○
戸田政府委員 今資料を持
つておりませんので、大まかなところでございますが、本年度の
人権擁護局の予算は二百十五万ぐらいでございました。それから地方には下部組織として法務局並びに地
方法務局、それが各県にございますので、四十九庁ございます。この四十九庁の予算が大体一千万
ちよつと欠けるかと存じます。従いまして平均一庁当り年間二十万ぐらいでございます。これで一年間の啓蒙活動、
人権侵害事件の調査等、すべての費用をまかなわなければならない。なおこの中には、ただいま全国に四千六百名の
委員が委嘱されておりますが、
人権擁護委員のすべての予算もこれに含まれております。これが大体大まかな
人権擁護局の予算でございます。
従つて、これは鹿児島の管轄にな
つておりますが、鹿児島の地
方法務局の調査旅費で、はたして奄美大島まで行けるかどうかということは、くふうなしでは参れないことははつきりいたしております。これが実は予算の実体であります。ついでにこの際、あまり姿の弱いところを申し上げたくないのですが、洗いざらい申し上げますと、
人権擁護局の職員は局長を入れまして十四名であります。これで庶務の仕事から
人権擁護委員の
運用、それから審判
事件、自由
人権思想の啓蒙活動等、すべてをいたしておるのでございます。四十九庁の職員は全部で百六十三名、平均しますと一庁当り三人
ちよつとであります。この中には給仕も雇もみな含まれております。これが実は実体であります。そこで、私の方としても、もつと仕事を十分にやらなければいかぬ、またできるであろう――なせしないのかという御批判もあるかと存じますが、私の方としては、職員が少く予算が少いからとい
つて、これが放擲される問題でないのだ。
人権擁護のこの問題は民主主義下の最も重要な仕事でありますので、実はでき得る限りの努力を続けております。ついでに申し上げますが、全国で
人権侵害事件として処理して
取扱つた事件が、二十三年
人権擁護局が設置された当時四十八件でしたが、その後逐年激増いたしまして、昨年度は二万九千百四十四名、それから講演会、討論会、座談会、こうしたおもだ
つた行事だけでも昨年度で四千百二十四回でしたか四千百回以上の行事、いろいろの啓蒙活動をいたしております。これも予算は一銭も認められておりません。予算なしで四千百回以上の啓蒙活動をして来た、これが
実情であります。また
人権擁護委員が全国で四千六百名、これが各県に協議会二百九十四、連合会が四十九、それからこれらを統轄した全国連合会が一箇所、これを運営する予算もほとんど認められておりません。法律では協議会、連合会をつくることにな
つておりますが、また事実つく
つておりますが、これを運営する予算というものはほとんど認められておらない、こういう
実情であります。しかしこれも予算なしで協議会、連合会を運営して今日までや
つて参
つたのが
実情でありまして、奄美大島になぜ行けないのか、熱意がないのかと言われればそれきりなんですが、実は熱意は十分あるのでございます。旅費が今言
つたように正常のままではないと思いますので、できれば
婦人少年局で調査されましたものをそのまま
尊重いたしまして善処いたしたい、かように
思つております。