○原説明員 私からお手元にお配りいたしました資料につきまして、大分いろいろ配
つておりますので、資料は大体どういう
内容のものかということを中心にいたしまして、ただいま野田部長か御説明いたしました点等を若干補足して、御説明を申し上げたいと存じます。
お手元にいろいろとお配りしてありますが、かなり長いのが四冊ございまして、それから普通の、菊版と申しますか、四六版のものが……(「それは配られていないよ」と呼ぶ者あり)それでは後刻お届けいたします。この菊版の方は、先ほど野田部長から御説明いたしましたが、北
日本におきましては昨年の異常環境がございましたので、品種の転換あるいは改良苗しろの普及等の状況が非常に例年と異な
つておりますから、これらの点につきまして実は詳細に調ベたわけでございます。それがまとまりましたので、ガリ版にいたしまして作成いたしましたから、実はお配りしておるかと思
つて参
つたのですが、手違いでたいへん恐縮いたしました。これは後刻お配りを申し上げます。
それでは長い印刷物につきまして御説明を申し上げます。まずお配りいたしました上から順にごらんいただきますと、第一番目には「昭和二十九年稲作期間の主要地点(測候所)における気象表」というのがあります。これは中身をごらんいただきますと、一番初めに目次がついてございまして、どこにどういう
内容があるかということを大体御了解いただけると存じます。
恐縮でございますが六ページをめく
つていただきますと、六ページには日平均の気温につきまして、おもな測候所別に四月から八月中旬に至ります旬別の日平均気温が、平年の気温に対しましてどういう
関係にあ
つたかということを示したのでございます。ここにございます黒と赤との
関係でございますが、赤は平年を下まわ
つておるということであり、黒は平年よりも温度が高い。要するに平年と本年の旬別の平均気温の差を示しておるわけでございます。これからごらんいただきますと、先ほど野田部長が御説明申し上げました
通り、八月になりますと北海道と青森測候所を除きますその他につきましては、大体平年を上まわ
つておるということが申し上げられるかと思います。もちろんしさいに
検討いたしますと、秋田の八月上旬あたりはごくわずかでございますが平年を下まわ
つております。かように大体北海道と東北の北の方が低温でございますが、その他は七月下旬の天候回復以来、特に八月になりまして高温が上旬、中旬と
継続しておるということが本表によ
つておわかりいただけるかと存じます。
七ページは、これは日照時間の
関係でございまして、赤いしるしは平年よりも日照時間が少い、それから黒の方が多いということを示しておるのでございます。この表につきましても、八月をごらんいただきますと、北海道あるいは青森とその他の
関係において大分趣が違
つておるように見受けるのであります。
それから八ページにおきましては降水量につきまして書いたのでございますが、この場合は黒が平年より本降水量が多い、赤の方は平年よりも降水量が少いということをお示ししておるのでございます。この表につきましても北海道とその他とは、八月の欄等でかなり状況が違
つておるように見受けられるのでございます。
九ページ以下におきましては、おもなる地点につきまして、先ほど申し上げましたのは日平均の気温でございますから、これを最高並びに最低気温につきまして図示いたしたのでございます。北から南の方へずつとおもなる地点をとりまして、それを図示いたしましたのが二十六ページまで続いてございます。おひまなときでもごらんいただきますれば幸いと存じます。
最後に、二十七ページから以下は、先般参りました台風五号、それから本土には上陸いたしませんでしたが台風六号の経路をお示しいたしたのでございます。なお、先ほど野田部長から申し上げました
通り、台風五号は八月十八日並びに十九日でございましたので、八月十五日現在の
作況あるいは被害にはこの台風五号の被害は含まれておりません。この点をお含みいただきたいと存じます。
以上申し上げましたのが、主要地点におきます今年の稲作期間における気象の推移を示した表でございます。
それから次にございます表は、表題といたしましては「昭和二十九年八月十五日水稲生育概況及び水稲主要作業の経過一覧」というたいへん長い題目にな
つておりますが、そういう報告書がそこにお届けしてございます。これは中をめく
つていただきますと三ページから始ま
つておるのでございますが、三ページ並びに四ページ、五ページにかけましては、私の方でやらしていただいております気象感応
