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1953-12-17 第19回国会 衆議院 農林委員会農業災害補償制度に関する小委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年十二月十七日(木曜日)     午後二時四十八分開議  出席小委員    小委員長 足鹿  覺君       秋山 利恭君    足立 篤郎君       綱島 正興君    吉川 久衛君       中澤 茂一君    安藤  覺君  小委員外出席者         農林委員長   井出一太郎君         議     員 金子與重郎君         議     員 川俣 清音君         農林事務官         (農林経済局         長)      小倉 武一君         農林事務官         (農林経済局農         業保険課長)  久宗  高君         専  門  員 難波 理平君         専  門  員 岩隈  博君         専  門  員 藤井  信君     ————————————— 本日の会議に付した事件  農業災害補償制度改正問題に関する件  小委員会運営に関する件     —————————————
  2. 足鹿覺

    足鹿委員長 これより会議を開きます。  本日は先会に引続き農業災害補償制度改正に関する小委員会案の起草について審議を進めることといたします。なお委員の入れかえ等も若干あつたようでありますから、先般私から提示いたしました案につきまして、全般的にいろいろ疑義のある点もありましようし、御意見のある点もあろうかと存じます。そういう点につきましては必ずしも保留条項に限ることなく、忌憚なく御検討をいただきたいと存じます。吉川君。
  3. 吉川久衛

    吉川(久)委員 前々国会であつたと思いますが、参議院両院協議会の際に、共済制度について抜本的な改正の必要があるということで、参議院衆議院と同じような小委員会を設けて連絡をとつてやろうということになつていたわけでございます。そこで、最近に至つて衆議院のこの委員会では、委員長に一応の最後的な案のとりまとめをお願いをいたしまして、それを議題とし、しかもそれを農林常任委員会に、経過的ではあるが報告もいたしているわけでございます。これについていよいよ最後的の段階に入つて来たと思われますので、参議院の本問題に関する小委員会との間にとられておるであろう連絡等についての経過を、小委員長から御報告を願えればけつこうであります。
  4. 足鹿覺

    足鹿委員長 参議院との関係でありますが、先日十四日に、参議院の小委員会出席をして小委員長試案説明してもらいたいという電報を郷里で受取つたわけでありますが、どうにも繰合せがつきませんので、当日はお断りの返電を打ちまして、二、三日前参議院の方に連絡をとりまして、御希望の日には出席をし得なかつたが、適当な機会を得るならば御説明を申し上げる旨を申し入れたのでありますが、参議院は小委員会をしばらく開く予定がない、こういうことでありまして、やむを得ずそのまま参議院側に対しましては説明を行つておりません。但し、案そのものは送付をいたしまして、委員の間でそれぞれ御検討を願つておるような次第であります。大体そういう事情でございます。
  5. 吉川久衛

    吉川(久)委員 多分わが党の松浦君が参議院における小委員長であつたと思うのですが、その松浦君から聞いた話でございますが、衆議院の小委員長の案をこの休会中にそれぞれ各委員検討をしておいて、休会明けにできるだけ早く参議院案をまとめてみたい、できるだけ衆議院の小委員会とも連繋をとつてやりたい、こういうように言つておられました。そこでこちらだけ先に行つてしまうことはどうかと思うのですが、その辺に対する委員長の所見はいかがでございますか。
  6. 足鹿覺

