○猪俣
委員 そうすると、あなたはさつき教育
委員会が被害者のようなことをおつしや
つたが、それは非常に矛盾するのであります。これは全国的に統一する場合には、甲の地方
委員会では請求したいと想
つても請求しないことが起る。乙の
委員会ではこんなものは請求したくないとい
つても、全国的に統一する
意味において請求しなければならぬというようなことにな
つて来る。そんな統一なんかに従わないということになれば、さつき私が言
つた通り、全国まちまちになる。しいてこれを統一するということになると、その地方の教育
委員会が被害者だということと矛盾する。被害なんかないとい
つて請求しないものを、しなければいかぬ、人並にや
つてもらわなければ向うの方で困るということになる。したいと思
つても、それはしては困るということになる。だから、教育
委員会が被害者なんていう
説明と、全国的に統一するという
説明とは矛盾するのです。第一、各村の教育
委員会が被害者だなんてあなた方が
あとから
考え出したことで、だからそういう矛盾が起
つて来る。教育といえば、日本の教育全体の上からかような
規定ができたものだと思うが、それを今度請求ということを教育
委員会に背負わして、も
つて民主的なやり方を装おうとしたところに矛盾が出て来るのであります。あなたに今ここでこれをやかましく
言つてもしようがないと思うけれども、
参議院に行く前に、もう一段そういう矛盾を超克する論理をお
考えにないと変なことになる。しかしそれは御
答弁なさらないでもいい。ただ私は老婆心として、あなたの
説明に対してどうも矛盾上やせぬかと思うのです。しかし矛盾しないという御自信があるならば
答弁していただいてもよろしい。
それからいま一点は、これ念のためにお聞きするのですが、共産主義なるものを
説明して、現代の世界の矛盾を解決上、あるいは恒久平和を樹立するには、この共産主義を信奉する勢力が伸びなければならない。共産主義の科学的、学問的な
説明の後にこの共産主義を謳歌するような
説明をや
つた場合
共産党なんてことは一向言わない、共産主義の学説、共産主義の歴史、そうして共産主義の将来の見通し、こういうものをある学者が
説明した――もちろんそのはかの第三条の構成要件がくつついた場合ですが、さつきあなたの「反対するに至らしめるに足りる教育」というところの
説明にちよつと出たと思う。こういう共産主義自身の
説明を先生が請売りして、生徒に言うても、そのときはぴんと来ないけれども、生徒が時間の経過によ
つて、ああこれが共産主義で、これでなければならぬと思わしめるような場合においては、これは教唆になるという
説明になるので、私は今
質問するのですが、
共産党の名前は言わないで、ただ共産主義そのものを是認し、そのものの発展によ
つて世界が救われるというようなことを言う、またこの反対の場合で、フアツシヨンでもいいのです。やはり民主主義なんというものはだめだ、
国会が国権の最高機関であるなんというのはいけない、やはり天皇が上にお
つて、この天皇御親政でなければ日本は救われない、だからそういう方向に国民は働いて行かなければならないというような
説明をした場合に、これは第三条の一項か二項か、どちらかに当るか当らないか。