試験におきまして、特にその地方で一番作付の多いといいますか、
相当作付の多い品種につきまして、本年の出穂期の見通しが昨年に対してどういう
関係になるかということを図示いたしたのでございます。ずつとごらんになればすぐおわかりいただけるようにというくふうをいたしましたが、はなはだどうも手ぎわが悪うございましたが、私
どもがここで表にいたしました
趣旨といたしましては、第三ページにもございますように、赤の二重丸が昭和二十八年に対しまして、本年の出穂期が一週間以上おそいもの、あるいはおそい見込みのもの、それから一重丸につきましては昨年に対しまして三日ないし六日くらいおそいものあるいはおそい見込みのものでございます。四角の黒につきましては、二日くらい昨年よりも早いかあるいは二日くらいおそいか、まあざつと見まして、平年程度と
考えてよろしいのではないかというものを四角の黒のしるしにいたしたのでございます。それから黒で四角の二重にな
つておりますのは、昨年に対しまして本年は三日から六日くらい早そうだというものをそういう記号で表わしたのであります。そういう記号に基きまして第三、第四、第五表をごらんいただきますと、北海道並びに東北、特に北東北におきましては出穂期の遅延が非常に顕著に目立つわけでございます。特に北海道並びに東北地方の北部におきましては、十日ないし二週間の出穂遅延というものも見受けられるのでございまして、概して申しまして北海道、東北における出穂遅延がごらんの
通り顕著でございます。なお出穂遅延の状況は北陸にも及んでおります。それから関東につきましては、本表によりますと昨年とほぼ差はないということになりますが、御案内のように昨年は八月下旬になりまして天候が不順になりまして、低温が続きました
関係で、昨年は非常に遅れております。従いまして昨年に比べますと、本年はほとんど大差がないということむしろ若干進むということも見受けられますが、これを平年に対して
考えますと、関東地方におきましては、やはり平年よりは若干遅れるというのが実情でございます。それから東海道以西につきましては、第四図並びに第五図にございますように、山陰地方におきまして、若干の遅れを見せておりますが、その他の地方におきましてはほぼ平年並というのがただいまの出穂の見通し状況でございます。この見通しをつけるにつきましては、先般も御報告申し上げました
通り、幼穂形成期と申しますか、ごく小さいのができる時期を、毎日日を追
つて顕微鏡等で見ておりますが、そういうものから推定いたしまして今年の見通しをつけたのでございます。従いましてそういうことをやりました後の出穂までの二週間なりあるいは三週間なりの間の気象の変化等によりまして、当然実際出穂期はかわ
つて参るわけでございます。八月十五日現在におきましてつかみ得た私らの最近の見通しというような状況でありまして、そういう気持でごらんをいただければ幸いであります。
なお失礼いたしましたが、凡例の符号が間違
つておりますので御訂正申し上げます。二十八年に比し七日以上おそいものというのが一重丸にな
つておりますが、これを赤の二重丸にしていただきまして、二十八年に比し三日ないし六日おそいものというのが、原本では赤の二重丸にな
つておりますが、それを一重丸にかえていただきたいと存じます。大変失礼申し上げました。
それから次に参りまして、七ページ以下でありますが、七ページ以下にお示しいたしました図は、北海道から以下鹿児島までずつとございますが、これは私らの方で
作況の判定をいたします
一つの
基準といたしまして、大体平均的に申し上げますと、一県に二百箇所くらいの
作況調査圃というものを設置しております。これは農家のたんぼでございますが、そういう
作況調査圃を設置しておりまして、そこにおきます草たけ、あるいは茎数、だんだん参りますれば出穂期あるいは穂数、あるいは粒数というふうに成育の進行に従
つて調査の
項目がふえて参るのでありますが、そういう
作況調査圃におきまして、今日調べました状況を図をも
つてお示し申し上げたのでございます。その図でございますが左の方の白いのが下の方の凡例にもございますように、草たけでございまして、まん中の斜線のありますのが坪当りの茎数であります。それからその右に格子にな
つて、しかも点線でその棒がかこんでございますのが、これは坪当りの推定穂数であります。坪当り推定穂数につきましては、先般も御説明いたしました
通り、私らといたしましては、各株につきまして、その茎別青葉数あるいは草たけ率と申しますか、その長さ、あるいは場合によりましては幼穂の伸長状況等を