    足鹿委員長 ごもつともな御意見だと思いますが、先日参議院農林委員の白井さんが——あの方は小委員であろうと思いますが、小委員長の正式の使いであつたかどうかは存じませんが、連絡にお見えになりまして、今吉川さんのお述べになつたような参議院審議方針委員長の御意見を間接的に承りまして、参議院のそういう事情ならばやむを得ないであろう、しかしわれわれとしても相当慎重審議をした案であるので、ただ単にこれをごらんいただいても誤解を生じたりしては困るから、二十四、五日ころまでは私は在京しておるつもりなので、非公式でも説明を加える機会をできればつくつていただきたいということを要請したようなわけでございます。そこで、こちら側の衆議院審議はよほど進んでおりまして、先日の十二月七日でしたか八日でしたか夜おそくまでやりました委員会において、一応留保した項目があります。これらの点についてはやはり重要な問題でありまして、この私の試案の骨子ともなるべき重要な点であるのでありまして、この点については、当初から委員会運営方針として、おのおのが党に持ち帰るまでに最大公約数を一応得て、そのものについてそれぞれ党でよく説明をし、理解をしてもらつて制度の大きな改正に進むことに貢献しようということで来ておりますので、やはりその方針でもって、私どもはこの委員会通常を今後も進めて行こうと考えておつたわけでありますが、たまたま先日自由党政調会においてこの問題を御検討なつた旨を聞きまして、それは総務会にもかかつたものではない由でありますが、一応衆議院公報に載つた正式の政調会でこれを御検討になるということになりますと、勢いお互いも党に経過報告をして党の意見を求めなければならない事態が来るのではないか、そういう点についても実は心配をいたしておるようなわけであります。今まできわめて円満におのおのがこの制度改正に向つて全力を注ぎ、長い間御苦労を小委員諸子にも願つたわけでありますので、今後もでき得ればそういう方針でこの小委員会運営して行きたい。そういう考え方のもとに、もちろん参議院とは密接な連絡をとることが好ましいのでありまして、先刻も申しましたように、でき得る限り参議院にもいま一応全部の小委員諸子にお集まり願うことが困難であるならば、非公式にでも一応この案の意のあるところをよく御理解を願う機会をつくりたい、かように私としては考えております。
  7. 吉川久衛

    吉川(久)委員 それでは委員長方針としては、本小委員会保留になつておる部分について、なおこの際検討を進めて、一応の結論あるいは結論に近いものを求めておきたいという御意向に解してよろしゆうございますか。
  8. 足鹿覺

    足鹿委員長 一応衆議院側としては、結論が出得るものであれば本日中に結論を出したい、かように考えております。
  9. 吉川久衛

    吉川(久)委員 小倉局長にお伺いしますが、本委員会において、前回保留になつておりました農作物の減収による実損額の七制までを補填することを目途として、通常の被害を越える災害について、国庫負担をするという、この問題についてその後御検討になりましたか。
  10. 小倉武一

    小倉説明員 ただいまのお尋ねの点につきましては、数字的な御質問の趣旨だと存じまするが、なかなか困難で的確なことは申し上げにくいと思います。と申しますのは、目途としてというちよつと含みのある言葉がございまして、これをどう解釈するかということによつて、非常に違つて来るのでありますが、比較の対象といたしまして七割目途ではなくして、七割そのままということで計算の前提にする。一方対象とする現行のものは、これまで支払つた実績を対衆にしてどの程度になるかという、ごく推算をやつてみますると、二十三年から七年までの数字平均しまして、支払いの額が二・八倍となるという推算です。この場合にちよつと先ほど申し忘れたのですが、現行では目途としては半額を目途としていないと言えないこともないと思うのです。たとえば全滅の場合は、反当二石と見まして七千六百円ということになつておりまして、しかし実際今年の農家の手取りと比べますと、石当り共済金がうんと少うございますし、三石以上のたんぼでも二石だけしか見ないとしうようなことの結果、半分を目途としておると申しましても、実際の支払い状況は、うんとそれよりも低いのであります。それを比較しなければならぬ。この結果どの程度料率に影響があるかということになると、これまた非常に複雑な問題になつて、ここにに習いてありますような国家負担する補償と、保険でやる部分とどこでわけるかといつたようなこととか、あるいは保険負担割合を国と農家でどうするかといつたことによる違いがございまして、ちよつと簡単には比較できませんが、共済金額増加率が三・八倍ということになりますると、国庫農家負担割合現行のままとすれば、差額としては、おのおの二・八倍ということになるわけです。けれどもここでなるべく農家負担を下げるといつたような方針があるとしまするならば、また特に農家の絶対額についてまでなるべくすえ置きするというようなことがあるとすれば、国庫負担は二・八倍で示される以上の負担になります。一応そういうふうに考えております。
  11. 足立篤郎

