○河野(一)
委員 この機会に
農林大臣にも、今の御
答弁でありますから、お聞き及びを願いたいと思います。私ども、新しい憲法になりまして、新しい議会の経験が薄いので、
事情不案内な点が多いのでございますけれども、しかしわれわれ
国家最高の機関が国政の
審議の上において、必要な資料として
政府に要求したものに対しては、
政府はこれが秘密であるとか、これが何であるとかいうようなことは大きなお世話なのであ
つて、秘密を必要とするものは、われわれの責任において秘密にこれをいたすべきものであると、私は思うのであります。これは
委員長にもお
考えいただきたいと思うのでありますが、今度の
政府の方の
答弁書は、その意味において旧憲法時代の観念でお書きに
なつた
答弁書のように私は思う。これは仄聞するところでありますが、われわれはまだそういう
研究をいたしませんけれども、すでに参議院の方面においてはそういう
研究まで遂げて、法制局長まで呼んで、こういうものの要求に対してはどう取扱うべきかということを
研究されたということも聞いております。その結果、議員として要求したものに対しては、
政府でそれがなければしかたがない。なければないと返事をされればいいのであ
つて、それがいろいろこういう
事情を書き添えての
答弁毒、われわれとしては非常に不満であるし、同時にまたわれわれとしてこのまま了承することは、将来に悪例を残すことになると思うのであります。
従つてこの際
農林大臣も国務
大臣の一員として、
政府と国会という立場において、この問題をお
考え願うことがいいだろうということを前提にして申し上げます。
今
農林大臣から、どういうものか自分もよく
事情がわからぬからということでございましたが、
大臣御
承知の
通り、
政府は開銀を通じて二百億くらいの金を、生産費の節約もしくは改良のために出そうというのが
法案の
骨子でございますが、しかし各種の肥料の製造もしくは製造工場の改良のために、合理化のために、すでに開銀を通じて
資金が出ていることは
農林大臣も御
承知の
通りであります。これらの
資金を
開発銀行を通じて通産省あつせんのもとに出しますには、これに必要な資料として当然つけられなければならぬものは、現在の生産費もしくは現在の生産工程における諸掛費というものは、添付書類として当然付随すべき書類だとわれわれは了承しておるわけです。
従つてこれについては、通産当局としては、これがあつせんの立場から、もしくはこれが裏づけの立場から十分な御調査にな
つて、そうして生産者の方からこれこれの工場改良のためにこういう
資金がいりようだからあつせんしてくれという場合に、これに対しては通産省としても、書類の信憑性については十分調査されて、これが間違いがないか、この程度の返還はできる、できないということを調査すべきである。われわれほかの問題で
政府を通じて
開発銀行の
資金を借りることに努力したこともあります。ある場合には、これらに対して添付書類を開銀並びに
政府がどの程度のことを要求するかということをわれわれ経験しております。またそれに対して、それぞれの
関係当局がどの程度の調査をされるかということも経験しております。
従つてこの肥料に対しての
資金の点については十分
政府は了承しておられる。自分自身で調べたことはないとか、
政府の命令で調べたことはないとかいうことは、そういう法的根拠はないからございませんでしようが、それがあることは当然だと思う。
従つてもしこれに対する
政府の態度いかんによ
つては、
開発銀行にその書類はあるはずでありますから、
開発銀行から出せといえば出ます。しかしそれは
政府としては非常によろしくないのであ
つて、必要な書類を
政府に保管してあることは当然だと了承いたしますから、直接
政府に要求しておるのであ
つて、世上伝えておるところによりますと、生産費は七百円台のものが
相当あるのだということを、真偽は知りませんが
言つております。そういうことになりますと今までのわれわれの常識を逸脱するのであります。現在
農林大臣が心配して、そうして農民に肥料をあつせんして売らしておられるのは、御
承知の
通り九百円であります。そうしてみればあなたが
考えておられる生産者と全購連の中間に立
つて、安定帯価格というようなことでこの程度でよかろうと
言つておられる価格というものは、実際生産費と比べてみてどうであるかということをわれわれは知らなければならない。もし生産費がそれだけ安いにもかかわらず現在の相場で売
つておるということになれば、せつかく二百億の
融資までしてや
つても、そのときに業者がどういう態度をとるかということになると、その点についてもわれわれ十分
政府の態度について承
つておかなければなりませんし、いろいろな問題が出て来るのであります。現在のように生産費が海外に比べて非常に高いということで、この値で売らなければいけないのだというのと非常に食い違いが起
つて来るという点もありますので、この資料をちようだいいたしませんと、
法案に対するわれわれの
審議に重大な支障を来す。もしこの資料なくしてこの
法案について賛否を決するということになれば、われわれ怠慢のそしりを免れないと思います。でありますから、
農林大臣は、今までこの点についてお気づきがなかつたならば、とくと通産
大臣と御協議の上善処していただきたい、こう申し上げておきます。