調査いたしまして、大体ここらあたりに穂がとまるのではないかということを、出穂の二週間、あるいは場合によりましては三週間前から推定
調査を実施しておりますが、そうい
つた調査によりまして見当をつけました値を、その格子によ
つてお示し申したのであります。従いましてこれは推定値でございます。そういう記号の約束に従いまして、先ほど申し上げましたように北海道から以下鹿児島までございます。それから申し落しましたが、この比率でございますが、比率のぺースに使いましたのは、過去四箇年の二十五、二十六、二十七、二十八年の平均に対します今年の増減パーセントであります。これを大体簡単に要約して申し上げますと、北海道につきましては、ごらんのように草たけは各場所とも低くございますが、茎数の方をごらんいただきますと、札幌につきましてはむしろ平年を上まわ
つておる状況でございます。その他の北見、函館、帯広、これは私の統計
調査事務所の区域を示しておりますが、それらの北見、函館、帯広につきましては、平年を若干下まわる状況が見受けられるのでございます。しかし茎数が平年をオーバーすると申し上げました札幌につきましても、またその他の所につきましても、穂数の推定ということになりますと平年を下まわるというふうに私たちは見ておるのでございます。要約いたしますと、北海道におきましては出穂は
相当大幅に遅れておりますし、それから短程でありまして、なおかつ穂数も少いという状況に置かれておるのではないかと
承知しておるのでございます。
第八ページは東北地方の状況でございます。東北地方につきましては各地を通じて申し上げますと、草たけは短かくございます。それに対しまして茎数は若干場所によりまして趣を異にいたしておりますが、前四箇年を
相当上まわる状況を示しております。これに対しまして先ほどのような各種の
調査から得ました推定坪当り穂数ということになりますと、青森、岩手あるいは宮城におきましては若干平年を下まわ
つておりますが、秋田、山形、福島に参りますと、むしろ平年よりも多かろうという推定がついておる、さような状況でございます。つまり東北地方でも北、特に表海岸の北東北と、その他の東北地方におきましては若干趣を異にしております。全体といたしましては草たけが低く短程、多蘖ということが茎数について言えますが、穂数ということになりますと、先ほど申し上げました
通りでございます。なお出穂期につきましては、先ほどの黒角と赤まる表で申し上げましたように、かなりの遅延が見られております。
九ページは関東地方を図示したのでございますが、関東地方へ参りますと、草たけ
関係が東北地方、北海道とは大分かわ
つて参りまして、県によりまして若干の違いがございますが、平年と申しますか、過去四箇年にかなり接近しているところ、あるいはむしろそれを多少オーバ一するような所も見受けられるのでございます。茎数につきましては各県とも四箇年を上まわ
つております。穂数につきましてはこれまた若干平年を上まわる状況を示しておるのでございます。関東におきましては、草たけは多少短かいという傾向がございますが、
相当分蘖数が多い等の
関係がありまして、穂数の見通しといたしましては、四箇年平均を上まわるという推定をいたしておるのでございます。
十ページは北陸地方でございますが、北陸地方はごらんのように草たけについては新潟がちよつと平年に及びませんが、その他はおおむね平年に近づいております。茎数につきましては、各県とも平年を若干オーバ一しておりますし、穂数につきましても平年並もしくはやや多目ということが期待されておるのでございます。
次は、十一ページは東山地区でございますが、東山地区につきましては、ごらんのように長野県におきましては若干短稈でございますが、茎数は多い。穂数の推定といたしましても若干平年を上まわる。山梨県につきましては茎数、草たけとも四箇年平均を上まわり、穂数につきましはほぼ平年程度。岐阜につきましては草たけ、茎数とも四箇年を上まわりまして、穂数は平年よりも若干多い見込みだということになろうかと存じます。
十二ページは東海、近畿地方でございますが、東海、近畿へ参りますと、静岡、愛知あるいは下の方の大阪、京都、兵庫、和歌山等をごらんいただきますと、草たけが平年をずつと上まわるというような状況が見受けられるのでございます。つまり東海道から以西になりますと、関東以北とは多少できの趣がかわ
つておりまして、北がいわば短稈、多蘖の傾向を帯びております。これに対しまして東海以西になりますと短稈というよりもむしろ草たけは長い。にもかかわらず茎数といたしましては、やはりかなり多い。それらの
