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川俣委員 時間がおそくなりましたので質問をできるだけ省略して二点だけお尋ねしたいと思うのです。しかし目下
加藤国務大臣大いに勉強中であり
ますので、質問をすることは控えまして、むしろ
要望のような忠告のような形で質問をいたしたいと思うのです。特に
佐藤小
委員長から御注意もあり
ますので控え
ますが、二点だけ問題にいたし
ます。きのう参議院の農林
委員会におきまして、大蔵当局が種子及び飼料のあつせん助成についてはきわめて零細な補助となるので本年は行わないこととしたい、こういう答弁をしておるようであり
ます。
大蔵省の
考えは金額が少なければ大体賛成するけれ
ども、きわめて零細な補助となるからあえて本年は行わないという表現は、総金額が大きいけれ
ども、個々に行くと小さくなるのだ、そこでそういうことは会計検査院の指摘事項もあ
つて行わない、こういう意味ではないかと思うのです。ところが種子とか飼料とかいうものは零細な補助助成になるのが本質なんです。そこで個々に渡さないでどうして一体種子や飼料を確保してやるかという問題、御
承知の通り種子というものは一人当りにすれば少いものであり
ますけれ
ども、たやすく集められるか集められないか——国務大臣は北海道へ行かれて北見へ行かれたと思い
ますが、北見の
冷害の
一つの欠陥として、昨年は同一品種を多量にあそこに
配給したことが
一つの原因でもあるわけです。去年の施策が間違
つてお
つた。従
つて種子とか飼料というようなものは一人当りは少くても、こういうものを大量に
集荷いたしまして、個々に少いものであり
ますけれ
ども、これが将来の
生産の
基礎になるものであり、それが何千倍の収穫になるものであり、あるいは何億倍の収穫になるものであり
ますから、非常に重要なものである。重要なものであるからめんどうを見なければならぬであろうという
考えなんです。ところが補助するとわずかじやないかといい
ますが、これがみな集ま
つて集荷すれば手数料も少くて済み
ますけれ
ども、北海道の北見からわざわざたとえば秋田県の十和田に行き
ますと、北見に適する品種がある。そこへ種を買いに来るとたいへんな金になるわけです。それを北海道庁が集めて参り
ますとこれはわずかな経費で済んで、一人当りは確かに少いものであり
ますけれ
ども、この大きな
集荷対策を講じて行かなければならないわけなんです。そこに目的があることを忘れまして、個々に小さいからやらないのだというような
考え方は、実際の
日本の農業
事情を知らないものだということを本部長大いに認識してほしいと思うのであり
ますが、御認識になり
ますかどうかという点です。おそらくこれは御答弁を要しないようなものであり
ますけれ
ども、ひとつ御答弁願いたいと思い
ます。
次に山本政務次官の答弁の中で、特別
立法措置については絶対反対であるというようなことを言
つておられ
ます。これは小
委員長も指摘されましたが、内閣が責任を持
つて特別
立法措置をとることは反対だというならば、私はこれは
一つの
意見だと思うのですけれ
ども、事務当局が特別
立法措置について絶対反対であるなんと言うことは、
日本の憲法を無視するような
考え方だ。立法権というものは
国会にあるのですから、それに反対だなんというようなことは独裁国家でなければ言えないことなんです。ですから内閣が責任を持
つて、特別立法なんかするなら議会の
解散をやるというならば意味がわかり
ます。事務当局は
解散権も何もなくて、特別立法をすることはけしからぬなんというようなことはそれこそけしからぬことなんで、そういうことを言わせることは加藤さんにはやらせたくない、私はこう思うのです。せつかく国務大臣として本部長になられたのだから、そういう間違いはさせてもらいたくないと私は思うのですけれ
ども、この点についての御見解を承りたいのです。
さらにもう
一つは、確かに去年よりも
災害の度合いというものが深刻なものがある。ただ面積が限られてお
つて、昨年よりも面積は小さい。しかしながら、個々にあた
つては深刻であることは、今国務大臣も申された通りなんです。そこで去年特別立法はあまりに補助率が高過ぎた、こういう意味だといたし
ますと、ことしこそはそういう重点的な
措置を講じるべきじやないかと思うのです。一体去年の失敗はどこにあ
つたかというと、法律の失敗じやないのです。われわれはそういうことを願
つて法律をつく
つたのじやないのですけれ
ども、出てみ
ますとこれを悪用した人が多いのです。たとえば某政党の某有力者が自分の地盤に持
つて行
つたなんというのは、法律にはそんなことは書いてありませんよ。某政党の幹事長のところに持
つて行つてもいいなんて書いてないのだ。重点的にやろうという法律をつく
つたけれ
ども、それを悪用した者があるのです。また悪用に乗ぜられたのが大蔵当局であり、
農林省であるのであ
つて、そつちの方をひとつやめてもらいたいのです。だから私の方から言えば、もしも去年悪用したような行政官があればまずひとつそれをやめさせるとか、あるいは悪用した者は内閣に置かないとか、あるいはどつかへ追いやるとかいうことをや
つてもらいたいのです。やはりこれは忠実に立法の
趣旨を理解して、重点的なことをやらせることの方が重大なんです。決して法律が悪いのだとか、その
措置が悪いのじやありません。会計検査院から指摘されていることも、全部行政的
措置を誤
つたからなんでありまして、
考えは決して間違
つたのではないのです。それをこれ幸いにして、大蔵当局があの
考えが悪か
つたのだなんということで金を惜しむというようなことは許されないことだと思う。国民の血税によ
つてまかなわれておる国家財政であり
ますから、これを使わせては重点的に使わせなければならぬ。その法律の用途に基き、基本に基いて配分して行かなければならぬのを、配分の仕方が悪か
つたのです。去年のあやまちはどこにあ
つたのかという点を重要に
考えていただけないものかどうか、この三つなんです。