○岡良一君 私は、
日本社会党を代表いたしまして、ただいま御提案の
自衛隊法案、それに伴う
防衛庁設置法案について、
内閣総理大臣、外務大臣並びに
保安庁長官に、根本的な二、三の点の
質疑をいたしたいと思
つておりまするが、遺憾なことには、吉田首相が一昨日に引続いて今日もお見えにな
つておりません。与党、野党を問わず、この問題については、われわれは
国家の主権と
憲法にかかわる問題を提示いたしまして
政府の所見を求めておるにもかかわらず、これに対して首相が
責任ある
答弁を回避されるということは、これは、
国会を軽視するというよりも、
わが国の
憲法と主権に対する確信に欠けておるものと言わなければならぬのである。(
拍手)このことをはつきり申し上げて、以下、首相にかかわる部分については、緒方副
総理の
責任ある御
答弁を求めたいのであります。
まず、私は、
質問の第一点といたしまして、
政府は近き将来において
憲法の
改正を予定してこの両案を提出したものではないか、さらに、このような政策が強行されたあかつきにおいては、結局太平洋諸国を加えたるわれわれの言う太平洋
軍事同盟に参加する布告となるのではないか、この二点についてお伺いをいたします。
この両案を検討いたしまするに、その
任務を直接
侵略に対する
武力の行使にまで拡大をいたし、陸海空三軍の均衡方式に踏み出し、また三軍にわたるところの旧参謀本部ともいうべき統合幕僚
会議を設け、しかも任用
制限を撤廃いたしまして、部内においては旧軍国主義者の活動を手放しで認めようとしております。別に
国防会議を設け、
国防止の
重要事項については
内閣総理大臣の諮問に応ずるなど、ま
つたく
アメリカの
国防体制の
日本版である。(
拍手)ただ異なるところは——異なるところは、
防衛出動時における
最高指揮権の所在が明確にされておらない。心ある者が見るならば、いざまさかのときには、
アメリカ軍司令官にこの
最高の
指揮権をゆだねる余地を残しておるとしか
考えられないのである。(
拍手)その
訓練も、
アメリカ軍事顧問団を迎えてこれに当らしめるという。これでは、
政府がいかに強弁をされようとも、
国民はこの周到にして巧妙に仕組まれたところのやみの再
軍備傭兵政策には唖然とせざるを得ないのである。(
拍手)
朝鮮動乱の勃発直後、マッカーサー元帥の一片の書簡によ
つて設置された七万五千名の
警察予備隊が、二年後には十二万の
保安隊となり、今度は十六万になんなんとする三軍を兼ねた
自衛隊となる。昨年の秋、吉田・重光会談に端を発した保守三派の
諸君の
防衛折衝は、あるいは
戦力に至らざる
軍隊と言い、あるいは
憲法のわく内で
自衛の
軍備は持ち得ると称し、
憲法の
解釈をめぐ
つて堂々めぐりをしながら、結局ここに事実上の
軍隊をつくることに成功いたしたのである。昨年秋の総選挙において、西ドイツのアデナウアー
総理大臣は、欧州
防衛軍参加については公然と
国民の審判を求め、
国会の三分の二の多数をも
つて憲法の
改正を断行しておる。これは、主権者たる
国民にはひた隠しに隠し、
国民を偽ることによ
つて民主主義のルールをまつこうから否定せんとする吉田
政府に対する生きた教訓であると言わねばならぬ。(
拍手)緒方副
総理は、一昨日の
答弁において、現在の段階では
憲法改正の意思はないと申しておられるが、それでは
政府は、この両案をも
つて憲法改正の前提とするものではない、
憲法改正を予定するものではないと、この際はつきり誓われるかいなかをお聞きいたしたいのである。
さらにまた、この
法案の経過を見るに、平和条約第五条の米軍駐留に関する内容はこれを
安保条約に譲り、
安保条約はその具体的内容を
行政協定に譲り、この協定によ
つて、不覚にも
日本全土をおおうところの米軍の巨大なる特権をのんだのである。そして、わずか二年を経て、このたびは、
MSA協定の調印と時を同じくして、
日本は、
アメリカより
