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1954-05-26 第19回国会 衆議院 農林委員会 第51号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年五月二十六日(水曜日)     午前十一時一分開議  出席委員    委員長 井出一太郎君    理事 足立 篤郎君 理事 佐藤洋之助君    理事 綱島 正興君 理事 福田 喜東君    理事 金子與重郎君 理事 芳賀  貢君    理事 川俣 清音君       秋山 利恭君    小枝 一雄君       寺島隆太郎君    吉川 久衛君       足鹿  覺君    井手 以誠君       稲富 稜人君    中澤 茂一君       中村 時雄君    安藤  覺君       河野 一郎君  出席国務大臣         農 林 大 臣 保利  茂君  出席政府委員         農林政務次官  平野 三郎君         農林事務官         (農林経済局         長)      小倉 武一君         農林事務官         (畜産局長)  大坪 藤市君  委員外出席者         農 林 技 官         (畜産局競馬部         長)      井上 綱雄君         専  門  員 難波 理平君         専  門  員 岩隈  博君         専  門  員 藤井  信君     ――――――――――――― 五月二十六日  委員井手以誠君及び中澤茂一辞任につき、そ  の補欠として島上善五郎君及び稲富稜人君が議  長の指名委員に選任された。 同日  委員島上善五郎辞任につき、その補欠として  井手以誠君が議長の指名委員に選任された。     ――――――――――――― 五月二十六日  昭和二十九年四月における凍霜害被害農家に  対する資金融通に関する特別措置法案内閣  提出第一八一号) 同月二十五日  桑樹凍霜害対策確立に関する請願増田甲子七  君紹介)(第四九七八号)  同(小川平二紹介)(第四九七九号)  同(中澤茂一紹介)(第四九八〇号)  同(松平忠久紹介)(第四九八一号)  同(吉川久衛紹介)(第四九九六号)  同(降旗徳弥紹介)(第五〇〇六号)  農林省岩手種畜牧場用地転用反対に関する請  願(田子一民紹介)(第四九八二号)  保温折衷苗代設置に要する温床紙購入費国庫補  助に関する請願降旗徳弥紹介)(第五〇〇  七号)  晩霜害対策確立に関する請願大石ヨシエ君紹  介)(第五〇一四号)  大製パン工場設置反対に関する請願中村庸一  郎君紹介)(第五〇一五号)  同(天野公義紹介)(第五〇三八号)  鹿屋市に国立茶業試験場設置請願永田良吉  君紹介)(第五〇二二号)  鹿屋市に酪農試験場設置請願永田良吉君紹  介)(第五〇二三号)  酪農振興法制定に関する請願生田宏一君紹  介)(第五〇二四号)  同外一件(荒舩清十郎紹介)(第五〇四八  号)  凍霜害対策確立に関する請願小川平二君紹  介)(第五〇二五号)  同(萩元たけ子君紹介)(第五〇六一号)  高隈ダム建設に伴う犠牲者補償費増額に関する  請願永田良吉紹介)(第五〇二九号)  四国西部地区高度集約酪農地区に指定の請願  (中村時雄紹介)(第五〇八〇号)  隈戸川護岸工事建設促進に関する請願鈴木義  男君紹介)(第五〇八二号) の審査を本委員会に付託された。 同日  日本中央競馬会法案に関する陳情書  (第三一一〇号)  蚕業技術員身分安定に関する陳情書  (第三一二四号)  購繭資金に対するスタンプ制度継続に関する  陳情書  (第三一二五号)  積寒法等による団体営土地改良事業割当予算  増額陳情書  (第三一二六号)  麦病害虫防除に対する国庫補助金の復活に関す  る陳情書  (第三一二七号)  生糸輸出確保措置促進に関する陳情書  (第三一二八号)  新規の都県営かんがい排水事業承認陳情書  (第三一  二九号)  急傾斜地帯農業振興臨時措置法による事業促進  に関する陳情書(第三  一三〇号)  主要食糧配給計画の改正に関する陳情書  (第三一四九号)  桑園の凍霜害による損失補償等に関する陳情書  (第三一五〇号)  茶、桑、ラミー並びに葉たばこの凍霜害に対す  る国庫助成陳情書  (第三一五一号)  畜産団体強化等に関する陳情書  (第三一七〇号)  桑園の凍霜害による損失補償等に関する陳情書  (第三一七二  号)  ひよう害に対する早期救済に関する陳情書  (第三一七三号)  外米配給中止に関する陳情書  (第三一七四号)  食糧の価格と輸入計画に関する陳情書  (第三二一〇号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  農地等における電柱敷地補償料に関して参考人  招致の件  奄美群島復興特別措置法案について、地方行政  委員会連合審査会開会申入れの件  日本中央競馬会法案内閣提出第一二六号)  昭和二十九年四月における凍霜害被害農家に  対する資金融通に関する特別措置法案内閣  提出第一八一号)     ―――――――――――――
  2. 佐藤洋之助

    佐藤(洋)委員長代理 これより会議を開きます。  日本中央競馬会法案を議題にいたしましてその審査を進めます。昨日に引続き質疑を継続いたします。稲富委員
  3. 稲富稜人

    稲富委員 それでは畜産局長にお尋ねいたします。この前私競馬会法案に対しまして、質問継続中で中断いたしておりましたので、引続きお尋ねいたしたいと思うのでございますが、要は明朗なる競馬を行うということが最も必要だ、かように考えるわけでございまして、その点につきましては、現在の国営でやるのと民営にするのと、競馬執行にはたしてどれだけの真価があるか、真価というのは、いわゆる明朗なる、しかも公正なる競馬をやるという点においてどういうような見通しがあるか、この点ひとつ承りたいと思います。
  4. 大坪藤市

