○
中澤委員 問題にな
つている
保留点は三点あるわけでございますが、今
小倉局長の言いましたように、大体二・八倍くらい、
実績から言えばそうだろう、こういうことで、基本的にこの
農業災害補償制度を抜本的に
政正をするというわれわれの目標は、
社会保障という
対象に
農民を考える、こういう
基本観念に立
つて、
農民の自主的な純粋な
共済制度であるべき筋と、
社会保障という筋と、この
三つの
大前提を立てて、この案が
委員長試案としてつくられたわけであります。もちろんわれわれは全然
国家財政を無視するものではないが、少くとも基本的な
観念において、
農作物を、
農民を
社会保障の
対象として考えるという、この一歩前進した
考え方からいうならば、当然これは七割まで補填することが私は必要だと思うのです。しかし
国家財政の曲やいろいろ勘案してそれも無理とするならば、七割を
目途としてやるのですから、今
小倉局長は七割を基準にして二・八倍、こういう
数字を出されておるのですから、やはり
目途としては七割までやるとしてこの
保留事項はやはり
大前提のもとに二つにわけた以上、私はこれは
社会保障の線においてやるべきである、このことについてはこう考えるのであります。しかし現実においてただちに七割が
国家財政の
負担が大きくてできないというのならばやはり六割なり、そこは計数的に
国家財政から出せる範囲においてやるべきだ、私はこの
保留事項についてこう考えておるのであります。
そこで当面して一番問題にな
つておるのは、御承知のように五項の
共済事業の
農協一元化の問題が
保留事項にな
つておる。われわれはどうしても
農業団体再編成にしろ、すべての
農民を
食いものにしている
中間団体の一本化をはからなければならない。これは働く
農民のためにわれわれはぜひやらなければならないことだ。そこでそういう
中間団体をなるべく統合して、簡素化して、一本の形にして行くいとうのがやはり絶対に必要なことであり、この
災害補償の問題も、もしこれが全面的な
社会保障ができるならば、あるいは今のような
共済団体でなくしても、またできるような場合もある、そういうふうに私は考えるのです。すなわち簡素化して
中間で
農民を
食いものにしておるものをなるべく抹殺して行く、こういう建前から
委員長もわれわれの
意見を取入れて、
任意共済は
農協に
一元化すべし、それから
防災事業は今の
農災に
一元化すべし、こういう五項と九項の
三つの兼ね合いが出て来たのであります。そういう
観点から考えるならば、われわれはどこまでもこれは
一元化をして、もつとすつきりした形にしなければいけない、これは私の基本的な
考え方であります。そこで実際問題といたしましても、また理論的に考えましても、今の
農業共済は、これはほんとうなら
政府が直轄でやるべき筋合いのものであるが、それは
農民の
自主性を抹殺する。そこで
農民の
自主性も生かさなければいけないというような
趣旨が盛られておるのでありますが、そういうふう
観点からわれわれは取
上げるならば、やはり
農災の方ではどこまでも
食糧増産、
自給態勢の
確立ということをするには、
病虫害に対する
防除の徹底をしてもらわなければいけない、それを早く言えば、半公共的というか半官的というか、そういう色彩を持つところの
農業共済がこれらの
任意共済も一括してやるのだということは私にはどうしても納得が行かない。やはり分野をわけて、すつきりした形にして、そしてこれに専念して行く、そういう
意味において第九項をわれわれは了承したのであります。ところがこの前の
秘密懇談会でも
足立委員のいろいろな御
意見によ
つて、それではだめだ、
防除の
一元化はいいが
共済事業の
任意共済の
一元化はいけないということで第五項が
保留に
なつたわけでありますが、しかし今の
段階において、もしそういうふうにすつきりした、
割切つた形でやるのじやない、今あれもやる、これもやるというならば、私はとても
共済自体はできつこないと思う。だからそういうことならば、今のように
防除の方も、
協同組合もやる、あるいは
自治体もやる、それから今の
共済もやる、こういう形で行くよりしかたがないと思うのであります。そこで私は九項はそういう
意味において了承したのでありますが、このすつきりした形ができないものとするならば、私は九項を
保留してもらいたい。私はこういうふうに考えるのであります。そして今のままの形で、もし最悪の場合
——われわれも二十回になんなんとする小
委員会を開き、
委員長もここまで苦労して
試案をつくられたのであるが、もしどうしてもそれらもできない、それから第一項の
大前提の七割もだめだ、用途ですが、これがだめだということならば、小
委員会で今まで出した
結論というものは私はこの際全部御破算にすべきものだ、こう考えておるのであります。
結局、問題は、最初に申したように、
中間搾取をする
立場ではなく、働く
農民の
立場から、一体どうしたら一番いいんだ、こういう
観点から私は物事を考えているのでありますが、その点についてはおそらく
任意共済、それから
防災の方も完璧を期してやるということは、今の
共済としては不可能だ、それならばそういう両またかけることでなくして、やはりことし
いもちのわらの処理が非常に徹底しないで、
相当来年も
いもちの
発生を予想しなければならない。そういうようなことも考え合してみるならば、むしろ今から
態勢を整えて、この
病虫害防除に専念してもらえないならば、これはまた来年も
病虫害というものは
相当に大きく出るのではないか。そういう
意味合いも兼ねてのものでありますが、あれもやる、これもやる、みんなやるんだというような形で行くならば、来年の
いもちの
発生を予想して、この際
防災事業を
一元化して、やはり実情に応じて
協同組合もやる、
自治体もやる、あるいは
共済もやる、こういうふうにや
つた方が
災害を食いとめるにむしろいいのじやないかと思うのですが、そういう
意味において九項も
保留をお願いしたいと思うのであります。