    足立委員 今の小倉局長の御説明基礎になる米価は幾らに見ていらつしやるのですか。
  12. 小倉武一

    小倉説明員 米価現行制度の場合は実積でございまして、これは一方七割と申しますのは、米価は七千五百円と見ておるわけです。
  13. 足立篤郎

    足立委員 七千五百円で二・八倍ということになりますと、現在新聞に出ております米価は、凶作加算の五百円ですでに平均一万三百何がしと言われておるのですが、実損書という文句がここにありますので、実損害ということになれば、少くとも政府買つた米の価格の総平均ということになるべきだろうと思うのですが、そうなると二・八倍がさらに非常な大きな数字になるわけでございますね。
  14. 小倉武一

    小倉説明員 これは私ども実はそこまで吟味しなかつたのですが、これまでの支払い割合は、過去五箇年くらいの支払い基礎にいたしまして、この支払いを本年の水稲共済金額にかけて計算したわけです。つまり実績で申しましても、本年の水稲支払い金額を申しておるわけではございません。これまでの数年の支払い割合を今年の共済金額にかけてみたわけです。そうして一方比較対象しますのは、米価自体をかえてしまつたのではまた話が非常に違つて来ると思いますので、米価として七千五百円の七割ということをとつておるわけです。そこで米価のこれまでのものがさらに倍加されるということになるわけです。
  15. 中澤茂一

    中澤委員 問題になつている保留点は三点あるわけでございますが、今小倉局長の言いましたように、大体二・八倍くらい、実績から言えばそうだろう、こういうことで、基本的にこの農業災害補償制度を抜本的に政正をするというわれわれの目標は、社会保障という対象農民を考える、こういう基本観念に立つて農民の自主的な純粋な共済制度であるべき筋と、社会保障という筋と、この三つ大前提を立てて、この案が委員長試案としてつくられたわけであります。もちろんわれわれは全然国家財政を無視するものではないが、少くとも基本的な観念において、農作物を、農民社会保障対象として考えるという、この一歩前進した考え方からいうならば、当然これは七割まで補填することが私は必要だと思うのです。しかし国家財政の曲やいろいろ勘案してそれも無理とするならば、七割を目途としてやるのですから、今小倉局長は七割を基準にして二・八倍、こういう数字を出されておるのですから、やはり目途としては七割までやるとしてこの保留事項はやはり大前提のもとに二つにわけた以上、私はこれは社会保障の線においてやるべきである、このことについてはこう考えるのであります。しかし現実においてただちに七割が国家財政負担が大きくてできないというのならばやはり六割なり、そこは計数的に国家財政から出せる範囲においてやるべきだ、私はこの保留事項についてこう考えておるのであります。  そこで当面して一番問題になつておるのは、御承知のように五項の共済事業農協一元化の問題が保留事項になつておる。われわれはどうしても農業団体再編成にしろ、すべての農民食いものにしている中間団体の一本化をはからなければならない。これは働く農民のためにわれわれはぜひやらなければならないことだ。そこでそういう中間団体をなるべく統合して、簡素化して、一本の形にして行くいとうのがやはり絶対に必要なことであり、この災害補償の問題も、もしこれが全面的な社会保障ができるならば、あるいは今のような共済団体でなくしても、またできるような場合もある、そういうふうに私は考えるのです。すなわち簡素化して中間農民食いものにしておるものをなるべく抹殺して行く、こういう建前から委員長もわれわれの意見を取入れて、任意共済農協一元化すべし、それから防災事業は今の農災一元化すべし、こういう五項と九項の三つの兼ね合いが出て来たのであります。そういう観点から考えるならば、われわれはどこまでもこれは一元化をして、もつとすつきりした形にしなければいけない、これは私の基本的な考え方であります。そこで実際問題といたしましても、また理論的に考えましても、今の農業共済は、これはほんとうなら政府が直轄でやるべき筋合いのものであるが、それは農民自主性を抹殺する。そこで農民自主性も生かさなければいけないというような趣旨が盛られておるのでありますが、そういうふう観点からわれわれは取上げるならば、やはり農災の方ではどこまでも食糧増産自給態勢確立ということをするには、病虫害に対する防除の徹底をしてもらわなければいけない、それを早く言えば、半公共的というか半官的というか、そういう色彩を持つところの農業共済がこれらの任意共済も一括してやるのだということは私にはどうしても納得が行かない。やはり分野をわけて、すつきりした形にして、そしてこれに専念して行く、そういう意味において第九項をわれわれは了承したのであります。ところがこの前の秘密懇談会でも足立委員のいろいろな御意見によつて、それではだめだ、防除一元化はいいが共済事業任意共済一元化はいけないということで第五項が保留なつたわけでありますが、しかし今の段階において、もしそういうふうにすつきりした、割切つた形でやるのじやない、今あれもやる、これもやるというならば、私はとても共済自体はできつこないと思う。だからそういうことならば、今のように防除の方も、協同組合もやる、あるいは自治体もやる、それから今の共済もやる、こういう形で行くよりしかたがないと思うのであります。そこで私は九項はそういう意味において了承したのでありますが、このすつきりした形ができないものとするならば、私は九項を保留してもらいたい。私はこういうふうに考えるのであります。そして今のままの形で、もし最悪の場合——われわれも二十回になんなんとする小委員会を開き、委員長もここまで苦労して試案をつくられたのであるが、もしどうしてもそれらもできない、それから第一項の大前提の七割もだめだ、用途ですが、これがだめだということならば、小委員会で今まで出した結論というものは私はこの際全部御破算にすべきものだ、こう考えておるのであります。  結局、問題は、最初に申したように、中間搾取をする立場ではなく、働く農民立場から、一体どうしたら一番いいんだ、こういう観点から私は物事を考えているのでありますが、その点についてはおそらく任意共済、それから防災の方も完璧を期してやるということは、今の共済としては不可能だ、それならばそういう両またかけることでなくして、やはりことしいもちのわらの処理が非常に徹底しないで、相当来年もいもち発生を予想しなければならない。そういうようなことも考え合してみるならば、むしろ今から態勢を整えて、この病虫害防除に専念してもらえないならば、これはまた来年も病虫害というものは相当に大きく出るのではないか。そういう意味合いも兼ねてのものでありますが、あれもやる、これもやる、みんなやるんだというような形で行くならば、来年のいもち発生を予想して、この際防災事業一元化して、やはり実情に応じて協同組合もやる、自治体もやる、あるいは共済もやる、こういうふうにやつた方が災害を食いとめるにむしろいいのじやないかと思うのですが、そういう意味において九項も保留をお願いしたいと思うのであります。
  16. 吉川久衛