    大坪政府委員 ただいま、競馬は明朗に行うべきものであるという御意見でありまするが、まさにその通りと思うのであります。明朗に競馬を行いまするためには、競馬施行する施行者にその人を得ますと同時に、なお競馬場等施設につきましても相当の施設を完備いたしまして、人的、物的施設とも内容が充実するということが最も必要じやないかと思うのであります。現在物的施設の面におきましては、政府予算等関係もありまして、私どもがいろいろ希望いたしますところの施設改良というのは、まつたく行われないような実情にあるのでありまして、その点につきましては、適切なる民営施行主体にこれを移行しました場合におきましては、その人を得ました理事者によつて、国の予算等に拘束されることなく、実情に即して適切な改善がはかられると思うのであります。同時に現在国営競馬におきましては、国自体がこれを施行いたしておるのでありまするが、かかる競馬のような事業につきましては、施行者というものが即監督者と申しまするか、これが一本になつておるということは、必ずしも最善の策ではないのでございまして、国というものはいわゆる厳正公平の立場からこれの監督をする。施行主体は別に国から切り離しまして、国の厳重な監督のもとに施行するということが、より明朗であり、公正な競馬施行し得る、かように私ども考えておるのでありまして、現在の国営競馬につきましては、その点につきまして、国自身施行主体なつておることは好ましくない、かように考えておるのであります。そういう意味合いにおきまして、ただいま御意見のような御趣旨によりまして、日本中央競馬会という特殊法人を設立いたしまして、国が行つております競馬当該競馬会に引継いで行わしめたい、かような趣旨で提案いたしておる次第であります。
  5. 稲富稜人

    稲富委員 公正なる競馬を行うということに対しましては、畜産局長としてもその点を十分念頭に置いておられるようでございますが、しからば次にお尋ねしますのは、その公正なる競馬を行うということに対して必要な条件は、今も御答弁のありましたように、その競馬をやる受入れ態勢の問題であると同時に、この受入れ態勢を構成する人的要素というものが当然必要だと思うのであります。そうなりますと、これは先日の委員会でも問題になりました、十三条の構成メンバ一の役員でございますが、役員の中に馬主が入る、こういうようなことがもしもあるといたしますと、たとい明朗な競馬でありました場合でも、一般から見ると、役員競走馬のために明朗でないというような疑点を持たれる場合が多いと思います。たとえばスタータースタートを切る。ところが十分なスタートでなかつたとしてスターターカンパイする。そのカンパイに対して一般観衆は、馬主持馬が出遅れたためにカンパイしたのだ、こういう疑点を持たれるということが競馬にはよくあることでございますから、そういう点から言つて馬主役員メンバーに入るということは、明朗な競馬が行われないというような疑いを持たれるおそれがあると思いますので、十三条の構成メンバー役員の中には、馬主のごときいかにもそういうような疑点を持たれるような方は役員になれないということを明文にうたう必要があると考えるのでございますが、これに対してどういうようなお考え局長としてはお持ちになつておるか、伺いたいと思います。
  6. 大坪藤市

    大坪政府委員 馬主中央競馬会役員になるというような点に関連いたしまして、競馬を公正に執行させるためには、理事者競馬そのものに直接の利害関係を持つておる馬主であるということは好ましくないというような御意見でありますが、理論といたしましてはまさに御意見通りではないかと考えるのであります。ただ本法案内容にもうたつてあります通り役員任命につきましては、理事長につきましては農林大置が直接これを任命する、その他の役員につきましては、農林大臣理事長任命承認を与える、こういうようなシステムをとつているのでありまして、馬主の中にもいわゆる高潔な人格者と申しますか、しかも競馬そのものに非常な経験と知識を持つておられる非常にりつぱな方も相当あられますし、また今までの長い間の競馬そのものにつきますいろいろの伝統と申しますか、そういうような点もありますので、法律上当然の欠格要件といたしましては、私どもとしてはそこまで行く必要はないのではないか。農林大臣が認可し、あるいは任命をいたします場合に、その点よく当該馬主理事者となるべき者の人格その他各般の事情を勘案いたしまして、その辺を考慮いたしますれば、法律上当然の欠格要件まで持つて行く必要もないじやなかろうかという見解のもとに、法律上当然の欠格要件といたしましては差控えておる次第でありますが、理論といたしましては、ただいまの御意見通りだと思うのであります。
  7. 稲富稜人

    稲富委員 ただいまの問題でありますが、もちろん農林大臣任命しますので、人格高潔なる馬主の中から選ぼうというようなお考えは当然であろうと思うのであります。とてろがたとい馬主はどんな人格高潔な人といえども持馬というのはそうは行きません。やはりスタートが悪いということも出て来ると思う。そういう場合にスターターカンパイする。そのときたまたま人格高潔なる馬主役員の馬が遅れたという場合に、一般観衆はどう見るかというと、やはりそういう役員の馬であつたためにカンパイしたのだ、こういう疑点を持たれることが往々にしてあると思う。そういう点から、そういう一般の疑問を持たせることをなさらないようにするためには、そういうことは当然前もつて避くべきである。これは理論と実際上の問題でありまして、当然避くべきである。それで立法にあたりましても、かりそめにもこういうような疑いを持たれるような場合に対しましては、当然これを法的に最初から決定しておくことが必要であるというふうに考えるわけでございますが、これに対して、あなたの方では、やはり絶対にそういうことはないということを考えられるのですか。
  8. 大坪藤市

