○林(信)
委員 今伺いましても、大した妙案はないようでありますし、だれが
考えてみても、これはこまかくいろいろな場合を
想像すれば複雑なものですけれ
ども、
考えてみると、差押えをするとか、仮処分の執行をするというような単純なものなんですから、そう大した妙案があろうはずはない。今お話のようなことでも、事務所を二つのものを、あるいは三つのものを合同したからとい
つて、それらの諸君の経費の節約になるようなことはあるでしようけれ
ども、しからばその
関係者がどれだけの
利益を得るかというと大したことじやないのじやないか。立会人という言葉も出ましたが、これはしばしば世間の批判を仰いでおりますように、立会人というものは、職業的にな
つて、しかもボス的にな
つて執行吏と意思を通じて競落等を容易にして債務者にさらに売りつけるとかなんとかいうことで
利益をはかるような諸君が多い。それらに対する
一種の予防的な見地から参りましても、本質的なものはやはり執行吏の人の問題であ
つて、あるいは制度上から来る地位の問題である。制度の中で一番大きいのは今みたいの
関係からの手数料制度で、そういうような自由職業的なものにしておくのか、身分だけは公務員だと言
つておるけれ
ども、大体従前通りの自由職業的なものとしておるのか、それを純粋なる裁判所の執行機関の一部とするかという、裁判所の執行機関に包含してしま
つて、裁判所の執行機関の補助機関として現在の執行吏を使う、いわゆる執行吏制度の一元化、こういうところまで行かなければ、そういう場合のしつかりした人材が得られないのではないか。でなければ何か根本的なものに触れぬ気がするのです。また立会人制度にからみまして、その他のブローカーが暗躍しましたり、競落屋とい
つたようなものがいろいろ
関係する話はわれわれいろいろ耳にするのであります。そういう実際面からばかりでは、あるいは
説明のし切れないものがあるかもしれませんが、本来この執行行為というものの民事訴訟にからみました本質的な立場から
考えまして、単に裁判というものはそういう事柄の是非をここに結論づけるというだけじやなくて、その最後の始末までしてやることがやはり親切であり、訴訟の本質的なものに入
つて来るのであるというようなところから出て来ると思うのでありますが、今御
説明を聞いておりましても、現在のような手数料制度で何十年や
つて来ましたそのままの姿では、とうてい訴訟
関係者の信用も博せませんし、満足もされないようで、弊害は依然として跡を絶たないようでありますから、やはり先刻来申しておりますように、根本的なものをひとつお
考え願いたい。そうしてこう言
つてはどうかと思いますが、要は裁判所
関係あるいは検察庁
関係の古手、そういう姥捨山的な人の採用でなく、将来有為の人材をこの面においても任命される――役所
関係ならば任命ですが、そうでなくてもあるいは任命かもしれないというようなことは早急に
考えられなければならぬ問題じやないかと思う。従いまして今一言触れましたが、大体これはどつちの方向に世論といいますか、
調査が向
つておるのでございましようか。あなた方の御意見はどこにあるのでございましようか。従来のままの制度がよろしいとお
考えになりますか、あるいは裁判所の執行機関の補助機関になるとでもいいますか、あるいはそういうものを全然のけてしま
つて裁判所の中の執行部の一員としての係でやればいいということになるのか。私は決して詳しくないのでございますが、どういうふうな方向に向
つていてあなたの方はどういうふうにお
考えにな
つておるのか、お伺いしたい。