    吉川(久)委員 私はこの農業災害補償制度というものがわが国に生れた沿革等からまず考えてみると、共済制度ということではいけないのじやないか。外国の例を見ましても、ほとんど原始河川のままでも災害がないというように、災害の少いところが非常に多い。やや災害のあるというところでも、産業革命以来国土の基本的な防除態勢といいますか、堤防とかいうような施設が非常に行きわたつて公共事業費などを日本のように厖大な額を予算に計上している国は一つも見当らない。わが国のみさいの河原の石積みをやつておる。これは農業共済制度権威者である下山氏や、農林省の野口技官等の著書を読んでみると、詳しく書いてある。そこで日本共済組合制度というものは共済組合としては成り立たないというところから、農業災害補償制度ということになつて農業補償法名前をつけられたこの沿革に徴しても、日本の国は外国共済組合制度を焼き直して、それをそのまま適用したのであつては、このままでは行かれないということが明らかになつているわけなんです。ですからこの法律の名前通り制度通りに、災害に対する補償ということになれば、共済組合という組合制度は、自主的な民間的なものでなくて、むしろ公的な性格を強く帯ばしむべきではないかと思う。そういうふうに考えて参りますと、ただいままでの共済組合というものをもつと公的性格を強くして、そうして強制共済的なものに専念せしめるということの方が、尊い意味を持つたこの制度の所期の目的を達成するためには私は必要ではないかと考える。そうして普通の経済行為に近いところの、いわゆる共済的な事業は民間の団体に移す、ここを截然と区別するということが、共済補償制度を今後確立をして行く上にきわめて重要なけじめではないかと考えますので、小委員長の当初の成案について私は賛成をするものです。なおごまかい点等については、この要綱に基いて設けられるところの農業災害補償制度審議会等において検討をすることにしても、私は一応本委員会においては、この制度改正に関する小委員長のまとめたものをこのまま小委員会の案として行くことに賛成をしたいと思つております。
  17. 足鹿覺