    大坪政府委員 ただいまの御意見はまさにその通りじやないかと考えられるのでありますが、競馬につきましては、これは全然本法とは関係のないことでありまするが、従前日本競馬会という特殊法人競馬施行しました当時におきましては、逆に競馬について特別に認識を深めるため、あるいは競馬についての熱を持たせますために、理事につきまして馬主たることを慫慂したような時代もあるのであります。そのことがいいか悪いかという点につきましては、ただいまの御意見通りに弊害の点が多かろうかと思うのでございまして、従いましてその後そういうふうに馬主たることを慫慂した事例はないのでありますが、そういうようないきさつもあり、かたがた農林大臣任命、認可いたします場合に、そういうような点をよく考慮いたしますれば、御承知のように馬主は、競馬につきましては長い経験と、競馬について非常に熱心な方がおられますので、全部の馬主さんにつきまして、当初から法律上当然の要件として欠格要項にいたしますることについては、いささか行き過ぎではなかろうかという私ども見解のもとに、一応当然の要件といたしましては馬主欠格条項の中に入れていないというようなかつこうになつております。
  9. 稲富稜人

    稲富委員 次に第十七条の運営審議会問質であります。この運営審議会を置くことに対しては、われわれは異議を唱えるものではございませんが、この運営審議会というものは、理事長意見を述べることができるということになつているわけでございますが、この意見がどこまでも意見であつたならばいいけれども、かりそめにもこれが競馬圧力を加えるというようなことにでもなりますと、せつかくの明朗なる競馬というものが、その圧力のために行われないこともあると思うのでございますから、この審議会委員に対しましての選任等十分考慮さるベきものであると思うのでありますが、この意見というのはどの程度意見であるか、どういうような見解を持たれておるのか承りたい。
  10. 大坪藤市

    大坪政府委員 御意見通り競馬施行につきましては、まつたく厳正公平かつ明朗に施行いたすことが眼目でありますが、同時に民主的な運営も必要ではなかろうかと思います。その意味におきまして、学識経験者等からなる運営審議会を設けまして、理事長その他執行機関諮問機関といたしまして、各般競馬重要事項につきまして調査、審議し、あるいは理事長その他に意見を申し述べるというような制度を設けておるのであります。従つてこの運営審議会は、そういう意味合いにおいて、競馬を公正明朗に施行するためにきめわて重要な機関として私ども考えておりますから、理事者といたしましては、当然その意見を尊重すべきものであると考えるのであります。ただしかしながら、これはあくまで意見を申し述べるのでありまして、最後決定権はもちろん理事にあると考えるのでありまして、その点は各般のいろいろな問題の場合に審議会が設けられておると同じように、その意見は尊重すべきものであるけれども、結局決定権そのもの理事長にあるというようなことで、御了承を願いたいと存ずるのであります。
  11. 稲富稜人

    稲富委員 次に競馬を行う上におきまして、最も競走関係のある騎手身分保障のごときは、当然考えらるべきものであると思うのであります。身分保障をしないと、騎手が誘惑に陥るという機会も多いと思いますので、この点は十分考慮する必要があると思いますが、これが国営から公営になつた場合のこれに対する考慮が払われておるかどうか、この点ひとつ承りたいと思います。
  12. 大坪藤市

    大坪政府委員 競馬を公正に施行せしめますためには、まずその一つとして騎手身分保障が必要であるということは、まさに御意見通りかと思うのであります。これは何も騎手ばかりではなしに、競馬施行いたします職員、たとえば裁定員でありますとか、スタート関係する職員でありますとか、あらゆる職員身分保障されまして初めて厳正公平な競馬ができると考えられるのであります。従つてこれは日本中央競馬会の組織と申しますか、構成関係におきまして、それらの関係十分定款業務規程その他の点におきまして規定いたすべき筋合いのものではなかろうかと考えております。従つて法律そのものといたしましては、それらの関係につきまして、騎手だけを抜き出してどうこうするというようなことには参らぬのでありまして、これは騎手ばかりではなしに、すべての職員身分保障というものが当然関連して来る問題でありますので、この点につきましては、日本中央競馬会設立あかつきにおきましては、御意見趣旨をとくと考慮いたしまして、そういうような不明朗な騎手身分関係になることがないように措置いたしたいと考えるわけであります。
  13. 稲富稜人

    稲富委員 現在の状態においては、スターターあるいは審判員一つ職員だと思いますが、騎手職員ではなく、別個の一つの存在になつておるのです。これに対してただ取締ることのみをもつて服従させようということはどうもおもしろくない。これに対しては何らかの保障を与えて、そのかわりこれに対する制裁をするという考え方でやらなければならぬ。身分の方は何ら保障しないで、取締ることのみではいけない。そういうことをしておいて、危険な、しかもその競走の先頭に立つておる騎手にだけ明朗な競馬をやれということは無理だと思う。これらに対しては、やはり当然主催者として身分保障をすると同時に、こちらの要求に忘じさせる、こういうことが最も必要だと思うのであります。しかるに騎手というのは、御承知通り非常に封建的な社会に育つているし、主催者よりも、ほかのものの圧力が加わることが多いというような立場に置かれてありますので、将来これが国営からさらに民営になりますならば、この点に対しては、特に私は考えなくちやいけない問題じやないか、こういうように考えているわけであります。この点を十分考えられる御意思があるかどうか、そういう点のお含みがあるかどうか、重ねてお伺いしたいと思います。
  14. 大坪藤市

