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小林委員長 お答えいたします。七月三十日であつたかと思いますが、
検事総長の
造船その他の
疑獄事件の
捜査打切りの声明があつた直後に、古屋貞雄君外八名、すなわち九名の方から七月三十一日に私あてに
造船陸運疑獄のこの声明について
質疑をしたいから、
委員会を開いてくれ、こういう
要求がありました。それからそのころやはり近江絹糸の
事件で人権蹂躙問題で審査の必要があるから、同じく開けという
要求もございました。その以後私は機会さえあれば早く開きたいと思
つてお
つたのでありますが、御
承知の
ように八月二日から六日間小
委員会がありまして、皆さんにお目にかか
つておる機会があ
つたのでありますから、その際にもいろいろ御相談をしたのでありますが、何分御
承知の
ように上訴機構の改革、
違憲訴訟に関する問題は事きわめて学理的なものでありまして、皆さんがまじめに真剣な
研究を続けておられるところに、いろいろごたごたしても困るとは思
つておりましたが、とにかく皆さんに御相談した結果、九月六日から十一日まで、また小
委員会をやりますから、そのときにやろうじやないかということで、一番初めの六日にやろうというお説もありましたが、いろいろ相談の結果、最後の日にやろうじやないかということで、一応お打合せができておつたわけであります。その聞私が怠慢で開かない
ようにおつしやいますが、私は自分の都合のいい候補の日をあげましてみんなに御相談した結果、おれはその日は都合が悪い、おれはその日は都合が悪いという
ようないろいろの話がありまして、なかなかその日がさまらなくて――何分九州から来られる方もあるし、北海道から来られる方もあり、一週間という日をここにつないでおきますから、御都合も
考えて、まことに無理のないことだと思
つておつたわけです。ところが九月十一日に開こうということに八月中にきめまして、そしてお互いに別れた次第であります。その以後、九月五日に私が
委員長として皆さんに御相談をせずに申入れをしたことは、ただいま
吉田君のおつしやる
通りでありますが、そういうふうに従来そういう請求があり、また八月十三日に
吉田安君外五名の改進党の方々からも緊急の問題で
質問したいという
委員会招集の意見もありましたので、方々へ電話連絡をしてみましたが、もう国へお帰りに
なつた
あとで連絡がとれない。そうなれば九月十一日にはまた皆さんにお目にかかれるからということで、九月十一日に開く決意を私は持
つてお
つたのです。ところが私は国に帰
つて演説などをしてお
つたのでありますが、九月五日に帰
つてみまして、新聞をいろいろ見ると、
決算委員会いろいろや
つておられる事柄が、
検察行政が主になる
ような問題になるのじやないかという危惧の念を持つたものですから、帰
つてすぐいろいろ聞いてみると、どうもそういうふうに進む
ように聞いたのであります。ところが
委員諸君はよく御
承知の
通り、従来
秘密保護法のときも、警察法案のときも、
法務委員会にかけるべきのを、よその
委員会にかけられて、これは越権だ、
委員長何をしておるのだという、たいへん御激励を受け、不満の言も大分漏らされた次第でありまして、私としては
法務委員会における従来の伝統、権威の上から見まして、どこまでも
法務委員会に属するものは、国家のためにも、
法律というものを根拠にした見方をして、りつぱな
法律をつく
つて参らなければならぬという信念でおりますところへ、たまたまこういう問題が起
つたのでありまして、こういうふうに
法務委員会の
範囲に属する
検察行政は
法務委員会でやるべきものだということを、一応主張しておくことは、これは法務
委員長として、従来の私の
考え、皆さんの御態度によ
つて当然と思い、また喜んでもらえるくらいに
考えて実はや
つたのであります。その以後十三名の方々から小林がや
つたのはわれわれの意思ではない、こういう弁明の
異議申立てが
議長のところまで出ておることを聞いて実は驚いた次第であります。
申入書の文面は皆さん御
承知のことであろうと思いまするが、いわゆる
造船疑獄に関する
検察権の運用について
証人喚問の手続を
決算委員会で行いつつある
ように聞いておるが、
検察権の運用に関する
国政調査は
法務委員会の権限に属するものである、次会
委員会においてその
調査をすることにな
つておるから、本件の所管について裁定を願いちい、こういうのでありまして、
決算委員会の
権能に属する
範囲まで
法務委員会がこちらにと
つて来てやる意味ではないのであります。
従つて私の主張したところのこの
考えというものは、いやしくも国会の中に各
委員会があり、その
範囲というものが大体きめてある限りは、
法務委員会としてこういう主張をすることは正しいことであり、また法務
委員長としてなさねばならぬ義務である、こう
考えていたしたことでありまして、おしかりはいくらでも受けますが、しかしいかに多数の力によりましても、白いものを黒というふうにかえることは断じてできないと私は思う。その意味において私は今日やつたことを決して法務
委員長としての職責に反するものとは
考えないのでありますから、おしかりを受けることはいくらでも受けますが、その理論には承服いたしがたいのであります。