関係からいたしまして、穂数といたしましてもかなりの期待が寄せられるという状況にあろうかと存ずるのでございます。
十三ページは四国、中国地方でありまして、十四ページが九州でございます。四国、九州につきましては、ただいま申し上げましたような東海あるいは近畿地方の傾向がほぼこれに適用されますが、特に十四ページの九州についてごらんいただきますと、福岡を除きましたその他の県におきましては、特に草たけが高いというのが特色でございます。これに対しまして茎数はそれほど多くない。穂数はほぼ平年程度が期待される、あるいは若干落ちるかもしれない。九州あるいはその他の西南地方におきましては、株割があまりよろしいとかえ
つて秋落ち等の危険性等がございますが、ただいまのできといたしましては、ほぼ順調に行
つているのではなかろうかと見受けられるのでございます。
以上図をも
つてお示しいたしましたのが
作況調査部における水稲の生育概況でございます。
それから十六ページ以下は、十六ページに長い看板がございますように、昭和二十九年の県別水稲主要作業経過をここにお示し申し上げたのでございます。いささか過ぎ去
つたことでございまするから、ほんの御参考までにと思いまして、十六ページに掲げたのでございます。田植えの開始期、最盛期、終了期あるいは活着状況がどういうことにな
つておるかということをお知りにな
つていただけると思います。北の方はしばしば御説明申し上げた
通りでございますが、南の方につきましては、本年の田植えはかなりと申しますか、若干早目に推移いたしておりますし、北の方が活着不良で悩まされましたが、南の方は特に九州、四国、中国地方におきましてはあるいは近畿地方におきましては大体平年並の活着状況で、場所によりましては平年よりもよろしいというような状況を示したのでございます。
それから十八ページ以下は、ただいま県の全体面積といたしまして用植え状況あるいは活着状況等を御説明いたしましたが、県内の地方別に見ました場合にそれがどういうふうにな
つておるかということを、御参考までに掲上いたしたのでございます。たいへん長くなりますから、この県内の地域状況は御説明を省略させていただきたいと存じます。
それから次に参りまして、また長い表題が出ておりますが、「昭和二十九年統計
調査部気象感応
試験における水稲生育経過の概況」という刷り物がございます。これは八月一日の
調査を命ぜられまして、十一日でございましたか、御報告申し上げましたが、いわばあれに連続するものでございます。御
承知のように、気象感応
試験はそれ自体特殊の目的を持
つておりますし、また農家一般の栽培状況等とは趣をすつかり異にいたしておりまする
関係上、気象感応
試験は特に量的な数値につきまして一般とは
相当異なりますが、一応気象と作物の稲との
関係を質的に御理解、御
検討いただく資料といたしまして(八月一日の
調査に引続いたものとしてこれへ掲上いたしたのでございます。
内容につきましては五ページ以下からずつと始まるわけでございますが、多少この前掲げましたので、重複いたしまする点は省きまして、今度は全国をここに表示いたしたのでございます。
五ページの看板にもございますように、旭川における気象感応
試験の、しかも直播栽培の場合でございまして、六ページは同じく旭川における気象感応
試験の冷床栽培の成績でございます。直播は特殊でございますから、全国的ではございませんので、冷床栽培のところで表の見方と申しますか、書いてあることだけを御説明申し上げますと、黒い
部分が昨年でございまして、白い
部分が今年ということでございます。草たけ、茎数につきまして今年の田植え後二十日以後どういうふうに今年の稲が育
つて参りましたかということをグラフをも
つてお示し申し上げたのでございますが、早生、中生、晩生、それぞれ一品種ずつをと
つたのでございます。
内容につきましては時間が長くなりますので、省略いたしたいと存じます。それが気象感応
試験地におきまする生育経過の概要を示した表でございます。それから今度は薄い横に書いた二、三枚の紙がございますが、表題といたしましては「昭和二十九年八月十五日水稲被害概況」という看板にな
つております。それをめく
つていただきますと、先ほど野田部長が御説明申し上げましたことが、重複しておりまするが、またあらためて出ておるのでございます。第一ページの表は八月十五日現在におきまする被害面積が、過去四箇年平均に対しましてどういう