    大坪政府委員 騎手身分保障待遇の問題についての御意見かと思うのでありますが、御意見通り、現在におきましては、騎手身分並びに待遇の点につきましては、必ずしも十分とは言えないのであります。その点につきましては、すでに御承知通り政府予算において施行いたします場合におきましては、騎手等についても、特別の経済的な援助と申しますか、そういうような措置が、実際問題として予算等の拘束においてなかなか困難であるのであります。従つて現在におきましては、私どもとして、いわゆる騎手経済的な問題の改善という点につきましていろいろ努力いたしておるつもりでありますが、なお予算その他の関係で、十分にこれを実行し得ないのであります。幸いに中央競馬会に切りかわりましたあかつきにおきましては、それらの点についてゆとりのある予算執行等ができる予定でありますので、騎手身分保障と同時に、騎手経済的な問題につきまして、さらによりよいような制度に切りかえるように努力いたしたい、かように考えるわけであります。
  15. 稲富稜人

    稲富委員 最後にお尋ねいたしたいと思いますが、現在国営で行つている競馬が、この競馬会法制定によりまして法人競馬を行うということになりましたら、どれほどの国家的な利害があるか、ひとつ結論を承りたいと思います。
  16. 大坪藤市

    大坪政府委員 ただいまの御意見は、きわめて困難な問題じやないかと思うのでありまして、いわゆる国家的な利害関係、こういうような点につきましては、あるいは財政上の観点から論じました場合に、現在の見込みにおきましては、国の収益そのものについては、大体において現在と同等程度考えているのであります。なお競馬そのものの本質から考えましてのいわゆる国家的な関係におきましては、大体において国というものはみずから競馬施行しないで、適切なる団体にこれを施行せしめまして、国は厳重な監督をするということが国家的な利益に一致する、かように考えておるのでありまして、現在国自身がこれを行つておりますよりも、国の利益はその意味合いにおいてさらにその目的に合致する、かように考えているわけであります。
  17. 河野一郎

    河野(一)委員 関連して。今までつい私もちようだいしなかつたのですが、競馬民営に切りかえましたときの大体の予算というようなものはあるのでしようか、ないのでしようか。もし政府の方にありましたならばちようだいしたいと思います。また今の騎手説明で、民営になればゆとりも出るということでしたが、現在の予算の組み方も、大体一割五分くらいのものを競馬運営に使つていると思うのですが、それらのところを御説明願いたい。
  18. 大坪藤市

    大坪政府委員 中央競馬会に移行いたしました場合の収支予算は、私どもといたしまして一応概定をいたしておるのであります。その場合におきまする売上高につきましては、大体百三十七億見当売れるという想定のもとに……。
  19. 河野一郎

    河野(一)委員 それがちようだいできればいいのです。
  20. 大坪藤市

    大坪政府委員 手元に大体の数字を持つておりますので、差上げることにいたします。
  21. 河野一郎

    河野(一)委員 先般私は、馬事公苑等を持つておるとかえつてむだな金が出る、こういうふうに申し上げたのは、いろいろ民営競馬になると、現在のようなやり方でなしに、もう少し合理的に運営さすことにしなければならなかろうと思うのであります。たとえば今騎手の話が出ましたが、騎手だけではない、調教師の生活をどういうふうにして保障して行くか、ないしはまた馬主経済をどういうふうに考えて行くかというようなこと等も、この際十分検討されるべき性質のものだと思う。同時に現在では競走馬が非常にふえて参りまして、一ころのように競走馬が少かつた時代違つて、非常にふえて来ましたから、馬主経済が非常に立ちにくくなつて来た。そして最近は出走馬もふえて来ましたので、競馬事故が非常に多くなつて来ております。馬の事故についてはどういうふうに保障されるかというようなことも考えなまればならぬだろうと思うのですが、この予算をきめるのはどういうふうにしてきめられるのか、今ここでちようだいしました、これは予想でしようが、これが民営競馬に切りかわつた際には、だれがどこでどういうふうにきめるのか、その順序をお聞かせ願いたい。
  22. 大坪藤市

    大坪政府委員 中央競馬会に切りかわりました場合の予算の編成の問題でありますが、これは中央競馬会といたしまして予算を決定いたしまして、農林大臣の認可を得る、こういうようなかつこうに相なつて参ると思うのであります。
  23. 河野一郎

    河野(一)委員 中央競馬会として決定するのは、それは審議会の議を経るのでございましようか。
  24. 大坪藤市

    大坪政府委員 第十七条の第三項におきまして、「理事長は、前条に掲げる事項については、同条の議決前に、運営審議会意見を聞かなければならない。」こういうことになつておりまして、当然にその意見を聞くということになつておるわけであります。つまり事業計画収支決算、そういうような経理上の重要な計画につきましては、当然運営審議会意見を聞くということになつておるわけであります。
  25. 河野一郎

    河野(一)委員 開催費というものは七億四千万円もかかる予定ですが、開催費というものは、ごく大ざつぱでいいのですがどんなものですか。
  26. 井上綱雄

    井上説明員 開催費の内訳といたしましては、諸謝金として、人馬の死傷の見舞金、それから御承知のように医者や看護婦がおりますが、その救護謝金、それから警備の謝金、これは国警あるいは自治警等の人が出て参りまする場合、ごく簡単なお昼の食事等を出しておる費用であります。それから開催に要する旅費、開催物品費であります。この内容は備品と消耗品にわかれますが、これは特に説明する必要もないかと思います。それから開催の賃金、開催役務費……。
  27. 河野一郎