軍事援助を受けるかわりに、その代価として過重な
軍事義務を負うこととな
つている。平和条約より
MSA、
警察予備隊より
自衛隊というこの三段跳びの過程を
考えるとき、
軍事と外交は決して偶然なものではなく、実にワシントン
政府と吉田
政府が巧妙に演出をしたところの
日本再
軍備劇であると申さねばならないのである。(
拍手)
占領中、対日理事会の英連邦代表であり、最もその識見が公正とされてお
つたマクマホーン氏は、
アメリカの対日政策の骨子は、
日本をして
アメリカの安全のため反共の防壁たらしめんとすることにありと
指摘している。このことはまた、伝えられる
アメリカの上院において、
日本は
日本の若者の生命を多量にかつ安上りに提供することができるという、その討論によ
つても明白なように、
わが国の
防衛努力というものは
アメリカに奉仕する傭兵の政策であるということは、客観的事実を見ても疑いないではないか。(
拍手)しかも、
MSAは一九五六年には打切りになろうとしている。
従つて、
アメリカとしては、その期限までには一応諸国に
軍事援助を与えてその
防衛力を強化し、そこで
日本、韓国、フイリピン、台湾その他アンザス協定など、現在のアジア太平洋地域におけるところのこの個別的な安全保障体系を、
日本の再
軍備を待
つて名実ともに横断的な安全保障体制、われわれの言う太平洋
軍事同盟に転化し得る公算がきわめて大である。このことは、決して根拠のない仮定ではなく、ヨーロツパにおいてのマーシャル・プランからNATO、EDCという
アメリカのヨーロツパ政策に見ても容易にうかがうことができるのである。このようにして、
自衛隊の
設置は、
憲法を
改正し、アジア太平洋地域におけるこの
軍事同盟に参加せんとする布石と見らるるのであるが、
政府は、この両案はこのような布石ではないと断言をし得られるのであるか、この点を明確に承りたいのである。(
拍手)
次に、外務大臣に対して、この両
法案と
わが国の外交の基本的な政策との関連についてお伺いをいたしたいと思います。
申し上げるまでもなく、今日
世界の動向は、一言にして尽せば、各国はいわゆる話合いによる冷戦の緩和のために懸命の努力を傾けておる。このことは、
吉田総理も、すでにその
答弁において、この努力はある程度成功しておるとも認めておられるのである。ベルリン
会議はもとより、やがて四月下旬には、ジユネーヴにおいて、アジアにおける平和の回復を議題とする
会議が中華人民共和国さえも加えて開催されようとしておる。昨年十二月のアイク大統領の原子力の平和利用に関するあの全
世界への声明も、実に全
世界の理性が平和に向
つて力強く具体的に目ざめつつあることを物語
つておる。アジアにおいても、先般インドのネール首相は、パキスタンに対する武器
援助の対価としてインドにも
軍事援助を与えるという
アメリカの申出に対し、これはアジアの平和をそこなうものであるという理由をも
つて、きつぱりと拒絶をいたしておる。この英断こそは、
アメリカに対するよりも、わが吉田
政府に対する最も時宜に適した教訓と申さねばならない。
朝鮮の
政治会議も間近に迫る今日、アジアの冷戦の一つの中心である、しかも
日本がその当事国となり、中ソと日米が互いに仮想敵国として対峙しておるというこの不幸な事実に対し、これを緩和するどころか、かえ
つてアメリカの庇護のもとに自己の
防衛力を強化し、求めて火中のくりを拾わんとする。このことについては、
アメリカ国内においても、有名な
軍事評論家のボールドウイン氏やオルソツプ氏が、
日本のこのたびの再
軍備を目して、アジアにおける
戦争の潜在的危険は増大するものであると言
つておる。このような世論の中で、今や
世界が折衝によ
つて冷戦を緩和せんと努力しておるとき、
世界の輿論から孤立し、
防衛力を増強することが、はたして
憲法にいうところの諸
国民の公正と信義に信頼する
日本民族の姿であ
つていいのであろうか。信義と公正に信頼するどころか、
