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河野(一)
委員 私はただいまの大臣の答弁は、あえて申すわけではありませんが、東京都には議会というものがあります。東京都もこれに関して一千万円の予算を組んでおります。東京都が一千万円、
政府において一千万円というのが当初からの予定であります。東京都は国会と同じ
ように都議会を持
つておる。その東京都議会の承認を得てや
つておるのです。大づかみに金を出しておるわけではありません。
相当の基礎の上に立
つて、都議会の審議の結果によ
つてや
つておるので、でたらめにや
つておるわけじやありません。東京都の数字があ
つてきめたものに対して、これがでたらめだと言う、これは少し
言葉が過ぎると私は思う。私が申し上げなくても、決してそういうでたらめなことをや
つておるのではない。私は
内容について詳しくは存じませんけれ
ども、東京都の方で一千万円というこの計算は、詳細な計算があ
つて、東京都議会が承認をしておることだと思う。それを
政府の方は、ずさんであるからこれは四百五十万円でいいんだという計算が出ることが私はおかしいと思う。どつちがずさんであるか、どつちがでたらめであるかということになる。
政府の方は財源がないからこの
程度しか出せなか
つた。予備金から出すのだから、この
程度でかんべんしてもらいたいということに結論はならざるを得ないと私は思う。であるから、私は東京都において
相当の調査審議をした結果一千万円で、合計で二千万円ということにな
つておるのだから、それを
政府の方においても、当然あなたの方の職責としても、アマチュア・スポーツの育成の上に出すべきじやないか、こういうことを申し上げたのであ
つて、四百五十万円は少いから、一千万円ということを言
つておるのではない。あなたの方も大蔵省の方とよく協議してください。計算の基礎がなければいかぬ。東京都の方においても、この
計画には十分検討を加えてや
つておると思う。ただこの問題は、先ほどから質問応答を承
つておりますと、東京都の入場料の計算が少し辛過ぎるというところに違いがある。もつと入るだろうということ、あるいは備品などは恒久的のものだから、今ここでかか
つてもいいじやないか、体育館の付属品としておいたらいいじやないかという
ようなところに違いがあろうと思うけれ
ども、そんなこまかいことまで責めて行
つて、そういう態度で大蔵省と
文部省がや
つておるのでは、アマチュア・スポーツの育成強化はできません。ことに今までの
ように、民間の寄付金がたくさん集まる
ようなときならよろしゆうございますけれ
ども、
政府がこういう政策をと
つておるために、民間の寄付という
ようなものは、非常に困難にな
つて来ておる。ますます
政府の補助によ
つてやる以外に、民間のスポーツの発展はできません。時代がかわ
つて来て、
政府がきゆうくつな予算を組めば組むほど、逆にスポーツ団体に対する金は計上しておかなければ、運営ができないことになるのであります。そこをわれわれはやかましく言うのであります。これが従前の
ようなときならば、民間からどんどん金を集めましてんなに
政府に頼らなくてもできると思います。そういう点にアマチュア・スポーツをあずか
つておる人の
考えが行
つておらなければならないということを
考えてもらいたい。同時に、今までの
文部省においても、今私が言う
ように、アマチュアのスポーツを扱うところはもう少し
考えてや
つてもらう
ようにしてもらいたい。私は西田君を非難攻撃するわけじやありません。ただ感覚がわれわれと違う点があるのではないかという気がするのであります。時代はだんだんかわ
つて来ております。たとえば国体のあり方等についても、これは当然検討を加えなければいかぬと思
つております。そういう点について、ただ従来や
つて来たものはそのままいいんだ。歴史があるからとか、従来来たものはそのまま行けるけれ
ども、新しくかわ
つて行くことについては少しもかわられないということでは困るのです。たとえば今大臣のお話の
ように、デヴイス・カップの費用はちやんと組んでおくのだ、歴史があるからやるのだということで、一ぺん頭を上げたものはそのままでいつまでも行けるけれ
ども、新しいピンポンの
ようなものは行けないという
ようなことでありますると、日本の国内の国民的な感情からい
つて大臣どうお
考えになりますか。硬球テニスに対する国民のスポーツの熱と、ヒンポンもしくはバレー、バスケットに対する熱と、大衆的にい
つてどつちが多いと大臣は見ておられるのか。工場労働者等が今日一体硬球テニスをや
つておるかどうか、そんなものはやつちやおりません。一般勤労大衆の大会に硬球テニスの選手権大会なんというものは全然ない。そういうふうに、時代がかわればかわ
つたように、
文部省のアマチュア・スポーツ育成の感覚はかえて行かなければならぬと私は思う。そういうものもやめろと言うのじやない。そういうふうに新しく育成されて来るものに対しては、
文部省はおのずから見解をかえ、
政府は見解をかえて、そうして勤労大衆の興味をこの方面に十分育成、
指導する
ようにして行くことが、国内を明朗にして行くゆえんだと思う。ところがいつまでもとらわれてお
つて、古い一ぺん載
つたものはずつとやる。昨年交渉したときには私はそう思
つた。きま
つたものだけは行きますけれ
ども、新しく行くものはだめですと言う。そういう保守固陋、反動的な
考え方は私はいけないと思う。(「その通り」)そういうことをかえて行かなければいかぬと思う。そういう点について少しも苦心だとか努力だとかいうものがない。ごらんなさい、この自由党の態度を。こういう重大な問題の話をするのに、一人も
委員がおらぬじやないか。これで全国の青少年が満足いたしますか。
教育二
法案ならば血の道を上げて騒ぎ立てるが、スポーツの話になると一人もいないじやないか。(「その通り」)こういうことを少し反省しなければ、大衆は政治に対して満足いたしません。わずか五百万や一千万の金を出すとか出さぬとか、これが全国の青少年にどういう影響を及ぼすか。私は深く大臣にこれらの点を御理解願
つて、重大なる決意をも
つてこの問題の解決に当
つていただきたいと思う。そういうことでありませんとこの結果が非常に悪い。国際オリンピック大会を日本で開こうということを言
つて、院議をも
つてしばしば決議しておる。そういう決議を何度しても、この問題の解決が十分つきませんと、このために重大な支障を来して、絶対にオリンピック招致という
ようなことは不可能になるという
ような点も、この裏面にあるということをお
考え願わなければなりませんし、次回のアジア大会の開催についても、東京都長官が非常な決意を持
つているいうことも、あわせてお
考え願わなければならぬと思う。これらの点をあらかじめ私は警告して、先ほど決議いたしました
趣旨の実現を大臣に要望して私の質問はやめます。これに対しての大臣の御決意を承りたい。