○河野(一)
委員 何かわか
つたようなわからないような
答弁ですが、この
法案か通過した後においてというが、通過しなければこれはおやりにならないのですか。この
法案が通過するとかしないとかいうことと、戦災都市の復興のためにや
つておる
競馬が必要であるかないかということとは何にも関連性がないと私は思う。現に東京の各区がそれぞれ戦災復興の
意味において
競馬を主催しておる。だれが見た
つて、
日本中で、今日の農村の実情に比べて、東京の各区に
競馬を主催させて、相当の財源を得て、この金を使
つておるという理由は、われわれ全然納得できない。むしろ農林省は、進んでこういうものをやめて、
畜産の
振興のためにこの財源を戦前のように使うことが当然だと私は思う。そういう怠慢なことをしてお
つて、それで
法律がある間はいつまでや
つておるのかわからない。この
法律が通
つたならばあとで審議会を持とう。審議会は、この間私はこの
委員会の最初に言
つた通り、この前の審議会で論議をしたのです。論議をしたけれ
ども、そのときはまだおととしのことだ
つたから、大分事情が違
つてお
つたが、そういう
考えで一旦延ばしに延ばすということは大体よくない。たとえば今も
お話のあ
つた通り、現在の
競馬の運営の仕方と
民営に直したときとどう違うか、私に言わせればこれは根本が違う。
競馬のようなものは官営でや
つたり
国営でやる必要はない。これは敗戦後のああいう事態だ
つたし、連合軍の示唆によ
つて国営競馬に直したのであ
つて、われわれ国民の要望によ
つて直したのではない。一体
民営でや
つているものを
国営競馬に直したのは、アメリカがやれと言
つたからや
つただけの話であ
つて、これについては今日議論もあるのです。やれと言わぬとか言
つたとかいうような議論もあるくらいだ。そういうふうに間違
つたことを今日までして来たのだから、それをまたもとへもどして直して行くということなんです。りつぱに
民営で戦前においてや
つて来たものを、そういうことでも
つて国営に直したのだから、一日も早く民堂に直すことが妥当なことであるという
信念を持たなければいかぬのであ
つて、役人というものは、一ぺん自分
たちが握るとなかなか離しにくくな
つて来る、そういうことは非常に悪いところなんです。露骨に私に言わせれば、恩給をとる役人さんが
競馬の
開催の許可をやることはも
つてのほかなんだ。また同時に、戦災復興のために
競馬を
開催さした、戦災復興というが、今日だれが見た
つて戦災は復興しておる。それよりももつと敗戦の影響を受けておる農村に対して、各
方面において非常に悪い面が出て来ておる。そういう面に対して財源を与えて行くことは急務中の急務なのです。そういうことを怠
つておることは、私は遺憾千万だと思う。審議会を持たなければというが、審議会を持
つたら一体何になる。この前審議会を一ぺん持
つたじやありませんか。審議会の結果をどこにお使いになりましたか。何も使
つていない。一体審議会はしり切れとんぼで、
結論も出さずに、御苦労さんも言わずにやめた。このことは私がこの
委員会の初めに言
つた通りです。そういうように審議会を持つとか何とかいう一時の方便の
答弁は、私はいかぬと思う。そうでなしに、あなた方がどういうふうにしようと思
つておるかということを言われればいいのだ。
国営競馬と同様に、アメリカの命令でやめさしたのを元にもどすということは、これは
地方競馬についてもあたりまうえの話です。まだここに問題があるのは、戦前は主催するりつぱな団体があ
つたが、今日はその団体がない。私の
見解ではそこに問題があるのだ。だからそのために経過規定がいるだろうということを
考えておる。しかしいずれにしても戦災都市等に対しては——この問も戦災都市の市長が集ま
つて、この
競馬法に反対だという決議をどこかでしたそうだが、そういうでたらめな、べらぼうなことをやるのは、私は厳に戒めなければならぬと思
つておる。それからこの
競馬の益金がどういう
方面に使われておるかということ等については、十分の監督がなければいかぬと思
つておる。そういう点について監督されたことが一体ありますか、全然ないのじやないかと私は思う。これはひ
とつ十分にお
考え直しを願わなければならぬと思います。ことにこの
法案が通れば、今の
競馬部の大多数の人はいなくな
つてしまう。
競馬を監督する人間だけが役所に残
つて、あとは残らぬということになる。そうすると
地方競馬の問題についてはだれがどういうふうに
考えて行くか、
考えて行く人か違うということでありますから、この機会に
地方競馬のことについても割切
つた答弁を承わらぬと、私
たちは満足できない。
畜産局長からひ
とつ御
答弁を願いたい。