憲法の平和への理想にまつこうから挑戦をするものと言わざるを得ないのである。(
拍手)
われわれは、この今日の
国際情勢こそ、われわれに与えられた好機として、
独立の完成という目標に向
つて全努力を傾注いたすべきであり、それは、主権を傷つけ、
国民に無理な
犠牲を強要して
防衛力に急ぐのではなく、いまだ残された未講和の国々との間に正常な外交
関係を樹立するために
最大の努力を尽さねばならない、今こそその好機と言わねばならないのである。しかるに、岡崎外務大臣は、先般のこの
答弁において、自由諸国の
防衛力の強化が冷戦の緩和に貢献し、
従つて、
日本の
防衛力の強化も、ひつきようは
世界の平和に役立つものであると解されるような言辞を弄しておられる。今日の原子兵器時代こ、
政府みずからも
戦力ではないと卑下するような弱体な
防衛力をも
つて色界の平和に役立ち得るなどとは、ま
つたく児戯にひとしいナンセンスと申さねばならない。(
拍手)また、外務大臣はしばしば、
日本も自由諸国の一員としてと申しておる。しかし、
日本が自由陣営に参加することは、必ずしも
日本が
アメリカの意を迎えるに汲々たることを意味するものではないのである。(
拍手)
イギリスにおいても、フランスにおいても、
アメリカに対する非難はすでにおおいがたいものがあるのは事実である。
アメリカの大マツカーシズムに対し、
日本が極東の小マツカーシズムを気取るというような、このようなちやちな
態度こそは、実に岡崎外務大臣の
国際情勢の判断の重大なる誤謬に発していると思うのであるが、私は、この意味において、
政府今回の措置は、
日本の
独立と平和に名をかりて、かえ
つてわが国の主権を傷つけ、
独立の完成を困難に導くものと言わなければならないのであるが、あえて外務大臣の所見を承りたいのである。(
拍手)
第三点として、いささか内容にわたりますけれども、この
法案において
憲法違反の疑義がある点を多々見出しまするので、この点について木村
保安庁長官の
責任ある御
答弁を求めたいと思います。
まず、この
自衛隊法第五章第三十六条、また第四十条等の規定であるが、第三十六条第五項について言えば、任用期間がきま
つているにもかかわらず、退職が重大なる支障を来すと認める場合には、強制的に、本人の意思に反して任用期間の延長ができることとな
つておる。これは明らかに
憲法第二十二条の
違反と私は思うのである。本法のごとく志願制を採用する限り、たとえば外部からの直接
侵略がある場合でも、本人の意思に反して強制的に任用期間の延長をすることはできないはずである。いわんや、外部からの直接
侵略のおそれがある場合と称するが、何をも
つておそれがあると断じ得るのであるか。
国際情勢の不安な場合には、何年でもこの理由で任用期間を延長する口実とな
つてしまう。これは職業自由の権利否認を一歩進めて、
権力をも
つて人身の自由を拘束するものと言わなければならない。
また、
本案第八章の雑則に属する諸条章を見ても、これまた明らかに
憲法第二十九条に
違反の体を示している。その第百三条、
防衛出動時における物資の収用に関する規定は戦時中における
国家総動員法第十条総動員物資の項に、本法第百三条、第百四条、第百五条、第百七条は、それぞれ
国家総動員浅第十三条、第十四条、第六条に適応し、特に第百八条においては労働三法の適用除外を規定しておる。
国家総動員法に「戦時ニ際シ
国家総動員上必要アルトキハ」とあるのを、
本案においてはわずかに「
自衛隊の
任務遂行上必要があると認めるときは」と読みかえておるのであ
つて、その内容は何らかわ
つておらない。実に厚顔無恥な
政府は、
国民を再び
戦争の恐怖と不安の中にたたき込まんとしておるのであると言われても口があかないと思う。(
拍手)
戦争中の公然たる権利の侵害、あの苦痛を再び
政府は再現しようとしておる。しかも、
政府は、この場合、災雲散助法によ
