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足鹿委員 さしあたり必要なところからやるが、とりあえず
長野の
移転をやる、こういう
お話でありますが、これは単にそれだけを見れば
移転と思いますが、
区域の
変更がこれにくつついて来る。そこで
地方ではいろいろそういう動きに対して、敏感にそれぞれ
意見を持
つておるようであります。聞くところによると、
ちよつと動かしても五ないし六億
程度の
経費がいるという話であります。
特別会計に切りかえた当初におやりにならなくても、
昭和二十二年から今日まで五、六年の長い年月がた
つてけつこう運営がついてお
つたところを見ますと、そう大した、そうあらねばならないというほどのこともない。伝え聞くところによると、
北海道の所管がえも一時
計画されたが、何か
政治力的なことでこれもおやめに
なつたというような話も仄聞しますが、その真偽は別としまして、また今回の局の
移転、
区域の
変更というようなことについても、われわれの耳にするところによりますと、
政治的背景が相当強く作用しておるのではないか、こういうような声も相当聞くのです。で、絶対必要なものを私
どもは阻止しようとも何とも考えませんが、いわゆる
有力者等の
運動によ
つて動くという
印象を
地方民に与えますと、現在あるのを持
つて行かれるところは絶対反対に
なつて来て、そこに紛争が起きて来る。また円滑な
林野行政にそのことが原因して悪影響をもたらす、こういうことになろうかと思う。現に
前橋方面からはいろいろな陳情を私
どもにも始終聞かしておりますが、二、三年前から
前橋営林局の問題は、いつも何かの問題がよく起きて、われわれも聞かされているわけでありますが、断々固としてやらなければならぬほどのことも今の
長官の御説明を聞くとないようだし、私
どもはあまり専門でありませんからわかりませんが、そういう多額の
経費をこの一兆円
予算のわく内で
使つて、それが何ほどの効果をもたらすか、元来
国有林の集団的な
所在地を
中心に現在の局というものが置かれておることが根本のようでありますが、それを今度は
行政庁のあるところでないと便利が悪いというふうに
なつて行きますと、何かそこら辺にも統一された
理由はないような点がうかがわれます。とにかくこの
地域の
変更、局の
所在地の
移転というようなことについては、あるいは
地方の反撃を恐れて、小出しにちびりちびりや
つて行こうという御
方針かもしれませんが、そういうことでは
ちよつとまずいのではないかという
印象を持つのです。
一つの事例を申し上げますと
新潟でありますが、今度
前橋というものがなく
なつてこれが
長野に所属するということになるふうに
地方民は言
つておりますが、そうなりますと、距離的にもまた鉄道の
状態からい
つても、
新潟方面から出て来るには現在の方がずつと便利がいい。ぐるつとまわ
つて長野に出るよりも、
上越線ですか、で出て来れば用が足りるというような声もあるようです。私もあまりよく事情はわかりませんけれ
ども、どうも
機構いじりという
感じを受けます。と同時に、そこに何か有力な
政治力というようなものによ
つて行われたり、またストツプされたりというような
感じを持つのであります。これは的確にわかりませんから断言はいたしかねますが、とにかくそういう
印象を非常に受ける。これはおもしろくないと思うのです。そうい
つた点で相当慎重を期していただきたい。現存あるものが全然動いて行くということになりますと、得る
地方と失う
地方と非常に大きな差が出て来ます。これは申すまでもなく慎重を期しておやりに
なつておるでありましようが、もうすでにそういう声が上
つており、またそれに尾ひれをつけて、またいろいろな火の手が上
つて行く。こういうことで、私
ども別に退嬰的にものを処理しようというのじやありませんが、現に
新潟あたりの声を聞いてみると、今より不便に
なつて都合が悪い、こんなことに金をかけてもら
つては困る、われわれは何の得るところもない——それだけを聞けばもつともだと私
どもも思う。しかしまた全般的な面から見なければなりませんから、あえてそれが絶対的に正しいとは言いかねますが、その
所在地の
地方なりの盛衰にも
相当関係があるでしよう、そうい
つた点から慎重を期していただく。
地方民のほんとうの声をよくお聞きに
なつて、これについては御善処願いたい。またでき得ればこうした問題を検討するためには、将来の
考え方とも
関連があり、大きな問題でありますから、
内閣委員会あたりと
連合審査会を持つとか、相当突込んだ検討を必要としないか、こういうふうに思
つておりますが、
委員長の方で今の私の
意見もひとつごしんしやくを
願つて、法案ができ上
つて出るまでに、そうい
つた点をよく勘案をしてや
つていただきたいと思います。きようは時間がございませんから、とりあえずこの点だけを申して上げて、何か
長官に御
意見があ
つたら承りたいと思います。