関係にあるかということをお示し申し上げたのでございます。いもち等につきましては、すでにごらんの
通り、先ほど部長が申し上げましたように、面積といたしましては大分多くございます。風水害につきましては平年をはるかに下まわ
つております。また螟虫につきましては、これは過去四箇年の平均をかなり上まわ
つておる被害面積でございます。ところがそれに対しまして二ページの減収量の表をごらんいただきますると、風水害につきましては、減収量は平年より本年ははるかに低くございますが、合計欄でごらんいただきますと、稲熱病につきましてはこれまた面積は多か
つたが減収量といたしましては平年よりもはるかに少い。但し螟虫につきましては平年よりは若干多い減収量が見込まれておるという状況でございます。
なお三ページにつきましては、今申し上げたようなことを過去四箇年に対する本年の比率をも
つてお示し申し上げたのでございます。申し遅れましたが、この過去四箇年と申しまするのはやはり八月の
調査でございまして、最終的な実収時における被害量ではございません。その点をお含み願いたいと存じます。
四ページ以下はこれを県別にいたしましてお示し申し上げたのでございます。その表につきまして私から補足いたしまする点は、大要以上の
通りでございます。
先ほどたいへん手違いをいたしまして恐縮いたしましたが、ただいまお手元に届いたようでございますから、その刷りものにつきまして一、二補足をいたしたいと存じます。
お手元にお配りいたしましたのは五種類ございますが、第一番目の表は「北
日本における昭和二十九年水稲品種別作付面積」という看板にな
つております。これは看板の
通り各県別でございまして、これの県内あるいは北海道内の地域別の状況につきましてはナンバー二に出て参ります。
それから第三号の印刷物でございますが、これは看板にございますように「北
日本における昭和二十八、二十九年水稲苗代種類別面積及び苗仕立様式別木田作付面積」でございます。たいへん表題がくどくございますが、要は水稲の種類別の苗しろ面積と、それからさようないろいろの苗しろでつくりました苗を、今度は植えつけました本田の面積とは、普通大体パラレルに参りますが、若干その間に差が出て参ります。かような
関係で苗を仕立てました様式別に本田の面積を調べたというのでございます。
それが第三号の印刷物でございまして、第四号はただいま申し上げました水稲苗しろ様式別
調査の北海道内あるいはまた各県内の地域別の状況をお示し申し上げたのでございます。
第五にございますのは、たとえば保温折衷苗しろにかけられておる品種はいろいろございますが、どういう品種がどういう地方でどういうふうにな
つておるか、つまりおくてが保温折衷苗しろにかけられておるのか、あるいはわせが保温折衷苗しろにかけられておるのかというような点等を
検討いたしたいと思いまして、
調査をいたしました結果をここに並べたのでございます。実は一日、二日前にできましたので、つく
つた当人の私がまだ不勉強でございますが、さような印刷物ができ上りましたのでお手元に差上げたのでございます。これはことし私らといたしましては、当初にも申し上げましたように、北
日本の品種あるいは苗しろの改善ということが農家並びに指導者の間で非常な意気込みをも
つて実施されましたし、またわれわれの
作況被害の
調査という立場からいたしましても、品種あるいは苗しろの変遷をしつかり握るという必要がございますので、一県平均いたしまして三千戸、もしくは大県では五千戸の農家をランダムに任意抽出をいたしまして、その農家の状況を
調査いたしまして、それから得ました推定値でございます。
一つ二つだけ補足いたしますると、先ほど野田部長からもちよつと総括的に御説明がございましたように、第一号の印刷物の二ページから三ページ、ずつとそこらにわたりましては、おもなる品種につきまして、昨年に対して本年の作付がどういうふうにかわ
つておるかということをとりまとめたのでございます。そこで補足いたしますと、北海道におきましては、従来から
相当の作付面積を持
つておりました農林二十号、あるいは有名な品種でございました富国あるいは栄光というような品種が非常に激減をして参りまして、それにかわりまして照錦でございますとか豊光とかいう品種が急速な勢いで普及しておる、あるいは早生錦が普及しておるということが見受けられるのでございます。北海道における品種の動きというものは非常にはげしいということがごらんいただけるかと存じます。