つて財産権を収用するというが、災害救助法にいう「非常災害」とは、天災地変を原因とし、
政府及び
国民の不可抗力に由来する災害に限るものであり、これは
憲法にいう公共の使用には該当するかもしれないが、
戦争を放棄したわが
憲法において、
自衛や
防衛のために財産権が
権力によ
つて収用されるということは、われわれは断じて
理解もできないし、容認することもできない。(
拍手)本法第五章第三十六条、第四十条あるいは本法第百三条その他の条章は、明らかに
憲法の第二十二条並びに第二十九条の
違反であ
つて、人権並びに財産権に対する侵害となるものであると思うのであるが、木村
長官の
責任ある
解釈を承りたい。
次にはまた、
防衛出動が発令されたあかつきにおいて、一体何人が
最高の
指揮権をとるかの問題である。言うまでもなく、
日本区域に不幸にして直接
侵略が加えられたとき、わが方の
自衛隊は、この
侵略を意図する
外国軍隊と、
国土内あるいは近接する海域において
武力を行使する建前とな
つておる。しかし、かかる
事態となれば、当然このような
侵略部隊の発進基地、すなわち他国に所在する海軍基地や空軍基地に対して先制
攻撃が加えられることなしには、
わが国の
自衛隊はいたずらに
犠牲のみ多くして、本来の
防衛の目的を達することができないことは言うまでもない。このような非常の
事態については、
行政協定第二十四条において「
日本区域の
防衛のため必要な共同措置を執り、且つ、安全保障条約第一条の目的を遂行するため、直ちに協議しなければならない。」ととりきめられている。最近の
答弁においても、木村
長官は、
アメリカ軍とわが方の
自衛隊の共同はあり得ると申されておる。共同と言おうが、共同措置と言おうが、言葉のあやは別として、
国民常識からするならば、直接
侵略の排除を唯一の目的として、
日本の
自衛隊と
アメリカの海空軍を主力とする
アメリカ軍隊が共同作戦を遂行することとなるのである。しかして、近代戦の
性格から見れば、このような共同作戦は、あるいは相手の出方に先行し、また即応し、最も機動的に行われなければならないのであ
つて、このためには、当然に日米両国の
軍隊は一本の
指揮権によ
つて掌握されねばならないこととなる。一体、このような場合において、
アメリカと
日本のいずれがこの作戦の行動の
指揮権をとるかという問題である。
われわれの知る限りにおいては、
自衛隊は、装備においても、これらの作戦の主導性においても、
アメリカ軍に比しはるかに劣勢であり、かつまた、
憲法の規定によ
つても、文民たる
内閣総理大臣や
防衛庁長官がこの
指揮権に当ることは妥当ではない。
従つて、この
指揮権が
アメリカ軍司令官によ
つて掌握された場合、
アメリカの作戦遂行の行為は、もはや国際法上
自衛の行為とは言えないのである。このように、
自衛ではないところの、純然たる交戦権を行使する
アメリカ軍司令官の
指揮に基いて、交戦権を放棄した
わが国の
自衛隊が
武力を行使することは、主観的な、また独善的なる
解釈はいかようにもあれ、客観的には明らかに交戦権そのものの行使ではないか。(
拍手)一方、その装備の
いかんにかかわらず、共同作戦軍の一翼として
戦力を提供することになるのである。これは明らかに
憲法第九条第一項並びに第二項に対するま
つたくの
違反と申さねばならぬ。
そのようにして、本法は、その内容においても、その
実施にあた
つても、
憲法第九条、二十二条、二十九条に
違反するところの疑義がきわめて大である。おそらく、木村
長官は、本法の御提案にあた
つては十分にこの点を御検討のことと思うが、この機会に
責任ある御
答弁を要求いたす次第である。
最後に、私は、いよいよ
わが国に
防衛出動が発令されるに
至つた事態において、
内閣総理大臣に付与される巨大なる
権力が、
わが国の
民主主義を脅威するに至るのではないか、一党
専制、フアシズムの道を開くに至るのではないかという点について、副
