○松岡
委員 ただいま
足鹿委員より
開拓と
林道の
お話がありましたりで、私は自分の体験よりひ
とつ申し上げたい。東北の奥地
開発が雪の中でもはたしてできるかどうか、だれが見てもそこは危険であ
つてできないう、に思われてお
つたのでありますが、私は東北の冬に十メートルも積る雪の中に、まる五年
開拓者として入
つた。前の中尾
長官時代に、
国有林を開放するということは、結局木を切
つてしま
つて、
ほんとうの趣旨に沿わないようなことをやるからというようなことでおりましたが、私が朝鮮において植林に
関係したことをよく知
つておる上から、遂にこれを許すようにな
つて、そして七百町歩のあの山形県人高根村の奥の葉山の北の中腹を
開発した。私は松岡
開拓団を組織して、町の観音郷という新しい村をつく
つた。その一冬に十メートル積る雪の中ではとても百姓はできないというたのを、私は完全に模範的なものを仕上げた。また微力ですけれ
ども、私は自分の資産も相当に注ぎ込んだ。そして当時とてもなし得ないということまでも遂になした。これは
道路が一番の問題なのです。幸い今日はあの
通りに道を私はこしらえました。私のつく
つた道はもう今度は、すぐ裏はみんな
国有林ですから、あの
国有林に私のつく
つた道が生きるのです。ところが
国有林を移管、転換してわれわれの方にな
つてしまうと、
林野庁の方は
関係は全然ないのじやありませんか。あの
通りに……。そして今
お話のように、全国的に
開拓道路はたくさんあるものですから、その順番が来ないので容易なことじやないのです。ようやくそこができますと、そのあとの利用は全部
国有林地帯ですから、あの
国有林に今度あれを生かすについては、私のつく
つた道を使うよりほかにない。そういう点から行くというと、
開拓道路の問題などは、当然
林野庁と密接なる
連絡あ
つてしかるべきだ
つたと思うのですけれ
ども、これは
足鹿さんの御指摘にな
つたところと全然別個の問題にな
つておるから、
林野庁長官としてはあたたかい心持で、かわいそうだと思
つておるようなことはあるのですけれ
ども、組織が全然別箇にな
つておるからどうもすることができないのじやないかと私は思うのです。私の体験から言
つて、今
足鹿委員の
お話の点に、現在の組織があんなふうにな
つておるから、
林野庁としては手が出せないのじやないかと思
つておるのです。これは何とか
考えて行かなければ、この先はすべて
国有林地帯ですから、利用するのは非常にたくさんある。その中からようやくこしらえて行
つたあの
道路を利用して、今度の
林野の
開発をするのです。ところが今度
林道の問題は、東北のようなところは索道を用いるようなことにして、
林道をつくらないよう
なつもりがあるんじやないかと思うのです。ああいう密接に
連絡あるところでは、特別に
林道として
国有林の経営の上から考慮されて行
つたならば、
開拓者も
国有林も相ともに得するわけだと思う。こういう点には特別にこれからお
考えくださるのかどうか。私の問題ではなく東北全体の問題である。あの雪の中の奥地
開発、食糧増産がはたしてできるかできないか、ほとんどできないというようなぐあいに
考えてお
つたのを、私は身をも
つて体験して、これを立証して、必ずなし得るものだという実績を示したのですから、
国有林を持
つておる
林野庁としては、
林道問題については相当
考えていただかなければならぬものだと私は思う。ところが現在の組織は、
開拓方面は全然
林野庁の
国有林の地帯を離れているものですから、一向さわることができないようなぐあいにな
つているんじやないかと思うのですが、今後これらの点について御考慮をくださ
つて、省内においても統一するように、何らかお
考えをも
つてお進めくださるかどうか。
林野庁、
国有林が一番これから得をする、今までは何も
関係しておらなか
つたのですが、これから得をするものは
林野庁です。すぐあの上ですから、ああいうところには
林道をできるだ
けつく
つて、そうして
開拓者を生かすというよりも
国有林を生かす、そうして山村その他における
開拓者の貧弱な生活をゆたかにせしむることが相当にあるんじやないかと思う。東北はあのようにたくさんな
国有林を持ち、そして
開拓者が最も多く入
つているのですから、こういう
関係を私の体験から申し上げて、御考慮をいただける余地があるかどうかということを、特に
お尋ねする次第であります。