    足鹿委員長 ちよつと速記をとめて……。   〔速記中止
  18. 足鹿覺

    足鹿委員長 それでは速記を始めてください。いろいろと保留条項その他について懇談的に協議を進めたらどうか、こういう御意見皆さんにあるようでございますので、これより懇談会に入りたいと思います。      ————◇—————
  19. 足鹿覺

    足鹿委員長 それでは速記を始めてください。いろいろと保留条項その他について懇談的に協議を進めたらどうか、こういう御意見皆さんにあるようでございますので、これより懇談会に入りたいと思います。   〔午後三時二十五分懇談会に入る〕   〔午後四時十一分懇談会を終る〕      ————◇—————
  20. 足鹿覺

    足鹿委員長 それでは懇談会を閉じまして、再開いたします。
  21. 吉川久衛

    吉川(久)委員 懇談会中における私の動議を御採択願います。
  22. 足鹿覺

    足鹿委員長 正式にひとつ出してください。
  23. 吉川久衛

    吉川(久)委員 農業災害補償制度改正に関しまして、小委員会においては十数度にわたる本件検討の結果を、小委員長において、各委員意見を尊重して最大公約数を求めて、その線に沿うて一応の結論的な試案を作成していただくということになりまして、その問題についていろいろ検討をした結果、なお数点について保留部分がございましたが、先刻からこの問題についていろいろ議論をしたのでございますけれども、自由党足立委員との間においても考え方相当の懸隔もございまして、これを本委員会結論とすることにとうてい見通しが立たないと私は思いますので、本件は暫時これをたな上げにしていただきましてもう一応元にもとして次会から根本問題からやり直しをしたいと思います。ついては、足立理事も見えませんし、秋山先生おいででございますけれども、当初からの御事情もあまりつまびらかでないようでございますから、本日はこれにて散会をしていただきまして、参議院本件に関する小委員会とも緊密なる連繋をとりまして、休会明けに速急に再開をして、ひとつ根本的な問題から再検討をお願いしたい、こういう動議でございます。
  24. 秋山利恭

    秋山委員 ちよつとお尋ねしたいのですが、この案を一応破棄して再検討するという意味ですか、この案を中心にして再検討するという意味ですか。
  25. 吉川久衛

    吉川(久)委員 秋山さんにお答えいたします。私は本案はたな上げをいたしまして、根本的な問題と申しますか、元にもどして出直しをするという意味でございます。
  26. 金子與重郎

    金子委員 今吉川さんから、一応ここまで長い間研究されて来て、最後に委員長試案としてここに出す、これはとにかく大体において今まで審議して来た最大公約数だということは言われるわけなのであります。そこで、今の吉川さんの動議に私も賛成するのでありますが、ただ言葉として、きつと吉川さんのお気持はそうじやないと思うのですが、たな上げということは、これは破棄するとか、もう使わないという、そういう意味ではなくて、きようこうやつて論議してみますと、今日に、至つても依然として本質論が当然ちよちよく出て参りますので、お互いここまで来たならば、一方において片両院協議会関係上、参議院とも相談の結果、この問題が出発したのでありますので、この問題も含めて研究すると同時に、もつと基本的な問題や委員会における議事も継続してこれを掘り下げて行くというふうなことで、吉川先生の方で御了解が願えれば、私はそれがいいのじやないかと思うのですが、どうでしよう。
  27. 吉川久衛

    吉川(久)委員 金子委員からも、自由党秋山委員からも、家はせつかく長いことかかつて検討して来たので、そのたな上げがこの案を捨ててしまうような形になつては、非常に惜しいじやないかというような御忠告等もございました。私の気持は、実は皆さんから御注意いただいた内容と同じなんです。足鹿委員長の案を、参議院がこれを中心検討されると言われておりますが、それに先立つて、私の方がこれを破棄するということは、エチケットでないと思います。そういう意味でございますから、どうぞ誤解のないようにお願いします。
  28. 足鹿覺

    足鹿委員長 何か御意見ありませんか。
  29. 秋山利恭

    秋山委員 今の御意見賛成します。
  30. 川俣清音

    川俣委員 これは何と言つても、やはりここまで議論されて、ある程度尽すべきものは尽し、意見相違の点は相違のままになつておるわけです。委員長はこの相違を何とか解消して、一つにまとめたいという努力をきをきようも払われたと思うのですが、現状のままではその努力ちよつと水泡——といつても、この案が水泡でなくて、これ以上の努力をするということが困難な情勢でもありますので、やはり、これはこれとして、ここまで努力を払つたことはこのまま認めて、今後の努力はこれ以上今のところは尽しがたいということで一応終つておくのなら、私は賛成です。
  31. 足鹿覺