総理の所見をただしたい。すなわち、万一にもこのような不幸な
事態に
至つたとき、
警察法第六十二条以下に規定されておる
国家非常
事態の布告が発せられることは当然である。
従つて、
警察法が
改正されたあかつきには、全
日本の
警察力はいよいよ
内閣総理大臣の
指揮下に統率され、
治安維持の
任務につく
自衛隊は言うまでもなく
内閣総理大臣がこれを掌握する。しこうして、前にも述べたことく、
国家総動員法を再現して、
国民の権利や財産や、ときには生命に対しても縦横に采配を振うことができる
立場に立つ。われわれは、あの
戦争が済んで十年を経ずして再びこのような
事態を想定し、このような
事態に処すべき方途を
論議しなければならないという——
歴史は繰返さずというにもかかわらず、
歴史を繰返さしめんとするこの反動的逆コースに対しては、平和を愛するすべての
国民の名において断じて許すことはできないのである。(
拍手)
今や、ピストルとこん棒の治安力を右手に、ジェット機や榴弾砲や二十トン戦車の
自衛力を左手に、しこうしてこの両者を
指揮命令する巨大な
権力が
内閣総理大臣に
集中されんとしておるのである。
諸君の言う臣茂は、今や文武の大権を掌握して、半永久的な大統領の
地位にのし上らんとしておるではないか。(
拍手)一九三一年、
国会に多数を制したアドルフ・ヒトラーとその徒党が、次々とこのような非常立法をあえてし、遂にみずから総統の
地位につき、あの無謀な
戦争に全
世界をかり立てたヒトラーの道、東條の道は、
諸君とこの両
法案によ
つて開かれんとしているのである。これは、
日本の
国民を再び
戦争の恐怖にたたき込まんとし、
日本の
民主主義を破壊せんとするフアシズムの再現と言わねばならぬ。
総理大臣がこの巨大なる
権力を駆使して、自分みずからの意図においてフアシズムの道を行かんとするならば、実質的にこれを拘束することはできないのである。
今ほども、緒方副
総理は、これまた
憲法や法律の条章においてこれを規制すると申されるが、
総理大臣がみずからこの意図に立
つたとき、
国会に
自衛隊の
出動の可否を問うとい
つても、無謀なる
解散権の前には、
国会の意思はま
つたくくつがえされ得るのである。
国防会議といえども、
総理大臣によ
つて罷免権を握られておる
関係大臣を中心とする限り、決して
内閣総理大臣を制することはできないと思う。一体、
政府は、このような予測し得る
権力の濫用と、それによる
専制フアツシヨから、主権者たる
国民の権利、また
国会の権威をいかにして守らんとするのであるか。言葉の上の文民優位、
政治優位が一朝にして吹き飛ぼうとするような
事態である。朝鮮動乱に対し、李承晩大統領がいかなる
権力を行使したか。われわれは他山の石として学ばなければならない。緒方副
総理に、
国民が聞かんとするこの重大なる
疑惑に対し
責任ある
答弁を求める次第である。
また、この
法案と呼応するかのごとくに、
日本の資本家陣営は、公然と、
本案に盛られた
国防会議と結んで、一九五六年までにはジエツト機、誘導弾、戦車その他の高級兵器を建造することのできる体制をつくり上げると堂堂と公表しておる。この事実は、
諸君のこの再
軍備政策がダレスの威嚇とニクソンの懐柔に屈したるのみならず、実に
日本の資本家、
日本のデス・マーチヤントに奉仕せんとするものであることを明確に立証しておるのである。(
拍手)
本案は、明らかに、
わが国の主権を冒涜せんとするのみならず、実に勤労
大衆に再び白紙と賃金停止と長時間労働の
犠牲を行い得るような道を開かんとしておるのである。このように、
世界とアジアの平和に挑戦し、
日本国憲法を無視し、その主権を危うくし、
日本の
民主主義を破壊し、勤労
大衆の
生活に危機を導かんとするこの両案を、
政府はいさぎよく撤回すべきものであると信ずるが、
政府の所見を伺いたい。この点、緒方副
総理よりの
答弁を求める次第である。(
拍手)
〔
国務大臣緒方竹虎君
登壇〕