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佐竹(晴)
委員 私の
ただいま質問いたしましたのは総汎的な問題であ
つて、そのうちの一つ二つの借り受けておる事例として渋谷と板橋をあげたのであります。そうしてそういうような
状態にあると、やがてその間に情実
関係等ができはしないかという懸念を、これは総汎的に聞いたのでありまして、板橋の
出張所において不正が行われておるということは私も聞いておりません。そのことは板橋の
出張所の、しかも家を貸している司法書士の方がお聞きに
なつたら憤慨することでありましようから、私は板橋の司法書士の方が何か特定の便宜を受け、ないしはそれを利用して民衆から利益を受けるなどとい
つたことのあることを予想いたしたものではありません。こういうふうに借受けなどいたしておきますと、やがてその間に何とは言えないところの一つの私情が起
つて参りまして、どうも公のお役所としても、また
出張所といたしましても適当でないということを十分に当局といたしましては念頭に置いてい
ただきたいと同時に、
大蔵当局といたしましても、こうい
つたようなことを一掃するためには、すみやかに
予算を与えてこうい
つたような――私が先ほど申しましたところのいろいろな事例が起
つて参りますことは、こうい
つたような欠陥があるために起
つて来る、そのことを十分に御考慮願いましていかに緊縮政策の時代であるといえ
ども必要やむを得ないものは計上して綱紀を粛正し、しこうして
国民の
権利を完全に擁護してあげる。まず自分たち自身、
官庁は
官庁自身の自立のできて行くように持
つて行くことが必要であると考えますがゆえに、
大蔵当局においても、法務法局が持
つて行
つたならば、何でもあそこはじみな役所で少々いじめた
つて何も反駁はできはせぬとい
つたようなまま子扱いをするような態度をとられないように私は切望せざるを得ないのであります。この際私の望んでおきたいことは、ややともすると
法務省関係はまま子扱いをせられておる感じを深うせざるを得ないのであります。このことは私
どもは
法務当局の怠慢でもあると思う。
法務当局がもつと
大蔵省に熱意を持
つてこれらのことを
説明し、
実情を訴えるならば、いかにがんこな
大蔵省といえ
ども必要やむを得ないものはこれを出すでありましよう。ところが私
どもの聞くところによれば、
法務当局なんかもま
つたく一日の仕事を一日で完全にや
つているかといえば、そうでないところの部、係などがよくある。居残りなどしないで、さつさと
引揚げてその日のことはその日にできないで、あくる日に残して行くということなど、
事務渋滞も相当一部にあるやに私
どもも承
つている。これは
法務当局の人々に対する待遇について非常に欠けるところがあるからであると私は思うのであります。ややもすると
法務当局は何というか、ちよつと語弊がありますが、差別せられたかのごとき感を深うせざるを得ないような
予算の編成ぶりであります。従
つてこのことについては
大蔵当局においても十分に念頭にお置き願いまして、
登記所のごとき借家住まいでありまして、しかも先ほどの
村上局長の御答弁にありますように、立ちのきを受けて困
つておるような
実情にありますことなど、も
つてのほかでありますから、
法務当局は非常に直実なこつこつとや
つているまじめな省でございますので、むしろこれについてはさらに
減額などでなしにもつとふやしてや
つてしかるべきではないか、それくらいの情は加えてや
つてしかるべきだと思うのであります。私がなぜこういうことを言うかといえば、私
どもが数年前
法務省の一室に
事務をと
つてお
つた時分に、あの当時は次官級でなければ自動車なんかなか
つた。だがその後どんどん自動車がふえている。最近は農林省にしても
大蔵省においてもどんどんとんどん自動車がふえて、もう
課長も係長も乗りまわしているような
実情であります。そうしてか
つて新聞に取上げられたように夕方に
なつて料理屋街に行くと
官庁のナンバーのついた自動車がずらつと並ぶから、四万台といえばみなお役人の乗りまわして来ている車だとい
つてラジオでたたかれて、その後番号もかわ
つてしま
つてどういう番号を用いているか知りませんが、とにかく
国民から指弾されていることは間違いない。どんどんそういう
費用をおふやしに
なつている。しかして私
どもこの
予算を通じて痛切に感ずることは、
食糧費というものが多額に
なつている。これは私
どもの郷里、吉田総理と一緒の高知についてこれを考えてみても、高知市におけるところのまかない費中
食糧費というものがどう計上せられているか。ああいう小さな都市でも五百万円計上されている。その
食糧費というものは
一体何に使われているか。中央からいらつしやるところのお役人の接待のために約その七割ないし八割を用いている。この
食糧費というものはほとんど宴会費です。本省その他におけるところの
食糧費の厖大であることは申すまでもありません。これは何十何億になるでありましよう。そうい
つたような
費用はおいて、この際何ぼでもけつこうです、ひとつこの
法務委員会においても宴会など、これは通常会において一回ぐらいはあるいは懇親かたがたや
つてもいいかもわかりませんけれ
ども、
登記所が今言
つたような
実情にあ
つて困
つているという
国家財政であるとするならば、われわれが安閑といたしまして料理なんて食
つておられるときではありません。削るべきものは削
つてこういう方面にまわすという方法が
幾らでもある。従いましてこれはほんの一例でありまして、宴会費と自動車をついたところでこんなところではございません。いわゆる週末の保養のために出されるところの寄付金とか、あるいは保全会とか利子補給とかいうものに至
つては実に驚くべきもののあることは申し上げるまでもありません。私はこうい
つたようなものについてそんなに掘り下げて申し上げようとは思いませんが、この
法務省関係の
登記所までも明け渡しを受けて困
つているような
実情であり、人の家を借りなければならぬような
実情で、光熱費すらもなくて、しかもわずかに一千円くらいの渡切り
経費でごまかしているとい
つたようなことで、どうして
国民の
権利を預か
つているところの
登記あるいは図面、台帳などをほんとうに安心して
国民が預けておられるのであろうか。こうい
つたようなことを考え合せますならば、まずも
つて何をおいてもこうい
つたような
費用はふやしても、
食糧費や自動車の一部は削
つてもけつこうである、やる方法はあると思う。私はこの意味において、この面については別に
法務当局並びに
大蔵当局の御
意向は聞かぬでもよろしいのでございますが、弁解があるならば承
つておきたい。
進んで承りたいのは
人権擁護局を廃止なさ
つて部になされようといたしておるようでありますが、これに関するところの
説明を承りたい。