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大達国務大臣 今日この青少年に対する
教育といいますか、これは非常に重大であるということはま
つたく今井さんと御同感であります。ことに非常にみな戦後の窮乏の際でありまして、それでなくても刺激を受けやすい青少年の
動きというものは、よほど注意しなければならぬものであろう、これが正しい教養を得られるようにするということは、私は現在の国家の一番大きな問題の一つであろうと思うので、その点はま
つたく同感であります。ことに過去の歴史を見ても、青少年の
動きというものが国家の方向を決定しておる場合が非常に多いのであります。今日のような、ことに非常に窮乏な人が多くて、
中学校は出ても上の学校に進めないという人が大部分であります。それで勤労のかたわら勉学をしたい——今日御
承知のように青少年の非常に大きな部分が、前途に希望を失
つて、パチンコをやるとか競輪をやるとかいうような刹那的にその日々でも
つてくさくした気持を忘れようとしておるような、まことに気の毒な痛ましい状態におる。しかるにもかかわらず、また一部の青年のうちには、昼間非常にはげしい勤労をしながら、やはり非常な向学の心に燃えておるという青年が多いのでありまして、これらの人々にその希望を果す道を講じて、そうして青年の中にりつぱな芽が育つようにする、また教養を高めるようにするということは、非常に大切なことだと思
つておるのであります。そこでこの前の
国会で決議になりました学校
教育における定時制の学校の
振興の問題、それから通信
教育の問題、それから今の、やはり
法律が出ました青年学級の
振興、こういうことは今日ようやく芽がはえ出したようなもので、まことに
経費としてもきわめて微々たるものでありますが、これをだんだんと育て上げて行くということは、非常に大きな問題として、私としては非常に大切に
考えておるのであります。ただ率直に申し上げますと、これはあまり少額な零細な
補助金をそこいらに出してみたところでほとんど
意味をなさぬ、こういうごく一般的な
考え方で、
大蔵省で実はみな削られてしま
つたのであります。学校
教育におきましては大筋の道ができて、そうしてレールに乗
つて相当の
経費も経常的なものが組まれておりますから、そういう場合にこれにひつついたごく小さい
補助とか何とかいうものは、あるいは削られてもやむを得ぬかもしれぬが、社会
教育なんというものはまだその社会
教育というものの本道ができておらないのでありますから、これから少しずつ芽をはやして行
つて、そうしてこの社会
教育というものの今後における発展を期待しておる、こういう状態でありますので、零細であるということでせつかく少し芽がはえかけたやつが、みなとられてしま
つたのでは、どうにもならないということで、実はこれは私たちが最後まで苦心をして、いわば最後のどたんばまでねば
つて、ある程度復活をしてもら
つたわけであります。定時制の方では
法律もできたことでありますから、当初相当の
予算を要永したのであります。これは前年から見れば、ある程度増額された約一億円ぐらいの
経費だつと思いますこういうものが計上し得た。これとても非常に不満足であります。それから青年学級の方は、これも今お話の
通りにきわめて零細な
補助金を計上して、そうして
法律をつく
つただけでも、やはりその青年の間の向学心といいますか、向上心といいますか、それを刺激して、昨年この
委員会であの青年学級の
法律案の御
審議をいただくときに、私たちは、自然発生的にできた学級が一万二千学級というように御
説明申し上
げたのでありますが、この間
大蔵省と折衝するときにはすでに二万学級 これは私は正確な数字は知りませんので、
事務当局からもら
つた数字でありますが、二万学級、さような勢いで、ちよつと気合いをかけただけでも、この青年学級というものは非常な勢いで今機運に乗
つておる。そこで全額ゼロにしてま
つて、せつかく今芽ばえをしかけたものに水をふつかけるようなことでは非常に困るので、実はいろいろ努力をして増額要求を相当した。一件年次計画も立てまして、
予算は相当大きな
予算を出したのでありますが、そういうわけでみななくな
つてしま
つたのですから、せめて前年
通りまではということで非常に努力をいたしましたが、残念ながら六百万円ほど前年よりは減
つたことでようやくまあ……。それで
金額において減ります。対象になるものが減りますから、三分の一
補助を四分の一
補助にする、こういうまことに遺憾な結果を生じたのでありますが、これは今後とも、社会
教育、ことに行少年を対象とする
教育というものがいかに重大であるかということについての各方面の認識を得まして、これについては今後鋭意努力をして参りたい、かように存じております。それから婦人
教育でありますが、これも御指摘の
通り、まことにはずかしくてほとんど言われないくらいの
経費であります。ことしの
予算の中に入
つておりますけれども、これは前年は多分五十万円だかあ
つたのです。あ
つたのを、二割節減ということで、それが三十六万円に減
つてしま
つて、そういう微々たるもので、これは婦人の協議会をあちこちにやる、そのときの実にささの葉につけたようなものですが、その
経費が五十万円という実に微々たる
経費であ
つたところが、例の二割節減というやつで三十六万円に減らされてしま
つて、ことしはむろんこういう小さいものはみな一切なくな
つてしま
つたのですが、これも頼んで、大体前年
通りといいますか、これは非常に微々たるもので、ちよつとこういう席で御
説明申し上げるのはまことにはずかしいようなものでありますが、三十万円くらいの
経費が出ております。これはそういうふうにおつしやられると、私どもの方ではちよつと申訳ないのでありますが、これも今後鋭意この方面に少しずつでも前進をして参りたい、かように
考えております。