    河野(一)委員 その程度でけつこうです。開催費七億四千六百万円とあるんですが、私はこれが非常にかかり過ぎると思うんです。この内容をひとつごく大ざつぱでいいですから、あとで書いて出してもらいたい。この開催費がかかり過ぎるということでいろいろ意見もあると思うんです。ほかのものは大体了承できると思いますぎ、この開催費が非常に多過ぎる。  それから諸積立金というのが六千六百万円ありますが、この六千六百万円は一体どういう積立金ですか。
  28. 大坪藤市

    大坪政府委員 おもなるものは減価償却積立金でございます。
  29. 河野一郎

    河野(一)委員 減価償却というのはどういうものですか。
  30. 大坪藤市

    大坪政府委員 国から中央競馬会に移しました現在の国営競馬場の施設、建物その他の固定資産の減価償却の積立金であります。
  31. 河野一郎

    河野(一)委員 こういうものを置くことも、これは一方において営繕費が相当ありまするので、なるべくこういう経費は少くして、そして競馬開催の本来の目的を達成するように考えなければなるまいと思うんです。これは私がここでこういうことを申し上げるのは、現在の競馬開催の方法については、一般競馬のフアンとか関係者は非常に不満が多いんです。今のやり方では困る、これはどうしても戦前の軍馬補充部時代の感覚が残り過ぎている。こういうところに非常に意見があるわけです。だからよほど競馬開催の方法を思い切つてかえて行かなければならぬ、かえてほしいという意見が多いわけです。そういうこと等について、せつかく民営になりましても、へんな言葉ですが、官僚的な色彩であるとか、官僚的な取締りの感覚というものがありますと、どうしてもそういうことが思い切つてかわつて行かないんです。これらについてはよほど御考慮をわずらわしたいと思うわけです。  もう一つ、もし時間が許されるならば、この議会にこの委員会の速記録にとどめておきたいと思うのは、これからの競馬開催について、農林当局がどういうふうに考えておるかという、あたりまえのことをあたりまえのように速記録にとどめておきたいんです。これは民営に移りかわる際でありますから、これから人がかわつて、不必要な政府取締りや干渉はかえつてよろしくないということになるのでございますが、またそういうことについて、先般の大臣の民営競馬に移りかえるときのごあいさつだけでは不十分な点が非常に多い。これらについてどう考えられるか。  またもう一つは、くだらぬことのようですけれども、この法律によりますと、一般の登録をやることになつております。たとえば馬服の登録までやることになつております。そこで問題になりますのは、これもあまり露骨に申すのはどうかと思いますけれども、関西方面の競馬を見ますると、一人の馬主が多数の馬を持つてつて、同一の競馬に数頭の馬を出場せしめて、そして公正を疑うようなレースがままあるということが言われております。また別の意味から申しますると、これもある地方といたします。ある地方の国営競馬では、賞金を馬主がわけ合つている。そうしてこのレースにはどの馬が勝つて、どれがどうなるということになつておるから、馬券の売上げがそのために非常に減退しておる競馬もあるわけであります。そういうことに堕落して参りますると、八億の賞金をわけ合うということになる。たとえば外国産馬の共同購入をやる。そうして外国産馬のレースを一レース組みますと、そのレースは必ず外国産馬が順番に勝つことになるということになります。そういうことのために、よほどそれらについこ考慮を払いませんと、競馬が非常に堕落をして参ります。その堕落の結果は、馬券の売上げが極端に減つて来るということになるのでありますが、それらのことは一体競馬会にまかしておいてよろしいかどうか、こういう点についての配意はどういうことになつておるという御意見を、ひとつ承つておきたいと思います。
  32. 大坪藤市

    大坪政府委員 現在やつておりまする国営競馬につきましては、関係者その他から非常に不満が多いというおしかりのお言葉でありまして、私どもといたしましても、その点につきましては、常にさようなことのないように努力いたしておるつもりでありまするが、御承知のように現在は国営競馬でやつておりまするから、国の予算なり、あるいは国の各般の法規、そういうものに拘束せられまして、いわゆる機動性あると申しまするか、そこにゆとりのある競馬執行というものが、いろいろな拘束の面でできないという非常な障害があるのであります。そのために私どもといたしましては、その点は常に考えておるわけでありまするが、事の性質上、全部が全部御期待に沿うようなことができないという非常な悩みがあるのであります。今回国営競馬中央競馬会に切りかえたいという趣旨も、実はその点にあるのでありまして、国自身が国の法律、命令その他予算に拘束されてできないような面を取除きたい、こういう点が今回の日本中央競馬会法案を提案いたしました一つの大きな理由であるのであります。  もう一つは、国自身国営競馬を実行いたしております場合には、なかなかいろいろな苦情なりあるいは御不満の点を十分に取入れられない、かような事情に相なるのでありまして、その点につきましては、国はあくまで監督立場に立ち、中央競馬会をしてこれを行わしめる。しかも中央競馬会には運営審議会という制度を設けまして、国と運営審議会競馬会自体の理事執行機関、この三者のうまい調節と申しますか、そういうようないろいろな苦情なりあるいは御意見なりを、その三者によりまして十分に拝聴いたしまして、柔軟性のある競馬執行と申しますか、競馬の実態に、本質に触れました競馬を実行して参りたい、これが今回中央競馬会法案を提案いたしました二つの大きな眼目であるのであります。御意見の点につきましては、私どももまさにそういうふうに考えておるのであります。それが競馬会法案を提案いたしました理由でありますので、どうぞひとつ御了承願いたいと思うのであります。
  33. 河野一郎