なお四ページに参りますると、これは青森から北関東、北陸の状況を示しておりますが、有名な地方早場、ごくわせ品種として有名でございます農林一号をごらんいただきますと、その主たる作付地でございます北陸地方は、軒並に若干減少を見ております。新潟では二割、富山では一割四分、石川では七分、福井では一割一分というように主産地の農林一号が軒並に減少しておる状況を示しております。
なお飛びまして農林十号でございます。昨年の低温下におきまして福島県の浜通地方で非常に問題になりましたごくおくての農林十号でございますが、これの状況をごらんいただきますと、福島県におきましては若干減りまして、対前年比が九三%というような状況を示しております。しかしながらその減り方は必ずしも顕著でないように見受けられるのであります。なお福島県その他で昨年いろいろと注目されました農林二十一号につきましては、五ページの一番右のところにございますが山形、福島において若干減少を示しております。
それから六ページ、七ページにつきましては格段私から申し上げることもございませんが、飛んでいただきまして十ページをごらんいただきますと、そこに例の有名な藤坂五号、についてごらんいただきますと、各地とも
相当増加いたしております。しかし青森県におきましては二十八年においてすでに
相当の作付面積を持
つておりました
関係で、二十九年の増加は比率といたしまするとさほど大きくはございませんが、岩手その他の県につきましては非常な倍率をも
つて普及しているという状況が見受けられるのでございます。なお次の新二号でございますが、これも昨年の冷害時におきまして、宮城県その他でいろいろと注目されましたが、これも宮城県その他におきましてはおくてになると思いますが、宮城県におきましてはわずかに減
つた程度であるという状況でございます。それから恐縮でございますが、十三ページをごらんいただきますと、有名な陸羽百三十二号がございますが、東北でございますと、福島県を除きましては軒並に減少の傾向が見られるのでございます。それからその左にございます八州千本、これは昨年茨城県におきまして過晩稲ということで非常に問題になりましたが、八州千本は茨城県におきましては対前年比が三〇%というように激減を示しております。品種につきまして私から申し上げるのはこの程度にいたしまして、十六ページ以下非常にこまかく各県別に出ておりますし、また第二号の報告書にはそれが品種別に出ておりますので、重複することを避けまして、おひまの節にごらんをいただきたいと思います。
第三号の報告書について一、二補足いたしますと、第三号の報告書は苗しろの様式別の面積ということでございますが、それをめく
つていただきますと、折込表がついてございまして、実は一口に温床苗しろあるいは温冷床とかいろいろの言葉がございますが、実際に
調査をするとなりますと、いろいろ御
専門家の、あるいは実際農家の御
事情等も聞きまして、私らといたしましてはその折込表にございますような十五の種類に分類をいたしたのでございます。それぞれの特色はその右の方に地目はどうか、あるいは整地の
関係、保温の
関係、あるいは水をかける
関係がどうかというふうに幾つかの違いがございますので、それを表にいたしたのでございます。そういう分類によりまして以下
調査をいたしましたが、その概要につきましては三ページ以下にございます。要は通し苗しろにおきまして対前年比が九三・六%、若干の減少、それから水苗しろにおきましては九六・四%というように、これまた若干減少いたしまして、問題の保温折衷苗しろにつきましては七ページにございますが、対前年比率が一五〇・三%というような激増ぶりを示しておるのでございます。なお北海道におきましては、十ページにございます紙被覆苗しろというのが
相当多くございます。それから先ほど野田部長が申し上げましたいわゆる冷床苗しろ、これが十五ページにございますが、いずれも増加を示しておるのでございます。さようないろいろ種類がございすので、ごらんをいただきたいと存じます。なお苗しろに
関係いたしまして、実は野田部長から御説明いたしました当初の公表文の中にもございますが、北海道に主としてございます直播栽培につきましては、対前年比率が八〇・七%、約二割の減少を示しておりますことを御報告申し上げておきたいと存じます。
以下たいへんこまかいことがこまごまと書いてございますが、時間がございました節にでもごらんいただきまして、またいろいろとお教えをいただきたいと存ずる次第でございます。
以上たいへん時間ばかりとりまして不得要領のことを申し上げましたが、私から資料を中心といたしました補足の説明を申し上げた次第でございます。