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足鹿委員 今年度の方針として緊縮予算がとられ、その結果としてデフレを促進して行く、こういう方針が国の政策としてとられる際に、ただ
電気料金のみについて
値上げをすることの妥当でないということは、これは言わなくてもわか
つているのであります。そこで従来の一四%の引上げについては、一応輿論にかんがみて、
政府も慎重なる態度をも
つて臨んでおられることは、ただいまの御
答弁でも一応わかるのでありますが、絶対に
値上げをやらないという言明でもないようであります。特に私が関心を持ちます問題は、
農業用の
電力であります。御存じのように、本年の予算米価の上におきましては、石当り昨年の手取り米価よりも約二百数十円というものが下
つている。それで
政府が当初において
考え、あるいは
電力業者から申請のあ
つた一割四分で行きますと、石当り米の生産費に四百円こたえる。かりに一割四分が七分になりましても、
計算からい
つて二百円弱の生産コストが上る。にもかかわらず
政府自体は予算米価において、昨年の実質米価をすでに二百円以上も下まわ
つた予算を組んでいる、こういう実情に
なつておるのであります。今政策
料金の問題について、特別な
措置が講ぜられない点を御
答弁になりましたが、か
つてあ
つた政策
料金の問題は、少くとも低物価政策の基礎として低米価政策を
行つて行くということで、こういう場合におきましては、当然関連が深く
なつて来ると思うのです。米価は予算米価において押えて行く、しかも生産コストに直接響いて行く灌漑排水用等の
電力料金については、政策
料金を
考えないで、一般
料金並にこれをや
つて行くということになりますと、今申し上げましたように一四%の引上げの場合は、石当り四百円こたえる。そこに非常に大きな問題がある。米価は引上げて行く、しかし若干またこれに対して一般の物価も順次引上げて行くという場合であるならば、そのいい悪いは別として、
一つの
建前としてやむを得ないでしよう。しかし米価は押えて行く、一般の企業の根源になり物価を左右する大きな
電力というようなことについては、コスト主義でも
つてどこまでもその
会社の採算に合致するように当局も考慮して行くということでは、
農民は成り立たない。そこで仄聞するところによりますと、あなた方の方では何か六%程度のものをすでに御研究になり、関係方面ともいろいろと事務的な打合せを逐げられて、やや成案に近い
段階まで来ておると私
ども聞いておるのでありますが、今のお話では上るとも上げないともはつきりとした御言明でなか
つたようであります。近く
結論に達するであろうということでありますが、その
結論としては若干の引上げの方向へ向
つて進まれて行くのであるか、いかような方針で対処しておられるのでありますか、この際できればその間の
事情が聞かしていただきたい。そういうことがないならないでけつこうであります。