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足鹿委員 このいただいた
資料には、
硫安と
石灰窒素、過
燐酸石灰、
塩化カリの最近の
市価の
傾向が示されておりますが、
尿素とか
化成肥料とか、また
化成肥料類似のもののこれに準ずる
資料を御提示願いたい。今
川俣委員から
指摘しておられた点が
一つの問題であるとするならば、これに対する
市況の変動に対する
検討も加えてみなければいかぬと思います。
農家の
自家配合すらもやかましい規則をつく
つて制約を加えておるのです。私
どもの古い記憶なんですが、過
燐酸石灰と
硫安とを六・四の
割合か七・三の
割合かでまぜたものに黒い色をつけて、過
燐酸五号などというような名をくつつけて
農家に売りつけてお
つたときもある。これに類似したような
化成肥料も最近だ
つてないことはないと思うのです。ただ配合すれば何ら
かわりのないようなもの、
農民が自分で、
協同組合やその他で
自家配合をやれば、それと同じようなものができるものを、もつともらしく包装したり、赤いなわをくつつけたり、紫のなわをくつつけたり、もつともらしい
宣伝文書をつく
つておる。そういうようなことについ
農民はごまかされてしまう。最近顕著なことは、
化成肥料なり
尿素の
需要というものが、非常に急激に高ま
つて来ておるということで、われわれは
資料がなくてもわか
つております。それに対する
価格の
経過の正確な
資料を、この際ひとつ出していただきたい。それによ
つてさらに対象となるべき
肥料の種類というようなことにも、私
どもは多く
検討してみたいと思
つております。それをいただきたい。
それから、私はやはり
価格問題に集中して行きたいのですが、この間も私は別な
委員会で
言つたのです。
昭和二十五年の八月に
肥料の
統制が撤廃された。
統制中
政府か負担してお
つた価格補給金がなくな
つた等が大きな原因とな
つて、
肥料の
値上りは他の
農産物に比較して非常に著しいのです。終戦当時を
基準として試算をしてみますと、米の
値上り率は八十三倍です。小麦は六十三倍です。
硫安は二百四十八倍、過石は二百四十三倍とな
つておりまして、いわゆる
農産物の大宗であります
米麦の
値上り率に比べますと、三倍ないし四倍にも及んでおるのであります。そこで
百姓は、
政府にい
つてもなかなか
肥料の
値段もうまくならないから、であるならば米の
値段を何とかしてくれ、こういうことにな
つて、去年あたりも熾烈な運動が起きておる。
凶作加算を払うとい
つたが、
あとの追払いはほとんどやるんだかやらぬだかわからない。こういうようなことであ
つて、今私
どもが
関心を持
つておるのは、
農産物価格とのシエーレを
肥料を中心にどうため直して行くことができるか、その
一つの
方法として、今度の
肥料関係法案に若干の期待を私
どもは持
つてお
つたのです。ところが今までの長い間の
審議を通じて見て、何ぼくらいになるものやら、むしろその逆に
メーカー保護の
法案ではないかというような声がだんだん強くな
つて来ておるのであります。とするならば、それに対応したような
法案にするために、
取扱い方もおのずからかわ
つて来ると私は思うのです。ですから私の一番言いたいことは、
硫安を例にとりますと、一月は
卸売り価格が八百四十四円に下
つておる。戦後における最低の
価格がここに出ておるのですから、少くともこれ以下に、どの程度におちつけようかというような、ある程度の見通しが出て来ないと、米価や麦価その他の
農産物との
価格の均衡の問題も、
農民に納得させることが困難ではないかと私は思うのです。そこでこの八百四十四円の一月以降というものには、
海外市況等によ
つて若干の動きがあるでしようが、少くともそう大きな
動きじやない。動いたとしても、それは人為的な
メーカー側のいろいろな商略に基因するものだとい
つてもよろしい。
従つて私はこの
マル公の問題を、どうこの
法案の上で的確に、
百姓が納得するような
取扱いをするかということが、私
ども農林委員会に与えられた一番大きな
問題点だと思うのです。この前の
速記録をお調べ願えばわかりますが、
肥料の小
委員会におきまして、
国際価格を
一つのしんしやく
要素として取入れてもらいたいということを私はずいぶん力説したのでありますが、
当局においては、そうい
つたことについてはあまり同感の意を表しておられなか
つた。それからいま
一つは、
農産物価格安定法等におきまして、決して
生産費を
基準とするということは言わないが、この
法案の場合においては、
生産費を
基準として
農産物の
価格、その他
経済上参酌するというところでとめておるところに、私は大きな不満がある。この
国際価格を
農産物の場合と同じように、
生産費をもつと大きく
価格決定の
要素として取上げて行くということに対して、あなた方が誠意を示されないということであれば、私
どもは残念ながらこの
法案に対しては、もつと別な
角度から論議しなければならぬことになろうと思います。その点について
情勢もかわ
つて来ておるし、いろいろな
角度から見て、私
どもをして納得させられるような対策が
当局にあり、また
委員会の
意見を
相当に入れた修正というようなことに対しても、
当局が熱意を示されない限り、私
どもとしてはこの点について納得がつきかねます。
国際価格の問題、これが
一つと、
農産物価格の問題、これを重要なしんしやく
要素として、今この
法案に現われておるような現
わし方でなしに、もつと強い形で、
マル公をきめる際の
決定要素に取上げられるということの御言明はできましようかどうか。特にこの際
情勢がかわ
つて来ておりますので、この前の
質問を繰返すようでありますが、基本的な問題でありますのでこれもあわせてお尋ねしたい。