    足鹿委員長 どうも含みのある言葉でよくわからないのですが……。
  32. 中澤茂一

    中澤委員 廃案じやないのだから……。
  33. 足鹿覺

    足鹿委員長 ほかに御意見はありませんか。——それではお諮り申し上げますが、ただいま御察議を願つております農業災害補償制度改正に関する小委員長試案につきましては、さらに検討することを継続し、これに関連いたしまして、基本的な問題もあわせ審議を進めることといたします。
  34. 中澤茂一

    中澤委員 資料の要求があります。共済会館なるああいう建物が、一体どうしてできたのか、まつたくわれわれには不可解なのです。県連は赤字赤字だと言いながら、ああいう豪壮な建物ができたということについて、これは少くとも農業関係の人は、皆驚異の目をもつて見張つておるわけなのであります。あれをどうしてもわれわれは明かにしてもらわなければならぬ。さつきの懇談会において、小倉川長社団法人だ、それからそれは賦課金でやたのだというような話があつたのであります。われわれにはどうしても解せないのでありますから、あの共済会飢を建てた経過、それからその金の出所、金額はどのくらいかかつたか、賦課金なら、各県連からどれだけの賦課金をとつたか、そうして現在の所有者はだれであるか、それから運営管理においては、どういう方法でだれが責任を持つておるか、これだけを明らかにした資料を要求いたします。  それからいま一点は、これは検察庁の手が入つておるのですが、聞くところによると、非常に政治的な圧力で問題を抹殺しようとしておるところの、栃木県の共済に対する千万ともいわれ、あるいは二千数百万ともいわれる不正事件に対して、抜本的解決に当つて、どこからこういう不正事件が出て来たか、どこに一体欠陥があるかということを、われわれは今後の審議を進める上に参考にいたしたいから、この栃木県の不正事件におけるところの経過、現在どういう摘発の段階にあるか、もちろんこれは検察庁に移つておる以上そう明細なものは出せないかもしれませんが、その栃木県事件の資料を要求いたします。  それからいま一件、京都府だと思いましたが、これも何かもやくのうちにつぶれたようですが、うしろには相当厖大な不正金額があるということを巷聞伝えられておる。こういうふうな現在の共済制度に対して、農民が非常に苦しんでおる段階において、そういう不正事件が驚くべき金額において行われているということについて、われわれは今後の審議上も、どうしてもそういう不正な金がどこから出るかということを、われわれは参考資料に基いて究明しなければいかぬ。そういう点において、今申し上げたように、共済会館の六項目にわたるもの、それから栃木事件の経過、どうやつて金が出たのか、その金の出所、それから京都事件の同様のもの、この三件の資料を要求いたします。
  35. 足鹿覺

    足鹿委員長 経済局長今の資料は提出されますか。
  36. 小倉武一

    小倉説明員 共済会館と、それから栃木県及び京都府については、私どもの手元にある資料は、別段国会に対してすべて秘密を要するようなことはございませんから、できるだけ便宜をおはかりして御提出いたします。
  37. 足鹿覺

    足鹿委員長 いつごろまでに御提出なさいますか。
  38. 小倉武一

    小倉説明員 こちらの御入用のときはいつか存じませんが、よほどお急ぎでございますか。
  39. 足鹿覺

    足鹿委員長 皆さんがお帰りになる前がよろしいと思うのですが、十九日には肥料の小委員会もありますから……。
  40. 小倉武一

    小倉説明員 それでは土曜日のお昼ごろまでには、ここへお届けするということではいかがですか。
  41. 足鹿覺

    足鹿委員長 ではよろしゆうございます。  それではただいまの資料は経済局長の言明の通り、十九日に御提出を願うこととたしいます。次会は公報をもつて御通知申し上げ、その間参議院ともよく打合せをいたしまして、皆様方の先ほど来の御発言の趣旨にも沿いたい、かように考えます。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時三十分散会