    河野(一)委員 運営審議会の運用については、内規か何かでおきめになるのですか。
  34. 大坪藤市

    大坪政府委員 運営審議会の議事規則と申しますか、運営審議会のやり方というものにつきましては、これは詳細に日本中央競馬会の定款、業務規則、その他の規定によりましてこれを決定して参らなくちやならぬ、かように考えておるわけであります。
  35. 河野一郎

    河野(一)委員 その規定については、あらかじめ何か用意はあるのですか、あれば参考に承れればけつこうですし、見せていただければ一番けつこうですが、ありますか。
  36. 大坪藤市

    大坪政府委員 運営審議会の議事規則その他各般の問題につきましては、目下検討中でありまして、まだ成案を得ておりませんので、御配付申し上げる段階に至つていないことを遺憾とするわけであります。
  37. 河野一郎

    河野(一)委員 運営審議会をどの程度開催されるか、運営審議会に付議すべき項目はどういうものかということが一番重要になります。これは現在の鉄道公社等の例を見ましても、従来であれば議会が鉄道の運営について相当に監督もできるということで、鉄道会館のような事件も起らなかつたと思う。ところがああいう性格というものは議会からは離れて、議会に直接責任を負うものは将来農林省だということになりますと、農林省は監督立場であつて、直接の責任がなくなつてしまうことになります。そういたしますと、一番これに対して発言をするのは運営審議会ということになる。もし運営審議会が型通りのものであれば、これはまつたく独裁的なものになつてしまう。しかもこれが今言う通りに、鉄道のように営利を目的とする、もしくは公共性を持つ事業にするということであればよろしい。ところが競馬というものは目的がすこぶる不明確であります。この点は人によつて解釈も違いますし、その場によつて意見の述べ方も違います。収入を主たる目的とすれば、利益さえ上げればよろしいということになりますから、これは簡単でありますが、収入を目的とするし、国民の娯楽を目的とするし、畜産の振興も目的とするし、いろいろな意味において目的が多種多様であります。従つて多種多様の目的を具現するためには、そこに開催の方法が中庸を得て行かなければならぬことになる。これが一人の委員長であるとか役員の指導性によつて運営されますと、他の方面で非常に不満を買うことになります。そういう意味から言つて運営審議会の運用というものは、私は非常に目的が広汎だと思う。一旦この法律が実現されることになりまして、そしてそれがいよいよ実行される場合には、運営審議会というものに非常に多くの期待を持たなければなりませんことは、他の企業の法律をつくりましても、いずれも同様なものがたくさんありますが、そこでこの審議会はどういう場合に開催されるか。ただ予算、決算をやるとか、そこに掲げてあるようなものを付議するのだという程度でなしに、積極的に意見を具申してやるという程度に行きませんと、運用の妙を期することがむずかしかろうと思いますが、それらについて、この際大体の当局が考えておられる——それは成文化されておらぬでけつこうですが、大体の、こういうふうな場合にこうだということを、この機会にお述べ願えればけつこうだと思いますが、どうですか。
  38. 大坪藤市

    大坪政府委員 競馬施行に関連いたしまして、運営審議会の機能について御意見があつたのでありますが、運営審議会の機能につきましては、ただいまの御意見通りだと思うのであります。運営審議会がその機能の妙を発揮し得ますことは、競馬を公正に施行せしめますための要件をなすものじやないかと思うのであります。従つて提案いたしました条文においても、運営審議会について強い権能——と申しますと語弊がありますが、使命を課しているのでありまして、たとえて申し上げますと、収支予算でありますとか、事業計画でありますとか、そういうようなものにつきましては、運営審議会意見を聞くということになつているのであります。同時に日本中央競馬会事業執行の根本をなします定款及び規約、これらの設定、変更というものにつきましても、運営審議会意見を聞くということになつているのであります。つまり中央競馬会の重要な事項につきましては、すべて運営審議会意見を聞くということに相なつておりますので、運営審議会執行機関というものが、これは表裏一体の関係になるのじやないかと思うのであります。つまり理事者といたしましては、常に運営審議会意見を聞いて執行するというような、大体の考え方のもとに法律を構成いたしているつもりであるのでありまして、その点につきましては、年に何回開くとかいうような筋合いのものではなしに、常時運営審議会と表裏一体をなして運営をして参るということが、本法案の精神であり、かつ競馬につきましては、いろいろ人によつて考え方も違うということは、これはただいま御意見通りでありますので、競馬が将来健全な発達を遂げますためには、各方面の意見を十分に尊重して参るということがぜひ必要じやなかろうか、こういうような意味合いにおきまして、第十六条並びに第十七条のような規定を設けてあるわけであります。
  39. 河野一郎

    河野(一)委員 運営審議会の構成はどういうことですか。
  40. 大坪藤市

    大坪政府委員 提案いたしております第十八条によりまして、運営審議会委員は、競馬関係いたしております馬主と、競走馬を生産しております生産者と、それから学識経験者、こういう大体三者に依嘱をいたすことに相なると思うのであります。
  41. 河野一郎

