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北村説明員 お答えを申し上げます。
まず最初に
長期予報はどの
程度まで可能か、こういう
お話でございましたが、これは御
答弁申し上げるのに非常に困難な問題だと思うのです。現在
長期予報は
気象台でや
つております。ただ
長期予報が技術的に非常に困難でございまして、これは世界的共通の現象だと思うのですが、現在の
長期予報の精度が短期
予報に比べまして非常に劣
つておるということは、残念ながら事実でございます。この精度を何とかしてもつと高めたいというふうに観点からいたしまして、三十
年度から
長期予報のやり力を一新するという
意味合いで新しい
予算を御
要求申し上げておるような次第でございます。それでどの科度まで可能か、これは精度の問題でございますが、現在及ばずながら
気象台の全能力をあげまして、できるだけの
長期間にわたる
予報を出しておるわけでございます。
それから次に
農業気象の
関係から
気象台の所管の問題について
お話がございました。
気象台は
昭和十八年までは文部省に所属しておりました。それ以後運輸
通信省、引続いて運輸省に所属しております。運輸省に所属しておるがゆえに青函の事故が起
つたというふうな――これは何かのお言葉の
間違いじやないかと思うのでありますが、私は、運輸省に所属しておるから青函のあの事故が起
つたとは思いませんけれども、青函連絡船の事故が起りました際の
気象台の措置が非常に完璧であ
つたというふうには申し上げませんので、
気象台があの当時いろいろな設置をとるにつきまして、
気象台の設備なりあるいはその他の点におきまして不十分な点がございまして、そのために若干不完全な措置をしたということは私ども
考えるのでございますけれども、これは運輸省に所管されてお
つたということは直接
関係がないと確信しております。文部省から運輸省に所管がえになりました理由は、おそらく当時の
関係は、軍用の航空
気象というふうな問題が
中心であ
つたと思うのでございますけれども、その後日本におけるところの航空
事業が壊滅いたしましたためには現在
気象台が運輸省に所属しておりますものの、この動機となりました事情は若干薄れたような
感じがいたします。けれども世界の
気象台の所属官庁というものを現在調べてみますのに、大体新しい航空
事業が発展しておるところ、いわば文明の
程度の高いところにおきましては、航空
関係に所属しておるのが一般の現象でございます。もちろん運輸省では海難防止のために、あるいは鉄道事故の防止のために、交通安全確保のための必要は非常にあるのでございますが、そうい
つた目的はもちろん産業に及ぼすところの
災害の防除とか、産業興発のためへの貢献であるとか、その他一般の治山治水に
関係いたしまするところの
気象災害の防止、そうい
つたものみな
気象台のそれぞれの使命の中に数えられますので、その使命自体には私はおそらく価値の差異はない、どれもみんな重要であ
つて、ゆるがせにできないものだと思うのでございます。特に交通だけが重要であるというふうには
考えておりませんし、われわれが業務を執行して行きます上にも、決して力のあんばいは設らないようにしておるつもりであります。従いまして農林
関係についての仕事につきましては、
農林省とできるだけ緊密に連絡いたしまして、
農林省の御意向も承
つてその仕事をやる、こういうふうに措置しておるつもりでございますが、航空につきましては、航空の業務というものが安全確保と経済運航というふうな観点からいたしまして、航空
気象業務の現業というものは時々刻々のこまかい
データ々非常にたくさん要します。従いまして現業業務というものを経営いたしますと、航空が盛んになればほとんど大半の労力を航空
気象にとられるというのが実情でございまして、そこに集まる
データは非常に瀕繁で非常に数の多いものでございます。そこから抽出いたしまして統計をとるというふうな方法によりまして、大半の他の業務に対しましてもサービスができるというふうな傾向が出て参ります。おそらくこれが、
世界各国が航空
気象の
関係から航空
事業に
関係あるところへ
気象台を所風させておるところのゆえんではないか、こういうふうに
考えております。従いまして現在は運輸省に所属しておりますけれども、運輸省に所属しておるがゆえに、
農林省であるとか、あるいは建設省であるとか、そうい
つた方面に対寸る手配が足りないというふうたおしかりをこうむるようでございましたならば、私どもはいろいろ
お話な承
つた上で十分改善して行きたいと思いますが、現在におきましては、
自分たちの気持では、先ほど申し上げておりますように、農林
関係のものにつきましても相当気を配
つて予算の
要求をしておるつもりでございます。
それから台風十五号の際の連絡についての
お話でございましたが、私台風十五号のときの
データをここに持
つて参りませんでしたので、どのように具体的に各
地方へ御連絡申し上げたかということは御
説明申し上げかねますが、私どものこれまで調べて参りましたところでは、大体各地の
測候所が非常編成をしきまして仕事をや
つて参
つた形跡は顕著でございますし、警報は、大体函館を例にいたしましても、台風がその勉に来ります約十二時間前には警報を出しております。これは注意報ではございませんで、ほんとうの警報を出しておりますので、県庁その他への連絡についても、特別の手落ちはなか
つたのではないかというふうに
考えております。なお詳細の点は、私はそこのところは、資料を持
つておりませんので、まだあるいは具体的に手落ちがあ
つたところがあるかもしれませんが、そういう点があれば申訳ないと思いますが、私どもの手元にある資料では、そういうところはなか
つたのではないかというふうに
考えております。