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金子委員長 以上で午前中の
質疑を打切りたいと存じますが、
委員長といたししまして、長官に、先ほどからの各
委員からの
質疑を通じて気づいた点を、二点だけ御注意申し上げておきます。
一点は、あなたは
商社を通じて
輸入する場合に、
契約の問題いかんによりますということを、たびたび答弁しておりますが、その
契約の条件
云々ということを答弁するのに、どうも聞くところによると、その
契約というものはだれかほかの人たちがつく
つた契約によ
つてあなたがや
つておるのですか、そういうような口吻に聞えるのであります。それは非常に間違いであります。その
契約の責任者もあなたなんです。ことに今の
食糧事情を見るならば、
日本だけがこういうような、
食糧事情にあるけれども、世界を通じてはむしろ買手市場にな
つて来ておるそのときに、買う
立場にある
日本が、
日本の
検査、
日本の荷受けを中心に買えないはずはないと思う。
日本がものを外国に輸出しても必らず
向うの監視を受けておるというように、大きな制約を受けておるものがたくさんある。でありますから、
契約はあなたがおつくりになるのだから、別な人がつく
つたものをあなたが遵法するのじやなくて、あなた自体が
契約するのだということを前提に今後の行き方に対して十分速急に解決するように努力していただきたい、これが一点であります。
もう一点は、
足鹿君の
質問にありました内麦と
外麦の将来の問題は、内地
小麦の今後の増産に対して非常な影響力を持
つて来る。内麦と
外麦をどういうふうに使うことが有利かということに対しては、
山内参考人の言われるように、グルテンの多い
小麦と内地のようにグルテンの少い
小麦とどつちがいいということは言われぬ。そこの調和によ
つて一つの粉ができるのですから、端的にどちらがいいということが言えぬことは明らかですけれども、またある限界において澱粉質の多い
小麦、ソフト
小麦というものはどのくらいの
価格が今の市況において有利かということは
製粉会社が知
つておる。だからそれをどういうふうに配置して払下げをするのか、その
価格をどう調整するかということが重要な問題であります。
もう一点それに付随して重要な問題は、あなたは各県ごとに
外麦と内麦の調整をとるように、
倉庫へ渡してお
つて、それから払い下げるとおつしやるけれども、それは違うのです。
日本の
製粉会社の分布は、各県均等に行われておるのじやない。ことに経営の
立場から言うならば、
日清や
日本のように海の工場と山の工場を持
つておるところもあるでしよう。山だけに依存しておる中型製粉もあるだろう。しかもその中型製粉のごときは、
外麦を
相当入れなければ今の需要を満たし得るような粉はできて来ないのです。でありますから、各県ごとに均等にや
つておるなんという
考え方ではいけない。
会社自体の粉がどうして海にある工場も、あるいは山にある工場も、比較的同じような機会均等の
立場において製粉され、市場へ自由競争の
立場に立
つて供給されるか、こういうことも考慮に入れて払下げをしていただきたい。そうでありませんと、
外麦、内麦の調整はとれて来ない。最後の場合になるならば、
外麦による利潤によ
つて内麦の保護もされなければならぬということが今後の問題でありますので、この点を特に御注意申し上げます。