    河野(一)委員 あまり長く時間を拝借することはどうかと思いますから、私はこの機会に一言申し上げておきますが、最近競馬について聞きますと、とかく一人の人があまり長く同じ地位にあり過ぎるというきらいがあるのであります。これは娯楽機関もしくはああいう団体の性質から申しまして、たとえば運営審議会委員だとか、そういうものについても、なるべく更新される方がいいということを私は希望申し上げておきます。同一の人を同一の地位に長くとどめておきますと、そのためにボス的な存在になるということを私はおそれるのであります。そういう意味から、私は馬主会の役員等についても、なるべくかえることを常に主張しておる一人でございまして、将来農林省が指導されます上からいつて、同一の人を同一の地位に長くとどめないようにということを、この際特に申し上げておきます。執行機関につきましては、経験ということもありますから、これについては異議は申し上げませんけれども、そうでなしに、外部勢力はなるべく同一の人を同一の地位に長くとどめないようなことにしておく——規定に書けるかどうか知りませんけれども、そういうようにされたらよろしい。あるいは生産者にしても馬主の代表にしても、同一の人を同一の地位にあまり長く置くことはよろしくないということを申し上げておきたいと思います。  関連事項であまり長く時間を拝借することは恐縮でございますから、この程度にいたしますが、そういう点について十分考慮していただきたい。ちようだいしましたこの予算につきましても、私はこれでは不十分だと思います。これについては後刻いずれ意見を述べますが、十分御検討願いたいと思います。
  42. 大坪藤市

    大坪政府委員 御意見の点はまさにその通りかと思いますので、政府といたしましても、この点は今後の場合に大いに考慮いたす考えでございます。
  43. 佐藤洋之助

    佐藤(洋)委員長代理 福田君。
  44. 福田喜東

    ○福田(喜)委員 きのうに続きまして、残つている分をお尋ねいたします。現行競馬法第三十七条によりまして、政府昭和二十三年一月、日本競馬会の資産及び負債を承継したわけでありますが、その後日本競馬会から契約の無効の訴えが提起されております。その訴訟によりますと、国営競馬特別会計が承継した日本競馬会の方の純資産額は一億七千万円であると記載されております。政府がもしこれに敗訴するということになりますと、本法は実施不可能に陥るのみでなく、現行国営競馬そのもの継続できなくなるようなはめに陥るわけでありますが、一体政府はこれに対してどういうようなお考えでございますか。
  45. 大坪藤市

    大坪政府委員 政府が日本競馬会より承継いたしました財産につきまして、訴訟が提起されておりますることにつきましては、御発言の通りであると思うのであります。私どもといたしましては、当該訴訟は理由のないことと思いまするので、敗訴になるというような考え方は持つておらないのでありますが、裁判の問題は別といたしまして、いずれにいたしましても、国といたしましては、現在の状態のもとにおきましては、裁判のいかんにかかわらず出資をし得る状態にあるのであります。その意味合いから本法案が不成立と申しまするか、それが実行ができないというようなことにはならない、かように考えるわけでございます。
  46. 福田喜東

    ○福田(喜)委員 役員の欠格条件その他政党役員の重荷等につきましては、大体同僚委員からも聞いておられるかと思います。また修正の点も考慮されておるやに聞いておりますので、これは省きまして、いま一つ競馬運営審議会について伺います。これは理事長諮問機関なつておりまするが、これを農林大臣諮問機関として、定款の変更とか規約の設定、変更、その他競馬会の業務の運営に関する重要事項を審議せしめるようにしてはどうか。そういうふうにした方がいいのじやないかと考えられますが、この点に関する政府の御所見を承りたい。
  47. 大坪藤市

    大坪政府委員 運営審議会は、競馬を公正にかつ明朗に行いまするために、民主的組織を採用する、こういう趣旨のもとに日本中央競馬会機関といたしまして、理事競馬施行するための各般の重要な事項につきましてその意見を聞いて執行する、こういう建前のもとに運営審議会制度を設けておるのであります。ただいまの御意見は、運営審議会農林省の諮問機関にしたらどうか、こういうような御意見であります。ごもつともな御意見かと思うのでありまするが、農林大臣監督の場合の措置といたしましては、別にいろいろと考えられまするので、構成自体といたしましては、運営審議会がいわゆる中央競馬会機関として設けられた方が、競馬の公正な執行、広く意見を聞いて、それによつて競馬執行するというような建前からいたしまして、非常に合理的じやなかろうか。かような趣旨のもとに競馬会の機関として審議会を設けた次第であります。
  48. 福田喜東

    ○福田(喜)委員 今諮問機関内容の御説明があつたわけですが、競馬運営審議会というものは、本法の建前上農林大臣諮問機関にした方が、その運営の目的からいつてベターでないか。理事長諮問機関となると、権限、範囲と申しますか、国家と競馬運営との関連に対して、局限されたと申しますか、一つの目的にそぐわぬ感じがいたすわけでございます。理事長諮問機関とせずして農林省の諮問機関とした方が、この目的に沿うのではないか。なぜこれを理事長諮問機関としたか。その理由を承りたいのであります。
  49. 大坪藤市

