○
山下委員 先ほど
大臣がおみえになりませんので、
大臣に対する御
質問を次にまわしておきましたので、
ちよつと簡単にお願いをいたそうと思うのであります。
いろいろ同僚
婦人議員の非常な御熱誠及び
高橋委員等から非常に貴重な御
質問がございましたので、私言葉を添える必要はございませんが、先ほど
大臣がおみえになりませんから、
三浦政務次官に、
対策協議会の議がまとまらないでも、この
法律は
法律としてお
扱いを願えましようか、どうでしようかと
お尋ねいたしましたら、――これは
政府に対する
質問でございますと申し上げたのですが、これは
議員提出だから、
対策協議会の議がまとまる、まとまらないは別として、進めらるべきであろうと
考えるというような御
答弁のように承
つたのであります。ただいま
大臣から伺いますれば、
対策協議会の議が相当練られなければ、これを一方的に進めるということが困難のように承
つたのでありますが、そこで私は
政府にお願いをいたしたいのであります。
今日、
敗戦国は
日本だけではございません。昨年私は
ちようどドイツをまわりまして、わずかな時間でございましたが、私はこの点に非常に留意してドイツの各地を見たわけであります。ドイツは御承知のようにまだ占領下にございます。われわれは
敗戦国が当然のごとく受けなければならない
社会悪と申しますか、必要悪を長い時間認めて参
つたのでございますけれ
ども、ドイツへ行
つて見て非常に驚きましたことは、朝、夜が明けてから人間が寝てしまう十一時過ぎころまで、いろいろな都市で私は気をつけて見ましたけれ
ども、
日本における
状態のごときものを発見いたしませんでした。それはドイツ
政府の行
つておりますいわゆるこういう問題が起らないような総合
施策が確かに
日本より進んでおります。けれ
どもそればかりでございません。
日本におきましては
勅令九号が二十二年に出ておりますのに死文同様ということでございますが、
法律は何年前に出ましてもそれは守らるべきでございます。本
法律にもおしまいに附則として、本
法律が成立すれば
勅令九号は廃止すると書いてございますが、私は今日の
日本の
情勢は、この
法律が成立したならばこういうことが絶滅するとか、あるいは急激にこれが少くなるということを、われわれといえ
どもただちに
考えておりませんし、
予算を伴いませんこの
法律は、非常に一方的な
処罰だけであることもよく了承いたしておりますけれ
ども、少くとも今日、
日本も平和国家、文化国家といたしまして、このように
売春が目に余る
状況にあるにもかかわらず、しかもこのことに属される若き女性あるいは青年男子に対する
法律さえない
日本の
状態におきまして、放逸に流れるというようなことをわれわれが黙視しているということは忍びないのでございますので、いろいろな欠陥もございましようから、本
委員会におきましてこの
法律案が完全になるよう修正し、よりよきものにいたすべきでございますけれ
ども、とにもかくにも
日本でもそういうことはしてはならない、悪いのだということの
法律を一本持つということは、いろいろな
議論に優先したよいことであ
つて、決して悪いことではない、マイナスではないのでありますから、欠陥もございましよう、不完全な点もございましようと思いますけれ
ども、せつかくの
日本女性の悲願であり、われわれ
議員も黙しがたく、ここに打立てんとするものでございますので、
委員会の時間の許す限り、よりよきものにして、この
法律だけはぜひ
日本の現在の
状態に一本こういうものを打立てておくことが、どの角度から
考えてみても必要だと思いますので、そういうふうにお運びを願いたい。
協議会の
結論は、私
ども想像いたしましてもなかなか急速には出ないと思います。のみならず、ことしの一兆円
予算決定後におきまして、補正
予算ということもそう安易に
考えられない今日におきまして、理想的なものを打立てるということの非常に困難な
情勢を
考えましても、とにもかくにもこれを推進して一本
法律を打立てるということに御相談御
決定を願
つてぜひ進めていただく、それに対してのお心構えをお漏らし願い、御協力を賜われればたいへんけつこうだと存じております。