾けられました各委員の御努力に深く感謝いたします。  さらに、戦犯問題につきましては、その解決ははかばかしからず、戦争受刑者留守家族の苦悩は見るに忍びざるものがありました。その後、オランダとの間に、昨年六月巣鴨から釈放せられました同国関係戦犯林鉄夫君の再収容問題が突発し、これがために全受刑者留守家族に深刻なる不安動揺を与えるおそれがありましたので、本委員会といたしましては、政府当局より同問題の真相を究明いたしました結果、林問題につきましては、巣鴨移管当時における引継ぎの際の手違いであつて日本政府の落度でないことが判明いたしましたが、オランダ政府の強硬な主張もあり、当時停滞しておりました同国関係受刑者釈放促進のため、余儀なき再収容として同君に対する政府措置を了承することといたした次第であります。この措置によりまして、その後オランダ政府は、わが方の誠意を認め、三月中旬同国関係受刑者十六名の仮出所及び林鉄夫君の減刑を断行いたしました。かくして、この問題に関する両国間のわだかまりが一掃せられました結果、さらに本年五月二十八日林鉄夫君を含む十五名が釈放されましたことは喜ばしき限りであります。一方、昨年六月フランスの断行いたしました大減刑の際、満刑に至らずして巣鴨の中に取残されました同国関係受刑者二名の処置につきましては、昨年来日仏両国政府間の懸案となつておりましたが、この四月十六日フランス政府赦免措置によりまして右両名が釈放せられましたことは、まことに御同慶にたえないところであります。かくしてフランス関係戦犯はことごとく釈放せられ、中国、フイリピンに次いで全員釈放を完遂し、問題を抜本的に解決して、多くの留守家族に光明を与えられましたフランス政府好意に対しましては、ここに深甚なる感謝の意を表明いたしたいと存ずるものであります。特にこのフランス措置は対日平和条約批准国として最初のものである点を重視し、今後関係各国に対しこの先例を尊重してすみやかなる解決を見られるよう、適時適切なる施策を強力に推進し、一日も早く全受刑者留守家族に安堵を与えられんことを、この際強く政府要望する次第であります。  なお、非公務死軍人遺家族に対する保障の問題につきましては、かねてから本委員会における論議の的になつてつたのでありますが、政府においても鋭意努力の結果、今国会において戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部を改正し、遺家族に対して弔慰のための一時金五万円を支給する運びと相なりましたことは、まことに御同慶の至りに存ずる次第であります。その他引揚者住宅に関しましては会議録をごらん願いたいと思う次第であります。  以上、簡単に申し述べたのでありますが、これを要するに、海外胞引揚げに関する問題も、遺家族等援護に関する問題も、ともに戦後処理の最重要問題の一つであり、日本再建の基底たるべき問題であるにかかわらず、日とともに国民の脳裏なり忘れ去られ、社会の片隅に追いやられんとする傾向があるのでありまして、国会をあげて今後一層これが解決について全力をあげねばならないと思うものであります。  ここに今日までの調査審議概要問題点とを申し述べ、本委員会中間報告といたす次第であります。(拍手)      ————◇—————
  11. 荒舩清十郎

    ○荒舩清十郎君 議事日程は延期し、明三日午前十時より本会議を開くこととし、本日はこれにて散会せられんことを望みます。
  12. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 荒船君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  13. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて動議のごとく決しました。  本日はこれにて散会いたします。     午後四時一分散会