    大坪政府委員 運営審議会農林省の諮問機関にするかあるいは中央競馬会諮問機関にするか、この点についての御意見でありますが、今回国営競馬をいわゆる民営競馬に切りかえますときの措置といたしまして、国はあくまで競馬施行の外に立つ。こういうような観点からいたしまして、国は監督立場に立つ、中央競馬会を設けて競馬そのものを実行せしめる、こういう趣旨であるのであります。従つて中央競馬会におきまして競馬執行せしめます場合に、その業務の重要な事項につきましては、広く学識経験者その他競馬につきまして、特別の知識、経験を持つておる方の御意見を十分に拝聴いたしまして、競馬執行する、こういうような立場から、中央競馬会機関といたしまして運営審議会というものを設けておるのであります。国が監督いたします場合の農林大臣監督そのものにつきましては、別にそういうような機関を設ける必要はなかろうかと思うのでありまして、競馬会が競馬業務を行います場合に、よく各方面の意見を聞いて、それによつて実行する、こういうような立場をとつて行つた方がよくはなかろうかという構想のもとに、御提案を申し上げておる次第であります。
  50. 佐藤洋之助

    佐藤(洋)委員長代理 他に御質疑はありませんか。     —————————————
  51. 佐藤洋之助

    佐藤(洋)委員長代理 この際奄美群島復興特別措置法案に関して連合審査会開会申入れの件についてお諮りいたします。  昨日議員提出奄美群島復興特別措置法案地方行政委員会に付託になつておりますが、御承知通り、本案は奄美群島の復帰に伴い、同地域の急速な復興をはかるための特別措置として総合的な復興計画を策定し、及びこれに基く事業を実施しようとするものでありますが、農林関係といたしましては、同地域における土地改良事業、林業施設の整備等については、当該事業に関する法令の規定にかかわらず、特別な国の助成が考慮されており、またこれら復興計画に基く事業予算の見積り、予算執行等に関する国の事務は総括して自治庁において取扱うことになつております。従いまして昨日の理事会の申合せによりまして、この際本案について地方行政委員会に連合審査会の開会を求めたいと思いますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  52. 佐藤洋之助

    佐藤(洋)委員長代理 御異議なしと認めます。よつてさよう決しました。  なお連合審査会の開会日時等につきましては、主管の委員長と協議の上、おつて御通知申し上げます。暫時休憩をいたします。     午後零時四分休憩      ————◇—————     午後二時二十一分開議
  53. 井出一太郎

    ○井出委員長 休憩前に引続き会議を開きます。  本日本委員会に付託になりました内閣提出昭和二十九年四月における凍霜害被害農家に対する資金融通に関する特別措置法案を議題といたし審査に入ります。  まず本案の趣旨について政府説明を求めます。保利農林大臣。     —————————————
  54. 保利茂

    ○保利国務大臣 ただいま提案になりました昭和二十九年四月における凍霜害被害農家に対する資金融通に関する特別措置法案の提案の理由を御説明いたします。  本年四月における凍霜害は、その規模において昨年の凍霜害には及ばぬものでありますが、部分的には相当の被害を生じ、また昨年、本年と引続き被害をこうむつた地域も多く、被害農家の経営に及ぼした影響は軽視し得ないものであることは御承知通りであります。政府はこの事態に対処し、被害農家が今後その農業経営を維持するのに必要とする営農資金が円滑かつ低利で融通せられるための措置を講じ、もつて被害農家の経営の安定をはかる目的をもつてこの法案を提案したのであります。  次に本法案内容の概略を御説明申し上げますれば、まづ第一は、農林中央金庫、都道府県信連、農業協同組合その他の金融機関被害農家に対して営農資金融通する場合に、その金融機関に対して都道府県、市町村が利子補給及び損失補償を行う経費の一部を国庫から助成する措置であります。すなわち今次の凍霜害により平年作に比し三割以上の被害をこうむり、且つその被害がその農家の通常の農業総収入額の一割以上である農家に対し金融機関が期限二箇年以内、年利六分五厘以内の金利で営農資金を貸し付け、その金融機関に対して都道府県及び市町村において年五分以内の利子補給及び融通額に対し四割以内の損失補償を行つた場合に、国が融資総額三億円の範囲内において当該利子補給金または損失補償費の二分の一を都道府県に対して補助しようとするのであります。  第二は、昨年の凍霜害による被害農家が再び被害をこうむつた場合の措置であります。すなわち昨年の凍霜害による被害農家で営農資金の貸付を受けていた者が、本年の凍霜害により再び被害をこうむつた場合、昨年借り入れた資金の一部につき一年以内の期間を限り期限を延長することを認め、これに対して利子補給、損失補償の措置継続して行おうとするのであります。  以上がこの法案提出の理由並びに内容の概略であります。何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決あらんことをお願いいたします。
  55. 井出一太郎

    ○井出委員長 本案に対する質疑は暫時留保いたします。     —————————————
  56. 井出一太郎

    ○井出委員長 この際お諮りいたします。過般来懸案となつておりました電柱敷地補償料に関してでありますが、昨年の暮の委員会において、東京電力の関係者を参考人として本委員会に出席、説明を願つたのでありますが、会社側のこれに対する態度もきわめて不明確でありましたので、その際委員長からも申し上げました通り、当日の本委員会会議録を東電に送付いたし、詳細にデータ等を整理した上で、もう一度本委員会に出席されるよう要望しておきましたので、近く本問題について東電の出席を求めたいと思いますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  57. 井出一太郎

    ○井出委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  なお参考人より説明聴取の日時は、委員長に御一任願いたいと思いますので御了承願います。  この際暫時休憩をいたしまして、午前中からの懸案になつておりました日本中央競馬会法に関する懇談会をいたしたいと思います。     午後二時二十六分休憩      ————◇—————     〔休憩後は開会に至らなかつた〕